
つみたてNISAが始まってから、2022年で丸4年が経ちました。口座数は2021年6月末で417万5,430口座、累計の買付金額は1兆円を超えています。まだつみたてNISAを始めていなくても、「気にはなっている」という人は多いのではないでしょうか。
せっかくつみたてNISAを始めるなら、できるだけ有利なタイミングで始めたいですよね。そこで本記事では、つみたてNISAを始めるおすすめのタイミングについて解説します。
- つみたてNISAを始めるタイミングは「できるだけ早く」がベスト、つまり2022年がいい
- つみたてNISAはいつ始めても利益を得やすい
- 早く始めると、その分「複利効果」で利益が大きくなる
- 1月に始めると40万円の利用枠を使い切りやすい
- 年の途中から始めても「ボーナス設定」などで利用枠を使い切れる
- おすすめは楽天証券。①100円から積立可能②積立コースは毎月/毎日③楽天カード決済で楽天ポイント1%還元など、メリットが多い。
2022年4月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
会社名 | ![]() |
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取扱銘柄数 | 181本 | 179本 | 152本 | 164本 | 173本 |
売買手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 |
ポイント還元 | 楽天ポイント | Tポイント | マネックスポイント | Pontaポイント | 松井証券ポイント |
クレジット カード決済 ポイント還元率 |
1%(※1) | 0.5%(※2) | 1.1% | 1%(※3) | 非対応 |
積立コース | 毎月 毎日 |
毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 |
ココがおすすめ | 楽天カード決済なら1%ポイント還元(※1) | 三井住友カード決済なら0.5%~2%ポイント還元 | マネックスポイント が貯まる |
現物株式の取引手数料が 最大5%割引 |
サポートが手厚い |
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※2.三井住友カードの一般カード。一部のカードは1%または2%
※3.2022年3月28日より。対象au回線契約者は最大5%
つみたてNISA(積立NISA)は2022年に始めるべき!タイミングは少しでも早いほうがいい

結論から言えば、つみたてNISAはできるだけ早いタイミングで始めたほうが有利です。思い立ったらすぐに、2022年に始めることをおすすめします。
なぜそういえるのか、つみたてNISAを早く始めるメリットについて解説します。またメリットだけでなく、つみたてNISAを早く始めるデメリットについても確認しておきましょう。
2022年に始めれば21年間投資が可能
つみたてNISAは、いつまでも利用できるわけではありません。つみたてNISAは2042年までの優遇制度で、いつ始めても2042年で終了します。制度を最大限に利用するためには、できるだけ早く始めなければなりません。つまり、 2022年に始めるのがベストなのです。
例えば2022年に始めれば2042年まで21年間積み立てられますが、2023年だと20年間、2024年だと19年間……と年々減っていきます。
早く始めるほど、投資できる金額が大きくなるというメリットがあります。つみたてNISAでは最大で年に40万円まで投資でき、仮に2022年に始めれば最大840万円(40万円×21年)を投資できます。
つみたてNISAを始めるタイミングが1年遅れるごとに、最大投資額が40万円ずつ減っていきます。制度の最終年である2042年に始めた人は、40万円しか投資できません。
開始時期 | 投資できる年数 | 最大投資額 |
---|---|---|
2022年 | 21年 | 840万円 |
2023年 | 20年 | 800万円 |
2024年 | 19年 | 760万円 |
2025年 | 18年 | 720万円 |

つみたてNISAは、非課税で資産を運用できるチャンスです。できるだけ早く始めて、制度をフル活用しましょう。
投資タイミングを読むのは難しいので、思い立ったら始めるべき
他にも、今すぐにつみたてNISAを始めるべき理由はあります。
理想的な投資タイミングは「値段が安い時」ですね。しかし、その時の値段が安いかどうかは後にならないとわかりません。安いと思って買ったものの、そこからさらに値下がりしたというケースも少なくありません。本当にベストな投資タイミングを選ぶことは、実は難しいのです。
だからこそ、思い立ったらつみたてNISAを始めるべきだといえます。値下がりが心配かもしれませんが、つみたてNISAは「資金を一括で投資せず、複数回に分けて同じ金額で買い続ける方法」なので、 いつ始めても利益を出すチャンスが十分あるからです。
平均取得単価を引き下げるドルコスト平均法
この、複数回に分けて同じ金額で買い続ける方法を「ドルコスト平均法」と呼びます。高値でも安値でも買い続けるため、平均取得単価を引き下げる(利益が出やすくなる)効果が期待できます。
このような投資方法は「時間の分散」という言葉で表されることもあります。
「時間(時期)の分散」の手法を採用すると、経済の動向等によって、高い価格で投資を行う時期と低い価格で投資を行う時期が生じることになりますが、長い目で見ると、一回あたりの投資価格は平準化されていきますので、短期的な急な値下がりなどが生じても、それによって生じる損失の程度を軽減することが可能になります。
出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト 投資の基本
ドルコスト平均法はどのくらい効果がある?シミュレーションで確認
以下は、投資直後に値段が急落したケースです。当初2万円の値段が1万円、5,000円と推移し、最終的に当初の半値である1万円で終了しています。
最初に一括投資していれば50%のマイナスですが、ドルコスト平均法なら12.5%のプラスを残せました。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | |
---|---|---|---|---|
値段 | 2万円 | 1万円 | 5,000円 | 1万円 |
購入口数 | 5口 | 10口 | 20口 | 10口 |
購入口数の累計(イ) | 5口 | 15口 | 35口 | 45口 |
累計投資額(ロ) | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 40万円 |
平均取得単価(ロ÷イ) | 2万円 | 1万3,333円 | 8,571円 | 8,889円 |
損益 | 0 | ▲5万円 | ▲12万5,000円 | +5万円 |
このように、ドルコスト平均法なら値下がりしても利益を得やすくなります。

