
つみたてNISAは1月から始めるのがベストです。なぜなら面倒な設定をしなくとも、年の非課税枠40万円をそのままでほぼ使い切れるからです。
- つみたてNISAは1月から始めるのがベスト
- 手間なく非課税投資枠40万円をほぼ使い切れるから
- 年の途中スタートだと、そのままでは非課税枠を余らせてしまう
- 非課税枠を有効活用するために、つみたてNISAはできるだけ早く始めるべき
- おすすめはSBI証券。年が明けてからの申し込みでも1月中に積立投資を始められる
2022年12月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 | |
会社名 | ![]() |
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取扱銘柄数 | 185本 | 183本 | 178本 | 157本 | 178本 | 158本 | 22本 | 7本 | 3本 | 1本 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 1,000円 | 100円 | 1,000円 | 1,000円 | 100円 |
積立コース | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月/毎週/毎日/隔月/3ヵ月ごと/4ヵ月ごと/6ヵ月ごと | 毎月 | 毎月 | 毎月 |
ポイント還元 | Tポイント dポイント Pontaポイント JALマイル Vポイント |
楽天ポイント | Pontaポイント | マネックスポイント | 松井証券ポイント | dポイント | ー | ー | ー | ー |
クレジット カード決済 ポイント還元率 |
三井住友カード 0.5%(※1) |
楽天カード 1%または0.2% (※2) |
au PAYカード 1% |
マネックスカード 1.1% |
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積立NISAは1月から始めるのがベスト!その理由は?

1. 非課税枠を使い切りやすいから
1月からスタートすると手間をかけずに非課税投資枠を使い切りやすくなります。
つみたてNISAでは、1年間に非課税で投資できる上限金額が40万円と決まっています。そのため各金融機関では、「1ヵ月に積み立てできる金額の上限」を3万3,333円(≒40万円÷12ヵ月)や、3万3,000円などと設定しています。
月 | 積立額 |
---|---|
1月 | 3万3,333円 |
2月 | 3万3,333円 |
3月 | 3万3,333円 |
4月 | 3万3,333円 |
5月 | 3万3,333円 |
6月 | 3万3,333円 |
7月 | 3万3,333円 |
8月 | 3万3,333円 |
9月 | 3万3,333円 |
10月 | 3万3,333円 |
11月 | 3万3,333円 |
12月 | 3万3,333円 |
合計 | 39万9,996円 |

中には月の上限額が3万円の金融機関もあります。その場合、1年積み立てをしても3万円×12ヵ月=36万円なので投資枠が4万円も余ってしまいます。 もし40万円の非課税枠近くまで使い切りたいと考えるなら、月の上限額の高い金融機関を選ぶといいでしょう。
(公式サイト)
金融機関 | 月の上限額 |
---|---|
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3万3,333円 |
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3万3,333円 |
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3万3,333円 |
野村證券 | 3万3,000円 |
SMBC日興証券 | 3万3,000円 |
三菱UFJ銀行 | 3万3,333円 |
三井住友銀行 | 3万円 |
みずほ銀行 | 3万3,000円 |
ゆうちょ銀行 | 3万3,000円 |
イオン銀行 | 3万3,000円 |

松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)
一方、高所得者への際限のない優遇にならないよう、一生涯の非課税限度額が1,800万円に制限されます。ただしこの生涯非課税限度額の中に、現行のつみたてNISAで積み立てた分は含まれないこと(外枠になる)とされました。
そのため今後制度は変更されたとしても、少しでも早く始めるに越したことはないといえるでしょう。2023年1月にスタートし、今年の非課税投資枠を使い切ることをおすすめします。
(公式サイト)
年の途中からだとそのままでは40万円を使い切れない
例えば6月から始めると、1年間に積み立てできる合計額は23万3,331円(3万3,333円×7ヵ月)までです。つまり「年の途中」からだと、そのままでは非課税投資枠40万円を使い切ることが難しくなってしまうのです。
月 | 積立額 |
---|---|
1月 | - |
2月 | - |
3月 | - |
4月 | - |
5月 | - |
6月 | 3万3,333円 |
7月 | 3万3,333円 |
8月 | 3万3,333円 |
9月 | 3万3,333円 |
10月 | 3万3,333円 |
11月 | 3万3,333円 |
12月 | 3万3,333円 |
合計 | 23万3,331円 |

証券会社によっては、1年のうち2回程度設定した月の投資額を増やせる「ボーナス設定」などの増額設定が利用できます。これらを利用すれば非課税投資枠を使い切ることも可能です。しかしボーナス月の積立額が高額になってしまったり、分散投資の効果が薄れてしまったりすることはデメリットとなります。
またボーナス設定を利用して非課税投資枠を使い切る設定にした場合、翌年は忘れず設定を解除しなければなりません。
このような手間を考慮すると、特別な設定をしなくても非課税投資枠を使い切りたいなら1月から始めるのがベストだといえるのです。
(公式サイト)
非課税投資枠は翌年には繰り越せない
なお非課税投資枠は、その年の「1~12月までの枠」なので、翌年に繰り越すことはできません。
未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。
出典:金融庁「つみたてNISAの概要」
残った投資枠が翌年に繰り越せない点を考えても、1月からスタートしてスムーズに40万円を使い切るのが賢明です。
例えば2023年に非課税投資枠40万円のうち30万円しか使っていなくても、残りの10万円は2024年に繰り越せません。2024年の非課税投資枠は、新たな投資枠となる40万円が使えるようになります。

資金に余裕がある場合は、非課税投資枠40万円を最大限利用したいところです。非課税で運用できる金額が増える分、有利になるからです。
(公式サイト)
2. 積立額がわかりやすいから
1月から始めると積立額が把握しやすく、わかりやすいというのも、もう一つの理由です。
前述したように金融機関では、つみたてNISAの年間非課税投資枠40万円をギリギリまで使えるように、1ヵ月の積立上限額を3万3,333円などとしています。つまり最初の年に1月からスタートすれば、投資額が「ほぼ40万円」と非常にわかりやすくなるのです。
例えば毎月3万3,333円の積み立てを5年継続すれば投資額合計は約200万円(199万9,980円)、10年なら約400万円(399万9,960円)となります。
一方、6月から始めた場合は、初年度の投資額は23万3,331円(3万3,333円×7ヵ月)なので、1月からの場合よりも明快ではありません。
わずかな差に思えるかもしれませんが、つみたてNISAは短期的に値段を見て売買する類の投資ではありません。コツコツと長期にわたって継続して投資をすることが基本となるため、Webサイトにログインしなくても大体の投資額がわかるのはメリットといえます。
2022年12月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 | |
会社名 | ![]() |
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取扱銘柄数 | 185本 | 183本 | 178本 | 157本 | 178本 | 158本 | 22本 | 7本 | 3本 | 1本 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 1,000円 | 100円 | 1,000円 | 1,000円 | 100円 |
積立コース | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月/毎週/毎日/隔月/3ヵ月ごと/4ヵ月ごと/6ヵ月ごと | 毎月 | 毎月 | 毎月 |
ポイント還元 | Tポイント dポイント Pontaポイント JALマイル Vポイント |
楽天ポイント | Pontaポイント | マネックスポイント | 松井証券ポイント | dポイント | ー | ー | ー | ー |
クレジット カード決済 ポイント還元率 |
三井住友カード 0.5%(※1) |
楽天カード 1%または0.2% (※2) |
au PAYカード 1% |
マネックスカード 1.1% |
ー | ー | ー | ー | ー | ー |
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2023年1月から始める場合と年の途中からとで20年後をシミュレーション

