おうち時間が増え運動不足になった、メンタル面を整えたくなったといった理由で、ヨガを始める方が増えています。 誰でも最初は初心者ですから、わからないことだらけで当然です。
気負わずに始めてみましょう!
ですが、私のヨガクラスの中でも、ヨガ初心者の方に対して「ちょっとそれは違うかも」と思える瞬間が実はあります。
そこで今回は、ヨガ初心者の方がやってしまいがちな誤った習慣や努力などをご紹介。
同時に、やっておくべきことについてもお話ししていきます。
ヨガ初心者がやりがちなこと
空腹でヨガをする
よく「ヨガは空腹で行いましょう」という説明を目にしますね。
しかし、ヨガ初心者がその詳細を知らずに「空腹」という部分だけ鵜呑みにしてヨガを行うと危険です。
ヨガ初心者にとってヨガは身体を動かしエネルギーを消費する行為です。
そのため、エネルギー不足になっていれば、身体が思うように動きません。
また空腹で血糖値が下がった状態で、頭を下にする逆転のポーズ(ダウンドッグも当てはまります)にトライすると眩暈を起こすこともあります。
実際に、私のヨガのクラスで途中から顔色が悪くなった方がいらっしゃり「どうしましたか?」と尋ねると「朝から何も食べないで挑みました…」と。
午後一のクラスでしたので、それでは空腹が長く続きすぎです。
エネルギーが切れてしまっては、ヨガで健康になるどころか体調を崩してしまいます。
起床してすぐに行う瞑想や5~10分の軽いヨガ(逆転のポーズのないもの)であれば良いですが、30分以上のヨガを行う場合は、2時間ほど前にきちんと食事をしておきましょう。
アクティブに動くヨガクラスであれば、エネルギー源となる炭水化物も多少は必要です。また、筋肉の元となるたんぱく質も摂るようにしましょう。ただし、油っこい料理は避けてくださいね。
ヨガクラスの前に腹が空く場合は、胃が膨れない程度のシリアルバーやナッツなどを摂る分には問題ないと私は思います。
ただし、お腹に食べ物がたくさん入っている状態でヨガのポーズをとると消化不良を起こしますし、逆流してしまう恐れもあります。
「食べ物じゃないから」とスムージーやカフェラテを1杯丸々飲んでのヨガも、気持ち悪くなる可能性があるので危険です。
「空腹でヨガをしましょう」ではなく「満腹ではヨガをしないように」と覚えておきましょう。
ヨガの最中にスポーツドリンクを飲む
ヨガの最中にスポーツドリンクを飲むのは、実はあまりよくありません。
糖分が多い水分を摂ると、血糖値が急激に上がってしまい身体に負担がかかるからです。
ヨガの最中に水分補給をするなら、常温の水、ハーブティー(ノンカフェイン)、麦茶などがおすすめです。
夏場であれば冷たい水をどうしても飲みたくなることもありますが、ヨガでせっかく上がった体温を下げてしまうことになるので、できれば常温の水が良いですね。
ヨガ=白湯のイメージがあるかもしれませんが、ヨガのアーサナの合間には飲みにくいので、取り入れるなら飲みやすい温度になった白湯にしましょう。
頻繁に水分補給をする
ヨガクラスの最中に、頻繁に水分補給をするのはやめましょう。(ホットヨガクラスは別です。)
私のヨガクラスにも、2~3ポーズごとに水筒に口をつける方がいたのですが、せっかく研ぎ澄まされた集中力がその瞬間切れてしまい、次のポーズでは気が散っているようでした。
ヨガ講師が水分補給を促したタイミング、もしくは喉がくっついてしまい呼吸が上手くいかないほどの渇きを感じたときに水分補給を行いようにしましょう。
周囲と比べて落ち込む
ヨガを始めて間もなくの頃は、「周囲についていけるか」と不安になるものです。
ですが、「あの人のようにできない」「先生が言うとおりに身体が動かない」と焦る必要は全くありません。
ヨガは誰かと比べて優劣をつけるものでも、競い合うものでもありません。
ポーズができないと思ったときは、「できない」のではなく、「今日の自分はこの状態である」と認識をするだけで良いのです。
