つみたてNISA(積立NISA)の口座はどこでも同じ?

「つみたてNISAはどこで始めても一緒」と、給与口座に使っている銀行などで適当に始めようとしていませんか?

つみたてNISAの口座はどこで開設しても同じではありません。 つみたてNISAを始めるにあたり、金融機関を適当に選ぶのは大きな間違いです。

同じ「つみたてNISA」というサービスを提供していても、サービスの内容は金融機関によって大きく異なります。例えば「〇〇インデックスファンドがおすすめ」と聞いても、自分が選んだ金融機関ではその銘柄の取り扱いがないということもあります。

またつみたてNISAでは制度上年間40万円まで積立投資ができますが、金融機関によっては積立金額の細かい設定ができず、年間39万6,000円までしか投資できないところもあります。

つみたてNISAの金融機関は後から変更もできます。しかしその手続きにも時間がかかるので、スタート時によく調べて金融機関を選ぶことが大切です。

つみたてNISA(積立NISA)の口座はどこがいい?

具体的につみたてNISAを始めるには、どこで口座を開設すればいいのでしょう。つみたてNISAは証券会社だけでなく銀行や信用金庫でも始められますが、おすすめは証券会社です。

一般的に銀行は、お金の預け入れや公共料金の引落しなど生活に密着したサービスを取り扱っているので、ほとんどの人が利用しているはずです。対して証券会社は利用したことがない人もいるかもしれません。特に投資初心者にとっては馴染みのないものかもしれませんね。

しかし証券会社はそもそも資産を運用することが目的なので、つみたてNISAを利用するなら、銀行などよりも証券会社の方がサービスも充実していてメリットは多いと考えられます。

証券会社の選び方

証券会社がおすすめとお伝えしましたが、証券会社も多数あります。多くの会社の中から1つを選ぶのは、投資初心者にとっては難しいことでしょう。そこで、どういった項目をチェックして証券会社を選べばいいのかを紹介します。

証券会社を選ぶ時にチェックすべきこと

  • 取り扱い銘柄数
  • 積立頻度
  • 最低積立金額
  • 入金方法
  • ポイント制度
  • サポート制度

取り扱い銘柄数

つみたてNISAでは自分で投資信託を選んで投資を行います。そのため、証券会社がどういった銘柄(投資信託)を取り扱っているかは、つみたてNISAの口座を選ぶにあたって最も重要な要素です。

できれば銘柄数の多い証券会社を選びましょう。取り扱い銘柄数が多ければ、それだけ選択肢が多くなる分、投資の自由度も上がります。

投資初心者の中には「100本、200本も銘柄があっても選ぶのが大変なので、少ないところでいい」と考える人がいるかもしれません。

しかしつみたてNISAは頻繁に投資対象の銘柄を変更するものではなく、普通は10年、20年と長期間に渡って続ける投資です。つまり最初選んだ銘柄のわずかな差が、後々大きな差になる可能性があるのです。

自分が対応できる中で、できる限り多くの銘柄をしっかりと検討して選ぶことが大切です。

積立頻度

つみたてNISAは原則として、毎月一定額ずつを積み立てる制度です。証券会社によっては、この「積立頻度」を毎月以外にも選べるところもあります。

ネット証券を中心に、より頻度が多くなる「毎週」や「毎日」を選べるところが増えています。一方で中には「3ヵ月」や「半年」といった間隔が選べる証券会社もあります。積立頻度の選択肢が多い証券会社の方が、自分の都合に合わせられやすいでしょう。

毎日、毎週、毎月ならどれを選べばいい?

「自分がどの頻度で積み立てるのが1番便利か」という基準で選ぶのがいいでしょう。例えば「毎日コツコツ貯金しているような感覚を得たい」ということなら毎日でもいいですし、給料日にあわせたタイミングにしたいということなら毎月でもいいですね。

では、積立頻度は利益に影響するのでしょうか?

定期的に決まった額を継続して買い続ける投資方法は、「ドルコスト平均法」と言われ、一般的にリスクが低く安定的な利益が出ると言われています。

-ドルコスト平均法 -
定期的に、継続して、一定金額ずつ金融商品を購入する投資手法のこと。毎回定額投資をすることで、価格が安いときには多く、高いときには少ない量を自動的に購入することになり、一定量ずつ買い付けたときに比べて平均買い付けコストを低く抑えられる効果を期待できる。ただし、相場が急激に上昇する局面では、一定金額しか投資できないため、一括購入に比べて収益性で劣るという欠点も指摘されている。
出典:証券用語解説集 野村證券

この理論によると、毎月より毎週、毎週より毎日の方が、より平均買付コストを低く抑えられるため有利になることになります。しかし積立頻度を毎月にするか毎日にするか、くらいの差であれば利益がそう大きく変わることはないと考えられます。

