
つみたてNISAは積立投資が基本ですが、40万円の投資枠を一括投資で利用したい人もいるでしょう。やり方によっては一括投資ができるため、その方法を見ていきましょう。一括投資をするときに知っておくべきことや積立投資とのリターンの違いも紹介します。
- つみたてNISAで一括購入する方法がある!
- 一括購入するには証券会社のボーナス設定を利用
- 一括投資は投資タイミングが重要!損益の変動も大きい
- 一括投資は余裕資金があり、長い目で運用できる人におすすめ
- 一括購入できるおすすめの証券会社は楽天証券
2022年3月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
会社名 | ![]() |
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取扱銘柄数 | 180本 | 178本 | 152本 | 164本 | 173本 |
売買手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 |
ポイント還元 | 楽天ポイント | Tポイント | マネックスポイント | Pontaポイント | 松井証券ポイント |
クレジット カード決済 ポイント還元率 |
1%(※1) | 0.5%(※2) | 1.1% | 1%(※3) | 非対応 |
積立コース | 毎月 毎日 |
毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 |
ココがおすすめ | 楽天ポイント が貯まる |
豊富な 商品ラインナップ |
マネックスポイント が貯まる |
現物株式の取引手数料が 最大5%割引 |
サポートが手厚い |
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※2.三井住友カードの一般カード。一部のカードは1%または2%
※3.2022年3月28日より。対象au回線契約者は最大5%
つみたてNISA(積立NISA)では一括購入できない?

つみたてNISAは、投資信託でコツコツ資産形成をするための制度です。本来は積立で投資をする制度ですが、一括購入はできないのでしょうか。制度の内容を知って、どのように投資できるのか見ていきましょう。
つみたてNISA(積立NISA)とは投資信託を非課税で運用できる制度
つみたてNISAとは、投資で利益が出ても税金のかからない制度です。まずは特徴を押さえましょう。
つみたてNISAの特徴 | |
---|---|
利用できる人 | 日本在住かつ20歳以上の人 |
投資方法 | 積立投資 |
投資できる商品 | 一定の投資信託 |
非課税になる利益 | 売却益・分配金 |
非課税になる期間 | 最長20年間 |
途中売却 | いつでも売却できる |
投資できる期間 | 2042年末まで |
一言でいえば、つみたてNISAは投資信託を非課税で運用できる制度です。
本来は投資で増えた利益には、約20%の税金がかかります。100万円増えれば、売却したときにおおよそ20万円も税金がかかることです。
つみたてNISAは利益が出ても税金がかからず、このデメリットを解消できます。非課税の期間は、投資した各年から20年間です。
例えば2022年に投資した分は、2041年までならいつ売却しても税金はかかりません。2042年末まで毎年投資でき、最後の2042年に投資した分は、2061年まで非課税で運用できます。
つみたてNISAでは、毎年40万円を上限として一定の投資信託が購入可能です。各年に購入した投資信託を保有している間に得た分配金と、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)が購入した年から数えて20年間、課税されません。
出典:金融庁
つみたてNISA(積立NISA)で投資できる金額は年間40万円まで
つみたてNISAで投資できる金額は、年間40万円までです。毎年40万円を上限に投資枠があり、その範囲内で投資できます。
2042年まで毎年投資できますので、投資できる合計金額は、2022年開始であれば最大840万円、2023年開始であれば最大800万円、2024年開始であれば最大760万円までです。
将来つみたてNISAの投資期間が延長されるようなことがあれば、さらに投資できますが、今のところ合計の投資枠は徐々に少なくなっていきます。

國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
つみたてNISA(積立NISA)の積立頻度は「毎日」「毎週」「毎月」
つみたてNISAは年間40万円まで投資でき、投資方法は積立です。
積立投資は毎月の収入から3万円ずつ投資するなど、少しずつ投資していく方法になります。頻度は「毎日」「毎週」「毎月」です。証券会社ごとに設定できる頻度は異なります。
基本は自分が積み立てやすい頻度を選べば、問題ありません。その違いによってリターンに差が生まれるのかは、後ほどシミュレーションで紹介しましょう。
年間40万円を一括購入できる?
つみたてNISAは、積立で投資する制度です。年間40万円まで投資できますが、つみたてNISAを一括購入に利用したいと考える人もいるでしょう。
結論をいえば、つみたてNISAで一括購入はできません。しかし積立の設定次第で、それに近いことはできます。
つみたてNISA(積立NISA)で一括購入する方法