2023年中に積み立てた資金は、20年間非課税で運用されます。ここでは、2023年1月から始める場合と、年の途中(6月と12月)からとで、20年後の資産運用にどれくらいの差が出るのかをシミュレーションしてみます。
【シミュレーションパターン】
1月開始……枠をほぼ使い切るパターン
6月開始……枠を余らせてしまうパターン
12月開始……ほとんど枠を余らせてしまうパターン
結果、年利3%で20年間運用した場合、20年後の資産と利益(元本から増えた金額)は次の表のようになりました。
開始月 | 積立額 | 5年後 | 10年後 | 20年後 | 利益 |
---|---|---|---|---|---|
1月 | 39万9,996円 | 23万3,331円 | 23万3,331円 | 23万3,331円 | 23万3,331円 |
6月 | 23万3,331円 | 26万5,255円 | 30万7,504円 | 41万3,259円 | 17万9,928円 |
12月 | 3万3,333円 | 3万7,610円 | 4万3,601円 | 5万8,596円 | 2万5,263円 |

(公式サイト)
以下、シミュレーションをそれぞれ詳しく見てみましょう。
【2023年1月から】枠を使い切るパターン
2023年1月から月額3万3,333円を積み立てる場合、2023年中には3万3,333円×12ヵ月=39万9,996円積み立てることになります。
この積立額を年利1%、3%、5%で運用したとすると、20年後にはそれぞれ以下の金額になります。
図表.2023年1月から積立を始めた場合の、2023年積立額の20年後の利益

運用(年利) | 5年後 | 10年後 | 20年後 | 20年後の利益 |
---|---|---|---|---|
1% | 41万8,499円 | 43万9,847円 | 48万5,864円 | 8万5,868円 |
3% | 45万7,614円 | 53万501円 | 71万2,948円 | 31万2,952円 |
5% | 49万9,711円 | 63万7,772円 | 103万8,863円 | 64万8,867円 |
2023年度中に約40万円を投資に回すことができれば、20年後には年利1%で運用しても8万5,868円、年利5%で運用できれば64万8,867円増えることがわかります。
なお、どの程度の年利で運用できるかは、どの地域(国内や欧米、新興国など)を対象としているのか、あるいはどの資産(株式のみか、債券も含むのか)を対象とした投資信託なのかによって変わります。

(公式サイト)
【2023年6月から】枠を余らせてしまうパターン
2023年6月から月額3万3,333円を積み立てる場合、2023年中には3万3,333円×7ヵ月=23万3,331円積み立てることになります。
この積立額を年利1%、3%、5%で運用したとすると、20年後にはそれぞれ以下の金額になります。
図表.2023年6月から積立を始めた場合の、2023年積立額の20年後の利益

運用(年利) | 5年後 | 10年後 | 20年後 | 20年後の利益 |
---|---|---|---|---|
1% | 24万3,616円 | 25万6,043円 | 28万2,830円 | 4万9,499円 |
3% | 26万5,255円 | 30万7,504円 | 41万3,259円 | 17万9,928円 |
5% | 28万8,382円 | 36万8,056円 | 59万9,525円 | 36万6,194円 |
23万3,331円を20年間運用した場合、20年後には年利1%だと28万2,830円、年利3%だと41万3,259円、年利5%であれば59万9,525円に増えていることがわかります。
2023年1月から始める場合と比べると、元本からは増えていますが、利益額はかなり少なくなっています。
同じような運用であれば、投資元本が多い方が当然利益は増えますし、6月から開始する場合に比べ、1月開始であれば5ヵ月分も若干ながら運用による利益がプラスされるためです。

(公式サイト)
【2023年12月から】ほとんど枠を余らせてしまうパターン
2023年12月から月額3万3,333円を積み立てる場合、2023年中に積み立てられる額は1ヵ月分の3万3,333円のみとなります。
したがって、2023年分はこの3万3,333円を20年間非課税で運用することになります。年利1%、3%、5%で運用したとすると、20年後にはそれぞれ以下の金額になります。
図表.2023年12月から積立を始めた場合の、2023年積立額の20年後の利益

運用(年利) | 5年後 | 10年後 | 20年後 | 20年後の利益 |
---|---|---|---|---|
1% | 3万4,715円 | 3万6,486円 | 4万303円 | 6,970円 |
3% | 3万7,610円 | 4万3,601円 | 5万8,596円 | 2万5,263円 |
5% | 4万685円 | 5万1,926円 | 8万4,582円 | 5万1,249円 |
2023年12月から始めた場合、元々の投資資金が3万3,333円のため、20年間運用しても利益はそれほど伸びないことがわかります。
年利1%で運用した場合、1月開始と7万8,898円(=8万5,868円-6,970円)の差が生じ、年利5%だとその差は59万7,618円(=64万8,867円-5万1,249円)に広がります。

(公式サイト)
2023年1月から始めた場合、最大800万円投資可能!

最大800万円の投資額、開始が遅れると投資可能額も減る
つみたてNISAは、2042年までの期間限定の制度です。(2022年12月時点)そのため2023年1月に始めた場合は、2042年までの20年間で最大800万円(40万円×20年)を非課税で投資ができます。
しかし例えば1年遅れて2024年からだと投資可能期間は19年となるため、非課税で投資できる最大投資可能額は760万円(40万円×19年)です。つまり最大投資可能額は、年を追うごとに40万円ずつ減っていくことになります。
2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年 |
---|---|---|---|---|
800万円 | 760万円 | 720万円 | 680万円 | 640万円 |

なおつみたてNISAは「最長20年投資できる」と思っている人も多いかもしれません。しかしこれは非課税で運用できる期間(非課税期間)です。投資できる期間は、一律20年間ではありません。いつスタートしても2042年までとなっている点には注意しましょう。
※2022年12月16日に発表された「令和5年度税制改定大綱」によると、投資可能時期と非課税期間は恒久化される予定です。そのため、ここで解説した内容は変更となる可能性があります。
2022年12月時点
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取扱銘柄数 | 185本 | 183本 | 178本 | 157本 | 178本 | 158本 | 22本 | 7本 | 3本 | 1本 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 1,000円 | 100円 | 1,000円 | 1,000円 | 100円 |
積立コース | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月/毎週/毎日/隔月/3ヵ月ごと/4ヵ月ごと/6ヵ月ごと | 毎月 | 毎月 | 毎月 |
ポイント還元 | Tポイント dポイント Pontaポイント JALマイル Vポイント |
楽天ポイント | Pontaポイント | マネックスポイント | 松井証券ポイント | dポイント | ー | ー | ー | ー |
クレジット カード決済 ポイント還元率 |
三井住友カード 0.5%(※1) |
楽天カード 1%または0.2% (※2) |
au PAYカード 1% |
マネックスカード 1.1% |
ー | ー | ー | ー | ー | ー |
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2023年に始めた場合と2033年の場合の利益の差
2023年にすぐつみたてNISAを開始した場合と、10年後の2033年に開始した場合の運用結果をシミュレーションで比較すると2042年末時点で200万円以上の利益の差が生じました。
運用による収益は、2033年開始が約66万円なのに対し2023年開始では約294万円と4倍以上の差がついていることがわかります。なお元本は、遅く始めたほうが少なくて済みます。
つみたてNISA開始年 | 投資期間 | 元本 | 運用収益 | 最終積立額 |
---|---|---|---|---|
2023年開始 | 20年 | 799万9,920円 | 294万3,371円 | 1,094万3,291円 |
2033年開始 | 10年 | 399万9,960円 | 65万8,041円 | 465万8,001円 |
運用期間が長いと複利効果も大きくなる
運用によって生じた利益をさらに運用することで、利益が雪だるま式に増えていきます。これを「複利効果」といいますが、この効果は投資期間が長くなるほど大きくなり、つみたてNISAはこの方式です。
例えば、100万円の投資資金を年利5%で運用する場合、複利で運用すると利益額はいくらになるのでしょうか。
1年目は100万円×5%で利益は5万円ですが、2年目は投資元本100万円に1年目の利益5万円を加えた105万円に対して5%の利益が出るので、利益額は5万2,500円になります。さらに3年目は、1年目と2年目の利益を加えた110万2,500円に5%の利益が出る……というように、利益が増えていくのが複利の特徴です。
1年目 | 2年目 | 3年目 | |
---|---|---|---|
元本 | 100万円 | 105万円 | 110万2,500円 |
利益 | 5万円 | 5万2,500円 | 5万5,125円 |
一方、同じ投資元本100万円に対して、毎年同じ割合だけ利益が出るのが単利です。例えば1年目は100万円の5%で5万円、2年目も5万円……という利息のつきかたで、債券などはこの方式です。
1年目 | 2年目 | 3年目 | |
---|---|---|---|
元本 | 100万円 | 100万円 | 100万円 |
利益 | 5万円 | 5万円 | 5万円 |
同じ100万円を年利5%で20年間運用した場合、単利と複利の利益の付き方の違いは次のようになります。