ドルコスト平均法では「高値では少なく、安値では多く買う」という調整が自動的に行われます。シミュレーションでは値段が2万円の時は5口、1万円の時は10口、5,000円では20口購入していますね。これは、購入口数が「積立金額÷時価」で決まるためです。
このメリットは、平均取得単価が下がりやすい点にあります。シミュレーションでは2万円→1万円→5,000円→1万円と推移しており、平均は1万1,250円です。しかし、平均取得単価は8,889円と大きく下回っています。
これは、購入口数の自動調整が効いたためです。仮に毎回同じ口数を購入していたら、平均取得単価は1万1,250円になります。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
つみたてNISA(積立NISA)をすぐに始めるメリットは他にもある
つみたてNISAを早く始めるメリットは他にもあります。
- 複利効果の恩恵を受けられる
- 「時間の分散」効果でリスクを分散できる
複利効果の恩恵を受けられる
すぐに始めて少しでも運用期間を長くすれば、その分複利効果の恩恵を十分に受けられるでしょう。
例えば利回り5%の商品に100万円投資すれば利益は5万円ですが、この5万円を再投資して計105万円を運用すれば、5万2,500円(105万円×5%)の利益を得られます。利益が2,500円増えました。
このように複利には利益を大きくする効果があり、これを「複利効果」と呼びます。複利効果は運用期間が長くなるほど大きくなるため、できるだけ早く始めることが大切です。
運用額 | 利益 | |
---|---|---|
1年目 | 100万円 | 5万円 |
2年目 | 105万円 | 5万2,500円 |
3年目 | 110万2,500円 | 5万5,125円 |
4年目 | 115万7,625円 | 5万7,881円 |
5年目 | 121万5,506円 | 6万775円 |
複利効果は、少しずつ投資する積立投資でも働きます。参考に、利回り5%の商品に年間40万円ずつ積み立てるケースを以下にまとめました。ポイントは「1年あたりの利益」です。複利効果によって、利益が年々大きくなっていることがわかります。
評価額 | 元本 | 累計利益 | 1年あたりの利益 | |
---|---|---|---|---|
5年目 | 221.0万円 | 200万円 | 21.0万円 | 4.2万円 |
10年目 | 503.1万円 | 400万円 | 103.1万円 | 10.3万円 |
15年目 | 863.1万円 | 600万円 | 263.1万円 | 17.5万円 |
20年目 | 1,282.6万円 | 800万円 | 482.6万円 | 24.1万円 |

つみたてNISAでも複利効果は十分期待できるので、思い立ったらすぐに始めましょう。
「時間の分散」効果でリスクを分散できる
時間の分散は、投資タイミングを分散するほど効果が大きくなります。投資タイミングを10年間で分けるよりも、20年間で分けたほうが効果的です。つまり、少しでも早く始めて運用期間を長くすべきなのです。
過去の日経平均でシミュレーションしてみましょう。2002年に積立を始めた場合、10年目(2011年)ではおよそ23%のマイナスです。しかし積立を続けると、20年目(2021年)では積立総額の2倍以上に増やすことができました。積立を長く行うことで、時間の分散がより効果的に働いたケースといえるでしょう。

ただし前述のとおり、つみたてNISAはいつ始めても2042年までしか積み立てられません。2022年に始めれば投資タイミングを21年間にわたって分散できますが、始めるタイミングが遅くなるほど時間の分散ができなくなってしまいます。

つみたてNISAを早く始めれば、それだけ積立期間を長く取れるため、時間の分散の効果をより多く享受できます。これが、つみたてNISAを早く始めるメリットといえるでしょう。
つみたてNISA(積立NISA)をすぐに始めるデメリット
「できるだけ早く始めなければ」と意識するあまり、十分に検討できない可能性があることはデメリットといえます。
つみたてNISAの投資対象に、元本保証の商品はありません。いずれの銘柄にもリスクがあるため、投資判断は慎重に行うべきです。
また、口座を開設する証券会社もそれぞれ特徴が異なります。本来は、自分が納得できる銘柄や証券会社が見つかるまで時間をかけるのが理想です。
しかし悩んでいる間も時間は過ぎていくため、つみたてNISAを利用できる期間は短くなっていきます。結果的に十分検討しないまま始めてしまい、思わぬリスクに直面したり、自分に合わない証券会社を選んだりすることもあるでしょう。
このデメリットは、十分な知識を得ることで避けられます。つみたてNISAはできるだけ早く始めるのがおすすめですが、積み立てを開始する前に知識をしっかり身に付けましょう。本記事の後半では、銘柄や証券会社の選び方についても言及しているため、そちらも参考にしてください。
1年のうち、つみたてNISA(積立NISA)を始めるなら1月がベストタイミング
前述のとおり、つみたてNISAはできるだけ早く始めるのがおすすめですが、「始める月」によって何か違いはあるのでしょうか?
強いていえば、1月がベストタイミングといえるでしょう。主な理由は以下の2つです。
- 1月から始めると積立金額がわかりやすい
- 年の途中から始めると非課税枠を使い切れないケースがある
1月から始めると積立金額がわかりやすい
つみたてNISAでは、年間40万円が投資の上限です。そのため多くの証券会社では、積立金額の上限を月3万3,333円(40万円÷12カ月)に設定しています。1月から始められれば、この上限額を設定するだけでつみたてNISAの利用枠をフル活用できます。
しかし2月以降につみたてNISAを始めると、上限である3万3,333円を毎月積み立てても40万円の利用枠を使い切れません。例えば6月から始めると約23万3,000円(3万3,333円×7ヵ月)を積み立てられますが、枠がおよそ16万7,000円残ってしまいます。
残りの利用枠を使い切るためには、「ボーナス設定」など追加の設定が必要です。1月から始めれば基本の設定だけで40万円の利用枠を使い切れるため、わかりやすいでしょう。
年の途中から始めると非課税枠を使い切れないケースがある
前述のとおり2月以降につみたてNISAを始めた場合は、40万円の枠を使い切るためには「ボーナス設定」のように積立金額を増額する設定が必要です。しかし、証券会社によっては増額の設定がありません。その場合は枠を使い切れません。
増額の設定がない証券会社の場合は、1月に始めるのがいいでしょう。

