3.小児科や皮膚科で処方される保湿剤の種類と保湿力について

『PRIME』より引用
(画像=『PRIME』より引用)

小児科や皮膚科で処方される保湿剤には複数の種類がありますよね。しかし、保湿力の違いについてはイマイチよく分からない…という方は多いと思います。ここからは、病院で処方される保湿剤の保湿力について元皮膚科クリニックの看護師をしていた私が解説していきます。

(1)プロペト(白色ワセリン)の水分保持力は高い!でも潤いを与える効果はナシ

『PRIME』より引用
(画像=丸石製薬,『PRIME』より引用)

水分の蒸発を防ぎ、保湿性が一番高いのはプロペトや、白色ワセリンです。病院で処方されるワセリンは不純物を取り除いているワセリンなのでワセリンの中でも使いやすく個人的に一押しの保湿剤です。しかし、ワセリンそのものには保湿性はありません。あくまで、皮膚に水分を入れたあとの蓋のような役割をします。部分的に使用するなど、乾燥が目立つ部分に使用するのがおすすめです。市販の物をサクッと購入したい方はベビーワセリンの使用感が一番近いです。

(2)ヒルドイドの保湿力はソフト→クリーム→ローション・フォームの順番

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(画像=maruho製薬,『PRIME』より引用)

小児科や皮膚科で処方される回数が最も多いといっても過言ではないのが、ヒルドイドなどのヘパリン系製剤ですよね。実は、同じヒルドイドでも保湿力は変わります。

一番保湿力が高いのはヒルドイドソフトです。その次に保湿力のあるヒルドイドクリームは、ソフトと比べると少しだけサッパリ感があります。この2つは軟膏のように指に出して使えますが、赤ちゃんには使いづらいという意見も。赤ちゃんにも塗りやすいローションタイプの保湿剤であるヒルドイドローションは、伸びがいいので使いやすいと感じるママは多いです。

しかし、皮膚科医の中にはヒルドイドローションの中にセタノールというアルコールを使用しているため、赤ちゃんには処方したくないと考える医師もいます。セタノールはヒルドイド製剤をはじめ、多くの化粧品に使用されておりセタノール自体の危険性はありません。しかし、稀に皮膚乾燥を持つ人にアレルギー型接触皮膚炎を引き起こす可能性があるため知識として理解しておきましょう。

(3)ジェネリックも使用感はほとんど変わらない

小児科や皮膚科で処方される保湿剤は、ジェネリックのものも存在します。正直、使用感としてはジェネリックでも先発品でも変わりないと感じる人がほとんどです。強いて言えば、ヒルドイドローションの後発品であるビーソフテンローションは、無色でトロっとしたテクスチャーで伸びが良いです。頭の乾燥にはヒルドイドローションではなくビーソフテンローションを処方する医師もいますが、基本は医師の処方する保湿剤で問題はありません。

(4)乾燥肌にローションタイプの保湿剤を使用しても保湿は足りない

『PRIME』より引用
(画像=『PRIME』より引用)

動きが多い赤ちゃんや子どもは、ローションタイプの保湿剤が塗りやすくついつい選びがち。しかし、乾燥の強い肌は、ローションタイプの保湿剤だと保湿力が足りません。保湿された肌を目指すならローションタイプの保湿剤を、クリームタイプやこっくりしたテクスチャーの物に切り替えるといいでしょう。

4.本当に知りたいヒルドイドの役割と市販でおすすめの保湿剤3選

『PRIME』より引用
(画像=『PRIME』より引用)

保湿剤や、美容成分が配合されている⁉と過去に注目を集めたヒルドイドは、実は保湿剤がメインの役割ではありません。ヒルドイドの本当の役割の説明や正しい保湿の知識、市販のおすすめ保湿剤をご紹介します。