3年後 | 5年後 | 10年後 | 20年後 | |
---|---|---|---|---|
複利 | 115万7,625円 | 127万6,282円 | 162万8,895円 | 265万3,298円 |
単利 | 115万円 | 125万円 | 150万円 | 200万円 |
利益の差 | 7,625円 | 2万6,282円 | 12万8,895円 | 65万3,298円 |
3年後の利益の差はわずか7,625円ですが、10年後には12万8,895円、20年後には約65万円の差が付いています。複利効果が期待できる投資の場合、投資開始時期は早ければ早いほど有利になることがわかるのではないでしょうか。

(公式サイト)
運用期間が長いと時間の分散効果もある
運用期間を長くすれば、時間の分散効果も期待できます。
長期運用をすれば、時間の分散によって結果的に1回当たりの投資価格は平準化されるため、大きな損失を防ぐ効果が期待できます。
毎年10万円ずつ、5年間の間、以下のグラフのような値動きをする投資信託を購入し続けた場合を見てみましょう。

1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
購入価格 | 10万円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 | 50万円 |
価格/1口 | 100円 | 70円 | 40円 | 20円 | 50円 | - |
購入個数 | 1,000口 | 1,429口 | 2,500口 | 5,000口 | 2,000口 | 1万1,929口 |
5年目の時点での投資信託の価額は、59万6,450円(=50円×1万1,929口)です。投資総額は50万円(=10万円×5年)なので、5年間で9万6,450円の利益が出ています。
投資を始めた時に比べ、投資信託自体の価格は半分になっているものの、結果的に利益が出ています。これは、投資時間を分散したことで、高い値段の時に投資した分の値下がりが、低い値段の時に投資した分の値上がり分でカバーされたためです。
もし1年目に投資資金の50万円すべてを投入してこの投資信託を買っていたならば、5年後には価値が半分になってしまっています。

(公式サイト)
1月からの開始を逃したら来年まで待つべき?

待つべきではない!たとえ年の途中からでも、少しでも早く始めるのがいい
前段のつみたてNISAの運用シミュレーションでは、1月にスタートすることで非課税投資枠を最大限に利用でき、利益も大きくなりました。しかし1月にこだわるあまりに開始年を遅らせるのが良い選択とは言えません。
積立額を月の上限額である3万3,333円に設定すると、2023年の途中から始める場合と、2024年の1月から始める場合、どちらも2024年分の非課税枠を約40万円使い切れる点は同じです。
加えて、2023年の途中からスタートすると、その分だけ投資額を上乗せすることができるのです。

(公式サイト)
2023年6月と2024年1月スタートの利益の差
実際に、開始時期を7ヵ月遅らせると利益にどれくらい差がつくのかを比較してみましょう。
月々の積立額を3万3,333円、つみたてNISAの開始月を2023年6月と2024年1月とし、年利3%で運用しながら2042年まで継続した場合、利益はそれぞれ次のようになります。
図表.2023年6月開始と2024年1月開始の比較

開始時期 | 2027年末 | 2032年末 | 2042年末 | 投資元本 | 利益 |
---|---|---|---|---|---|
2023年6月 | 196万7,618円 | 444万5,875円 | 1,066万8,702円 | 783万3,255円 | 283万5,447円 |
2024年1月 | 170万1,934円 | 413万7,251円 | 1,025万2,261円 | 759万9,924円 | 265万2,337円 |
2042年末の資産から投資元本を差し引いた純粋な利益は、それぞれ283万5,447円と265万2,337円です。つまり、純粋な利益で比較しても、2023年6月開始では2024年1月開始に比べ、18万3,110円(=283万5,447円-265万2,337円)の差があることになります。
つまり、7ヵ月早く始めることで、約18万円利益が多くなるということです。「1月スタート」に固執せず、早く始めた方が得だということがわかるのではないでしょうか。

(公式サイト)
株価が下落していても積立NISAは1月から開始したほうがいい?上昇を待ったほうがいい?

気にせずに1月に開始するのがおすすめ
結論からいうと、つみたてNISAは、1月時点の株価の下落・上昇などに関係なく開始して問題ありません。
なぜなら積立投資では、10~20年という長期投資が目安となり長い目線で見ると購入価格が平準化される傾向があるからです。時間分散効果が期待できるため、始める時点の値段は特に重要視しなくてもよいでしょう。

(公式サイト)
長期投資だと本当に購入価格は標準化される?シミュレーションで確認
例えば以下のような値動きをする投資信託を毎月3万円ずつ購入した場合で考察してみます。
項目 | 1ヵ月目 | 2ヵ月目 | 3ヵ月目 | 4ヵ月目 | 5ヵ月目 |
---|---|---|---|---|---|
投資信託の 基準価額 (1口) |
1万円 | 2,000円 | 5,000円 | 1万5,000円 | 1万円 |
元本 | 3万円 | 6万円 | 9万円 | 12万円 | 15万円 |
購入口数 (3万円あたり) |
3口 | 15口 | 6口 | 2口 | 3口 |
購入口数 (累計) |
3口 | 18口 | 24口 | 26口 | 29口 |
月ごとの 資産評価額 |
3万円 | 3万6,000円 | 12万円 | 39万円 | 29万円 |
この投資信託は、1ヵ月目に1口1万円から始まりましたが、2ヵ月目には2,000円まで下がりました。基準価額は、4ヵ月目には1万5,000円まで上昇しましたが、5ヵ月目には投資開始時の1万円まで戻っています。
5ヵ月の間で購入できた口数は、合計29口で5ヵ月後の資産評価額は29万円(1万円×29口)、3万円を5ヵ月間積み立てたので元本は15万円です。つまり結果として約93.3%の利益が出ています。
投資信託の基準価額が2ヵ月目に2,000円まで暴落したとき、大量に口数を購入できたため、基準価額が回復したときに大きな利益につながったといるでしょう。逆に4ヵ月目のように基準価額が1万5,000円と高値になったときは、2口しか購入していません。
同じ商品でも、安いときにたくさん買い高くなったら買い控えることは、特に消耗品の購入などで普段よく行っている購買行動ではないでしょうか。
投資において、毎月定額ずつ積み立て平均の購入単価を下げる方法は、「ドル・コスト平均法」といわれ、時間分散の効果でリスクを軽減する効果が期待できます。
ドル・コスト平均法とは、価格が日々変わる金融商品を一度に購入するのではなく、一定額ずつ分けて購入することで、平均買付単価を抑える方法です。例えば積立投信などで毎月一定額を積み立てると、価格が高いときには少なく、安いときには多く買い付けるため、毎月一定量(口数)を買う方法よりも、結果的に買付単価が平準化することになります。
価格が変動する金融商品は、たまたま価格が高いときに一気に購入すると、高値づかみをしてしまう可能性があります。また、時間分散によるリスク軽減効果が期待できます。
出典:SMBC日興証券「初めてでもわかりやすい用語集」
上述した例は、わかりやすくするため5ヵ月という短期間となりましたが、つみたてNISAは10~20年という長期間の積立投資が基本となります。そのため目先の基準価額の上昇や下落に一喜一憂し過ぎないことも大切です。