定期的に一定金額を購入し続けることが大切なので、毎日・毎週・毎月の違いは利益の面では気にしすぎる必要はないとでしょう。

最低積立金額

「最低積立金額」も証券会社によって差があります。できるだけ少額から始められる証券会社を選ぶのがいいでしょう。

特に、つみたてNISAで投資に初挑戦するという人や、「できるだけ少額から始めて慣れてきたら金額を増やしていきたい」と考える人は、100円などのごく少額から積み立てできる証券会社を選びましょう。少額から始めることで、投資への心理的な抵抗が軽減するのではないでしょうか。

ただし「毎月100円」など少額の期間が長くなると、当然得られる利益も少なくなるので注意が必要です。数ヵ月したら増額を検討することをおすすめします。

毎月の積立額が20年後にどう影響するかをシミュレーションしてみました。

毎月100円積み立てたら20年後は?

つみたてNISAで毎月100円ずつ積み立てた場合、資産がどのように増えていくのかシミュレーション結果を見てみましょう。


5年後 10年後 15年後 20年後
元本 6,000円 1万2,000円 1万8,000円 2万4,000円
3%で運用 6,480円 1万4,009円 2万2,754円 3万2,912円
5%で運用 6,828円 1万5,592円 2万6,840円 4万1,274円円
7%で運用 7,201円 1万7,409円 3万1,881円 5万2,396円
毎月100円積み立て運用した場合
(画像=著者作成)

1ヵ月に100円だと年間1,200円積み立てることになり、20年間に積み立てる額は2万4,000円になります。元金が2万4,000円なので、3%の運用では3万2,912円、7%で運用できたとしても5万2,396円です

積み立てをしないよりはいいですが、20年間コツコツ投資をしてきてこの金額だと、100円の積み立てではあまりメリットは感じられないのではないでしょうか。

逆に2万4,000円でこれだけ増えるなら、もう少し頑張って金額を増やそうと思った人もいるかもしれません。

毎月5,000円積み立てたら20年後は?

では、毎月の積立額を5,000円にしてみるとどうでしょう。

【毎月5,000円を積み立てた場合】


5年後 10年後 15年後 20年後
元本 30万円 60万円 90万円 120万円
3%で運用 32万4,041円 70万453円 113万7,700円 164万5,613円
5%で運用 34万1,447円 77万9,646円 134万2,013円 206万3,731円
7%で運用 36万52円 87万472円 159万4,056円 261万9,826円
毎月5000円で積み立て運用した場合
(画像=著者作成)

1ヵ月5,000円なので、年間で6万円、20年間では120万円の投資になります。この元本を年3%運用すると20年後には約165万円、7%で運用できると約260万円になります。

月々5,000円という積立額だと、ある程度まとまったお金が期待できますね。海外旅行や車の購入のための資金作りという目的なら、これぐらいの額がちょうどいいかもしれません。

ただし積み立てNISAを始める理由が、老後の生活が心配だからという人にとっては心細い金額です。

毎月3万円積み立てたら20年後は?

最後に、毎月3万円ずつ積み立てた場合を見てみましょう。つみたてNISAは年間に積み立てできる金額が40万円(=1ヵ月約3万3,333円)と決まっているので、毎月3万円は制度の上限に近い金額です。

【毎月3万円を積み立てた場合】


5年後 10年後 15年後 20年後
元本 180万円 360万円 480万円 720万円
3%で運用 194万4,249円 420万2,723円 682万6,203円 987万3,682円
5%で運用 204万8,683円 467万7,878円 805万2,079円 1,238万2,389円
7%で運用 216万315円 522万2,834円 956万4,337円 1,571万8,962円
毎月3万円積み立て運用した場合
(画像=著者作成)

1ヵ月3万円積み立てると、20年間の積み立て合計額は720万円になります。この元本を年率3%で運用すると約990万円、7%だと1,500万円強になります。この金額であれば老後の備えの大きな味方になってくれるはずです。

最初から1ヵ月3万円というのは、人によってはかなりハードルが高いかもしれません。そういう人は、最初は少額から始めてみるのもおすすめです。給与が上がったり、節約によって例えば「月にあと3,000円は捻出できそうだ」と感じたりしたら、徐々に積立額を増やしていきましょう。

入金方法

つみたてNISAでは毎月(証券会社によっては毎週や毎日もあり)お金を入金しなければなりませんが、入金方法も証券会社ごとに選択肢が異なります。

一般的には次の入金方法があります。

・窓口やATMから入金 ・銀行引き落とし ・カード決済

つみたてNISAは最長20年という長い期間にわたって続くので、できるだけ使い勝手のいい入金方法を選びたいものです。そのため、入金方法の選択肢が多い証券会社がいいでしょう。 それぞれの入金方法がどのようなものなのかを紹介します。

窓口やATMから入金

もっとも基本的な入金方法が、利用している証券会社の口座に窓口やATMから入金する方法です。

証券会社では、証券口座に積み立て用のお金を入金しておく必要があります。この点は銀行で積立預金をするのと同じですね。しかし積立預金では給与の受け取り口座から自動的に引き落としているため、1回1回「入金している」という意識がない人もいると思います。