(1)ヒルドイドの本当の役割は血行促進

ヒルドイドは、保湿剤に注目されがちですが、本来は血行の促進を目的として使用されています。具体的な例を挙げると、

  • 血行の流れが悪く足が病的に浮腫んでしまっている方
  • しもやけに悩んでいる人
  • ケロイドの治療

上記の方を始めとする治療に該当する方に処方されます。保湿の効果はありますが、皮膚の表面である角質層の表面に留まってしまうので時間の経過と共に皮膚は乾燥します。(参考:東中野セント・アンジェラクリニック)

ヒルドイドは、肌の症状に合わせて治療の目的で使用するのが一番効果的だということがわかります。病院で処方してもらうと料金はかからず、気軽に貰えるイメージがありますが、正しい知識を身に着けて我が子の状態に合わせた保湿剤を選びましょう。

(2)市販でおすすめの保湿剤3選

保湿で一番重要なのは、潤いを与える、その潤いを皮膚の角質層の奥まで浸透させることです。皮膚の奥に浸透しない保湿剤を1日何回使用しても肌は潤いません。では、どんな保湿剤がおすすめなの?と疑問を抱くママに向けて、ここからは病院を受診する手間を省きたい方向けの、市販で気軽に購入できる保湿力の高い安全な保湿剤を3点ご紹介します。

①保湿力とキープ力、両方欲しい場合は馬油がおすすめ

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馬油とは、その名の通り馬の油です。馬油は皮脂と構造が似ているため、人の肌にもスッと馴染み浸透します。そして、肌の奥に入り込み保湿するだけでなく保湿状態をキープする力もあります。なるべく余計なものを子どもに使いたくないと考えるママに人気の自然派は保湿剤です。

②オーガニック成分で安心のアロベビー

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アロベビーは、保湿剤から日焼け止めまで数多くの商品を展開しているブランドです。ママからの支持は強く、一度は目にした経験のある方も多いのではないでしょうか?

PRIMEライター乃原

我が家はアロベビーの日焼け止めを使用しています!ハーブのような香りで日焼け止め独特の使用感はなく、リピートしていました。

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ママ達に人気があるのはローションタイプですが、元皮膚科の看護師の私がおすすめしたいのは妊娠線予防のクリームです!ママに向けて作られた商品ですが、公式サイトでは生まれた赤ちゃんにも使用できると明記されており安心して使えます。料金も定期購入にすると、お値段が安くなり保湿剤を切らす心配もありません。

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カサカサ肌が目立つお子さんにはローションタイプの保湿剤だと少し保湿が足りないのが本音。ローションタイプはお肌が安定してきた頃や、夏場などの気温が高くなってきた時期に使用し、乾燥が酷い場合や寒い時期はクリームでしっかりと保湿をしてあげましょう。

PRIMEライター乃原

我が家はアロベビーのクリームかヴァセリンのクリームを使い分けています!

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③潤静はアトピー肌のお子さんにもおすすめ

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潤静は、敏感肌やアトピー肌の人でも安心して使用できる低刺激の美容液です。成分は無添加で保湿力がヒアルロン酸やコラーゲンよりも高い超分子PGAを使用しています。美容液なのでクリームタイプの保湿剤と比べると油分は劣りますが、物足りない方は市販のワセリンなどを組み合わせて使用すると保湿持続力も気になりません。

大人用の美容液として誕生した潤静ですが、もちろん子どもにも使用できます。

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ワセリンとの併用で1年を通して使えるのはとっても便利!

潤静はセラミドが豊富に使用されているのもおすすめのポイントです。セラミドは肌の角質などの細胞と肌の水分を挟む働きがあります。カサカサ知らずの元気な肌を手に入れるには、セラミドを体内から生み出しターンオーバーを正常に行う必要がありますが、皮膚の乾燥が強いとターンオーバーは乱れ、上手くできません。しかし、潤静の潤沢なセラミドを皮膚に取り込むと肌の水分を保持し、自ら作るセラミドの量も増えるので結果として潤いのある皮膚を取り戻す効果が期待できます。

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