つみたてNISAで投資信託を一括購入するにはどうすれば良いのでしょうか。ポイントになるのは「ボーナス設定」です。
ボーナス設定とは積立額を上乗せする設定
もし1月から毎月1万円を積み立て、6月と12月に13万円ずつ上乗せする場合、以下のようなイメージになります。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
定額 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
ボーナス 設定 |
- | - | - | - | - | 14万円 | - | - | - | - | - | 14万円 |
月額 積立額 |
1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 15万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 15万円 |
上乗せする月は自分で選べ、年1回だけ設定しても構いません。
つみたてNISA(積立NISA)で一括購入するにはボーナス設定を利用する
つみたてNISAで一括購入するには、ボーナス設定を利用します。
最低100円から投資できるネット証券の場合、毎月の投資額を100円に設定可能です。残った投資枠を1回のボーナス設定で買い付ける方法があります。
この方法なら毎月の投資額を最小限に抑え、特定の月に一括購入ができるようになるでしょう。
ボーナス設定の有無は証券会社ごとに違う
つみたてNISAのボーナス設定は、多くの証券会社で可能です。しかし、中には利用できないところもあります。ここでは、主なネット証券でボーナス設定の有無を確認しましょう。
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|
---|---|---|---|---|---|
ボーナス設定 | ◯ | ◯ | ✕ | ◯ | ✕ |
最低積立金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 1,000円 |
積立頻度 | 毎日(✕) 毎月 |
毎日 毎週 毎月 |
毎月 | 毎日 毎月 |
毎月 |
ボーナス設定 クレカ対応 |
✕ | ✕ | ― | ✕ | ― |
この中でボーナス設定のできるネット証券は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券です。楽天証券は毎日積立を選択した場合に、ボーナス設定ができませんので注意しましょう。
クレジットカード決済で投資できるネット証券もありますが、ボーナス設定には対応していません。
ボーナス設定の有無は証券会社によるため、設定したい場合は口座開設前に公式サイトでチェックしましょう。
一括投資と積立投資のメリット・デメリットを比較

一括投資と積立投資には、それぞれメリットとデメリットがあります。どちらのお金が増えるかは、投資環境によっても変わります。大事なのはその特徴を理解し、投資とうまく付き合っていくことです。
一括投資と積立投資の特徴を比較
それぞれ次のような特徴があります。
一括投資の特徴 | 積立投資の特徴 |
---|---|
余裕資金の投資に適している | 定期的な収入の投資に適している |
投資タイミングが損益に与える影響が大きい | 少額ずつなので始めるタイミングを選ばない |
損益の変動が大きくなりやすい | 損益の変動が大きくなりやすい 運用額が少ないうちは損益が小さい |
大きな違いは 一括投資が「今あるお金」、積立投資が「将来のお金」を投資に回すことです。どちらが良いかは投資の目的やどのような投資をしたいかで変わるため、メリットとデメリットを知って判断しましょう。
つみたてNISA(積立NISA)で一括購入するメリット

一括購入は上昇相場に強く、時間をかければ利益がふくらみやすいメリットがあります。臨時収入があったときにも活用できるでしょう。
・上昇相場で積立投資より有利な可能性がある
つみたてNISAで一括購入する場合、上昇相場では積立投資より有利になりやすいでしょう。
株式には値動きがありますが、長期的には上昇する傾向があります。積立投資の場合、上昇期間は値上がりを追いかけて積み立てていくことになりますので、価格の低いタイミングで一括投資の利益が伸びやすいでしょう。
しかし、価格が低かったかどうかは後から振り返らなければ分からないことも多いため、年単位の長い目で運用することが大切です。
・複利効果が大きくなりやすい
早い時期に一括購入することで、複利効果は大きくなる傾向があります。
同じ利率で預けた場合、期間が長くなるほど、単利よりも複利のほうが有利になります。
引用:日本証券業協会『投資の時間』
複利効果はよく雪玉に例えられることがあり、以下のようにイメージすると分かりやすいでしょう。
雪玉の大きさ=投資額
雪玉を転がす時間=投資期間
転がして増えた雪の量=利益
最初の雪玉(投資額)が大きいほど雪玉の大きくなるスピードが早く、転がす時間(投資期間)が長いほど雪の量(利益)も増えます。
現実には雪玉のように一直線に利益が増えることはありません。しかし、まとまったお金を長期投資することで複利効果が発揮されやすくなるでしょう。
・臨時収入があったときにまとまった金額で購入できる
つみたてNISAの投資枠は、年間40万円です。
もし毎月1万円を投資すれば、年間12万円で投資枠は28万円余ります。投資枠の余りは翌年に持ち越せません。しかし、ボーナスなど臨時収入のあるときに一括購入することで有効活用できます。