一方、証券口座は給与の受け取り口座に指定できません。したがって証券口座に常に資金を確保する場合、証券口座に毎回自分で入金する手間がかかります。

毎月決まった額を入金しなければいけないというのは、面倒に感じる人もいるかもしれません。しかしこの方法は「自分の好きなタイミングで、自分の好きな金額を入金できる」とも捉えられます。今現在まとまったお金がある人であれば、それほどデメリットとは感じないはずです。

例えば今自由に使えるお金が200万円ある場合、その200万円の運用先として、つみたてNISAは有力な選択肢といえます。この200万円を証券口座に一度に入金して「つみたてNISA用の資金」と決めてしまえば、毎月入金する手間はかかりません。他のことに使ってしまう無駄遣いのリスクも減らせます。

銀行引き落とし

銀行口座から毎月自動的に証券口座に引き落とし、そのお金をつみたてNISAに回すという自動入金システムがあります。

銀行口座から証券口座への毎月のお金の引き落としを自動化してくれるので、利用する側にとっては積立預金と同じ感覚でつみたてNISAを行うことができます。

この入金方法のメリットは、給与口座を引き落とし口座に設定しておくことで入金忘れを防げる点です。

引き落とし口座を自分で指定できる証券会社も多いですが、中には使える銀行が限られている場合もあります。自分が使っている銀行が、「つみたてNISAを始めようとしている証券会社の引き落とし可能な口座になっているか」は事前にしっかりと確認しておきましょう。

カード決済

証券会社によっては、つみたてNISAの入金をクレジットカード決済できるところもあります。クレジットカード決済のメリットは、なんと言ってもポイントが貯まることでしょう。例えば毎月3万円をポイント還元率1%のクレジットカードで決済すれば、1ヵ月に300ポイント、1年で3,600ポイント、20年だと7万2,000ポイントと、かなり大きなポイントが貯まります。

メリットが多い決済方法ですが、クレジットカードを他の買い物にも使っている場合は口座残高には十分注意するようにしましょう。

またカード決済が行える証券会社はまだまだ少数で、決済に使えるクレジットカードの種類も証券会社ごとに指定されていることがほとんどです。どのクレジットカードが使えるかは事前にしっかり確認しておきましょう。

ポイント制度

証券会社の中には、投資信託の保有残高に応じてポイントがもらえるサービスを提供しているところもあります。

つみたてNISAは基本的には途中で解約せず、コツコツと長期間にわたって積み立てる制度です。そのため保有残高に応じてポイントがもらえるのであれば、長い期間継続してポイントも増えていくことが期待できます。

ポイントは「月間の投資信託の保有金額×〇〇%」という形で付与されることが多いようです。この「〇〇%」が月々にかかるものなのか、年率なのかは事前に確認しておきましょう。年率の場合、1ヵ月に付与されるポイントはその12分の1の割合になります。

また自分が普段の生活の中で、どういったポイントをよく使っているのかなども、ポイント制度で証券会社を選ぶ際の大切な確認項目です。

サポート体制

つみたてNISAが初めての投資という人であれば、口座開設や銘柄の選び方などで色々と困ることが出てくるでしょう。そんな時、証券会社に直接相談できる窓口があれば、心強いのではないでしょうか。

次の表は各証券会社のNISAに対する専用サポートの有無と、電話による問い合わせサポートの一覧です。

NISA専用サポート 総合サポート
楽天証券 投信NISA週末専用ダイヤル
(土日9時〜17時)
会員専用ダイヤル
(平日8時30分〜17時)
SBI証券 NISA専用ダイヤル
(平日8時〜17時)
NISA・投信土日専用デスク
(土日9時〜17時)
カスタマーサービスセンター
(平日8時〜17時)
マネックス証券 お客様ダイヤル
(平日8時〜17時)
松井証券 投信サポート
(平日8時30分〜17時)
SMBC日興証券 商品・サービスお問合せダイヤル
(平日8時〜18時、土曜9時〜17時)
大和証券 コンタクトセンター
(平日8時〜18時)
野村證券 総合ダイヤル
(平日8時40分〜17時10分、土日9時〜17時)
みずほ証券 NISA専用ダイヤル
(平日8時30分〜19時、土曜9時〜17時)
総合ダイヤル
(内容に応じて時間が異なる)
SBIネオトレード証券 カスタマーサポート
(平日8時〜17時)

つみたてNISAに関して色々と相談しながら進めていきたい人は、NISA専用ダイヤルがある証券会社が安心です。また問い合わせの時間帯が自分にとって都合がいいかなどを確認しておきましょう。

つみたてNISA(積立NISA)の銘柄はどれを買う?選び方をマスターしよう

証券会社を選び終えたら、次はどの銘柄に投資するかを決めなければいけません。ここでは投資銘柄の選び方を紹介します。

つみたてNISA(積立NISA)で買えるのは何?

