ただ、私の家にはそのとき引き取った猫と元々飼っていた猫で合計2頭。エイタツさんも3頭の猫を飼っていたので“猫5頭でルームシェアできる賃貸物件はさすがにない”と思っていたんです。
でも、ある日の作業会で私は仕事に飽きてしまい、サボる口実として「一緒に住める家を不動産屋で探してみよう」と提案したんです。
◆震災やコロナ禍がルームシェアのきっかけに
――物件探しのきっかけがサボり目的だったとは!
四ツ原:絶対にないと思っていたのですが、猫5頭と一緒にルームシェアができる物件が見つかりまして(笑)。築古のマンションでしたが、最寄り駅まで徒歩12分。コンビニやスーパーも近くにある良物件だったので即決しました。
物件が見つかった以外に、東日本大震災やコロナ禍を経験して、有事に誰かと一緒にいられる安心感を得たかったのもルームシェアに踏み切った理由のひとつですね。

四ツ原:まず、オリジナル作品を販売する同人誌即売会『コミティア』に出す本の企画として考えたのがこのテーマでした。そのとき、自分が提供できる話のなかで、もっともキャッチーで興味をもたれやすいのが友だちとのルームシェアだと思ったんです。
◆信頼できる人がそばにいるのは大きな安心感
四ツ原:私自身、エイタツさんと暮らす前から「友人同士のルームシェア」に関する情報をネットで探してみたり、漫画家さん同士のルームシェアエッセイ漫画を読んだりしていて、興味があったので。実際にルームシェアをはじめてから、生活について質問を受けるようになり、需要を体感したのも大きいですね。
――たしかに「おばあちゃんになっても独身だったら、一緒に住もうね」という会話を友だちと交わした記憶があります。作品発表後の反響はいかがでしたか?