國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
つみたてNISA(積立NISA)で一括購入するデメリット
一括購入すると、価格の高いときにまとめて買ってしまう可能性があります。損益の変動も大きくなりやすいため、投資に慣れていない人は積立投資が合っているでしょう。
・高値掴みのリスクがある
一括購入には高値づかみのリスクがあります。長期投資することでリターンは期待できますが、投資に下落はつきものです。
10年や20年といった大きな流れで右肩上がりだとしても、その間には必ず下落する期間があります。たまたま購入した直後に下落期間に入れば、「投資タイミングを間違えた!」とストレスにもなりかねません。
長い目で見れば利益が期待できるとは分かっていても、一括購入による高値づかみは心理的な負担になることがあります。
・損益の変動が大きい
一括購入は最初の投資額が大きいため、損益の変動も大きくなりやすいでしょう。利益も大きくなりますが、下落相場では損失も大きくなってしまいます。
例えば同じ10%の下落でも、4万円なら4,000円、40万円なら4万円の違いです。
積立投資なら少しずつ慣れていけますが、投資初心者の場合、最初から一括投資をすると損益の大きさにドキドキしてしまうかもしれません。

國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
・ドルコスト平均法が利用できない
ドル・コスト平均法とは、価格が変動する商品に対して「常に一定金額を、定期的」に購入する方法です。投資金額を一定にすることで、価格が低いときには購入量(口数)が多く、価格が高いときには購入量(口数)が少なくなり、平均購入単価を抑えることが期待できます。
引用:三井住友銀行
洋服で考えると、普段1万円の洋服がセールで5,000円になれば、同じ1万円でも2着購入可能です。支払った金額は1万円ですが、安く買ったほうは1着当たり5,000円で買えたことになります。
このように積立投資では同じ投資金額でも購入量が変わり、平均取得単価を抑えやすくなるでしょう。
一括投資では、ドルコスト平均法は使えません。価格が高いときに購入してしまうことも考えられるでしょう。
つみたてNISA(積立NISA)で積立購入するメリット

積立購入は少しずつ投資する方法のため、高値づかみをしてしまうことがありません。購入タイミングを気にする必要もなく、下落相場では平均取得単価を抑えられるチャンスになります。
・高値掴みを避けられる
積立購入は定期的に少額ずつ積み立てていくため、高値掴みを避けられるメリットがあります。
投資環境には良いときもあり、悪いときもあります。良い環境だと思って一気に購入しても、その後悪くなり、結果的に高値掴みになることも考えられます。
積立購入は一度にお金を投入することがありませんので、価格が高いときに買っても全てが高値掴みになることはありません。逆に価格が安いときに一度に購入できることもなく、投資タイミングは分散されます。
・購入タイミングを気にしなくていい
購入タイミングを気にしなくてもいいメリットもあります。
例えば、毎月3万円を10年間(120ヵ月)投資すれば、360万円と大きな金額になるでしょう。しかし、月々の投資額が運用結果に与える影響度は120分の1で、20年間(240ヵ月)なら、240分の1です。
一括投資は、いつ投資するかが結果に大きく関係します。しかし、積立投資の場合、1回ごとの購入はさほど運用結果に影響を与えません。
このように考えると、積立投資は購入タイミングを気にしなくてもいいことが分かるでしょう。それよりも淡々と投資を続け、平均取得単価を抑えながら運用を継続するほうが大切です。
・下落相場に強い
積立購入は下落相場に強いことがメリットです。
一括購入は、下落がダイレクトに運用結果につながります。一方で積立購入は下落の期間中も買い付けていき、その間は安い価格で購入できるチャンスです。
安いときに購入できた期間が長いほど、平均取得単価も下がりますので、将来的に利益が出やすくなるでしょう。

國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
つみたてNISA(積立NISA)で積立購入するデメリット
積立購入は、一括購入ほどの利益は期待できないかもしれません。しかし、続けていけば運用資金が増えていき、将来的にはリターンが期待できるでしょう。
・長期投資では一括購入のほうが資産が増える可能性がある
株式市場は、大きな流れとして上昇していく傾向です。コツコツ投資する積立購入より、最初にまとめて投資する一括購入の資産はより増える可能性があります。
これは一括購入の複利効果が高いためです。
複利は投資額が大きく、投資期間が長いほど効果が大きくなります。積立購入は徐々に運用資金が増えていくため、一括購入に比べるとどうしても複利効果は弱くなりやすいでしょう。
しかし低迷時期が続き、その間に安く積み立てられるなど、積立購入に有利な環境があれば、一括購入より増えることも十分に考えられます。
・短期間で大きな利益は期待しにくい
積立購入は少しずつ投資する方法のため、短期間で大きな利益は期待できないでしょう。
積立購入は、徐々に運用資金を増やしていく投資方法です。一括購入と比べると、特に投資期間が短い間は利益が小さくなりやすい特徴があります。
しかし短期的な利益を求めないなら、高値掴みを避けられ、安心できる投資方法です。最初は投資額が小さくても、5年、10年と続けていけば運用資金が大きくなり、将来の資産形成につながるでしょう。
つみたてNISA(積立NISA)での一括投資と積立投資はどっちのリターンがいい?