つみたてNISAの投資対象商品は、「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」です。金融庁によって厳しく選定されています。

投資信託とは、株式や債券などさまざまな商品で構成される金融商品のことです。運用は専門家が行い、複数の株式や債券、世界中の投資対象に分散投資ができます。

- 投資信託(とうししんたく)
「ファンド(fund)」や「投信」とも呼ばれる。 投資家から集められた資金を、専門の委託会社(運用会社)が金融資産や不動産へ投資することで運用し、その成果を出資額に応じて投資家に還元するもの。原則として元本保証はなく、リスクもリターンも投資家に帰属する。比較的少額から投資が始められ、株式や債券、REITなど複数の銘柄に分散投資できるという特徴がある。
出典:証券用語解説集 野村證券

また数は少ないですが、ETF(上場投資信託)も一部の証券会社で購入できます。

ETFとは
ETFとは、証券取引所に上場し、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託で、 「Exchange Traded Funds」の頭文字をとりETFと呼ばれています。
出典:投資信託協会 ETFの仕組み

投資というと真っ先に思い浮かぶ「株式投資」や「国債」などは、つみたてNISAの対象になっていないことに注意しましょう。

銘柄の選び方

つみたてNISAの銘柄数は金融庁が厳選しているとはいえ、SBI証券や楽天証券では約180銘柄あります。他の証券会社でも100銘柄を超えるところは少なくありません。

そんな多数の銘柄からどう選べばいいのか分からない、という人も多いでしょう。そこでここでは銘柄選びに失敗しないためのチェックポイントを紹介します。

つみたてNISAの銘柄を選ぶ時にチェックすべきこと

  • 投資地域
  • インデックスファンドかアクティブファンドか
  • 運用コスト(信託報酬)
  • 純資産総額の規模

投資地域

まずはその投資信託が、「どの地域の」株式や債券で構成されているのかを確認しましょう。投資地域は、大きく分けて「国内」「先進国」「新興国」の3つに分類されます。

  • 国内…日本の株式や債券
  • 先進国…米国、ヨーロッパ(イギリス、フランス、ドイツなど)、オーストラリアなど
  • 新興国…中国、韓国、インド、ブラジル、ロシアなど

米国は非常に人気が高いので、米国株式ファンドなど、アメリカ国内の株式と債券だけで構成された投資信託もあります。一般的に国内を対象にした投資信託は、リスクとリターンが低い傾向にあります。反対に、最もリスクとリターンが高いと言われているのが、新興国対象の投資信託です。

初心者は3つの地域のうちどれか1つを選ぶというよりも、できるだけ幅広い地域に投資してみましょう。幅広い地域に分散して投資することは、リスクの分散にもつながります。日本の投資信託の成績が下がっている時でも先進国の投資信託でカバーできるかもしれませんし、新興国で値動きが激しくなっても日本の投資信託を持っていれば、その値動きの影響は抑えられるかもしれません。

投資信託の中には、はじめから世界中に分散して投資できる「全世界」投資信託などもあります。こういった銘柄を選ぶのも1つの手でしょう。

インデックスファンドかアクティブファンドか

次に注目するのは、投資信託の運用方針に関わる「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の分類です。

投資初心者は運用コストの低いインデックスファンドをおすすめします。

インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIXなどの「株価指数」と同じような動きをするように運用する投資信託のことです。

アクティブファンドとは、株価指数を上回る利益を狙うよう運用する投資信託のことです。ファンドマネジャーが運用を行うため、インデックスファンドに比べ運用コストは高い傾向にあります。

- インデックスファンド(いんでっくすふぁんど)
対象ベンチマークの指数に連動する投資成果を目指して運用(パッシブ運用)する投資信託のこと。対象ベンチマークには日経平均株価(日本)、TOPIX(日本)、NYダウ(米国)、S&P500(米国)のような株価指数や、NOMURA-BPIのような債券指数など様々な資産の指数(インデックス)がある。 インデックスファンドは、基本的には対象ベンチマークの構成比に合わせて個別銘柄を組み入れ、運用を行う。そのため、ファンドマネジャーが銘柄選択や個別銘柄の売買を積極的に行うアクティブファンドに比べ、運用コストは低い。
出典: 証券用語解説集 野村證券

アクティブファンドは、ファンドマネジャーがベンチマークを上回るように積極的に売買を行います。しかし結果必ずしもベンチマークを上回るとは限りません。そのためはじめからインデックスファンドで運用コストを抑えつつ、ベンチマークと同程度の運用を目指すのも立派な投資戦略といえます。

運用コスト(信託報酬)

投資信託を選ぶときの運用コスト、特に信託報酬はとても重要です。信託報酬とは運用管理費のようなもので、投資信託を保有している間は払い続ける必要があります。

- 信託報酬(しんたくほうしゅう)
信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間はずっと投資家が支払い続ける費用のことです。ただし、別途支払うのではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して何%」といった形で毎日差し引かれます。
出典:初めてでもわかりやすい用語集 SMBC日興証券

