2017年9月、石川県かほく市の「独身税」に関する発言がSNSで大炎上。独身者にはただごとではない「独身税」の話題ですが、実現する可能性はあるのでしょうか?
最近では本当に自ら望んで生涯独身の道を歩む人もいますし、結婚したものの離婚して「もう結婚はこりごり」というケースもありますから、気になりますよね。
そこで今回は、この「独身税」について、少し真面目に考えてみたいと思います。
きっかけは石川県かほく市。SNSで炎上した「独身税」って?
まずは、そもそもの経緯と現状を確認しておきます。
冒頭の通り、今回の発端は、石川県かほく市の「一般市民と官僚との意見交換会」での一般市民側の意見として、「子育てで生活が苦しいから独身の方に支援を願えないか」という発言が上がったことが始まりのようです。
これに反応する形で、官僚側が「独身税」という言葉を使い、あまりのパワーワードにSNSで大論争が巻き起こった……という流れのようです。
ただし、「独身税」という発想そのものは、かほく市の事例が上がるずっと前の2004年頃から国内でいわれ始め、度々話題に上っているのが実情です。
独身の方からすれば、「たまったものではない発想」である一方、今回の発言者も含めて、それほど困窮している子育て世帯も多いのが実情といえるでしょう。独身者にしてみると「自己責任でしょ」と感じるでしょうが、ひとまず理解を示すことは大切かもしれません。
旧ソ連やブルガリアなどでは独身税があった
調べてみたところ、なんと実際に「独身税」を導入した、あるいは検討した国は複数あるようなのです。
もっとも有名なのは「ブルガリア」でしょうか。ブルガリアに独身税が導入されたのは1968~1989年で、まさしく少子化対策として導入した経緯があったようです。何とも驚きですね。
しかし、結果は失敗。2.18%だった出生率が1.86%に下がり、それどころか結婚するカップル自体が減ってしまったようです。
なぜなら、独身税の導入によって独身者がお金を貯めることができず、ますます結婚から遠ざかった……何となく予想通りの結末を迎えたといえるのかもしれません。
今の日本でも、「なぜ結婚しないのか?」と問われれば、「お金の問題」は上位にくる理由です。このため、少なくともブルガリアのような独身税をそのまま日本に導入すれば、同様の結果を生むことは明らかでしょう。
ただ、形を変えて導入される可能性もゼロではないでしょう……。