これに対してブルック・シールズはニューヨーク・タイムズにコラムを寄稿し「クルーズのくだらない発言は出産を体験した女性に対するひどい仕打ちだ。この騒動でこの病気が注目されることが唯一の救いとなる」と反論した。

 今回の自叙伝では、トム・クルーズが謝罪してきたことを明らかにし、トム・クルーズを「教育を受けていない俳優」と言い切り、「世界でベストな謝罪ではなかったが、それが彼の能力であり受け入れた」と書いている。

 トム・クルーズによる謝罪は、2006年の段階でブルック・シールズ本人が明らかにしていることだが、今回の自叙伝で蒸し返した形となった。

 ブルック・シールズは『青い珊瑚礁』公開の3年後に女優活動を休止し、米国のアイビーリーグでも「別格」といわれるプリンストン大学に入った才女だ。フランス語を専攻し、優秀な成績で卒業したことで知られる。

 現在は米国の俳優、舞台監督ら5万人以上で組織する労働組合「アクターズ・エクイティ・アソシエーション」の代表も務めている。赤裸々な自叙伝は米国女性に好評で、ブルック・シールズの存在感が増している。

(文=言問通)