なぜ信託報酬は重要なのでしょうか。それを知るために、実際に信託報酬で運用結果がどのように変わるかを比較してみましょう。

次の図はつみたてNISAで月1万円ずつ、信託報酬がそれぞれ0.1%、0.5%、1.0%の投資信託に投資した際の20年後の結果を示したものです。投資信託はどれも年3%で運用できるとします。

【毎月1万円を積み立てた場合】

5年後 10年後 15年後 20年後
元本 60万円 120万円 180万円 240万円
信託報酬0.1% 65万4,204円 140万8,822円 227万9,266円 328万3,313円
信託報酬0.5% 64万6,240円 137万6,866円 220万2,898円 313万6,794円
信託報酬1.0% 63万6,405円 133万8,015円 211万1,511円 296万4,258円
信託報酬による運用効果の違い
(画像=著者作成)

同じ運用成績の投資信託を買い続けた場合、信託報酬0.1%の投資信託は1.0%の投資信託より20年間で30万円以上利益が大きくなります。

つみたてNISAで対象になっているインデックスファンドはどれも信託報酬が低く抑えられています。しかしその中でもより低い投資信託、できれば0.3%未満のものを選ぶと良いでしょう。

純資産総額の規模

投資信託の規模を表す数字に、「純資産総額」というものがあります。純資産総額とは、投資信託に組み入れられている株式や債券などの資産の時価総額のことです。

純資産総額が下がるということは、単純に運用でマイナスになっているか、それともその投資信託を買う人が少なくなっているかのどちらかです。ただし純資産総額が高い方が必ずしも良いというわけではなく、一時的に下がっていても将来上昇が期待できるなら良い投資信託といえます。

しかし投資信託の目論見書には、これ以上投資信託を保有している人が少なくなれば強制的に運用をやめてしまう「繰上償還となる口数」が記載されています。そのためこの数値に近いようであれば、運用が終了する可能性があるため注意が必要です。

つみたてNISA(積立NISA)でおすすめの銘柄

つみたてNISAでおすすめの銘柄を、「初心者向け」「積極運用」「低コスト」に分けて紹介します。

投資初心者におすすめの銘柄

投資初心者におすすめなのは、ずばり三菱UFJ国際投信の「eMaxis Slimシリーズ」です。この投資信託は、「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける」をコンセプトにしており、コストの面でもかなりお得です。

つみたてNISAの対象として販売している証券会社は、SBI証券、楽天証券をはじめ、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券など。幅広い証券会社で販売していることも特徴です。

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)

投資初心者にまずおすすめしたいのが、eMAXIS Slimシリーズの国内株式(TOPIX)です。これは日本の代表的な株価指数TOPIXに連動するように運用されています。

外国株式を対象にしたものと比べ大きな値動きが起きにくく、またTOPIXという投資経験の浅い人にも馴染みのある指標と連動するため、値動きを追いやすくわかりやすいのが特徴です。

銘柄名 eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
ベンチマーク TOPIX
信託報酬 0.154%以内
運用・委託会社 三菱UFJ国際投信
純資産総額 417億8,000万円
取扱証券会社 (つみたてNISA対象) SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券、SMBC日興証券など

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

初心者であってもよりリターンを求める人は、アメリカの代表的な株価指数「S&P500」に連動した投資信託に挑戦してみましょう。アメリカは日本にとって最も身近な国ですし、先進国の中でも成長力が高く信用度が高いので、初めての外国株投資にはピッタリです。

銘柄名 eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500)
ベンチマーク S&P500
信託報酬 0.0968%以内
運用・委託会社 三菱UFJ国際投信
純資産総額 7,394億円
取扱証券会社 (つみたてNISA対象) SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券、SMBC日興証券など

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

いろいろ投資信託を組み合わせるのが面倒という人におすすめなのが、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。この投資信託では、日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指すため、文字通り世界中に分散投資ができます。
銘柄名 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
ベンチマーク MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス
信託報酬 0.1144%以内
運用・委託会社 三菱UFJ国際投信
純資産総額 3,224億円
取扱証券会社 (つみたてNISA対象) SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券、SMBC日興証券など

積極的に運用したい人におすすめの銘柄

積極的にリターンを狙いたいという人は、今後成長が期待できる新興国を対象とした投資信託や、アクティブファンドなどを考えてみましょう。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」は、新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指す銘柄です。

対象となる国には中国、台湾、韓国、インド、ブラジルなど、今後大きく発展していくことが期待される国がラインアップされています。

銘柄名 eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
ベンチマーク MSCIエマージング・マーケット・インデックス
信託報酬 0.187%以内
運用・委託会社 三菱UFJ国際投信
純資産総額 743億5,000万円
取扱証券会社 (つみたてNISA対象) SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券、SMBC日興証券など