積立投資と一括投資では、どちらのリターンが優れているのでしょうか。ここでは、つみたてNISAで実際に採用されている投資信託で比較しましょう。
長期の実績を見るために、10年以上運用されている「東京海上セレクション・外国株式インデックス」でシミュレーションをしてみます。以下は10年間のチャート推移です。

一括、毎月積立、毎週積立、毎日積立でリターンはどう変わる?
一括投資と積立投資(毎月、毎週、毎日)でリターンを比べてみましょう。
一括投資は毎年40万円購入し、積立投資はそれぞれの頻度で購入できる上限額を投資したとします。
投資方法 | 一括投資 | 毎月積立 | 毎週積立 | 毎日積立 | |
---|---|---|---|---|---|
投資額/回 | 40万円 | 3万3,333円 | 7,692円 | 1,619円 | |
1年 | 損益 | 12万3,254円 | 10万2,493円 | 10万4,362円 | 10万392円 |
損益率 | 130.81% | 125.62% | 126.09% | 125.10% | |
3年 | 損益 | 75万1,905円 | 61万4,188円 | 59万4,443円 | 62万2,465円 |
損益率 | 162.66% | 151.18% | 149.54% | 151.89% | |
5年 | 損益 | 87万874円 | 74万700円 | 71万2,810円 | 66万4,881円 |
損益率 | 143.54% | 137.04% | 135.64% | 133.25% | |
10年 | 損益 | 526万2,573円 | 479万6,022円 | 465万8,297円 | 482万2,886円 |
損益率 | 231.56% | 219.90% | 216.46% | 221.84% |
※モーニングスターのデータより筆者作成
積立投資は頻度による違いがさほどありませんでした。投資期間によって順位がバラバラで、多少の違いは誤差の範囲でしょう。
一括投資はどの期間でも積立投資を上回っており、長く投資するならおすすめです。ただし、シミュレーション期間が変われれば結果も変わります。

國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
一括、毎月積立、毎週積立、毎日積立で投資信託の平均取得単価はどう変わる?
平均取得単価は、投資信託を「複数回購入したときの単価の平均」です。つみたてNISAは購入手数料がかかりませんが、本来は購入手数料を含めて計算します。
同じ投資信託を安いときに多く購入するほど平均取得単価は下がり、高いときに多く購入するほど上がるでしょう。売却したときは平均取得単価をもとに損益が計算されるため、低いほうが利益は出やすくなります。
先ほどと同じシミュレーション例を使い、購入方法ごとの平均取得単価の違いを見てみましょう。
平均取得単価 | ||||
---|---|---|---|---|
投資方法 | 一括投資 | 毎月積立 | 毎週積立 | 毎日積立 |
1年 | 9,551円 | 9,946円 | 9,909円 | 9,868円 |
3年 | 12,464円 | 13,410円 | 13,308円 | 13,284円 |
5年 | 1万4,505円 | 1万5,194円 | 1万5,099円 | 1万5,079円 |
10年 | 1万8,353円 | 1万9,326円 | 1万9,206円 | 1万9,158円 |
※モーニングスターのデータより筆者作成
平均取得単価は一括投資が低くなっています。これは長期的に上昇が続いており、そこにお金を早い時期から投入したためです。
積立投資は上昇していく中で少しずつ買い付けていったため、一括投資より平均取得単価が高くなっていくでしょう。
しかし、状況により積立投資が有利になることもあります。より高いリターンを目指したいのか、リスクを抑えて投資したいのかによって、選ぶ投資方法は変わるでしょう。
相場が下がっているときは一括と積立どっちが有利か
相場が下がっている間は、積立投資が有利です。
先ほどのシミュレーションでは、投資信託は大きな流れとして右肩上がりだったため、結果的に一括投資のリターンは高くなりました。
しかし10年チャートを見ると1〜2年ほど下げ相場が続いた時期もあり、その間は積立投資にとって安く買える期間になります。そのおかげで平均取得単価も下がりますので、下げ相場は積立投資にとって決して悪い環境ではありません。
一括投資の場合、追加投資をしなければ下げた分だけ損益に影響します。長く下げ相場が続くと、ストレスに感じてしまう場合があるでしょう。
相場が上がっているときは一括と積立どっちが有利か
相場が上がっているときは、一括投資が有利です。上昇傾向が続くなら、最初にまとめて投資するほうが取得単価を低いまま抑えられます。
上昇相場の中で積立をすると、平均取得単価は少しずつ上がっていくでしょう。そうなると長期投資では、初めにまとめて購入する一括投資の利益はふくらみやすくなります。
ただし、まとめて投資すると高値掴みの可能性があることは注意しましょう。
つみたてNISA(積立NISA)での一括投資と積立投資はどっちがおすすめ?