つみたてNISAでは、未使用分の枠が出ても翌年以降に繰り越されません。非課税枠をフル活用したいなら、40万円の利用枠を毎年使い切りましょう。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
非課税枠を使い切るための設定
非課税枠を使い切るために有効なのが「ボーナス設定」です。年にふた月までボーナス月を指定でき、他の月よりも大きな金額を積み立てられます。
例えば6月からつみたてNISAを始めた場合、そのままでは40万円の利用枠を使い切れません。前述のとおり毎月3万3,333円を6~12月に積み立てても、枠が約16万7,000円残ってしまいます。
そこでボーナス設定を活用しましょう。毎月3万円を積み立てながら6月と12月に別途9万5,000円ずつ増額するように設定すると、40万円の枠を使い切ることができます。
【6月からつみたてNISAの枠を使い切るボーナス設定の例】
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
毎月積立 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 21万円 |
ボーナス設定 | 9万5,000円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 9万5,000円 | 19万円 |
合計 | 12万5,000円 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 12万5,000円 | 40万円 |
増額設定できる証券会社
ボーナス設定を利用できる証券会社は楽天証券やSBI証券、マネックス証券、auカブコム証券などがあります。
上記の4社のうち、auカブコム証券以外はボーナス設定以外にもつみたてNISAの利用枠を使い切れるような設定が可能です。
年の途中からつみたてNISAを始める場合は、これらの証券会社を検討してください。
ボーナス設定 | その他の設定 | ||
---|---|---|---|
![]() |
〇 | 増額設定 | 設定した年に限り上限を超えて 積立金額を増額できる (増額設定は翌年には引き継がれない) |
![]() |
〇 | NISA枠ぎりぎり注文 | 枠が積立金額を下回る場合、利用枠に 収まるよう積立金額を自動的に引き下げる |
![]() |
〇 | NISA非課税 投資枠使い切り設定 |
枠が積立金額を下回る場合、枠に収まるよう 積立金額を自動的に引き下げる |
![]() |
〇 | ─ | ─ |
12月から始めると翌年扱いになるケースがある
12月から始めた場合、積立が年内に間に合わず翌年扱いになってしまうケースがあるため注意が必要です。
つみたてNISAのような積立投資は、一般的に以下の3ステップを踏みます。
1.積立の設定
2.積立額の決済(銀行引き落としなど)
3.積立の実行
設定から実行にはタイムラグがあり、証券会社や積立方法によっては1ヵ月近くかかることもあります。
この場合は12月につみたてNISAを設定しても年内に積立が実行されず、翌年分のつみたてNISA枠で積み立てられます。したがって積立が年内に間に合わないため、枠を使い切ることができません。
証券口座から直接引き落とす方法なら、比較的早く積み立てられます。例えば楽天証券の場合、証券口座からの引き落としなら最短で設定の翌営業日に積立を実行できます。ただし、前営業日までに入金を済ませておかなければなりません。
12月につみたてNISAを始める場合は、積立のスケジュールをしっかり確認しておきましょう。
申し込み日には気をつけて
これからつみたてNISAを始める場合は、証券会社でつみたてNISA専用の口座を開設しなければなりません。証券会社の総合口座を持っていない場合は、総合口座も必要です。口座開設には一定の時間がかかるため、注意しましょう。
証券会社の口座は、申し込んでもすぐには開設できません。一定の時間がかかり、証券会社や申込方法によっては数週間かかってしまうケースもあります。申込日によっては、例えば「7月から積立をスタートするつもりだったが、8月からになってしまった」など、想定と異なる結果になりかねません。
申し込みは、余裕をもって行いましょう。
株価が下落していてもつみたてNISA(積立NISA)はすぐに始めるべき

株式市場は常に変動しており、時には大きく下落します。そのような時に投資を始めるのは、勇気がいるでしょう。相場が落ち着くまで待つべきどうかか、多くの人が悩むと思います。つみたてNISAは、株価の下落局面でもすぐに始めるべきなのでしょうか。
結論をお伝えすると、株価が下落していても始めるべきだといえます。「株価の下落はつみたてNISAをやめる理由にならない」といったほうが正確かもしれません。なぜなら積立投資の場合は、株価が下落しているほうが利益を得やすいからです。
冒頭で解説したドルコスト平均法を思い出してください。ドルコスト平均法には、平均取得単価を下げることで利益を得やすくなるという特徴がありました。これは、値段が安い時でも投資を続けるために起こります。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | |
---|---|---|---|---|
値段 | 2万円 | 1万円 | 5,000円 | 1万円 |
購入口数 | 5口 | 10口 | 20口 | 10口 |
購入口数の累計(イ) | 5口 | 15口 | 35口 | 45口 |
累計投資額(ロ) | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 40万円 |
平均取得単価(ロ÷イ) | 2万円 | 1万3,333円 | 8,571円 | 8,889円 |
損益 | 0 | ▲5万円 | ▲12万5,000円 | +5万円 |
このように、ドルコスト平均法なら株価の下落局面を迎えると平均取得単価が下がり、次の株価上昇時に利益を得やすくなります。
損失は怖いかもしれませんが、株価が下落していてもつみたてNISAを始めることをおすすめします。
シミュレーションで検証
株価の下落局面で積立投資が有効だったケースとして、「リーマンショック」と「コロナショック」を例に挙げて検証してみましょう。
リーマンショックではどうだった?
2008年9月、アメリカの大手金融機関リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに株価が急落しました。前月末時点で日経平均株価は1万3,072.87円でしたが、2009年2月末には7,568.42円まで下落しました。
月の終値ベースで日経平均株価が戻ったのは、2013年4月(1万3,860.86円)です。もしもリーマンショック直前の2008年8月に一括投資していたら、4年8ヵ月もの間マイナスだったことになります。
一方、同じタイミングで月に1回の積立投資を始めていた場合は、2009年5月にはプラスに転じ、リーマンショックから1年足らずで利益を得られました。安値でも買い続けたので時間の分散が働き、平均取得単価が下がったことが原因です。