松岡紀史(ライツワードFP事務所代表)

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過去の下落局面ではどうだった?
日本でも過去株価が大きく下落したことが何度かありました。例えば過去20年以内でいえば2008年に起こったリーマンショックや2020年のコロナショックなどがあります。
2つのショック時における日経平均株価の変動と下落前の水準まで株価が戻った日付は、次の通りです。
下落前株価 | 下落時最低株価 | 株価回復日 | |||
---|---|---|---|---|---|
リーマン ショック |
1万2,059.09円 | 2008年9月12日 | 6,994.90円 | 2008年10月28日 | 2013年3月7日 |
コロナ ショック |
2万4,061.67円 | 2020年1月20日 | 1万6,358.19円 | 2020年3月19日 | 2020年11月5日 |
株価暴落が起こった当時は、多くの人が「これから世界はどうなるのか」という不安を持ち、とても経済が回復すると想像することができない状況でした。
しかし2008年9月に起こったリーマンショックという大きな金融危機で下落した株価も、約4年6ヵ月後の2013年3月ごろには元の水準に回復しました。
2020年3月に起きたコロナショックで生活スタイルは大きく変わりましたが、日経平均株価は2020年の11月ごろにはコロナ禍前の水準に戻っています。
つみたてNISAの各年度における非課税期間は20年です。今後20年経過していくなかでは、株価が大暴落してしまうような出来事が起きる可能性はゼロではありません。
しかし上述した大きなショックを経ても経済が成長し株価が回復してきた事実を考えると、下落時も将来の回復を見込んでコツコツと積立投資を続けてみてもいいのではないでしょうか。

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今からでも間に合う!SBI証券と楽天証券で2023年1月から始めるスケジュールを解説

SBI証券で2023年1月から積立NISAを始める手順とスケジュール
オンラインで手続きをし、「証券口座」か「SBIハイブリット預金での引き落とし」の場合は2023年1月18日頃の申し込みでも間に合う可能性が高いでしょう(27日引き落としのケース)。
SBI証券のつみたてNISAでは、積立金の引き落とし方法を以下の4つから選べます。
このうち③と④の方法は設定から積み立て開始まで時間がかかり、2023年1月積立開始に間に合いません。そのためここでは、「①証券口座」と「②SBIハイブリット預金」の方法を解説します。
【SBI証券で2023年1月27日引き落としする場合の日程例】
項目 | ① 証券口座 | ① SBI ハイブリッド預金 |
---|---|---|
口座開設申込 | ・オンライン: 2023年1月18日(水)頃まで ・郵送:2023年1月10日(火)頃まで |
|
積立設定 | 2023年1月26日 (木)まで |
|
引き落とし日 (前営業日 までに入金) |
2023 年1月27日 (金) |
|
投資信託買付日 | 2023年1月27日 (金) |

(公式サイト)
①証券口座の引き落とし
1.口座開設の申し込みをする
オンラインでの手続きの場合は、2023年1月18日(木)頃までに申し込みを完了しましょう。
(1) SBI証券ホームページ上の「口座開設はこちら(無料)」をクリックする

(2)メールアドレスを登録し、氏名・住所等の情報を入力して、総合口座の開設を申し込みます。この時、つみたてNISAも同時に申し込んでください。

(3)各種規約等を確認し、方法を選択します。短期間で進められる「ネットで口座開設」を選択しましょう。
※郵送を選ぶと日数がかかるため1月積立に間に合わない可能性があります。
(4)完了です。「ネットで口座開設」を選択した場合、ユーザーネームとログインパスワードが発行されるので保存します。

(5)口座開設状況画面からログインをし、提出書類(マイナンバー確認書類+本人確認書類)を提出します。

(6)SBI証券の審査が完了すると、「口座開設完了通知」が届きます。その後、初期設定が行えます。
完了通知の2〜3日後に、つみたてNISAが「仮開設」されます。この期間でも取引はでき、その間にSBI証券が税務署に審査を申し込みます。
(7)税務署の審査が無事に終わると、SBI証券から「NISA口座開設審査完了のお知らせ」が送られます。これで完了です。

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2.証券口座へ入金する
開設できたら、証券口座に積み立て資金を入金します。引き落とし日の前日までには入金しておきましょう。
SBI証券の入金方法には以下の方法があります。
サービス名 | 入金方法 | 反映までの時間 |
---|---|---|
即時入金 | インターネット上で、 銀行口座から証券会社に直接入金 |
即時反映 |
SBIハイブリッド預金 | 住信SBIネット銀行と連携 | 当〜翌営業日 |
リアルタイム入金 | 提携銀行からオンライン入金 | 即時反映 |
銀行振込入金 | 銀行口座の窓口やATMから入金 | 1、2時間〜翌営業日 |
振替入金 (ゆうちょ銀行) |
インターネット上で、 ゆうちょ銀行から証券口座に入金 |
4〜5日程度 |

(公式サイト)
3.名柄を選び、積立設定をする
引き落とし日の前日までには設定を終わらせておきましょう。
ホームページ上の「投信パワーサーチ」というツールで名柄の絞り込みをします。
(1) SBI証券ホームページの「投信」「取扱銘柄・取扱一覧」をクリックします。

(2)「投資信託パワーサーチ」画面で、「つみたてNISA対象銘柄」をクリックする。

(3)対象の投資信託を選択します。ここでは「SBI-SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド(愛 称:SBI・V・全世界株式)を選んでいます。

(4)対象銘柄の「つみたてNISA買付」をクリックして、設定画面に追加します。

(5)積立金額を設定します。

(6)目論見書を確認し、設定内容を確認すれば設定完了です。

(公式サイト)
②SBIハイブリッド預金の引き落とし
1.口座開設の申し込みをする
オンラインでの手続きの場合は、2023年1月18日(木)頃までに申し込みを完了しましょう。
手順は、前述した証券口座の開設手順と同様です。

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2.新生銀行か住信SBIネット銀行で口座を開設する
SBI証券は新生銀行と住信SBIネット銀行と提携しており、これらの銀行で開設すると便利に入金できます。
新生銀行または住信SBIネット銀行の口座は、SBI証券WEBサイトから、一連の申込み手続きの中で簡単に申し込めます。
手順「1.口座開設の申し込みをする」の手順(6)で、初期設定をする項目がありますが、ここでそれぞれの銀行に申し込みが通知されます。