投資は無理をせず長く続けていくことが大切なので、一括投資と積立投資のどちらが自分に合っているかを考えて投資しましょう。それぞれの特徴からおすすめできる人が変わります。
一括投資がおすすめの人
一括投資は余裕資金があり、長い目で運用できる人におすすめです。
・資金に余裕のある人
今あるお金を投資に回すため、手元のお金を運用に有効活用できます。数年くらいで引き出す可能性がある場合はおすすめしません。しかし、10年や20年先まで使わないお金であれば、その間に運用することを検討してみましょう。
・積極的にリターンを狙いたい人
積極的にリターンを狙いたい人は、一括投資がおすすめです。基本的には投資額と投資期間が長いほど運用資金が増えやすいため、長期投資でリターンを追求したい人に向いているでしょう。
・相場の動きを無視できる人
投資をしていると、状況によってはマイナスの期間が長くなる場合があります。そうした状況を気にしすぎてしまう人は、ストレスを抱えるでしょう。資金を投入したあとは相場の動きをある程度無視できる人ほど、一括投資に向いています。
積立投資がおすすめの人
積立投資はまとまったお金がなくても始められます。投資に時間をかけたくない人にもおすすめです。
・少額から投資したい人
まとまった余裕資金がなくても、少しずつ投資できるのが積立投資の良いところです。毎月の収入の一部を貯金代わりに投資へ回せば、金銭的な負担感も少ないでしょう。
・相場を気にせず投資したい人
積立投資は投資環境が良いときも悪いときもコツコツ積み立てていく方法のため、相場を気にする必要がありません。まとまった金額を投資し運用状況が気になってしまうような人は、積立投資が向いているでしょう。
・ほったらかしにしたい人
積立投資は1回の投資額が運用結果に与える影響が少なく、続けていくことがポイントです。一度始めればあまりすることはありません。ほったらかしで投資したい人におすすめです。
つみたてNISA(積立NISA)で一括購入できるおすすめの証券会社3選
つみたてNISAでおすすめのネット証券を3つ紹介します。一括購入したい場合は、ボーナス設定ができる証券会社を選びましょう。
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|
---|---|---|---|
ボーナス設定 | ◯ | ◯ | ◯ |
最低積立金額 | 100円 | 100円 | 100円 |
設定金額単位 | 1円 | 1円 | 1円 |
積立頻度 | 毎日(✕) 毎月 |
毎日 毎週 毎月 |
毎日 毎月 |
ボーナス設定 クレカ対応 |
✕ | ✕ | ✕ |
銘柄数 | 181 | 179 | 152 |
口座開設日数 | 約6日 | 最短2営業日 | 最短翌営業日 |
ポイント還元 | 投資信託の 基準残高達成ごとに 楽天ポイント還元 楽天カード決済で 1%還元 (2022年9月から 最大1%に変更) |
投資信託残高に応じて、 以下いずれかを最大0.25%還元 ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント 三井住友カード 決済で最大2%還元 |
投資信託の残高に 応じて、最大0.08%の マネックスポイントを還元 マネックスカード 決済で1.1%還元 |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
楽天証券……楽天ポイントをためても投資信託の購入に使ってもOK

楽天証券のつみたてNISAは、年間40万円を超える積立設定は受け付けされません。このため投資枠を使い切る場合は、毎月100円+ボーナス39万8,800円を設定しましょう。ボーナス設定を利用できるのは、毎月積立のみです。
楽天証券は楽天ポイントをためている人におすすめでしょう。
楽天ポイントは、投資信託残高が一定基準に達するたびに進呈されます。ボーナス設定には利用できません。しかし、楽天カード決済で積立をしてもポイントがたまります。楽天ポイントは投資信託の購入代金にも利用できますので、使い道がなければ運用に回すのもいいでしょう。
楽天証券のつみたてNISAに関する口コミ
【投資信託の種類が豊富で手数料も安い】
- ★★★★★
-
長いスパンで積立をするならば、楽天証券のつみたてNISAが良いです。投資信託の種類が豊富です。また、楽天カードで積み立てれば楽天ポイントが貯まり、ポイントを投資信託の購入にあてられる点も気に入っています。
40代・男性
【ポイントが利用可能】
- ★★★★☆
-
「楽天ポイント」を使って取引を行うことできる点に満足しています。普段の買い物などで貯めたポイントが使えるので他社よりもずっとお得感があります。
20代・女性
【ポイントがざくざくたまります!】
- ★★★★☆
-
証券口座を開設するにあたり動画や本で勉強したところ、楽天証券を優良としているものが多かったので開設してみました。楽天のクレジットカードで月3万円積立投資すると、1%の300ポイント加算され、お得だと思います。
20代 ・女性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
SBI証券……好きな積立頻度を選べてポイント還元も充実