\コロナ禍の今もチャンス/
コロナショックではどうだった?
次に、コロナショックを例に挙げて考えてみましょう。2020年1月、WHO(世界保健機関)は中国湖北省武漢で原因不明の肺炎が発生したと発表しました。今日まで続く新型コロナウイルスの発生です。世界景気の低迷などが意識され、株価が大幅に下落する要因となりました。
2020年1月末に2万3,205.18円だった日経平均株価は、同年3月末には1万8,917.01円まで下落しました。もしもこのタイミングで一括投資していたら、2020年11月末までマイナスでした。しかし積立投資では、2020年5月にはプラスに転じました。こちらも時間の分散が効果を表したケースといえるでしょう。

これらの結果からわかるように、株価が下落していてもつみたてNISAを始めるべきなのです。
つみたてNISA(積立NISA)を始める4ステップ
さっそくつみたてNISAを始めてみましょう。手順は、大まかに以下の4つのステップがあります。

まず、口座を開設する証券会社を選びます。証券会社ごとにサービス内容が異なるため、事前にしっかりチェックしましょう。証券会社を選んだら、口座開設を申し込みます。
つみたてNISA口座が用意できたら、積み立てる銘柄を選びましょう。銘柄は1つに絞る必要はなく、複数の銘柄に積み立てても構いません。銘柄を決めたら積立額を設定し、つみたてNISAをスタートしましょう。
次章から、それぞれについてさらに詳しく解説します。
1. 証券会社を選ぶ

最初のステップである、証券会社選びについて確認しましょう。
つみたてNISAを取り扱う金融機関は、全国に597社もあります(2022年4月時点)。やみくもに選んでも自分に合う金融機関には出会えません。つみたてNISAを取り扱う金融機関は銀行などもありますが、銘柄数やサービスの面から証券会社をおすすめします。
そこでここでは証券会社の選び方について紹介します。しっかり確認しましょう。
つみたてNISA(積立NISA)の証券会社の選び方
口座開設を申し込む証券会社は、以下の5つの項目をチェックして決めましょう。それぞれ詳しく解説します。
- 取扱銘柄数の豊富さ
- 積立頻度の柔軟さ
- ポイント制度の使いやすさ
- クレジットカード積立の有無
- キャンペーン
取扱銘柄数の豊富さ
つみたてNISAで投資できる商品は、金融庁が定めた条件をクリアした一定の投資信託に限定されています。2022年4月7日時点で204本(ETF除く)ありますが、各証券会社はそのすべてを取り扱っているわけではありません。取り扱いが多いところもあれば、少ないところもあります。
取扱銘柄は多いほうが有利です。選択肢があまりに少ないと、思うような資産運用ができません。つみたてNISAは、できるだけ取り扱いが豊富な証券会社に申し込みましょう。

金融庁がつみたてNISA対象商品として定めた条件に「販売手数料がゼロ」があります。どの証券会社を選んでも、積み立てる際に手数料がかかりません。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
積立頻度の柔軟さ
つみたてNISAでは基本的に一括投資ができず、積立投資に限定されています。積立の頻度は月に1回の「毎月積立」が一般的ですが、証券会社によっては「毎週積立」や「毎日積立」を選ぶこともできます。
毎週積立は指定した曜日に毎週積み立てる方法で、毎日積立は毎営業日積み立てます。時間の分散は毎月積立でも働きますが、投資タイミングをより分散できるため、毎週積立や毎日積立のほうが多少でも効果は高くなるでしょう。
【つみたてNISAの積立頻度の種類】
毎月 | 指定した日に毎月積み立てる |
---|---|
毎週 | 指定した曜日に毎週積み立てる |
毎日 | 毎営業日積み立て |
より柔軟に積立を計画したい場合は、積立頻度の選択肢の多い証券会社がおすすめです。
ポイント制度の使いやすさ
近年、証券会社はポイントサービスに力を入れています。取引や投資信託の残高などに応じてポイントの還元を受けられるため、お得に資産運用を行えるでしょう。
ただし、もらえるポイントは証券会社によって異なります。また、利用できる場所やサービスもそれぞれ異なります。人によっては、使いにくいものもあるかもしれません。
証券会社を選ぶ際は、その証券会社がどのようなポイントを付与しているか、またそのポイントをどのように利用できるかを事前にチェックしておきましょう。

付与されるポイントは証券会社以外のサービスでも利用できますが、中にはポイントを利用して投資できる「ポイント投資」ができるケースもあります。「楽天証券」や「SBI証券」などでポイント投資が可能です。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
クレジットカード積立の有無
つみたてNISAで積み立てる金額は銀行引き落としなどで決済するのが一般的ですが、最近はクレジットカードで決済できる証券会社も増えています。
クレジットカード決済のメリットも、ポイント還元です。積立金額に応じてポイントを受け取れるため、銀行引き落としなどポイントが付かない方法で決済するよりも、クレジットカード決済の方がお得につみたてNISAを利用できるでしょう。
クレジットカード積立を行う際は、「還元率」のチェックも大切です。
証券会社を選ぶ際はクレジットカード積立の有無だけでなく、還元率の高さもしっかり確認しておきましょう。
キャンペーン
各証券会社は、お得なキャンペーンを積極的に展開しています。口座開設や取引に応じて現金やポイントを受け取れるものが多いため、これからつみたてNISAを始めるならキャンペーンを利用することをおすすめします。
ただし、キャンペーンは期間限定のものも多いため注意が必要です。後悔しないように、事前にキャンペーン期間と条件をチェックしてから申し込みましょう。

