法学者であり、コメンテーターとしても活躍中の山口真由さん(41歳)。東大首席卒業→財務省官僚→弁護士→ハーバード大学留学という輝かしい経歴を持ちながらも、「自分を天才とは思わない」といいます。

今回は、この10年での山口さんのライフスタイルや心境の変化、そして働く女性への貴重なアドバイスを聞きました。
◆仕事と結婚、王道エリート人生からの挫折……

山口真由(以下、山口):以前は「業界でバリバリ活躍しているキャリアウーマン」「30歳までに結婚しなければ」「30代前半には結婚して子どももいる」という漠然とした将来のビジョンがあり、それ以外の人生については考えたこともありませんでした。
10年前、私は弁護士事務所に勤めていて、いわゆる王道のエリート人生を歩むつもりでいましたが、うまくいかずに初めて挫折を経験しました。そのとき、エリート人生から撤退しようと2つの方法を思いついたんです。それは、留学と結婚です。
つまり「日本で大きな期待を背負いつつ、留学で広い世界に飛び出して価値観が大きく変わりました。帰国後は結婚して、家庭を優先します」といったパターンです。しかし、そんな期待もむなしく、留学中にパートナーから婚約破棄されてしまいました。
ただ、留学前に本を発売したことでメディアへの出演が増え、その後も継続的に著書を出版することができました。
帰国後は大学で教えたり、コメンテーターの仕事をしたりと、私の人生は大きく変わりましたね。酸いも甘いも経験したことで「人は何をしても生きていけるんだな」と気づきました。