SBI証券は、ボーナス設定で指定する金額が年間投資枠40万円の計算対象になりません。このため毎月100円積立+ボーナス39万9,900円を設定でき、初回の買付で投資枠を全て使い切れます。
翌月以降は買付エラーになりますが、自分で変更しない限り積立設定は解除されません。
SBI証券は毎日、毎週、毎月どの頻度でもボーナス設定が利用でき、設定のバリエーションが一番豊富で使いやすい証券会社でしょう。ポイントは投資信託残高に応じて最大0.25%還元され、Tポイント、Pontaポイント、dポイントから選べるのはメリットです。
SBI証券のつみたてNISAに関する口コミ
【初心者でも使いやすい】
- ★★★★★
-
大手のネット証券会社なのでセキュリティ面も安心です。取り扱い商品数もトップクラスなので、自分のスタイルにあった投資ができるのも魅力です。またアプリでの操作も可能で、使いやすいです。少額対応もしていて初心者の方でもチャレンジしやすいと思います。
30代・女性
【投資信託の種類が多い】
- ★★★★★
-
SBI証券のつみたてNISAのメリットは、手数料が安く投資信託の種類も豊富なので、選択肢が広がる点です。サポート体制がとても充実している点も魅力的です。何かあってもすぐに対応してくれます。
40代・男性
【初心者にもわかりやすい】
- ★★★★☆
-
国内、海外のインデックスファンドが多くあり、初心者にもわかりやすいです。アプリではランキング形式での商品紹介がありますし、毎日購入の設定も可能です。現在の評価額も簡単に見ることができます。信託報酬も低いものが多く、商品で困ることはないでしょう。
40代・男性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
マネックス証券……たまったポイントは他社のポイントや暗号資産に交換できる

マネックス証券のつみたてNISAは、年間投資枠40万円を超える設定ができないため、一括投資をする場合は毎月100円+ボーナス39万円8,800円を設定しましょう。
投資信託の保有残高に応じて還元されるマネックスポイントは、交換先が多く以下のポイントに替えられます。
・dポイント
・amazonギフト券
・Tポイント
・Pontaポイント
・nanacoポイント
・WAONポイント
・ANAマイル
・JALマイル
マネックスポイントで還元を受けて、あとから好きなポイントに交換できるので、複数のポイントをためている人におすすめです。ポイント以外では、ビットコイン、イーサリアム、リップルの暗号資産にも交換できます。
マネックス証券のつみたてNISAに関する口コミ
【豊富な商品ラインナップ】
- ★★★★★
-
マネックス証券は、つみたてNISAの取り扱い商品が150件以上あるので、自分に合った商品がきっと見つかります。ツールでランキングやパフォーマンスも見られるので、投資の知識が少ない人には役立つと思います。年間上限額の40万円を使い切り設定すると、限度枠を無駄にすることなく運用できます。ネット証券なので利用料を安く抑えることができるので、おすすめです。
40代 ・男性
【ポイント制度が素晴らしい】
- ★★★★★
-
マネックス証券では独自のポイントプログラムである「マネックスポイント」を貯めることができます。ポイントが貯まれば「Amazonギフト券と交換・dポイントと交換・Tポイントと交換・JALやANAのマイルと交換・日本赤十字社やReadyforへの寄付・株式売買手数料に充当・仮想通貨との交換」など非常に多くの使い方ができるので便利で嬉しいです。
20代・女性
【初心者向き】
- ★★★★☆
-
投資信託の取り扱い本数が多く、自分にニーズにあった商品を選べます。説明も丁寧なのでどんな商品かも理解しやすいです。引落手数料が無料なので入金額に悩むこともありません。また使用しているとマネックスポイントがたまってAmazonギフト券などに交換できるのもメリットです。非常にわかりやすく初心者の方にも向いています。
50代・男性
出典:fuelle編集部がクラウドワークスで調査
楽天証券のつみたてNISA(積立NISA)で40万円を一括購入するやり方

