受精卵が女性の子宮内膜に着床した後、流産や死産、または中絶となることもあるため、出産時の性比は一次性比と区別され、二次性比と呼ばれる。

 多くの生物の性比が1:1であることを説明するために、1930年にロナルド・フィッシャーが「自然選択の遺伝学的理論」の中で提唱した理論「フィッシャーの原理」に従い、多くの動物の二次性比は1:1となるが、ヒトではわずかに男児の方が多いことが知られている。

 この理由として、一次性比が男児に偏っていることが原因であるという報告もあれば、二次性比に影響を与える流産や死産となる女児の割合が男児に比べて多いために、結果として二次性比が男児に傾くという報告もある。

 そこで、研究チームは「エコチル調査」に参加した約10万人の妊娠初期の女性を対象に、過去に妊娠した子どもの性別と今回妊娠・出産に至った子どもの性別に関連性があるかどうかを調査した。