近年注目を浴びている「つみたてNISA」。これからつみたてNISAを始めたいと思っている方に、具体的な始め方の準備や手続きの手順について解説します。

つみたてNISAとは

つみたて,nisa,始め方
(画像=metamorworks /stock.adobe.com)

つみたてNISAは、コツコツと積立を実践するときに使える制度です。通常は投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAでは非課税になります。

つみたてNISAの主な特徴は、以下のとおりです。

つみたてNISA
利用できる人 日本に住む20歳以上の人
税制優遇 投資で得た分配金や譲渡益が非課税
(掛金の所得控除や受取時の優遇はなし)
非課税投資枠 年間40万円×20年
(最大800万円)
口座開設可能数 1人1口座
最低投資金額 金融機関により異なる
例)楽天証券:100円~
非課税期間 2018年から2042年まで
期間中のお金の引き出し 可能
対象投資商品 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託

つみたてNISAの税制優遇効果は、iDeCoほどではありません。しかし投資先として選べるのは「金融庁が定めた厳しい条件をクリアした投資信託」だけなので、何より安心感があります。

またつみたてNISAは月100円といった少額でも始められ、途中でお金が必要になったらいつでも引き出せるといった特徴から、投資初心者でも気軽にスタートしやすいといえます。

もともとつみたてNISAの口座を開設できるのは2037年まででしたが、2020年度の税制改正で5年延長され、2042年までになりました。
出典:金融庁「令和2年度税制改正について」

NISAやiDeCoとの違いをより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

つみたてNISAを始める手順

つみたてNISAは、以下のような手順で始められます。

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(画像=fuelle編集部作成)

では、具体的な手順を見ていきましょう。

手順1.口座を開設する金融機関を決める

つみたてNISAは、まず専用の口座を用意する必要があります。1人1口座しか持てないというルールがあり、どこで口座を開設するかによって利用できるサービスの内容や選べる投資先などが変わるため、自分に合う金融機関を選ぶことが大切です。

つみたてNISAは、証券会社・銀行・信用金庫・農協などさまざまな金融機関で取扱っています。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

手順2.口座開設に必要な書類を揃える

口座を開設する金融機関を選んだら、手続きに必要な書類を用意します。金融機関によって多少異なりますが、 本人確認書類(運転免許証や保険証など)」と「マイナンバーを確認できる書類(マイナンバーカードや紙の通知カード)は必須です。

手順3.口座開設の手続きをする

自分が選択した金融機関で口座開設の手続きをします。多くの金融機関では店舗に行ったり書類を郵送したりしなくても、インターネットでいつでも手軽に手続きできます。本人確認書類なども、スマホで撮影した写真を送信するだけで提出が完了しますよ。

手順4.税務署の審査を待つ

つみたてNISAの口座を開設するためには、税務署の審査を通過する必要があります。審査というと「ハードルが高い」と思うかもしれませんが、これは「1人1口座のルールが守られているか(非課税枠を複数利用していないか)」を確認するためのものなので、心配は不要です。

審査結果がわかってから口座開設が完了するまで、2~3週間ほどかかります。ただし、金融機関の中には、審査完了前の「仮開設」の段階でつみたてNISAの取引を開始できるところもあります。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

手順5.口座開設後、積み立てる銘柄を選択

口座開設が済んだら、いよいよ投資先を選びます。つみたてNISAの投資先は、金融庁が「長期・分散・積立投資に適している」と認めた投資信託に限定されています。自分が選んだ金融機関の銘柄(投資商品)一覧などを確認してみましょう。

複数の銘柄を組み合わせることもできます。少々リスクを取ってでも高いリターンを目指すなら海外株式に投資するものアクティブ(積極投資)型の投資信託、プロに任せたいならさまざまな対象に投資するバランス型の投資信託など、自分の目的や価値観に合う銘柄を選びましょう。

銘柄の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。

手順6.積み立てる金額を決め、入金開始

口座を開設して投資先を選んだら、いよいよ入金を開始します。つみたてNISAでは、非課税になる投資額の上限が「年間40万円」と決められていますので、この範囲内で積立を設定します。

金融機関によって最低積立金額が違いますし、選べる積立の頻度(「毎月」「毎週」「毎日」など)も違います。

「初めての投資でまだ怖いから、まず月100円から始めてみる」「非課税枠をフル活用するために月3万3,333円ずつ積み立てる」など、自分の状況に合わせて無理のない金額で始めましょう。一度設定しておけば、その後は自分で決めた間隔で銀行口座やクレジットカード経由でお金が引き落とされ、自動的に積み立てられていきます。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

