35歳で貯金が「700万円」、結婚の予定はありません。このまま独身でもこれくらいの貯蓄があれば老後は心配ないですか?
物価高がしばしば叫ばれる昨今にあって、将来の生活に不安を感じている人は少なくないでしょう。そのため老後に備えてできるだけ貯金しておきたいと考えるかもしれません。   今回のケースでは30代で貯金700万円の人が老後について考えています。700万円が老後資金として十分であるかどうかは、年金や退職金を含む今後の収支や健康状態など、さまざまな要素によって左右されるでしょう。   本記事では、30代の平均的な貯蓄額や老後に必要な資金などを解説し、貯蓄の考え方について取り上げます。

▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?

30代単身世帯の平均貯蓄額

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、世帯主が30代で「金融資産」を有している世帯割合は66.0%でした。
 
また金融資産を保有している世帯のうち、資産保有状況は表1の通りです。
 
表1

金融資産保有額 全体に対する割合(%)
100万円未満 22.0
100~200万円未満 9.3
200~300万円未満 11.2
300~400万円未満 9.3
400~500万円未満 6.1
500~700万円未満 8.4
700~1000万円未満 5.1
1000~1500万円未満 11.2
1500~2000万円未満 2.8
2000~3000万円未満 4.7
3000万円以上 6.1

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成
 
平均値は「912万円」です。今回のケースでは700万円であるため平均値から大きな差があります。
 
とはいえ中央値は「300万円」です。中央値はデータの値を大小順にしたときに中央にくる値であり、平均値よりも実態に近い値を知ることができます。こちらと比較すると700万円は決して少額ではないと思われます。
 

老後に必要な資金はどれくらい?