つみたてNISA専用の口座は原則1人1口座ですが、証券会社の総合取引口座はいくつ作っても構いません。インターネット証券なら、口座の開設や維持に手数料がかからないケースが一般的です。
参加したいキャンペーンがあれば、複数の証券会社に口座開設を申し込んでみてはいかがでしょうか。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
つみたてNISA(積立NISA)におすすめの証券会社
つみたてNISAを始めるなら、証券会社がいいとお伝えしましたが、中でも特にネット証券がおすすめです。取扱銘柄数が多い傾向があり、ポイント還元にも積極的な会社が多いからです。ここでは、以下の5つのネット証券をおすすめします。
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
- auカブコム証券
- 松井証券
楽天証券

取扱銘柄数 | 181本 |
---|---|
積立頻度 | 毎月、毎日 |
ポイント制度 | 楽天ポイント |
クレジットカード積立 | 楽天カード(還元率1.0%)(※1) |
キャンペーン | 楽天銀行の口座を開設し楽天証券と連携(マネーブリッジ) させると全員に1,000円進呈 |
※1 2022年9月より0.2%または1.0%
楽天証券は、楽天グループ傘下のネット証券です。ネット証券の中でもいち早くクレジットカード積立を提供し、人気を集めました。
ネット証券のクレジットカード積立リリース日
● 楽天証券:2018年10月
● SBI証券:2021年6月
● マネックス証券:2022年2月
● auカブコム証券:2022年3月
楽天証券は181本ものつみたてNISA銘柄を取り扱っており、おすすめの5社の中で最多です。より多くの銘柄から選びたい人は、楽天証券を検討しましょう。
銘柄数に関する口コミ
- 投資信託の種類が豊富で手数料も安い
★★★★★ -
長いスパンで積立をするならば、楽天証券のつみたてNISAが良いです。投資信託の種類が豊富です。また、楽天カードで積み立てれば楽天ポイントが貯まり、ポイントを投資信託の購入にあてられる点も気に入っています。
40代・男性
ポイント制度に関する口コミ
- ポイントが利用可能
★★★★☆ -
楽天ポイントを使って取引を行える点に満足しています。普段の買い物などで貯めたポイントが使えるので他社よりもずっとお得感があります。
20代・女性
ポイント制度に関する口コミ
- ポイントがざくざくたまります!
★★★★☆ -
証券口座を開設するにあたり動画や本で勉強したところ、楽天証券を優良としているものが多かったので開設してみました。楽天のクレジットカードで月3万円積立投資すると、1%の300ポイント加算され、お得だと思います。
20代・女性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
SBI証券

取扱銘柄数 | 179本 |
---|---|
積立頻度 | 毎月、毎週、毎日 |
ポイント制度 | Tポイント、Pontaポイント、dポイント、Vポイント |
クレジットカード積立 | 三井住友カード(還元率0.5%)(※1) |
キャンペーン | アンケートに回答すると先着1万名に もれなく100円分のAmazonギフト券進呈 (2022年5月10日まで) |
※1 一部のクレジットカードは1.0%または2.0%
SBI証券は、国内トップクラスのシェアを誇るネット証券です。179本ものつみたてNISA対象商品を取り扱い、積立頻度は毎月のほか毎週、毎日も選べます。
ポイント制度の豊富さもSBI証券の強みです。「Tポイント」のほか「Pontaポイント」や「dポイント」、「Vポイント」から好きなものを選べるため、還元されたポイントを使いやすいでしょう。もちろん、つみたてNISAもポイント還元の対象です。
銘柄数に関する口コミ
- 投資信託の種類が多い
★★★★★ -
SBI証券のつみたてNISAのメリットは、手数料が安く投資信託の種類も豊富なので、選択肢が広がる点です。サポート体制がとても充実している点も魅力的です。何かあってもすぐに対応してくれます。
40代・男性
使いやすさに関する口コミ
- 初心者でも使いやすい
★★★★★ -
大手のネット証券会社なのでセキュリティ面も安心です。取り扱い銘柄数もトップクラスなので、自分のスタイルにあった投資ができるのも魅力です。またアプリでの操作も可能で、使いやすいです。少額対応もしていて初心者の方でもチャレンジしやすいと思います。
30代・女性
使いやすさに関する口コミ
- 初心者にもわかりやすい
★★★★☆ -
国内、海外のインデックスファンドが多くあり、初心者にもわかりやすいです。アプリではランキング形式での商品紹介がありますし、毎日購入の設定も可能です。現在の評価額も簡単に見ることができます。信託報酬も低いものが多く、商品で困ることはないでしょう。
40代・男性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
マネックス証券