つみたてNISAの口座開設後の注意点

ここからは、つみたてNISAを始める上で知っておきたいポイントや注意点について解説します。

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(画像=fuelle編集部作成)

長期投資が原則

つみたてNISAは、途中で解約してお金を引き出すことも可能です。しかし、もともと「長期投資」のために作られた制度なので、短期間で売買して利益を出すという目的には向いていません。

途中で売却しても、その分の非課税投資枠が復活することはありません。できる限り長期にわたって投資したほうが複利効果によってお金が増えやすく、非課税の効果もフル活用できます。短絡的に解約するのは避けましょう。

非課税期間が終わる20年後に対応が必要

つみたてNISAの非課税期間は20年です。20年後にNISA口座ではない課税口座に払い出されますが、その時点ですべて売却してしまう方法もあります。

20年後というとかなり先の話ですが、一般のNISAのようなロールオーバー(翌年の非課税枠に移すこと)はできないことを覚えておきましょう。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

出典:金融庁「つみたてNISAの概要」

つみたてNISAの口座開設におすすめの証券会社

つみたて,nisa,始め方
(画像=miya227 /stock.adobe.com)

つみたてNISAを始めるときにまず悩むのが、金融機関選びでしょう。銀行や証券会社など多くの金融機関がつみたてNISAを取り扱っていますが、選べる投資先が多いことなどから証券会社での口座開設がおすすめです。

中でも特に使いやすい証券会社を3つご紹介しますので、証券会社選びに迷ったら参考にしてください。

SBI証券

SBI証券
(画像=SBI証券Webサイトより引用)

SBI証券は、数あるインターネット専業の証券会社の中でも最大手です。選べる銘柄数や積立方式も多いため、初心者でも経験豊富な方でも利用しやすいでしょう。非課税枠の上限まで使い切って注文できる「NISA枠ぎりぎり注文」も便利です。

2021年6月30日から、三井住友カードの利用でポイントが貯まるようになりました。少しでもお得に投資したい方におすすめです。

SBI証券の詳細はこちら
(公式サイト)

楽天証券

楽天証券
(画像=楽天証券Webサイトより引用)

楽天証券は、楽天市場などを持つ楽天グループの証券会社です。インターネット専業なので実店舗はなく、オンラインでさまざまな手続きを済ませられます。

楽天証券では、楽天カード(楽天グループのクレジットカード)による積立ができるので、つみたてNISAの運用利益だけでなく、クレジットカードのポイントも獲得できます。貯まった楽天ポイントは楽天市場などでの買い物に利用できますし、投資信託の購入費用に充てることもできますよ。

楽天証券の詳細はこちら
(公式サイト)

SMBC日興証券

SMBC日興証券
(画像=SMBC日興証券Webサイトより引用)

「インターネット証券はなんだか不安……」「自分ですべて判断するのは難しいので誰かに相談したい」という方におすすめなのが、SMBC日興証券です。SMBC日興証券は、三井住友銀行などと同じ三井住友フィナンシャルグループの一員です。

全国に100を超える店舗があるため、直接相談することもできます。実店舗があるタイプの証券会社は取引手数料が高いところが多いのですが、つみたてNISAは無料です。また、SMBC日興証券は選べる銘柄数が多く、投資信託の積立でdポイントが貯まるサービスもありますよ。

SMBC日興証券の詳細はこちら
(公式サイト)

つみたてNISAの特徴を理解して投資を始めよう

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(画像= polkadot /stock.adobe.com)

つみたてNISAは、20年にわたって非課税で投資できる制度です。口座を開設して投資先を選び、積立金額を設定すれば始められます。一度始めれば毎月自動的にお金が積み立てられていき、途中で金額を変更することもできます。 少しずつでもコツコツと資産を作っていきたい方に、ぜひ活用していただきたい制度です。

つみたてNISAの始め方 Q&A

Q

A
つみたてNISAの始め方を教えてください。
まずは口座を開設する金融機関を決め、必要な書類を揃えましょう。その後口座開設の手続き、銘柄選びに進み、入金を開始しましょう。

Q

A
つみたてNISAを始めるのにおすすめの金融機関はどこ?
選べる銘柄が豊富な「SBI証券」がおすすめです。他にも楽天ポイントが貯まる「楽天証券」や、実店舗で直接相談できる「SMBC日興証券」などもおすすめです。

Q

A
つみたてNISA開始後の注意点はありますか?
つみたてNISAはできる限り長期にわたって投資したほうが複利効果によってお金が増えやすく、非課税の効果もフル活用できます。短絡的に解約するのは避けましょう。

馬場愛梨
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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