シングル女性の脅威「独身税導入」は実現する?

(写真=metamorworks/Shutterstock.com)

もう少し、独身税の導入可能性について考えてみましょう。

独身者に税金を課す目的を考えてみる

独身者の方に税金を課すとなれば、確かに人は税逃れのために結婚に意欲的になり、その結果として出生率の向上や子育て世代の優遇などに繋がる可能性もあります。

しかし、そもそも結婚しない、できない理由の代表格として「金銭的な問題」があるので、的外れといえるでしょう。

これは筆者の個人的意見ですが、独身税を導入するくらいなら、例えば「教育費全額無料」や「結婚して出産したら子一人につき祝い金1,000万円」などの方が、よっぽど結婚の後押しになると考えます。財源の問題は残りますが、共感いただける方も多いのではないでしょうか。

独身者にもいろんなパターンがある

一口に「独身者」といってもさまざまです。

未婚、離婚、死別などもさることながら、例えば「20代の独身女性」と「40代の独身女性」、さらに「70代の独身女性」では、意味合いが全然違ってきます。

少なくとも、独身というだけで一律にくくることは難しいでしょう。

また本人の容姿や性格、年齢や経済力などによって、「どうがんばっても結婚できない、結婚に向かない人」というのは、確かに一定数います。にも関わらず結婚しない、できない人に対して、「努力すれば誰でも結婚できるはず」というのは、あまりに横暴でしょう。

独身者の間でも年収に大きな差がある

独身貴族などという言葉は、もはや死語ともいえる言葉であり、一概にはいえないものの、最近では「年収が低いから独身」という人が多い傾向にあります。男性の年収が低いケースは当然に、最近では女性も年収を求められることが多く、あまりに低いと男性に避けられがちです。

この状況の中での「独身税」は、かなり無理がある税金といえるでしょう。

例外的に「年収の高い独身限定」で税金を課すとなれば、それはそれで一部の方を狙い撃ちにした税金なので、理解を得ることは困難なはずです。総数も少なく、税収面の効果も弱まりますからね。

そもそも既婚世帯の方が税制優遇が多い

現状においても、すでに既婚世帯の方が何かと優遇されています。「配偶者控除」や「第3号被保険者(簡単にいえば、専業主婦は無料で国民年金に加入している)」などは、その最たるところです。

生涯独身を貫きたい方からすれば「これ以上ふざけるな」でしょう。

ただ……それだけの優遇を受けても、なお困窮しているのが既婚世帯の基本と考えると、中には「結婚しなくて良かった」と考える方もいるかもしれませんね。

全ての既婚世帯が困窮している訳ではないものの、少なくともそれを「独身税に頼る」のは、どうなのでしょうか。

独身税は今のところ実現はなさそう

少なくとも、独身税は今のところ実現はないと考えて大丈夫でしょう。ただし、この先どうなるかは誰にも分かりません。そしてそれは、あなたも同様です。

現代は結婚するもしないも当人の自由ですが、ひとまず先々を見据えた上で決断していきましょう。

文・婚活FP山本(山本FPオフィス代表)

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