【今週の一冊】

受け手の気持ち「受講生の評価基準」
(画像=『HiCareer』より引用)

「大人を磨くホテル術」高野登・牛窪恵著、日経プレミアシリーズ、2016年

過日、とあるホテルに泊まる機会がありました。雰囲気はもちろん素晴らしかったのですが、何よりも感銘を受けたのがホテルスタッフのサービスでした。礼儀正しく、にこやか、物腰は柔らかくこちらが快適に過ごせるよう、ありとあらゆる工夫をしておられることが感じ取れました。わずか一泊のステイでしたが、本当にリラックスできたのです。

著者の高野登氏はザ・リッツカールトン日本支社長を務められ、ベストセラーも出しておられます。ずいぶん前に氏の本を読み、非常に考えさせられたことを覚えています。一方、牛窪氏はマーケティングライター。「おひとりさま」「草食系」といったトレンドを表すことばを世に生み出していらっしゃいます。ホテルにも詳しく、このお二人の対談が本書には掲載されていました。

ページをめくると、ホテルの選び方をはじめ、バーやレストランの活用術などが綴られています。一方、どのようなお客様がホテルマンを感動させるのかなどのエピソードも満載です。ホテルという空間に身を置くことで、人として洗練され、より大人としてのふるまいを身に着けられるのも、ホテルならではと両者は説きます。

確かに宿泊代金「だけ」を見れば、高級ホテルは手が届きづらいかもしれません。けれども、日常の喧騒を離れ、素晴らしいサービスに触れることで、人は心身ともにリフレッシュできるのもホテルならではです。本書を読んで思ったこと。それは「人生で辛いことに直面した際、ホテルで癒されるのもよいのでは?」でした。専門家やカウンセラーの助けもありがたいですが、それに匹敵するぐらい、素晴らしいサービスに触れると、人の心は救われると思うのです。


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