最初はどうしても周囲が気になってしまうと思いますが、自分のアーサナに向き合いましょう。
例えば、「腕をもっと伸ばしてみよう」と意識したり、「左向きだとバランスがとりにくいな」と観察したり、ヨガ講師が「肩の力を抜きましょう」と言ったら「肩に力が入っていないか」と確認したりするのです。
「呼吸が止まっていないか」と、呼吸に意識を向けることも大切です。
こうして一つ一つのアーサナに集中することで、周りを見て比べている余裕はなくなります。
ヨガの講師は、このようなガイドをすることで集中力を高める助けもしています。
1日に何回もヨガクラスに参加する
ヨガを始めてヨガにハマり、1日に何回もヨガクラスに参加する方もいらっしゃいます。
しかし、1回のヨガクラスで身体は十分に疲労しているものです。
その状態で続けていても、パフォーマンスが落ちてしまうだけ。
怪我に繋がる恐れもあるので、ヨガクラスへの参加は1日1回にしましょう。
自分で朝ヨガを15分、夜ヨガを20分行ったり、ヨガクラスの参加後に家で少しヨガをしたりする程度なら良いと思います。
長い時間行えば良いというものではなく、短い時間でもしっかり集中して行うことが大切です。
また、1日に何回もヨガクラスに来ていた方に限って、数か月後に飽きてしまうケースも少なくありません。
成果を急いだけれど、思うようにいかなかった…と熱が冷めてしまうようです。
ヨガは続ければ続けるだけ、心も身体も変わっていきます。
ヨガを大好きになった方も、焦らず長く続けることを目標にしてみましょう。
難しいポーズばかりチャレンジする
難しいヨガポーズ見栄えが良いので、ヨガを始めた頃は誰でも「できたらかっこいい!」「早くできるようになりたい!」と思うものです。
しかし、ヨガの高度なアーサナは基礎を固めないと絶対にできるようにはなりません。
勢いで行うと、身体を傷めてしまう原因になります。
例えば、ヘッドスタンドやピンチャマユラーサナは、肩の筋肉が強化されるチャトランガダンダ―サナが安定的にできるようになり、プランクポーズなどで体幹がしっかりと整い、木のポーズなどでバランス感覚が身についたころに、パッとできるようになるものです。
ぺたっと手が床につく前屈は、太陽礼拝を日々繰り返して練習していくうちに自然と身体が適応してきます。
股関節や腰の柔軟性が必要となるピジョンポーズは、太陽礼拝の間に組み込まれるハイランジやローランジのポーズを繰り返し行っていくと、ポーズをとりやすくなっていきます。
また難しいポーズほど、集中力が必要になってきます。
その落ち着いた精神も、ヨガのアーサナの鍛錬により手に入れることができます。
ヨガに近道はなく、一歩一歩進むしかありません。
身体の成長とともに心も進化していく、奥深いメソッドなのです。
独学で難しいポーズにチャレンジ
Youtubeの動画やオンラインヨガクラスで、ヨガを始める方も増えてきましたね。
気軽に始められ、いつでも取り組めるので良いと思いますが、独学だけですすめていくのはちょっぴり危険です。
ヨガは、正しいアライメント(身体の部位の位置関係)で行わないと、関節や腱を痛めてしまう原因になるからです。
アライメントが間違っていれば、期待される効果も得ることができません。
ヨガ初心者であるほど独学でチャレンジしてしまう傾向があるので注意が必要です。
また、見た目は簡単そうなポーズでも、関節の向きによっては負担がかかるもの、準備ポーズで十分に身体をほぐしてから行った方が良いものもあります。
また、手や足の長さ、股関節の柔軟性などには個人差がありますから、プロップスを積極的に使ったほうが良い方もいます。
オンラインで始められるようになったヨガですが、身体への負担やより良い効果を求めるなら、一度はヨガ講師の元で正しいアライメントを教わりましょう。
私のヨガクラスでも、少しアライメントを整えたら「ポーズが楽になりました!」という声を多く耳にしてきました。