楽天証券のつみたてNISAで、40万円を一括購入するやり方を見ていきましょう。一括購入では楽天カード決済が利用できないため、ポイントがもらえない点は注意が必要です。
楽天証券の一括購入のポイント・注意点
楽天証券のつみたてNISAで一括購入する場合、注意点が2つあります。
・厳密には一括購入ではない
楽天証券のつみたてNISAは、年間40万円を超える設定が受け付けされません。一度に購入するときは、毎月100円+ボーナス39万8,800円を設定します。
これは厳密にいえば一括購入ではありませんが、実質的にはほとんど変わりません。
・一括購入だと楽天ポイントがもらえない
つみたてNISAで一括購入する場合、楽天カード決済が利用できません。楽天カードで積み立てれば決済額の1%がポイント還元されますが、一括購入には利用できませんので注意しましょう。
なお、2022年9月から楽天カード決済の還元率が変わります。具体的には運用手数料(信託報酬)が税込0.4%以上の銘柄は1%、税込0.4%未満の銘柄は0.2%です。
2022年8月からは電子マネーの楽天キャッシュでも積立できるようになり、楽天カードでチャージすると銘柄にかかわらず0.5%が還元されます。キャンペーン中は楽天キャッシュ決済でも1%がたまるため、一括購入しない場合は、楽天カードや楽天キャッシュで積立を検討しましょう。
・投資信託残高に対しては楽天ポイントがつく
一括購入では購入額に対する楽天ポイントはもらえませんが、投資信託残高が増えれば、それに応じたポイントはもらえます。
ポイント付与の条件は、毎月末の投資信託残高が初めて以下の基準に到達した場合です。
投資信託の基準残高 | もらえる楽天ポイント |
---|---|
10万円 | 10ポイント |
30万円 | 30ポイント |
50万円 | 50ポイント |
100万円 | 100ポイント |
200万円 | 100ポイント |
300万円 | 100ポイント |
400万円 | 100ポイント |
500万円 | 100ポイント |
1,000万円 | 500ポイント |
1,500万円 | 500ポイント |
2,000万円 | 500ポイント |
残高が増えていけばもらえるポイントも多くなりますので、基準残高を1つの目標にして長く続けていきましょう。
一括購入(ボーナス設定)の流れ
楽天証券のつみたてNISAで一括購入(ボーナス設定)する方法を見ていきましょう。すでに積立をしている人は、積立設定をいったん解除するところから始めます。
すでに積立をしている人……「1」から進めてください。
初めて積立設定をする人……「4」から進めてください。
・1.「NISA・つみたてNISA」のページを開く (すでに積立をしている人はここから)

楽天証券にログインし、「NISA・つみたてNISA」のページを開きましょう。
・2.「積立設定」を選択

現在設定している積立金額を変更するため、「積立設定」のページを開きます。
・3.投資信託の積立設定を解除する

現在購入している投資信託の積立設定を解除します。「変更・解除」の項目にある「解除」をクリックしましょう。

解除内容の確認画面が出てくるため、暗証番号を入力して「解除する」をクリックします。複数の投資信託がある場合は、それぞれ積立設定を解除しましょう。
・4.「NISA・つみたてNISA」のトップページに戻る (初めての人はここから)

積立設定の解除ができたら、「NISA・つみたてNISA」のページに戻りましょう。
積立設定をまだ一度もしていない人は、ここから始めてください。
・5.一括購入したい投資信託を探す

「ファンドを探す」をクリックし、一括購入したい投資信託を検索します。積立設定を解除した投資信託も、ここからもう一度選択可能です。
・6.一括購入したい投資信託を「一括積立注文」する

一括購入したい投資信託を見つけたら、右端の「カートに追加」にチェックを入れます。銘柄が複数あるときは、チェックもそれぞれ入れましょう。
銘柄を選んだら「一括積立注文」をクリックします。
・7.「楽天カードクレジット決済」以外を選択する

「一括積立注文」の画面では、引き落とし方法を選択します。「楽天カードクレジット決済」は、一括購入には対応していませんので注意しましょう。
「証券口座」か「その他金融機関の設定はこちら」から引き落とし設定をします。
・8.積立タイミングと積立指定日を決める

積立のタイミングは「毎月」、積立指定日は一括購入したい日付を選択しましょう。
・9.一括購入する金額を入力する

先に毎月の積立金額を入力しましょう。一括購入の場合でも、毎月最低100円の積立は必要です。ここでは、積立金額を100円にします。

分配金コースは「受取型」にしましょう。「再投資型」は分配金を再投資したときに、年間40万円の投資枠が使用されます。これによって積立買付するときに投資枠が不足した場合、設定した積立注文が発注されません。
つみたてNISAの銘柄は基本的に分配金を出しませんが、完全に分配金を出さないとは書かれていませんので、念のために「受取型」を選択しておきましょう。