ひふみプラス

ひふみプラスは、株価指標以上の運用成果を目指す「アクティブファンド」に分類される投資信託です。これまで紹介してきた株価指標に連動することを目指す「インデックスファンド」の投資信託とは異なります。

主に日本の成長企業に投資をしていて、「日本を根っこから元気にする」をコンセプトにしています。

銘柄名 ひふみプラス
ベンチマーク
信託報酬 1.078%以内
運用・委託会社 レオス・キャピタルワークス株式会社
純資産総額 4,496億4,000万円
取扱証券会社 (つみたてNISA対象) SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、SMBC日興証券、大和証券、野村證券、SBIネオトレード証券など

セゾン資産形成の達人ファンド

「セゾン資産形成の達人ファンド」は、株式や債券などの資産に直接投資するのではなく、国内外の株式や債券に投資している複数の投資信託(アクティブファンド)に投資しています。複数の投資信託を組み合わせて1つにまとめた「ファンド・オブ・ファンズ」という種類の投資信託です。

ファンド・オブ・ファンズの特徴は、元々目的をもって分散投資されていた投資信託を組み合わせることで、より投資地域や運用会社が分散でき、リスクを抑える効果が期待できることです。一方、元々信託報酬がかかる投資信託を組み合わせるため、一般的な投資信託より信託報酬が高めになります。

セゾン資産形成の達人ファンドでは、北米、ヨーロッパ、日本、新興国などにバランスよく分散投資を行い、信託財産の長期的な成長を図ることを目的として運用が行われています。

銘柄名 セゾン資産形成の達人ファンド
ベンチマーク
信託報酬 1.34%±2%程度
運用・委託会社 セゾン投信株式会社
純資産総額 1,920億8,900万円
取扱証券会社 (つみたてNISA対象) SBI証券、楽天証券、大和証券など

低コストで投資したい人におすすめの銘柄

投資信託選びにおいて、信託報酬の低さは最も重要な要素の1つです。ここでは特に信託報酬の低い投資信託を3つ紹介します。

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)

SBIアセットマネジメント株式会社が提供する「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SB・I V・S&P500)」は、アメリカの代表的な株価指数S&P500に連動することを目指した投資信託です。

注目はその信託報酬で、0.0938%と0.1%を下回っています。つみたてNISAの対象として販売している証券会社が多くないのが残念な点ですが、販売対象の証券会社を利用しているなら積極的に検討しましょう。

銘柄名 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SB・I V・S&P500)
ベンチマーク S&P500
信託報酬 0.0938%程度
運用・委託会社 SBIアセットマネジメント株式会社
純資産総額 3,199億5,000万円
取扱証券会社 (つみたてNISA対象) SBI証券、マネックス証券、auカブコム証券、SMBC日興証券など

SBI・先進国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(先進国株式))

SBIアセットマネジメント株式会社が提供する「雪だるま」シリーズはコストにこだわった投資信託シリーズです。この「SBI・先進国株式インデックス・ファンド」では、わずか0.1022%という信託報酬の低さで、先進国株式全体に投資できます。

銘柄名 SBI・先進国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(先進国株式))
ベンチマーク FTSE ディベロップド・オールキャップ・インデックス
信託報酬 0.1022%程度
運用・委託会社 SBIアセットマネジメント株式会社
純資産総額 81億5,000万円
取扱証券会社 (つみたてNISA対象) SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、SMBC日興証券など

SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))

SBIアセットマネジメントの雪だるまシリーズにはもう1つ、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」というおすすめの投資信託があります。

信託報酬0.1102%という低コストで、日本を含む先進国や新興国の株式にまとめて投資できます。

銘柄名 SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))
ベンチマーク FTSE グローバル・ オールキャップ・インデックス
信託報酬 0.1102%程度
運用・委託会社 SBIアセットマネジメント株式会社
純資産総額 423億9,000万円
取扱証券会社 (つみたてNISA対象) SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、SMBC日興証券など

つみたてNISA(積立NISA)の概要

つみたてNISAは、2018年1月からスタートしました。少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。

つみたてNISAで対象とされている銘柄は手数料が低く、分配金が頻繁に支払われないなど、金融庁が長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定しています。そのため投資初心者だけでなく幅広い年代の人に利用しやすい仕組みになっています。

つみたてNISA(積立NISA)のメリットとデメリット

メリット

つみたてNISAにはさまざまなメリットがあります。

投資初心者でも安心の銘柄

投資初心者にとって、数百、数千の投資信託の中から自分に合った投資信託を選ぶのは簡単ではありません。しかしつみたてNISAでは、「投資初心者が買わないほうがいい投資信託」があらかじめ除外されていると言えます。

例えば、つみたてNISAで扱う銘柄は次のような特徴があります。

  • 販売手数料はゼロ(ノーロード)
  • 国内株のインデックスファンドの信託報酬は0.5%以下
  • 信託契約期間が無期限または20年以上
  • 分配頻度が毎月でない