取扱銘柄数 | 152本 |
---|---|
積立頻度 | 毎月、毎日 |
ポイント制度 | マネックスポイント |
クレジットカード積立 | マネックスカード(還元率1.1%) |
キャンペーン | クイズに回答し口座開設および必要情報の 入力でもれなく最大2,000円進呈 (2022年5月31日まで) |
マネックス証券でつみたてNISAを始めるメリットは、クレジットカード積立の還元率の高さです。還元率1.0%以下の証券会社が多いところ、マネックス証券は1.1%の還元が受けられます。
【クレジットカード積立のポイント還元率ランキング】
1位 | マネックス証券:1.1% |
---|---|
2位 | auカブコム証券:1.0%(※1) |
3位 | 楽天証券:1.0%(※2) |
4位 | SBI証券:0.5%(※3) |
※1 対象のau回線契約者は最大5.0%
※2 一部のクレジットカードは1.0%または2.0%
※3 2022年9月より0.2%または1.0%
クレジットカード積立で受け取れるポイントは、「マネックスポイント」という独自ポイントです。「dポイント」や「Tポイント」など他のポイントサービスに交換できます。お得につみたてNISAを利用したいなら、マネックス証券に申し込んでみてはいかがでしょうか。
使いやすさに関する口コミ
- 初心者向き
★★★★☆ -
投資信託の取り扱い本数が多く、自分のニーズにあった商品を選べます。説明も丁寧なのでどんな商品かも理解しやすいです。引落手数料が無料なので入金額に悩むこともありません。また使用しているとマネックスポイントが貯まってAmazonギフト券などに交換できるのもメリットです。非常にわかりやすく初心者の方にも向いています。
50代・男性
ポイント制度に関する口コミ
- ポイント制度が素晴らしい
★★★★★ -
マネックス証券では独自のポイントである「マネックスポイント」を貯めることができます。ポイントが貯まればamazonギフト券・dポイント・Tポイント・JALやANAのマイルなどと交換、あるいは日本赤十字社やREADYFORへの寄付もできます。株式売買手数料に充当したり仮想通貨と交換したりもでき、非常に多くの使い方ができるので便利で嬉しいです。
20代・女性
銘柄数に関する口コミ
- 豊富な商品ラインアップ
★★★★★ -
マネックス証券は、つみたてNISAの取り扱い銘柄が150件以上あるので、自分に合ったものがきっと見つかります。ツールでランキングやパフォーマンスも見られるので、投資の知識が少ない人には役立つと思います。年間上限額の40万円を使い切り設定すると、限度枠を無駄にすることなく運用できます。ネット証券なので利用料を安く抑えることができるので、おすすめです。
40代・男性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
auカブコム証券

取扱銘柄数 | 164本 |
---|---|
積立頻度 | 毎月 |
ポイント制度 | Pontaポイント |
クレジットカード積立 | au PAYカード(還元率1.0%)(※1) |
キャンペーン | auカブコム証券の口座開設者の紹介で 口座開設し紹介月の翌々月までに投資信託を 10万円以上購入すると2,000円進呈 |
※1 対象のau回線契約者は最大5.0%
auカブコム証券は、au回線(またはUQ mobile)契約者におすすめです。対象者は投資信託の積立金額4.0%(UQ mobileは2%)分のPontaポイントを毎月受け取れるため、クレジットカード積立(還元率1.0%)と合わせると最大5.0%もの還元を受けられます。
還元率5.0%は圧巻ですね。auユーザーは、ぜひauカブコム証券でのつみたてNISAを検討してください。
銘柄数に関する口コミ
- はじめての人に優しい
★★★★★ -
auカブコム証券のつみたてNISAの良い点は、毎月100円から積立可能な点や、取り扱い銘柄の豊富さ、安い手数料だと思います。少額で始められるので、初心者にとてもおすすめです。購入手数料や信託報酬も安い商品がそろっているのでこちらで積み立てておけば十分です。
20代・女性
使いやすさに関する口コミ
- 投資初心者におすすめ
★★★★★ -
auカブコム証券は少額から投資できるので、気軽に投資を始められました。シミュレーションのツールが使いやすいので、リスクを回避しながら投資を学ぶことができ初心者にもおすすめです。ゲーム感覚で投資できるので、楽しみながら資産を増やすことができます。
40代・男性
使いやすさに関する口コミ
- 無理なく投資ができる
★★★★☆ -
100円から無理なく投資が可能で、失敗しても低リスクなので安心です。Pontaポイントも貯まるので、節約しながら投資をしたい人にはおすすめしたいです。分からないことは気軽にチャットに聞いたりもできるので、迷うことがなくなりますね。
30代・男性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
松井証券

取扱銘柄数 | 173本 |
---|---|
積立頻度 | 毎月 |
ポイント制度 | 松井証券ポイント |
クレジットカード積立 | ─ |
キャンペーン | 口座開設者にもれなく200円分の松井証券 ポイントを進呈(2022年6月30日まで) |
松井証券の魅力は、充実したサポート体制です。投資信託全般について専門のスタッフが回答する「投信サポート」の他、取引やサービス全般などについて幅広く相談できる「松井証券顧客サポート」などが無料で利用できます。
ネット証券は基本的にすべてがセルフサービスなので、ハードルの高さを感じる初心者もいるでしょう。しかし、松井証券なら電話や問い合わせフォームなどから手厚いサポートを受けられます。
つみたてNISAを含めて資産運用が初めての人は、松井証券が向いているかもしれません。
最低投資金額に関する口コミ
- 少額から投資できるので初心者にもおすすめ
★★★★★ -
毎月の最低投資額は100円からと少額です。自分の生活に合わせて1円単位で変更できます。疑問点はマネープランナーが無料で答えてくれるので安心して利用できます。ロボアドバイザーの投信工房が非常に便利で自分で銘柄選定を行う手間を省けます。サポート体制がしっかりしているので初心者でも不安なく投資できます。初めての人にはおすすめです。
40代・男性
使いやすさに関する口コミ
- 初心者でも安心
★★★★★ -
気になったことや分からないことも電話でスムーズに聞けるので、初心者でも安心して始められるのでおすすめです。手数料が安いので少額取引でもメリットがあります。取引画面も分かりやすくて使い勝手がいいです。
20代・女性
銘柄数に関する口コミ
- 取り扱い銘柄が豊富
★★★★☆ -
松井証券のつみたてNISAは、取り扱い銘柄が多く自分に合ったものを選びやすい点がいいです。毎月の最低投資額が100円からと少額で、1円単位から投資額を変更できるため、無理なく投資を続けられます。一方で、積立頻度は毎月のみになるので、他の証券会社に比べると選択肢が少ないといえます。
30代・女性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
2. つみたてNISA(積立NISA)の口座を開設する

