新NISAでどう変わる?現行NISAとの変更点は?
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<後編>

2024年1月から新NISAがスタートしました。これを機会にNISAで投資を始めたいという人も多いでしょう。

そこで本稿では、前編と後編の2回にわたって、これからNISAを始める人たちに向けてカリスマエグゼクティブプランナーである伊藤理沙さんに新NISAの資産運用ポイントについて語っていただきました。

Profile:伊藤理沙(いとうりさ)
株式会社ZUU Wealth Management エグゼクティブプランナー。新卒で大手国内生命保険会社に入社。2010年保険営業優秀成績者に送られるMDRTを5年連続で受賞。2016年保険総合代理店に転職。資産形成セミナー講師では累計2,500人以上が受講した。2020年~2022年連続で保険業界の最高峰と言われるTOTに選出。現在、ファイナンシャルプランナーとして、マネーセミナー講師を中心に全国で活動している。
お問合せ先 >> pr@zuuonline.com

新NISAを始めるならネット証券がおすすめです

――2024年1月から新NISAが始ました。NISAを運用するためには口座開設が必要ですが、いつ、どんな金融機関で口座を開設したほうがいいでしょうか?

 口座は今すぐ開設したほうがいいと思います。なぜなら、早めに開設しておけば、長い期間運営できるからです。

 金融機関を選ぶポイントとしては、各金融機関のNISA対象商品のラインナップをチェックしてみるといいでしょう。おすすめはネット証券です。対象商品の種類が多いので、自分がしたい投資スタイルに合った商品が選べます。インターネットを通じて証券取引サービスを提供しているので、わざわざ窓口を訪れなくても気軽にNISAを始められます。

ネット証券にも数多くの会社がありますが、SBI証券、楽天証券、auカブコム証券がおすすめです。

 基本的にはどこも大きな差はありません。ただ、ユーザー数が多い会社のほうがホームページに工夫があり、初めての人にも見やすくなっているように思います。

 例えば、楽天証券のホームページなどはPCが苦手な人でもわかりやすくなっています。ネット証券の場合、自分で確かめながら手続きを進めていかなければなりませんから、ホームページのわかりやすさは大切です。

――では、初心者におすすめの金融商品があれば教えてください。

 初めての人におすすめの金融商品は、長期積立や分散投資に適した投資信託です。投資信託の商品は数多くありますが、市場全体の動きを表す株価指数(インデックス)に連動するように作られたインデックスファンドがおすすめです。

 代表的なインデックスファンドにはアメリカの代表的な株価指数「S&P500」に連動したものや、世界の先進国や新興国の株で構成された全世界株型などがあります。

 種類が多くて何を選んだらいいかわからないという人は、楽天証券やSBI証券など大手ネット証券会社の人気ランキングを見て、1位や2位にランクインしているインデックス投資信託を選んでもいいかもしれません。1位2位にランキングしている商品はそれ相応の働きをしてくれます。

NISAのつみたて投資枠対象の商品は金融庁の定めた厳格な基準をクリアしているものばかりですから、初心者でも選びやすいでしょう。

>>証券会社を選ぶための「必須基準3つ」の詳細はこちら

必須基準を満たした「おすすめのネット証券3選」
SBI証券 楽天証券 auカブコム証券
つみたてNISA
取扱銘柄数
195銘柄 192銘柄 190銘柄
最低積立金額 100円 100円 100円
積立頻度の種類 毎日/毎週/毎月 毎日/毎月 毎月
ポイント Tポイント/
Vポイント/
Pontaポイント/
dポイント/
e JALポイント
楽天ポイント Pontaポイント
クレジットカード決済
ポイント還元率
三井住友カード
0.5%
(※1)
楽天カード
1%または2%
(※2)
au PAY カード
1%
公式サイト 公式サイト 公式サイト 公式サイト
出典:SBI証券楽天証券auカブコム証券 *2023年6月9日時点
※1:三井住友カードの一般カード。一部のカードは1%または2%
※2:100円につき1ポイントまたは500円につき1ポイント

毎月積み立てるなら金額はいくらがベスト?