(公式サイト)
3.新生銀行か住信SBIネット銀行に入金する
引き落としの前日までには入金をしておきましょう。
新生銀行と住信SBIネット銀行では、SBI証券への入金方法が異なります。それぞれの特徴を確認しておきましょう。
銀行 | サービス名 | 内容 | 反映時期 |
---|---|---|---|
新生銀行 | リアルタイム入金 | 新生銀行WEBサイトから登録等を行うだけで、 SBI証券総合口座へリアルタイム入金が可能 |
即時反映 |
住信SBI ネット銀行 |
SBIハイブリッド預金 | SBI証券の株式や投資信託の 買付余力に自動的に充当される |
当〜翌営業日 |

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4.名柄を選び、積立設定をする
引き落とし日の前日午前中までには設定を終わらせておきましょう。
つみたてNISAの銘柄選択と積立設定の方法は、SBI証券の「証券口座から始める」時と同じです。
「住信SBIネット銀行」へのSBIハイブリッド預金による入金は、入出金が行われる都度、SBI証券の証券口座に反映されます。

【2023年1月27日(木)に引き落とししたい場合】
・26日(水)の午前中に設定→27日引き落とし可能
・26日(水)の夕方に設定→27日引き落としに間に合わない可能性がある
なお、「夕方」が具体的に何時を指すのかはSBI証券のホームページに明記されていませんでした。そのため、少なくとも前日の午前中までに設定を済ませておくと安心でしょう。

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楽天証券で2023年1月から積立NISAを始める手順とスケジュール
オンラインで手続きをし、「証券口座」引き落としの場合は2023年1月23日頃の申し込みでも間に合う可能性が高いでしょう(27日引き落としのケース)。
楽天証券では、つみたてNISAの投資資金の引落し方法として、以下の4種類から選ぶことができます。
このうち、1月の積立開始に間に合うのは、①の証券口座のみになります。したがって、ここでは①の手順を紹介します。
項目 | ①証券口座 |
---|---|
口座開設申込 | ・オンライン:2023年1月23日(月)頃まで ・郵送:2023年1月16日(月)頃まで |
積立設定 | 2023年1月24日 (火)頃まで |
引き落とし日 (前営業日 までに入金) |
2023年1月27日(金) |
投資信託 買付日 |
2023年1月27日(金) |
①証券口座の引き落とし
1.口座開設の申し込みをする
オンラインでの手続きの場合は、2023年1月24日(火)頃までに申し込みを完了しましょう。
(1)楽天証券のホームページより、「総合口座・NISA口座の同時申し込み」をクリックする。

(2)本人確認書類の選択と提出する 提出する本人確認書類を選択し、アップロードします。

(3)本人情報の入力
氏名・住所などの本人情報を入力し、つみたてNISA口座を申し込みます。
(4)ログインIDの受け取り
楽天証券での審査が完了後、ログインIDがメールで送付されます。
(5)つみたてNISA口座での取引開始
ログイン後、画面より初期設定とマイナンバー登録が完了すると、つみたてNISA口座で取引できます。
2.証券口座へ入金する
開設できたら、証券口座に積み立て資金を入金します。引き落とし日の前日までには入金しておきましょう。
入金方法には以下の3つの方法があります。
入金方法 | 内容 | 反映まで |
---|---|---|
自動入出金 (楽天銀行) |
楽天銀行と楽天証券の資金移動サービス。 楽天銀行から自動的に入金される |
即時反映 |
リアルタイム入金 | インターネットバンキングを 利用して資金を入金 |
即時反映 |
通常振込 | 通常の銀行振り込みによる入金 | 1時間程度 |
リアルタイム入金が可能な銀行は次のとおりです。
三井住友銀行
みずほ銀行
三菱UFJ銀行
ゆうちょ銀行
楽天銀行
PayPay銀行
セブン銀行
関西みらい銀行
住信SBIネット銀行
イオン銀行
りそな銀行
埼玉りそな銀行
広島銀行
3.名柄を選び、積立設定をする
2023年1月24日(火)頃までには設定を終わらせておきましょう。
(1)楽天証券のホームページの「商品」にある「投信スーパーサーチ」をクリックします。

(2)検索条件で「つみたてNISA」を選択します。

(3)表示された投資信託の中から、つみたてNISAで投資したい銘柄を選びます。
(4)積立注文画面が表示されるので、積立方法や積立日を決めます。

(5)積立金額をまとめて入力できます。

(6)分配金やポイント利用などの設定を行います。

(7)目論見書を確認し、設定内容を確認したら、設定完了です。
1月開始を逃しても非課税枠を使い切る方法

ボーナス設定を利用する
つみたてNISAのボーナス設定とは、任意の月に積立額を増額できるサービスです。
金融機関 | ボーナス設定 サービス名称 |
---|---|
![]() |
ボーナス月設定 |
![]() |
ボーナス設定 |
![]() |
ボーナス月設定 |
![]() |
増額月 |
![]() |
増額指定 |
野村證券 | 増額月 ※つみたてNISA専用ファンドは対象外 |
ゆうちょ銀行 | ボーナス月 |
イオン銀行 | 増額指定 |
これらの設定を活用すると1年の途中からでも、非課税投資枠の上限となる40万円ギリギリまで使い切ることができるようになります。
例えば2023年6月からつみたてNISAを始める場合、毎月の設定額を1ヵ月の積立額の上限3万3,333円にしても1年間に投資できる額は23万3,331円です。そこで10月をボーナス月に設定し、追加で16万6,669円を積み立てると2023年中に40万円の非課税枠をすべて消化することができます。
1~5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
積立額 | - | 3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
23万 3,331円 |
ボーナス月 | - | - | - | - | - | 16万 6,669円 |
- | - | 16万 6,669円 |
合計 | - | 3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
20万2円 | 3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
40万円 |
このようにボーナス設定を利用すれば、1月から始められなかった場合でも非課税投資枠の上限40万円を使い切ることが可能です。

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増額設定を利用する(楽天証券)
楽天証券では、年の途中からつみたてNISAを開始した場合、ボーナス設定のほかに「増額設定」というサービスを利用することができます。
ボーナス設定は、年の途中からでも年間40万円の非課税投資枠を使い切ることができる点はメリットですが、「特定の月に多額の資金が必要になる」「翌年度は設定の解除が必要」といった注意点があります。
しかし増額設定は、上限40万円の非課税投資枠を活用するために開始年の積立金額の増額ができます。この機能の一番の特徴は「設定した年の購入分にのみ有効」という点です。
1~5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
基本 積立額 |
- | 3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
増額 設定 |
- | 2万 3,809円 |
2万 3,809円 |
2万 3,809円 |
2万 3,809円 |
2万 3,809円 |
2万 3,809円 |
2万 3,809円 |
16万 6,663円 |
総積 立額 |
- | 5万 7,142円 |
5万 7,142円 |
5万 7,142円 |
5万 7,142円 |
5万 7,142円 |
5万 7,142円 |
5万 7,142円 |
39万 9,994円 |
例えば6月からつみたてNISAを利用した場合、本来であれば年間で23万3,331円(3万3,333円×7ヵ月)しか積み立てができません。しかし楽天証券の増額設定では、1ヵ月あたり2万3,809円(≒(40万円-23万3,331円)÷7回)を増額して積み立てることが可能です。
これにより1ヵ月の積立金額は5万7,142円となり、この年は合計で39万9,994円(5万7,142円×7ヵ月)まで積み立てることが可能になります。
上述したように増額設定は、翌年に引き継がれないため、ボーナス設定のように設定変更が不要です。