証券会社が決まったら、実際に口座開設を申し込みましょう。ここでは、つみたてNISA口座を開設する際の注意点や、証券会社の口座開設の流れ・必要書類について簡単に解説します。
NISA口座は1人1口座
NISA口座は、原則1人1口座です。税務署の審査を経て口座の重複がないかチェックされるため、同時に複数のつみたてNISA口座を開設できません。1つの証券会社を選んで申し込みましょう。
ただし証券会社は後で変更できます。すでにつみたてNISAを利用している場合でも、年をまたげば変更が可能です。後で選び直せるので、証券会社選びに迷っている人もまずは気軽に申し込んでみてはいかがでしょうか。
金融機関の変更は可能です。ただし、変更しようとする年の9月末までに、金融機関で変更の手続きを完了する必要があります。また、その年に既にNISA口座内で金融商品の購入をしていた場合には、変更できるのは翌年の投資分からです。
出典:金融庁 つみたてNISAの概要
口座開設までの流れ
証券会社の口座がない状態でつみたてNISA口座を開設する場合は、一般的に以下の流れで行います。
まずは証券会社HPから口座開設を申し込みましょう。多くの証券会社では、つみたてNISA口座も同時に申し込めます。
口座開設には「本人確認書類」と「マイナンバー確認書類」の提出が必要です。証券会社によってマイナンバー確認書類を提出するタイミングは異なりますが、取引開始までには提出しなければなりません。
本人確認書類の例 | 運転免許証 マイナンバーカード(個人番号カード) 健康保険証 住民票の写し |
---|---|
マイナンバー確認書類の例 | マイナンバーカード(個人番号カード) 通知カード マイナンバー記載の住民票の写し |
審査が終わると、ログイン情報が送られてきます。その後初期設定を終えれば、口座開設は完了です。
3. 銘柄を選ぶ

口座の準備ができたら、積み立てる銘柄を決めます。つみたてNISA対象商品の全体像と、銘柄の選び方について確認しましょう。
つみたてNISA(積立NISA)の銘柄の種類
前述のとおり、つみたてNISAで投資できるのは金融庁が定めた条件をクリアした一定の投資信託だけです。その数は204本(2022年4月7日時点。ETF除く)あり、「株式型」と「バランス型」があります。
投資地域の別 | |||
---|---|---|---|
国内 | 国内外 | 海外 | |
株式型 | 44本 | 14本 | 49本 |
バランス型 | 5本 | 90本 | 2本 |
出典:金融庁 つみたてNISA対象商品の分類
「株式型」とは、株式だけに投資する投資信託のことです。比較的リスクが大きい分、大きなリターンが期待できます。
「バランス型」は、株式以外に以下のような資産にも投資する商品です。分散投資の効果があるため、株式型よりも低いリスクで運用できるでしょう。
債券 | 発行者によって利息と元本の支払いが約束された商品。 比較的リスクが低く、債券の比率が高いバランス型投資信託は一般的に低リスク。 |
---|---|
REIT(リート) | 実物の不動産で運用される商品。不動産投資と同様の効果を期待でき、 一般的にミドルリスク・ミドルリターンの商品といわれている。 |
株式型とバランス型はそれぞれ投資地域によって分類でき、国内だけに投資するものや海外だけに投資するもの、国内と海外の両方に投資するものがあります。海外を投資対象に含む銘柄には為替リスクがありますが、現地通貨が上昇すればより大きなリターンを得られるでしょう。
初心者の銘柄選びのポイント
資産運用の考え方は人それぞれであり、銘柄選びに正解はありません。しかし、それでは選択肢が無限にあることになるため、銘柄を選べないという人もいるでしょう。特に初めて資産運用に取り組む初心者なら、なおさらです。
ここでは、初心者に向けて基本的な銘柄選びのポイントを紹介します。
全世界に投資する銘柄を選ぶ
投資の基本は分散投資です。特定の地域だけに投資すると、その国の政治・経済の影響を強く受けるため、リスクが大きくなってしまいます。地域を限定せず幅広く投資することで、リスクを下げる効果が期待できます。
国内と国外、あるいは先進国と新興国のように、異なる国・地域の資産・通貨を組み合わせて投資を行うことで、例えばある地域の経済状況の変化等によって、保有している特定の資産・銘柄が値下がりした場合には、他の資産や銘柄の値上がりでカバーする、といったように、保有している資産・銘柄の間で生じる価格変動のリスク等を軽減することができます。
あえて特定の国に集中投資して大きなリターンを狙う戦略もありますが、初心者は全世界に幅広く投資している銘柄から始めることをおすすめします。
銘柄名 | 信託報酬 | リターン | ||
---|---|---|---|---|
1年 | 3年(年率) | |||
株式型 | eMAXIS Slim全世界株式 (除く日本) |
0.1144% | 21.66% | 18.89% |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 0.1102% | 18.50% | 17.57% | |
バランス型 | たわらノーロードバランス (8資産均等型) |
0.154% | 6.96% | 8.20% |
ニッセイ・インデックスバランスファンド (4資産均等型) |
0.154% | 6.89% | 8.64% |
出典:モーニングスター 各銘柄ページより
インデックスファンドを選ぶ
「インデックスファンド」とは、ある指数に連動するよう設計された投資信託のことです。「日経平均株価」のような株価指数の他、「NOMURA-BPI総合指数」のような債券価格指数など多くの種類があり、基本的にインデックスファンドはそれぞれ対象の指数に連動します。
インデックスファンドのメリットは、運用内容のわかりやすさです。指数に一致するように運用されるため、運用方針が明確です。インデックスファンドなら初心者でも理解しやすいでしょう。
あらかじめ定めた指数(インデックス)に連動することを目標に運用するファンドのこと。日経平均株価やTOPIX(日本)、S&P500(米国)のような平均株価指数(インデックス)とそのファンドの基準価格が同じ値動きをすることを目指す運用をするファンド。
出典:投資信託協会 インデックスファンド
インデックスファンドと対になるのが「アクティブファンド」で、こちらは指数を超えるリターンを目指す投資信託であり、独自の運用方針が採られます。そのため、初心者には内容がわかりにくいかもしれません。
銘柄名 | 信託報酬 | リターン | ||
---|---|---|---|---|
1年 | 3年(年率) | |||
株式型 | iFree日経225インデックス | 0.154% | ▲3.05% | 11.45% |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.0968% | 29.99% | 23.36% | |
バランス型 | 楽天・インデックス・バランス・ ファンド(株式重視型) |
0.218% | 11.28% | 12.69% |
Smart-i 8資産バランス(安定型) | 0.185% | 3.44% | 4.38% |
出典:モーニングスター 各銘柄ページより
信託報酬0.32%以下のものを選ぶ
信託報酬とは、投資信託を保有している時にかかるコストのことです。投資信託の財産から毎日支払われており、信託報酬があまりに高いと十分なリターンが残りません。よって、できるだけ信託報酬が安い銘柄を選びましょう。
目安は0.257%と0.32%です。金融庁によると、信託報酬の平均は国内に投資するインデックスファンドが0.257%、国内外・海外に投資するインデックスファンドが0.32%です。銘柄を選ぶ際は、これらよりも信託報酬が低いものを選びましょう。
【つみたてNISA対象商品の信託報酬の平均(2022年4月時点)】
国内に投資するインデックスファンド:0.257%
国内外・海外に投資するインデックスファンド:0.32%
出典:金融庁 つみたてNISA対象商品の分類(2022年4月7日時点)
銘柄名 | 信託報酬 | リターン | ||
---|---|---|---|---|
1年 | 3年(年率) | |||
株式型 | 野村スリーゼロ先進国株式投信 | 0%(※1) | 25.75% | ─(※2) |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.0938% | 29.68% | ─(※2) | |
バランス型 | eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | 0.154% | 8.08% | 8.31% |
DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型) | 0.154% | 1.07% | 2.01% |
※1 2031年以降は0.11%
※2 運用期間が3年に満たない
出典:モーニングスター 各銘柄ページより
4. 投資額を決める