「長期に渡る積立に適した銘柄」しか扱えないようにフィルターがかかっているので、初心者でも安心です。

利益が非課税

通常、投資信託を運用して利益が出ると、その利益に20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAで運用する場合はその税金が非課税になります。

例えば100万円を運用して200万円になった場合、通常なら利益100万円に対して20万315円の税金がかかってしまいます。しかしつみたてNISAで運用していれば、利益100万円をそのまま得ることができます。

少額からでもスタートできる

つみたてNISAの最低積立金額は証券会社によって異なりますが、多くの証券会社では1,000円程度から、中には100円から積立がスタートできる証券会社もあります。

もちろんずっと少額を積み立てても利益はあまり期待できませんが、自分ができる範囲で積み立て投資をスタートできることは大きなメリットと言えます。

ほったらかしも可能

積み立て投資はとは、前述の「ドルコスト平均法」によって長期間コツコツと投資を行う方法です。頻繁に売買を行う必要はありません。

最初に自分に合った銘柄を決めて積み立てを開始してしまえば、あとは基本的にほったらかしでもOKなのです。投資初心者でも運用方法に悩むことはありません。

運用コストが低い

つみたてNISAの対象は、そもそも低コストなものに厳選されています。投資信託を購入するときにかかる販売手数料はノーロードですし、毎月かかる信託報酬も一定水準以下に制限されています。

年齢の上限の制限がない

つみたてNISAの非課税期間は、30歳で始めても60歳で始めても最長20年間です。このように年齢にかかわらず、誰でも20年間非課税期間を利用できるのもつみたてNISAのメリットです。

そのため老後資金だけでなく、住宅ローンの頭金や老後の海外旅行費など、さまざまな目的に使えます。

いつでも引き出し可能

長期の積立・分散投資が基本のつみたてNISAですが、特に引き出しに制限があるわけではありません。いつでも自分が好きな時に引き出せます。

同じ非課税制度のiDeCoが原則として60歳まで引き出せないことに比べると、かなり自由度の高い制度と言えるでしょう。

デメリット

つみたてNISAはメリットの多い制度ですが、デメリットもあります。事前にこれらのデメリットをよく理解した上で利用しましょう。

元本割れの可能性がある

つみたてNISAの対象には元本確保型のものはありません。投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。

つまり、運用の成績によっては投資した金額(元本)よりもお金が減ってしまう可能性があるのです。長期に積立・分散投資を行うことでリスクは減らせますが、必ず儲かると考えて始めるのは危険です。

投資先が限られている

つみたてNISAの対象は一定の投資信託に厳選されているため、投資初心者でも安心して始められます。しかし逆に、個別株やREIT、金などは買うことができません。また、毎月分配型などの投資信託も対象商品ではありません。

幅広い商品に投資したい人には不向きな制度と言えます。

年間40万円までと、投資額が低い

つみたてNISAは少額からの積み立てを前提としているため、非課税投資枠は年間40万円と低めです。

毎月コツコツと積み立て投資をしたい人には最適の制度ですが、例えばすでに貯金が500万円程度あったり、急に数千万円のお金を相続で受け取ったりした人にとっては、40万円という投資枠は少なく感じ、上手く資産運用に生かせない可能性があります。

損益通算ができない

通常は、ある証券口座で損失が出た場合、他の口座(一般口座や特定口座)で保有している金融商品の配当金や売却によって得た利益と相殺できます。これを「損益通算」といいます。

損益通算とは、同一年分の利益と損失を相殺することです。上場株式等の投資を行って利益(譲渡益や配当など)が出た場合は税金がかかりますが、一方で損失が出た場合には利益から差し引いて、その分だけ税金を減らすことができます。それでもマイナスになった場合、確定申告を行うことで最長3年間損失を繰り越して控除することも可能です。
出典:SMBC日興証券 始めてでもわかりやすい用語集

しかしつみたてNISAでは、この損益通算ができません。つみたてNISA口座で保有している投資信託が値下がりした時に売却するなどしてもし損失が出た場合でも、他の口座と損益通算できないのです。

スポット買いができない

積み立てではなく、ある時点で一括して金融商品を買うことを「スポット買い」といいます。つみたてNISAではこのスポット買いはできません。つまり年間40万円の投資枠も、1度に40万円ではなく、毎月3万円など分散して投資をする必要があります。

コツコツ積み立てたい人にはメリットと言えますが、一括で投資したい人にとってはデメリットと言えるでしょう。

ロールオーバーができない

一般NISAでは非課税期間終了後、新たな非課税枠への移管による継続保有ができます。これを「ロールオーバー」と呼びます。

一般NISAやジュニアNISAで非課税期間(5年)が終了した際に、保有している金融商品を、翌年の新たな非課税投資枠に移行(移管)すること。
出典:日本証券業協会 金融・証券用語