(公式サイト)
ボーナス設定が可能な証券会社5社の詳細を紹介
ボーナス設定は、前述したようにすべての金融機関で利用できるわけではありません。利用できる主な金融機関は、楽天証券やSBI証券、マネックス証券、auカブコム証券などのネット証券が中心です。
つみたてNISAを年の途中から利用したい場合は、ボーナス設定や増額設定が可能なこれらの証券会社を検討しましょう。
証券会社 | ボーナス 設定の名称 |
その他の設定 | 公式サイト | |
---|---|---|---|---|
![]() |
ボーナス設定 | NISA枠 ぎりぎり注文 |
・積立額が非課税投資枠を上回る場合、 自動的に投資枠に収まる金額に 調整して注文する機能 |
公式サイト |
![]() |
ボーナス設定 | 増額指定 | ・設定した年の積立額を増額できる ・設定は翌年に引き継がれない |
公式サイト |
![]() |
ボーナス月 (増額月)設定 |
NISA非課税投資枠 使い切り設定 |
・積立額が非課税投資枠を上回る場合、 自動的に投資枠に収まる金額に 調整して注文する機能 |
公式サイト |
![]() |
増額指定 | - | - | 公式サイト |

(公式サイト)
SBI証券

SBI証券でも毎年2回まで「ボーナス月設定」が利用できます。
ただしSBI証券の場合、「ボーナス月設定」の金額は年間非課税投資枠40万円の対象外となるので、注意しましょう。設定時点で積立額が40万円を超えてしまうと、超過した月は買付が無効になってしまいます。
この事態を防止するために、SBI証券では「NISA枠ぎりぎり注文設定」が提供されています。これは、積立金額設定が年間40万円を超えている場合でも、注文が無効にならず、上限額となる40万円に収まる金額に調整して注文してくれる機能です。
取扱商品数 | 積立頻度 | 最低積立額 | クレジットカード決済 |
---|---|---|---|
185本 | 毎月、毎週、毎日 | 100円 | ○ (三井住友カード、アプラスカード、 東急カード、タカシマヤカード) |
※各カードで積み立てする場合は、それぞれの仲介コースに変更する必要があります。

(公式サイト)
SBI証券の積立NISAに関するいい口コミ
- ポイント制度が使いやすい
-
私がSBI証券のつみたてNISA利用して感じたメリットは、TポイントやPontaポイントが1ポイント=1円で利用できる点です。
30代・男性
- 使いやすく知名度の高い証券会社です
-
知名度が高い証券会社なので安心感があり、少額でも積み立てできることが最大のメリットだと思います。積み立ての設定を一度してしまえば、後はお金を入金するだけ。1ヵ月に1回、運用を確認するくらいで、ほとんどほったらかしにできているので安心して使っています。
40代・男性
- 取扱銘柄が豊富
-
SBI証券のつみたてNISAは、取扱銘柄が豊富な点が一番のメリットだと思います。私は購入資金の残高不足を防ぐため銀行から自動で振替するようにしているのですが、その振替時の手数料をSBI証券が負担してくれるのもお得です。毎日積み立てができるのも、リスクを減らせる点からおすすめです。
40代・男性

(公式サイト)
SBI証券の積立NISAに関するよくない口コミ
- 気軽に相談できない
-
すべてネット経由での操作なので、パソコンやスマホが苦手な人には使いにくいかもしれません。気軽に誰かに相談することができず、自分で全部決めないといけないので不安が解消できない点がデメリットです。
40代・男性
- 問合せ対応がいまいち
-
SBI証券のホームページがわかりにくい点がデメリットです。どこで銘柄を購入すればいいのかが非常にわかりづらく、苦労しました。購入資金の自動振り替えを利用していますが、手続きが面倒でした。進め方が理解できずSBI証券に質問しましたが、いろいろな部門や他の会社に電話するように言われ、たらいまわしにされました。
40代・男性
- アプリが使いにくい
-
積み立てアプリがWealthNaviに比べて使いにくいです。つみたてNISA専用のアプリが別なら、長期積立用として銀行代わりに使えるのでいいのではと思います。
20代・男性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査

(公式サイト)
楽天証券

楽天証券では、ボーナス設定で年2回まで任意の月に積立額を増額できます。設定金額は、100円以上1円単位です。
またその年に限り積立額を増額できる「増額設定」も提供されています。利用すると積立額を毎月均等に増額できるので、つみたて開始年に非課税投資枠40万円を使い切りたい人には最適です。
2022年11月時点で「増額設定」が利用できるのは、楽天証券のみとなっています。
取扱商品数 | 積立頻度 | 最低積立額 | クレジットカード決済 |
---|---|---|---|
183本 | 毎月、毎日 | 100円 | ○ (楽天カード) |

(公式サイト)
楽天証券の積立NISAに関するいい口コミ
- ポイントが使えてうれしいです!
-
楽天証券を選んだ一番の理由は、買い物で貯まったポイントを投資に使えるからです。毎月100円から積み立てを始められますし、つみたてNISAを楽天カードで支払うと、その分もポイントがもらえるのもうれしいです。
30代・女性
- 取り扱い銘柄が豊富です
-
銘柄のラインアップが豊富で、かなり選びやすいと思います。楽天銀行とマネーブリッジ設定すると優遇金利を受けられ、とてもお得です。自動入金機能を利用できるので、一度設定すると楽に買い付けできます。
40代・女性
- 豊富な投資信託数が良い
-
投資信託の銘柄が豊富で、つみたてNISAの選択肢が多いのが良いです。楽天カードでポイントを貯められるのも良いです。
40代・男性

(公式サイト)
楽天証券の積立NISAに関するよくない口コミ
- 楽天ポイントの改悪が残念
-
ポイント制度の改悪が続くので、すべてもとに戻してほしいです。グループですべてをまとめて連携することでお得になっているから楽天を選んでいるので、改悪はやめてほしいと切に思います。
30代・男性
- アプリがつみたてNISAには向いていない
-
楽天証券のiSPEEDというアプリがあるのですが、つみたてNISAの確認には向いてないと思います。個別株など専用に作られているようで、確認できるのは、投資金額とか変動利率、買付可能額ぐらいです。詳細を確認したい場合は、パソコンサイトに飛んで確認するので手間です。
40代・女性
- つみたてNISA専用アプリがほしい
-
おおむね満足していますが、あえて挙げるなら専用のアプリがない点がデメリットです。株式トレードのアプリで、つみたてNISAの内容もあわせて見なくてはならないので使いにくいです。
40代・男性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査

