投資で得た売却益や分配金には通常約20%の税金がかかりますが、 つみたてNISAなら非課税になります。ただし無制限に非課税になるわけではなく、 つみたてNISAの投資枠には上限が設定されています。詳しく見てみましょう。

つみたてNISAの投資上限額は「年間40万円」

つみたてNISAは年間40万円が非課税投資枠として定められていて、その金額以内で対象の投資信託を購入することができます。 最長20年まで継続できるので40万円×20年間=800万円がこの制度を利用できる上限額です。

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(画像=fuelle編集部作成)

通常のNISAは年間120万円で最長5年であることを考えると、つみたてNISAは長期間に渡って少しずつ積み立てていくのに向いている制度であることがわかります。

つみたてNISAの上限額まで使い切りたい時は?

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コースによっては投資枠を使い切れないので注意

つみたてNISAでは、一定の期間ごとに「あらかじめ設定した金額」をコツコツと投資していきます。年間40万円までというルールがあるので、たとえば以下のような積み立て方が考えられます。

毎月(月1回積み立てる)コース 40万円÷12ヶ月=3万3,333円/回
毎週(週1回積み立てる)コース 40万円÷52週=7,692円/回
毎日(営業日ごとに1回積み立てる)コース 40万円÷243日=1,646円/回

積み立てる頻度や日にちの選択肢は、金融機関ごとに異なります。選択する金融機関やコースによっては1,000円単位でしか積み立てられず、その場合は月3万3,000円×12ヵ月=39万6,000円です。

せっかくの非課税枠なので資金に余裕があればきっちり使い切りたいところですが、これでは 40万円の上限が使いきれず年間で4,000円分の枠が残ってしまいます。

上限いっぱいに投資する方法

つみたてNISAの非課税投資枠は、残った分を翌年以降に繰り越すことができません。 制度をフル活用するなら、できるだけ上限ギリギリを狙いたいですよね。

上限いっぱいに投資する方法は、以下の2つです。

① 1円単位の積立が可能な証券会社を選ぶ
積立額が「100円以上1円単位」のような設定ができる証券会社であれば、月3万3,333円×12ヵ月=39万9,996円まで投資できます。

これでも4円分の枠は無駄になってしまいますが、1,000円単位の証券会社で年間4,000円分の枠を使い切れない場合に比べれば、わずかなロスです。

② ボーナス月に増額設定をする
つみたてNISAは「毎月」「毎週」「毎日」など、一定期間ごとに一定金額を投資していくのが基本です。ただし、特定の月だけ多く積み立てるように設定することもできます。

例えば「月3万円ずつ積み立て×12ヵ月=36万円」の場合、ボーナスが支給される6月と12月だけ2万円を追加して5万円を積み立てると、40万円の枠をちょうど使い切れます。

SBI証券の「NISA枠ぎりぎり注文」のように、自動的に非課税枠をうまく使い切れるような注文方法を用意している金融機関もあります。

NISA口座を開設する金融機関は1人1社しか選べません。つみたてNISAを検討していてまだ金融機関を決めていない場合は、投資枠を使い切れるようなコースが用意されているか?という点も考慮して、自分にとって使いやすそうなところを見つけましょう。

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つみたてNISAの積立金額は変更可能

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つみたてNISAの積立金額は、一度決めたらずっとそのまま継続しなければならないというものではありません。 都度変更ができ、積立金額の増額ももちろん可能です。すでにつみたてNISAを始めている人でも、上限枠に近づけられるように積み立て金額の変更を検討してみてはいかがでしょう。

また積立の金額だけでなく「毎月積立」から「毎日積立」へ変えるなど、頻度の変更も可能です。さらにずっと一定金額ずつではなく、 楽天証券のように6月と12月など年2回に限って買付額を増額する「ボーナス月」を設定できる金融機関もあります。

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ただし上限の年間40万円を超えることはできないので注意しましょう。

つみたてNISAをフル活用するなら投資額は大きく

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資金に余裕があるなら、投資額はなるべく大きいほうが有利です。目標金額が同じ場合、元手が大きいほうが低い利回りでも到達しやすく、積極的にリスクを取らずに済むからです。

いくつもの銘柄への分散投資もしやすく、それぞれの制度の非課税枠を使い切ることで税制優遇を最大限に活用できます。

年間40万円の限度の中で、できるだけ大きな金額を投資することをおすすめします。

つみたてNISAでどのように増えるか予想

なぜ投資額が大きい方がいいのか、具体的な金額で説明しましょう。

以下は、毎月「3,000円ずつ」「1万円ずつ」「3万円ずつ」を年3%で運用しながら積み立てた場合の20年後の予想金額です。

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(画像=fuelle編集部作成)

・毎月3,000円ずつ……約98万円
・毎月1万円ずつ……約328万円
・毎月3万円ずつ……約985万円

出典:金融庁「資産運用シミュレーション」
※手数料や税金は考慮していません。

当然ながら、 投資額が大きいほうが20年後に手にする金額は大きくなります。

また運用利益も「3,000円ずつ」と「3万円ずつ」で、20年間で約240万円の差がつきます。

・毎月3,000円ずつ……約26万円
・毎月1万円ずつ……約88万円
・毎月3万円ずつ……約265万円

通常はこの利益に対して約20%の税金がかかりますが、 つみたてNISAなら非課税です。

つみたてNISAをフル活用するなら、金融機関選びや設定にこだわって、年間40万円の非課税枠を使い切りたいところです。

なお運用せずに(利回り年0%)で20年間ただ貯金していった場合は、それぞれ以下の金額になります。

・毎月3,000円ずつ……72万円
・毎月1万円ずつ……240万円
・毎月3万円ずつ……720万円

単純な貯金でも毎月貯める金額が大きいほうが20年後の金額は大きくなります。しかしつみたてNISAでうまく運用できれば、同じ金額を積み立てるにしても「手にする金額」はより大きくなることがわかるでしょう。

では自分はいくら投資すべき?

