「佐久間や宮田のように、本職ではない人を起用して人気に便乗したり話題性を狙いたい気持ちはありつつも、アニメの現場はやはり“作品ファースト”ですから、まずは声優から起用していくのがほとんど。その理由は、端的に言えば、声優のほうが“場慣れ”しているから。佐久間のような人気タレントをオーディションで落とすという判断がなされるのは、ある意味で健全なんです」(同)
STARTOタレントの声優仕事増加、事務所の体制の変化が影響?
一方で、前述の2人以外にも、声優業にトライするSTARTOタレントは、以前よりも増えてきている印象だ。昨年は、嵐・相葉雅紀が10月に声優・早見沙織、大塚明夫と音楽朗読劇『THANATOS~タナトス~』(大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)に出演。テレビアニメ『殿と犬~もふもふ!~』(TOKYO MXほか、同10月〜)や映画『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』でも声優を務めた。
それに加えて、King&Prince・永瀬廉はアニメ映画『ふれる。』で坂東龍汰、前田拳太郎とトリプル主演。また、Travis Japanからは、川島如恵留がテレビアニメ『多数決』(日本テレビ系、7〜12月)、松田元太が実写映画『ライオン・キング:ムファサ』で、日本語吹き替え版声優を担当した。
さらに、今年3月には、Aぇ! group・佐野晶哉が、中国で大ヒットしたアニメ映画『ヨウゼン』の日本語吹き替え版で主役を演じる。
「近年、声優業界の門戸が広がっているのは、制作サイドがさまざまな経歴のタレントを起用しているだけでなく、演者側にも『本気で声優業に挑戦したい』と考える人が増えているからでしょう。それは、アニメを愛する人が増えたことの表れでもあります。かつてアニメは『オタクのもの』というイメージが強かったと思いますが、今やサブカルチャーからメインカルチャーへ、より一般的な文化へと移行しつつあります」(同)