民放各局も明菜の「復帰後初テレビ歌唱」を狙ってオファーを出しているというが、具体的に話が進んでいる気配はなし。音楽フェスへの出演を決めるくらいなのだから、テレビで歌えないわけではないとみられ、何らかの戦略なのではと推察する声もある。

 そんななか、業界内でささやかれているのが「テレビに出ずに希少価値を高める作戦では」という説だ。テレビに出演すれば注目度は一時的に高まるが、すぐに消費されて熱が冷めてしまう恐れがある。そのため、テレビには見切りをつけ、ファンクラブイベントや音楽フェスなどの限られた場所のみで歌を披露し、神秘性やカリスマ性なども含めて価値を維持していく戦略ではと見る向きがあるようだ。

 テレビ全盛期の80~90年代に大スターとなった明菜が「テレビに出ない」という戦略を取っているのだとすれば時代の流れを感じるが、確かに現代ではそのほうが「伝説の歌姫」としてブランド価値が高まるように思える。ただそうなると、しばらくは明菜をテレビで見ることはできなさそうで、ファンとしては複雑な気持ちになりそうだ。