(公式サイト)
マネックス証券

マネックス証券では、年2回積立額が増額できる機能が「ボーナス月(増額月)設定」という名前で提供されています。
SBI証券と同様に積立設定額が年間の非課税投資枠より多い場合、自動的に非課税投資枠内に調整して発注する機能「NISA非課税投資枠使い切り設定」もあります。
取扱商品数 | 積立頻度 | 最低積立額 | クレジットカード決済 |
---|---|---|---|
157本 | 毎月、毎日 | 100円 | ○ (マネックスカード) |
マネックス証券の積立NISAに関するいい口コミ
- 豊富な商品ラインアップ
-
マネックス証券は、つみたてNISAの取り扱い商品が150件以上あるので、自分に合った商品がきっと見つかります。ツールでランキングやパフォーマンスも見られるので、投資の知識が少ない人には役立つと思います。年間上限額の40万円を使い切り設定すると、限度枠を無駄にすることなく運用できます。ネット証券なので利用料を安く抑えることができるので、おすすめです。
40代・男性
- 初心者向き
-
投資信託の取り扱い本数が多く、自分にニーズにあった商品を選べます。説明も丁寧なのでどんな商品かも理解しやすいです。引落手数料が無料なので入金額に悩むこともありません。また使用しているとマネックスポイントがたまってAmazonギフト券などに交換できるのもメリットです。非常にわかりやすく初心者の方にも向いています。
40代・男性
- 少額からでも始めやすい
-
マネックス証券なら100円からでもつみたてNISAができます。積立金額が小さいことがメリットです。投資信託の購入手数料も全銘柄無料なので手軽に投資を始められるところが良い面だと思います。
30代・男性
マネックス証券の積立NISAに関するよくない口コミ
- NISAの切り替え手続きが難しかった
-
一般NISAとの切り替えがちょっとむずかしいところがデメリットです。WEBで切り替えができませんでした。それ以外は特にありません。
30代・男性
- 積立頻度の選択肢が少ない
-
積立頻度の選択肢がSBI証券に比べて少ない点がデメリットです。
40代・男性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
auカブコム証券

auカブコム証券では、年2回積立額を増額できる機能が「増額指定の設定」という名称で提供されています。増額指定の金額を含めて、年間40万円を上限に積立額を設定することが可能です。
auカブコム証券では、SBI証券やマネックス証券のようにNISA枠を超過した場合の調整する機能がないため、2年目以降は設定を忘れずに変更するようにしましょう。
取扱商品数 | 積立頻度 | 最低積立額 | クレジットカード決済 |
---|---|---|---|
178本 | 毎月 | 100円 | ○ (au Payカード) |
auカブコム証券の積立NISAに関するいい口コミ
- 優遇金利やクレジットカード払いが魅力的です
-
auじぶん銀行と連携すると、金利が優遇されます。さらにつみたてNISAをau PAYカード(クレジットカード)支払いにするとPontaポイントが付与される点もうれしいです。特にauやUQモバイルの携帯を契約している人には、魅力的な証券会社だと思います。
30代・女性
- auユーザーにおすすめです
-
「株取引もしたい」という人には、手数料が割引される「NISA割」があります。他社にはないサービスなので、大きなメリットだと思います。専用のシミュレーション機能も利用できます。積み立てたい金額、期間を入れれば簡単に計算してくれ、わかりやすく便利でした。
40代・男性
- シミュレーションがよい
-
つみたてNISAは初めての経験で、何をどのように進めればよいのか、自分は本当にわかりませんでした。しかしauカブコム証券のシミュレーションのおかげで、事前に大体の知識をつけられたのでよかったです。
30代・男性
投資信託の積立購入をau PAYカードで決済できるサービスを3月28日に開始する。ポイント還元率は買い物と同じ1%で、買付上限は毎月5万円。
(引用元:エキサイト|au PAYカードで投信積立が可能に 3月28日から au/UQ mobile特典で最大5%・3万ポイント還元)
auカブコム証券の積立NISAに関するよくない口コミ
- PontaポイントでつみたてNISA購入できない
-
投資信託の数が思っていたより少なかったため、そこは少し残念でした。また、PontaポイントがつみたてNISAで使えるようになると、より便利だと思います。
20代・女性
- 取引画面が使いづらい
-
一つ残念なところは、取引画面が気に入らなかった点です。証券会社らしく真面目な感じなのですが、自分にとっては堅苦しい感じで嫌でした。使いやすさは、他の証券会社のほうが優れていると思いました。サイトの構成がややこしくわかりづらいです。電話で問い合わせても長時間待たされただけでなく、冷たい対応だったのも残念。
30代・女性
- ポイント制度に特色がない
-
クレジットカード投資の支払日が翌月10日なのですが、自由に変更できるようにしてほしいです。クレジットカード投資の獲得可能ポイントはマネックス証券に負けていて、保有ポイントの獲得は銘柄によってはSBI証券に負けています。これだとつみたてNISA口座でわざわざauカブコム証券を選ぶ意味がないので、独自の色を出してほしいです。
30代・男性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
ボーナス設定や増額設定のない金融機関もある
金融機関のなかには、ボーナス設定を提供していないところもあります。
例えばメガバンクの三菱UFJ銀行では利用できません。また総合証券会社の野村證券や大和証券などは、投資信託の積立買付ではボーナス設定が行えるものの、つみたてNISAでは利用できません。
もしボーナス設定の利用を考えているのであれば、検討している金融機関で提供されているのか、事前に確認しておきましょう。
ボーナス設定の注意点

非課税枠を使い切るのに便利なボーナス設定ですが、注意点がいくつかあります。
- 初年の特定の月にまとまったお金が必要になる
- ボーナス月設定は2022年11月時点でクレジットカード決済に対応していない
- 基本的にボーナス月設定が翌年以降も引き継がれる
- 特定の月に高額積立すると、高値掴みの可能性がある
- 値下がり時の損失が大きい
- ドルコスト平均法のメリットが減る
1. 初年度の特定の月にまとまったお金が必要になる
上述した6月からスタートした例では、10月に毎月の積立分となる3万3,333円に加え、増額分の16万6,669円の合計20万2円というまとまった資金が必要です。
投資資金に余裕がない人の場合は、できるだけ1月から始めるようにしましょう。
2. ボーナス月設定は2022年12月時点でクレジットカード決済に対応していない
今後、証券会社でも対応される可能性はありますが、2022年時点でどの金融機関もボーナス設定はクレジットカード決済には対応していません。クレジットカード決済でボーナス月設定を考えている人は、注意しましょう。
ボーナス設定に対応している主な金融機関と、つみたてNISAのクレジットカード決済対応の有無を、次の表にまとめています。
金融機関 | クレジットカード決済 | ボーナス設定の引落し先 | 公式サイト |
---|---|---|---|
![]() |
○ | 証券口座 SBIハイブリッド預金 その他金融機関 |
公式サイト |
![]() |
○ | 証券口座 楽天銀行マネーブリッジ その他金融機関 |
公式サイト |
![]() |
○ | 証券口座 その他金融機関 |
公式サイト |
![]() |
○ | 証券口座 その他金融機関 |
公式サイト |
![]() |
× | 証券口座 その他金融機関 |
公式サイト |
ゆうちょ銀行 | × | 銀行口座 | 公式サイト |
イオン銀行 | × | 証券口座 その他金融機関 | 公式サイト |
3. 基本的にボーナス月設定が翌年以降も引き継がれる
上の例では、2023年の投資額は40万円です。しかしこの設定は、2024年も引き継がれるので、2024年の積立設定額は以下のようになってしまいます。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
積立額 | 3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
39万 9,996円 |
ボーナス月 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 16万 6,669円 |
- | - | 16万 6,669円 |
合計 | 3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
20万2円 | 3万 3,333円 |
3万 3,333円 |
56万 6,665円 |
この例の場合、2024年の投資額は56万6,665円となり、非課税投資枠40万円をオーバーしてしまいます。
非課税投資枠を超えてしまうと、証券会社によっては指定注文のすべてが無効になることもあるため、注意が必要です。初年度の非課税投資枠を使い切るためにボーナス月設定をした場合は、翌年度に解除を忘れないようにしましょう。
4. 特定の月に高額積立すると、高値掴みの可能性がある
毎月決まった金額を積み立てる投資方法では、高値の時には買い控え、安値の時に大きく買うことによって、平均の購入単価を下げることができます。しかし、ボーナス設定である月だけ積立額を増やしてしまうと、高値の時にたくさん買ってしまうリスクがあります。
もちろん、積立額を増やした月に対象の投資信託が安値になっていればいいのですが、ボーナス設定ではあらかじめ月の設定をしているので、購入月に投資信託の価格がどうなっているかはわかりません。
つまり、ボーナス設定を利用すると完全な定額積立より若干ハイリスク・ハイリターンになると言えます。
例えば下のチャート図は、日経平均株価の2022年の推移です。この場合、ボーナス設定の引き落としを1月5日、3月29日、6月9日、8月17日あたりに設定していると、高値で多くの口数を購入してしまいます。