最後に投資額を決めましょう。途中で積み立てを続けられなくならないよう、無理のない範囲で設定することが大切です。
無理のない範囲を知るためには、家計収支を把握しなければなりません。毎月の収入と支出をチェックし、「これくらいなら続けられる」という金額で始めましょう。
資産目標が決まっているなら、そこから逆算するのもおすすめです。例えば20年後に500万円の資産を作りたい場合、リターンが0%でも年間25万円(500万円÷20年)を積み立てれば達成できます。
リターンを加味した場合は、少し計算が複雑です。参考になるよう以下にまとめました。リターンや資産目標によっては必要な投資額が年間40万円を超えてしまうため、その場合はつみたてNISA以外の積立も併用しましょう。
20年後の資産目標 | |||
---|---|---|---|
500万円 | 1,000万円 | 2,000万円 | |
リターン:1% | 22万7,000円 | 45万4,000円 | 90万8,000円 |
リターン:3% | 18万6,000円 | 37万2,000円 | 74万4,000円 |
リターン:5% | 15万1,000円 | 30万2,000円 | 60万5,000円 |
つみたてNISAで損したくないなら早く始めるべき
つみたてNISAは、早く始めるほど「複利効果」や「時間の分散効果」が働くので有利です。下落局面でも「ドルコスト平均法」によって平均取得単価が下がるため、利益を得やすくなります。損失が怖い人は、むしろ早く始めるとよいかもしれません。
特につみたてNISAは2042年までの制度なので、始めるタイミングが遅くなるほど利用できる枠が減ってしまいます。迷っている人は、思い切って始めてみてはいかがでしょうか。
つみたてNISA(積立NISA)を始めるタイミングは?Q&Aでチェック
また、積立期間が長くなると「複利効果」や「時間の分散効果」が高まります。前者は利益を大きくする効果があり、後者は平均的な価格で投資できる効果が期待できます。早くつみたてNISAを始めるほど、効率的に資産を運用できるでしょう。
しかし、多くの証券会社は積立額の上限を月3万3,333円(40万円÷12ヵ月)としています。1月からつみたてNISAを始めれば枠を使い切れますが、2月以降に始めた場合は「ボーナス設定」など追加の設定をしなければ、40万円の枠を使い切れません。
積立投資は設定から実行までに一定の時間かかり、証券会社や積立方法によっては1ヵ月程度かかるケースこともあります。その場合、12月につみたてNISAを設定しても年内に間に合わず、翌年のつみたて枠が消費されて、年内の枠が残ってしまいます。
12月に限らず年の途中からつみたてNISAを始める場合は、積立のスケジュールをしっかり確認しましょう。
つまり、つみたてNISAは相場が低迷していてもメリットがあるため、コロナ禍のように株価が大きく下がっていてもあきらめる理由にはなりません。もちろんリスクをまったく取れない人は避けるべきですが、もともとつみたてNISAを始める予定だった人は株価の下落局面でもスタートすることをおすすめします。
1. 証券会社を選ぶ
2. つみたてNISA(積立NISA)の口座を開設する
3. 銘柄を選ぶ
4. 投資額を決める
まず、つみたてNISAを申し込む証券会社を選んで口座を開設します。おすすめは「SBI証券」や「楽天証券」といったインターネット証券です。
その後積み立てる銘柄と金額を決めれば、つみたてNISAを始められます。初心者の場合、銘柄は全世界に投資するインデックスファンドがおすすめです。信託報酬はできるだけ低いものを選びましょう。積立金額は無理のない範囲で設定することが大切です。

証券外務員一種、AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。
Twitter:@FP38346079
証券外務員一種、AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。
Twitter:@FP38346079
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