新録と再録に挟まれて生まれた壮大な計画
「前作のツアーから6年が経ち、その6年間で、私のクリエイティブ面に多くの変化がありました。私は『Lover』『folklore』『evermore』、そして『Midnights』をリリースしました。一方で、元のレコード会社に売られた私の最初の6枚のアルバムを再レコーディングするという情熱を注いだプロジェクトも、優先事項でした。過去の楽曲を取り戻すなかで、私はそれらに再び恋をしたのです。過去の作品を再訪した経験により、それらの作品と、ファンが“Taylor’s Version”のアルバムで私にしてくれたことに敬意を表したいと思うようになりました。そして、新しいアルバムたちと再録アルバムたちが『どうしたら、これらすべての音楽をライブで演奏できるの?』というジレンマを生んだのです」と、新曲を生み出す作業と過去曲を振り返る作業に挟まれたテイラーの心境が、「The Eras Tour」につながったことを説明したテイラー。
続けてテイラーは「私は今までで最も長く、最も野心的なショーを作ることに決めました。平均して3時間15分、45曲を演奏するのです。私の目標は、そのショーを見終えたすべてのファンに、私が自分のすべてを捧げたと感じてもらうことでした。私は自分自身に約束しました。肉体的にも精神的にも、これまで以上にタフでいると。自分の健康、フィットネス、スタミナ管理にいっそう規律を持とうと専念しました。幸い、私の周りにはすばらしいクルー、バンド、シンガー、ダンサーがいて、皆がこの大規模で挑戦的なショーに身を捧げる私に応えてくれました」と、覚悟とそれに続く自分自身、そして周囲の献身的な努力を振り返った。
どんな時もショーを届ける理由
そして最後は「私たちはこの公演を、大雨の中、焼けつくような暑さの中、最も湿度の高い中、最狂の風の中、そして冷たい寒さの中で行いました。私たちは、風邪をひこうと疲れていようと、ケガをしていようともやり遂げました。心が折れている時だってやり遂げました。この舞台で幸せと驚きを作り上げるという貴重な機会を愛しているからこそ、私たちは公演をやります。コンサートに来てくれるためには時間、労力、お金、エネルギーが必要だと知っているからこそ、私たちは公演をやります。交換されたすべてのフレンドシップ・ブレスレットが新しい友達をつくる可能性を秘めているからこそ、私たちは公演をやります。そして、私たちが訪れるすべての都市で夢のような景色を描くことに成功したとき、どれほどの夢が芽生えるか想像もできないからこそ、私たちは公演をやります。人々がどれだけ過酷な人生から逃げる必要があるかを理解しているからこそ、私たちは公演をやります。そして、それが一夜限りでも彼らにとって生涯の名誉であることを知っているからこそ、私たちは公演をやります。そして、私たちはみんなこの壮大で恐ろしい人生でひとりぼっちだけど、他の80,000人の人々と一緒にキラキラ光るフェイスペイントをして同じ言葉を歌っているとき、なんだかひとりぼっちだとは感じなくなります。人生は波が寄せるように、それぞれのフェーズが来るように、すばらしいマジカルな瞬間のようにやってきて、それらすべてのものが一つになって…Eras(時代)を作り上げるからこそ、私たちは公演をやります」と、パフォーマンスをし続ける理由を、誠心誠意語る。
締めくくりとしてテイラーは「ここに、私の人生で最もすばらしいツアー、愛する『Eras Tour』の公式回顧録ができました。次のEraでお会いしましょう…」と、未来まで示してくれた。