5. 値下がり時の損失が大きい
ボーナス設定は、値下がり時の損失が大きくなってしまうというデメリットがあります。
上のチャートを例にすると、2022年8月17日に追加で買い付けてしまうと、その買付分は8月18日以降一度も元値を上回ることなく、12月22日時点では半値近くに下がっていることがわかります。
ボーナス設定のタイミングで投資信託の価格が安くなっていれば、メリットは大きくなりますが、一方で損失が大きくなるリスクがあるということを理解しておきましょう。
6.ドルコスト平均法のメリットが減る
ドルコスト平均法のメリットが減ってしまう恐れもあります。
具体的に、ボーナス月に高値で買ってしまうとドルコスト・平均法に比べどれだけ損失が出るのか、シミュレーションしてみましょう。
1年間の間に次のような値動きをする投資信託を、毎月5万円ずつ買った場合(ドル・コスト平均法)と、毎月2万円ずつ買い6月と12月に18万円ずつ増額した場合(ボーナス設定)を比べます。

1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
価格/1口 | 100円 | 70円 | 50円 | 80円 | 120円 | 150円 | 100円 | 70円 | 30円 | 40円 | 60円 | 80円 | ||
ドル・コスト 平均法 |
購入 価格 |
5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 60万円 |
購入 口数 |
500口 | 714口 | 1,000口 | 625口 | 417口 | 333口 | 500口 | 714口 | 1,667口 | 1,250口 | 833口 | 625口 | 9,179口 | |
ボーナス設定利用 | 購入 価格 |
2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 24万円 |
ボーナス 購入価格 |
18万円 | 18万円 | 36万円 | |||||||||||
購入 口数 |
200口 | 286口 | 400口 | 250口 | 167口 | 1,333口 | 200口 | 286口 | 667口 | 500口 | 333口 | 2,500口 | 7,121口 |
ドルコスト平均法では、1年間で9,179口購入したので、12月時点の投資信託の価額は73万4,320円(=80円×9,179口)です。投資資金が60万円なので、13万4,320円の利益が出ています。
一方、ボーナス設定を利用した投資では、1年間で購入した口数は7,121口なので、年末の投資信託の価額は56万9,680円(=80円×7,121口)と、投資元本を割り込んでしまいました。
これは少し極端な例ですが、ボーナス月に商品価格が高値になると利益が少なくなる原理がわかるのではないでしょうか。

(公式サイト)
積立NISAは2023年1月から18歳以上で利用可能

民法改正により2022年4月から成人年齢が18歳へ引き下げられました。2023年1月からはつみたてNISAも18歳以上の人であれば利用可能になります。なお2022年時点で利用できるのは、日本に住む20歳以上の人です。
一般的に30代後半は、住宅ローンや子どもの教育費など、なにかと資金が必要になるタイミングです。もし18歳からコツコツと積み立てた場合、20年後の38歳時点ではまとまった資金を準備することが期待できます。
学生や入社直後の場合は、毎月積み立てられるお金はそれほど多くないかもしれません。しかしたとえ1ヵ月5,000円や1万円でも20年間積み立てていけば、以下のようにそれなりの金額になります。
毎月の積立額 | 5年後 | 10年後 | 15年後 | 20年後 |
---|---|---|---|---|
5,000円 | 32万3,234円 | 69万8,707円 | 113万4,863円 | 164万1,510円 |
1万円 | 64万6,467円 | 139万7,414円 | 226万9,727円 | 328万3,020円 |
2万円 | 129万2,934円 | 279万4,828円 | 453万9,454円 | 656万6,040円 |
3万円 | 193万9,401円 | 419万2,243円 | 680万9,181円 | 984万9,060円 |
開始時の積立額が小さくても、昇進や昇給したタイミングなどで積立額を増やしていけば、さらに効果を高めることができるでしょう。まずは、収入に応じて無理のない範囲で積み立てを継続することが大切です。

(公式サイト)
2022年12月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 | |
会社名 | ![]() |
![]() |
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取扱銘柄数 | 185本 | 183本 | 178本 | 157本 | 178本 | 158本 | 22本 | 7本 | 3本 | 1本 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 1,000円 | 100円 | 1,000円 | 1,000円 | 100円 |
積立コース | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月/毎週/毎日/隔月/3ヵ月ごと/4ヵ月ごと/6ヵ月ごと | 毎月 | 毎月 | 毎月 |
ポイント還元 | Tポイント dポイント Pontaポイント JALマイル Vポイント |
楽天ポイント | Pontaポイント | マネックスポイント | 松井証券ポイント | dポイント | ー | ー | ー | ー |
クレジット カード決済 ポイント還元率 |
三井住友カード 0.5%(※1) |
楽天カード 1%または0.2% (※2) |
au PAYカード 1% |
マネックスカード 1.1% |
ー | ー | ー | ー | ー | ー |
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積立NISAは1月から始めるのがいい?Q&Aでチェック
非課税で投資できる上限金額が年間で40万円と決まっているため、金融機関によって1ヵ月の積立額の上限は3万3,333円や3万3,000円などと決められています。つまり年初から始めることができれば年間の非課税投資枠をギリギリまで使いやすくなるでしょう。
もちろん年の途中からでもボーナス設定などを併用すれば非課税投資枠を使い切ることは可能です。しかし設定や翌年度の変更に手間がかかります。
年初からスタートしたい場合は、前の年の11月上旬には口座開設申し込みをしておいたほうが賢明です。
非課税枠の期間は、1~12月までです。例えば6月から始めた場合、初年は6~12月までとなります。
つみたてNISAは2042年までの制度です(2022年11月時点)。そのため開始が遅くなればなるほど、利用できる期間は短くなってしまいます。
通常の投資の場合は、投資で得られた分配金や譲渡益に20.315%(復興特別所得税を含む)の税金がかかります。しかしつみたてNISAでは、これらの税金が非課税となり、利益をそのまま受け取ることが可能です。
資金に余裕がある場合は課税口座で投資を行うよりも、より有利な運用が期待できるでしょう。
その後、つみたてNISAの手続きを行います。金融機関によっては、課税口座と同時に開設できるところもあるので確認しておきましょう。
積立投資では、株価の一時的な下落はむしろプラスに働きます。またつみたてNISAは、10~20年といった長期投資を前提とした投資となるため、開始時に株価が下落や上昇していても長い目線で見れば購入価格が平準化されるのが特徴です。
そのため特にタイミングを測らず、始められるときに開始するのがよいでしょう。
そのためスタートの年が遅くなれば、それだけ投資できる期間が短くなってしまう点は押さえておきましょう。
なお非課税で運用できる期間は、いつ始めても20年間です。例えば2042年につみたてNISAを開始すると新規に投資ができるのは2042年の1年間(最大40万円)だけですが、2042年に投資した分は20年間非課税で運用できます。

■保有資格:日本FP協会認定AFP
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