――NISAは長期積立が基本と言われていますが、新NISAの成長投資枠では一括購入もできます。初心者には定期積立と一括購入、どちらがおすすめでしょうか。

 定期的に定額を積み立てる積立投資をおすすめします。これはドル・コスト平均法という手法のメリットを享受するためです。ドル・コスト平均法とは、価格が変動する金融商品を定期的に定額で積み立てる手法で、安いときには多く買い、高いときには少なく買うことで購入価格が平均化され、リスクが低減されます。

 一方、一括購入の場合は、価格の上がり下がりを予測し、購入のタイミングを初心者が判断するのは難しいので、一括購入よりも積立投資で資産形成していくことをおすすめします。

――積立の金額はどのくらいがベストだと思われますか

 適正な積立金額は収入や生活スタイルなどによりますが、たとえば収入から一定額を毎月積み立てる場合、月30万円の収入があるなら、毎月3万円ぐらいから始めてみてはいかがでしょうか。

 もちろん月収15万円や20万円の場合は積立額を少なめに設定したほうがいいと思いますが、いずれにしても少額でいいのでまずはNISAを始めて、自分の収入やライフスタイルの変化に応じて積立金額を増やしていってもいいでしょう。

 すでに預貯金がある人なら、その預貯金のうちのいくらかをNISAの投資に回していくのが一番始めやすいでしょう。ある程度まとまった金額の預貯金を持っているのに、「投資は怖いから」と普通預金などに入れっぱなしにしているのであれば、分割してNISAに回すことをおすすめします。

 また、会社に財形貯蓄の制度があり、毎月1万円ずつ貯金している人がいるかもしれません。家族と同居している独身者の中には、家に3万円を入れているという人もいらっしゃるでしょう。そのお金をどのポケットに入れるのかを考えることが大切なんです。

ほとんど増えないところにお金を入れるのであれば、NISAを始めて少しでも増やすことをおすすめします。
どこで口座開設すればいい?
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40代や50代でもNISAを始めるのは遅くない!

――40代や50代から新NISAを始めるのは遅いでしょうか?

 人生100年時代と言われています。2022年の住民基本台帳に基づく調査では、100歳以上の高齢者は9万526人になり、2050年頃にはその数は50万人を越えるとも言われています。人生100年と考えれば、40代や50代、60代はまだまだ若く、NISAを始めるにも遅くはありません。

 40代や50代であれば、20代や30代よりも家計に余裕があり、預貯金を持っている人は多いでしょう。そのお金のうちいくらかをNISAに回すことをおすすめします。

 50歳であれば、後期高齢者になる75歳まで運用すると25年間積立投資することになります。介護にはお金が必要と言われますが、そのときに強い味方となる資産作りのためにNISAを最大限活用するのがいいと思います。

――新NISAのスタートに合わせて、NISAを始めたいと考えている人も多いと思いますが、始めるとしたら、2024年1月の新NISA開始まで待った方がいいですか? それとも現行NISAをすぐに始めたほうがいいでしょうか。

 1月のスタートを待たずに現行NISAを始めることをおすすめします。理由は2つあります。1つはNISA口座開設には少し時間がかかりますから、先に口座を作ってしまうほうがいち早く始められるからです。現行のNISAの口座があれば、新NISAの口座は自動的に開設されます。

 もう1つは、やはり普通預金に置いておくより、わずかでも増やすことができるからです。毎月積み立てていくことが大事なので、いずれ始めるのであれば、早めに始めたほうがいいでしょう。

節約した分のお金をNISAへ

――今まで投資どころか貯金もあまりしたことがないという人もたくさんいると思います。そういう人に対して資産づくりのアドバイスはありますでしょうか。

 NISAはこれから資産を作っていきたいという人にこそ向いている制度です。けれども、毎月の収入では貯金ができない、資産と呼べるものがないという人は多いと思います。

 そこでまずは、毎月投資に回せる1万円を作ることから始めてみてはいかがでしょうか。毎月、支出の内訳を明確にして使途がわからないようなお金があればそれは投資に回せるかもしれません。

 また携帯キャリアを格安スマホに変更するなどして節約すればいくらかお金が残ります。そうしたお金をNISAで資産形成していけばいいと思います。

 NISAは少額でも始められるのが利点の一つです。まずは数千円でも1万円でもいいから始めてみましょう。生活をトータルで見直して、貯める習慣をつけることが資産作りの第1歩になります。

 教育資金や親の介護費用、自分の老後資金など、ライフステージの中には、まとまったお金が必要となるときがあるでしょう。そんなときに頼りになるのがNISAによる資産作りです。2024年1月から始まる新NISAはあなたの強い味方になるはずです。

<参考文献>
金融庁、NISA特設サイト
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/index.html
厚生労働省「Press Release」
https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/000990671.pdf
経済産業省「2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について」
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/001_04_00.pdf
三井住友銀行「ドル・コスト平均法とは?」
https://www.smbc.co.jp/kojin/toushin/gimon/start11/