しかしつみたてNISAにはこのロールオーバーのような制度はなく、非課税期間が終わると売却するか課税口座に移すか選ばなければなりません。つまり非課税期間終了時に利益が出ていなければ、つみたてNISAの非課税のメリットが受けられないことになります。

つみたてNISA(積立NISA)と一般NISAの違い

NISA制度には3つ種類があります。

  • つみたてNISA
  • 一般NISA
  • ジュニアNISA

このうち、ジュニアNISAは2023年で終了予定です。そこでここでは、つみたてNISAと一般NISAの違いを確認しましょう。

つみたてNISA 一般NISA
利用できる人 日本に住む20歳以上の人 日本に住む20歳以上の人
非課税対象 投資信託から得られる分配金・譲渡益 株式投資から得られる配当金・譲渡益
投資信託から得られる分配金・譲渡益
口座開設可能数 1人につきどちらか1口座のみ 1人につきどちらか1口座のみ
非課税投資枠 毎年40万円 毎年120万円
非課税期間 最長20年間 最長5年間
投資可能期間 2018年〜2042年 2014年~2023年
※2024年以降「新しいNISA」
投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 投資信託、国内外株、国内外ETF、国内外REITなど

主な違いは、非課税投資枠と非課税期間、そして投資対象商品です。

つみたてNISAでは毎年最大40万円しか投資できないのに対し、一般NISAではその3倍の年間120万円まで投資できます。ただし非課税期間はつみたてNISAのほうが20年と長いので、トータルに投資できる額としては、つみたてNISAが40万円×20年=800万円となり、一般NISAの120万円×5年=600万円を上回ります。

投資対象商品についても違いがあります。つみたてNISAが厳選された投資信託だけなのに対し、一般NISAでは株式、投資信託、REITなど幅広い商品が取り扱われ、より自由度の高い運用ができると言えます。

投資初心者は、コツコツと長期間積み立てるつみたてNISAがおすすめです。一方、ある程度自分で投資先を選べるような投資経験者は一般NISAを利用してみてはいかがでしょうか。

つみたてNISA(積立NISA)とiDeCoの違い

次に、老後資金の運用先としてよく比較されるiDeCoとの違いを確認しておきましょう。

つみたてNISA iDeCo
利用できる人 日本に住む20歳以上の人 日本に住む20歳以上60歳未満の人
税制メリット 運用益が非課税 掛金が全額所得控除
運用益が非課税
受給時に所得控除
口座開設可能数 1人1口座 1人1口座
非課税投資枠 毎年40万円 年間14万4,000円〜81万6,000円
(加入資格による)
非課税期間 最長20年間 原則60歳まで
引き出し制限 なし 60歳まで引き出し不可
投資対象商品 投資信託 元本確保型商品(貯金、保険)
投資信託

税制メリットではiDeCoに軍配が上がります。iDeCoは運用益が非課税になるのに加え、所得控除も受けられるからです。

投資可能期間はつみたてNISAが誰でも最大20年なのに対し、iDeCoは60歳までと年齢で区切られるのが特徴です。つまりiDeCoの投資可能期間は、若い人であればより長く、高齢になればなるほど短くなります。

iDeCoの最大のデメリットとして挙げられるのが、60歳まで資産を自由に引き出せない点です。対してつみたてNISAではいつでも自由に引き出せます。ただし、60歳まで資産を引き出せない=確実に老後資金が貯まるとも考えられます。目的に応じて使い分けることが大切です。

つみたてNISAを始めるなら、自分に合った口座を選ぼう

つみたてNISAにおすすめの証券会社10社について紹介しました。取り扱い銘柄数やサポート、そしてポイントが上手に利用できるかどうかなどを基準に、自分に合った証券会社でつみたてNISAを始めてみてください。

つみたてNISA(積立NISA)におすすめの口座は?Q&Aで確認

Q.つみたてNISAを始めるならどこで口座を開設すればいい?おすすめは?

A.多くの人におすすめなのは、楽天証券やSBI証券です。ただしおすすめを鵜呑みにはせず、自分が買いたい銘柄、ポイント制度などをよく調べて選びましょう。

Q.つみたてNISAで売買できる商品はどんなものがありますか?

A.国が定めた一定の投資信託です。株式やREITなどは対象外で、また元本確保型商品はありません。

Q.つみたてNISAでおすすめの投資信託の銘柄は?

A.三菱UFJ国際投信の「eMaxis Slimシリーズ」やSBIアセットマネジメントの「雪だるまシリーズ」などが低コストでおすすめです。

Q.一般NISAをしていますが、つみたてNISAに変更できますか?

A.できます。ただし一般NISAですでに投資枠を使っている場合、つみたてNISAに切り替えることができるのは来年以降になります。

Q.非課税期間20年が終わったらどうなりますか?

A.最大20年の非課税期間が経過した場合、その時点で売却するか、特定口座や一般口座などのいわゆる課税口座に資産を移すことになります。資産を課税口座に移した場合、移した時点の価格を基準としてその後の分配金や売買益等については課税されることになります。