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投資額が大きいほうが有利とはいえ、 資金を積極的に投資に回すことで普段の生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。

非課税枠を使い切る投資(年間40万円)でも無理なく取り組めるのか、厳しいようならいくらまでなら出せるのか、考えてみましょう。

目標とする金額を設定して、それに到達するための積立額を考えてみるのもよいでしょう。例えば「20年後に1,000万円を用意したい」と思ったら、先ほどのグラフを見れば月3万円程度を年3%で運用すればおおむね達成できることがわかります。

金融庁の公式サイト内にある「資産運用シミュレーション」というコーナーでは、自分で数値を入力すれば、いくら積み立てれば目標に届くか、将来いくらになるかなどが簡単に試算できます。 会員登録は不要で無料で利用できるので、より自分に合った投資戦略を練るために活用してください。

出典:金融庁「資産運用シミュレーション」

つみたてNISAは長く続けるのが基本ですが、iDeCoと違っていつでもお金を引き出せますし、積立額の変更も何度でも気軽にできます。積立額を考えすぎて投資に踏み出せない人は、まずが少額から始めてみて、様子を見ながら積立額を修正していくとよいでしょう。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

つみたてNISAならではのメリット

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(画像=kt-studio/stock.adobe.com)

つみたてNISAをフル活用するためには、メリットを把握しておく必要があります。ここで つみたてNISAのメリットをおさらいしておきましょう。

金融庁が厳選した比較的失敗しにくい商品ラインナップ

つみたてNISAは、ほかの制度とは選べる銘柄が違います。つみたてNISAの場合「販売手数料ゼロ」「毎月分配型ではない」など金融庁が定めた条件をクリアした投資信託の中から投資先を選ぶことになります。

自動的に分散投資できて、相場を気にせずに済む

つみたてNISAは一度設定しておけば一定の期間ごとに一定の金額ずつ投入していくしくみが作れるので、 忙しい方や日々相場を気にする余裕がない方でも取り組みやすいでしょう。

手軽ですが、実は時間の分散投資をしながら安いときに多く買って高いときは少なく買うということを自動的に行っているので、失敗しにくい投資法を実践していることになります。

都度相場を気にして売買のタイミングを見計らわなくても、投資信託の中身は金融のプロが考えて運用してくれるものです。初心者には心強いのではないでしょうか。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

いつでもお金を引き出せる

iDeCoは60歳以降まで引き出せませんが、つみたてNISAにはそのようなルールはありません。もし お金が必要な状況に追い込まれたら払い出すこともできますし、投資する余裕がなくなってしまったら積立金額を抑えることもできます。

老後の資金準備に使うこともできますし、生まれた子どもの将来の学費に充てることもできます。将来の不確定要素が多くて不安な方でも取り組みやすいでしょう。

長期保有する人に向いている

つみたてNISAは最長20年続けることができます。一般的に、投資は長い時間をかければかけるほど複利効果でお金が増えやすくなります。 時間を味方につけられるなら、たとえ元手資金が少なくてもカバーできます。

以上のメリットから、つみたてNISAは特に投資初心者にぴったりの制度と言えます。ただし失敗しにくいとはいえ、投資である以上は元本割れ(投資した金額>手に入った金額)になる可能性もゼロではありません。リスクもきちんと把握したうえで活用しましょう。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

出典:金融庁「あなたとNISA つみたてNISA」

一般NISA、iDeCoなど他の優遇措置も検討してみよう

国は資産運用を促進するために、つみたてNISA以外にも一般NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などの制度を用意して税金の優遇措置を行っています。

つみたてNISAはiDeCoと同時に取り組むことができますが、一般NISAとは併用できません。それぞれの制度の特徴を抑えて、自分に合った方法チョイスするようにしましょう。

じっくり無理のない範囲でやってみよう

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(画像=BRAD/stock.adobe.com)

つみたてNISAをフル活用したいなら年間40万円の上限額を積み立てていくのがベストです。しかしだからといって無理をしてまで最初から上限いっぱいを目指す必要はありません。

少額でもいいので長期に渡って継続することが大切です。家計の状況を見ながら、負担になりすぎない程度を計算して運用するようにしましょう。将来のために、今からコツコツ学んで実践して積み重ねていきたいですね。

つみたてNISAの上限額はいくら? Q&Aでチェック!

Q

A
つみたてNISAの上限額はいくらなの?
つみたてNISAは「年間40万円」が非課税投資枠として定められています。最長20年まで継続できるので、40万円×20年間=800万円が上限額です。

Q

A
毎月いくら積み立てるのがいい?
制度をフル活用するなら、できるだけ上限ギリギリを狙いたいところ。例えば月1回の積み立てなら毎月3万3,333円を積み立てるといいでしょう。

Q

A
積み立て金額は途中で変更できる?
はい、変更できます。一度決めたらずっとそのまま継続しなければならない、というものではありません。増額ももちろん可能ですが、上限の年間40万円を超えることはできません。

Q

A
途中でお金を引き出せる?
はい、引き出せます。もしお金が必要な状況に追い込まれたら払い出すこともできますし、投資する余裕がなくなってしまったら積立金額を抑えることもできます。

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馬場愛梨
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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