80代の叔父が亡くなり「遺族年金」を受け取る叔母。母は父の死後も「支給なし」なのですが、なぜ受け取れないのでしょうか?「受け取れる人・受け取れない人」の違いとは
遺族年金とは一家の働き手や年金を受給していた人が亡くなったときにその遺族が受け取れる年金です。しかし遺族年金にも受給要件があり、亡くなった人やその遺族が要件を満たさなければ遺族年金を受け取ることはできません。   そして遺族年金を受け取る権利を有していても、実際には遺族年金を受け取れない人もいるのを知っているでしょうか? 本記事では遺族年金の概要や金額、遺族年金を受け取れる人と受け取れない人の違いについて紹介・解説します。

▼年金「月15万円」を受け取っていた夫が死亡。妻は「遺族年金」をいくら受け取れる?

遺族年金を受け取れる遺族とは?

遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。
 
遺族基礎年金は亡くなった人に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」が受け取ることができます。子とは18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人をさします。
 
遺族厚生年金は以上に加えて、子のない配偶者、父母、孫、祖父母も受け取ることができます。
 
一般的に80代の高年齢の夫婦に要件を満たす子がいることは少なく、高年齢の夫婦の片方が亡くなった場合、遺族基礎年金は発生せず、要件を満たせば遺族厚生年金のみ発生するケースが多いです。
 

遺族厚生年金の金額とは?

遺族厚生年金の金額は以下のどちらか多いほうの金額となります。
 

・亡くなった人の厚生年金の報酬比例部分の4分の3
・亡くなった人の厚生年金の報酬比例部分の2分の1と自身が受給する老齢厚生年金の2分の1の合計額(65歳以降の人のみ)

 
例えば、毎月16万円の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受け取っていた人が亡くなった場合、遺族の人が国民年金のみの場合は遺族厚生年金の金額は16万円の4分の3である12万円となります。
 
また遺族厚生年金を受け取る遺族の人が月10万円の老齢厚生年金を受給していた場合、亡くなった人の厚生年金の報酬比例部分の2分の1(16万円×1/2=8万円)と自身の老齢厚生年金の2分の1(10万円×1/2=5万円)の合計額である13万円のほうが12万円よりも多いので、13万円が遺族厚生年金の金額となります。
 
さらに要件を満たせば、中高齢の寡婦加算や経過的寡婦加算も支給されます。ただし、発生した遺族厚生年金は全額受け取れるわけではありません。
 

遺族厚生年金が発生してももらえない・少なくなるケースとは?