ボーナス設定は「する」を選択し、その下の設定金額に一括購入したい金額を入力します。一括購入の場合、「ボーナス設定指定月2」は選択する必要はありません。

増額設定は初年度に3万3,333円以上の積立金額を設定したい場合に利用します。一括購入では必要ありませんので、「増額しない」を選択しましょう。
・10.目論見書を確認し、注文を確定させる

入力が終わったら、「目論見書の確認へ」に進みます。

「目論見書等を閲覧する」から目論見書を確認しましょう。

目論見書の確認をしたら、「注文内容確認へ」に進みます。

これまで入力した内容の確認画面が表示されますので、間違いがなければ取引暗証番号を入力して「注文する」をクリックします。
これで楽天証券のつみたてNISAで一括購入する設定は完了です。
SBI証券のつみたてNISA(積立NISA)で40万円を一括購入するやり方

SBI証券でつみたてNISAを一括購入する方法を見ていきましょう。SBI証券は積立開始初月に40万円の一括購入ができます。
SBI証券の一括購入のポイント・注意点
SBI証券は1回の買付で投資枠40万円を使い切れるところが他社との違いです。一括購入はクレカ決済には対応していません。しかし、投資信託残高に対するポイントは受け取れます。
・一括購入ならSBI証券がベスト
つみたてNISAで一括購入したい場合、SBI証券がベストな選択でしょう。初月に40万円を設定でき、初回の買付で投資枠を使い切れるためです。
一括購入するときは、毎月100円+ボーナス39万9,900円を設定します。
・ボーナス設定にクレカ決済は対応していない
SBI証券は三井住友カードで積立でき、決済額に対して最大2%がポイント還元されますが、ボーナス設定には対応していません。 一括購入には利用できませんので注意しましょう。
投資信託残高に対しては最大0.25%の還元があります。残高があれば毎月還元されますので、積立を続けて受け取るポイントを増やしていきましょう。
一括購入(ボーナス設定)の流れ
SBI証券のつみたてNISAで一括購入(ボーナス設定)する方法を見ていきましょう。すでに積立をしている人は、積立設定をいったん解除するところから始めます。
すでに積立をしている人……「1」から進めてください。
初めて積立設定をする人……「4」から進めてください。
・1.「NISA・つみたてNISA」のページを開く(すでに積立をしている人はここから)

SBI証券にログインし、「NISA・つみたてNISA」のページを開きます。
・2.「つみたてNISA積立設定」を選択

「つみたてNISA積立設定」をクリックします。
・3.投資信託の積立設定を解除する

積立設定している投資信託の「削除」にチェックを入れます。複数ある場合は全てチェックし、「次へ」をクリックしましょう。

解除するには取引パスワードが必要なため、入力して「設定する」をクリックし解除しましょう。
・4.「投信」のページから一括購入したい投資信託を探す(初めての人はここから)

次にページ上部の「投信」ページに進み、「銘柄検索・取扱一覧」から一括購入したい投資信託を選びます。

投資信託を選ぶとその銘柄のページに進みますので、「つみたてNISA買付」をクリックします。
・5.積立コースと積立指定日を決める

先ほど選んだ投資信託の積立コースを「毎月」に設定し、積立日を入力します。これは毎月の積立日の設定で、一括購入の日付ではないことは注意しましょう。ここでは金額を100円で入力します。
ここまでできたら「ボーナス月の積立設定」の「追加」をクリックしましょう。
・6.一括購入する金額と日付を設定

ここで一括購入したい金額と日付を入力します。一括購入の場合、「申込設定日2」は選択する必要はありません。
「適用する」をクリックしたら、次に進みます。
・7.目論見書を確認し、注文を確定させる

目論見書を確認する画面に移りますので、ひととおり確認したら「確認画面へ」進みましょう。
・8.内容を確認して注文を確定させる

注文内容を確認して間違いがなければ、「設定する」をクリックして発注します。
これでSBI証券のつみたてNISAで一括購入する設定は完了です。
つみたてNISA(積立NISA)のメリット

つみたてNISAは非課税で投資でき、あまり投資に詳しくない人でも利用しやすいことがメリットです。手間をかける必要がないため、誰でも始めやすいでしょう。
利益が非課税になる
つみたてNISAは利益が出ても税金がかかりません。本来、売却したときや分配金を受け取ったときの利益に対する税金は、20.315%です。
税金がかかる場合とかからない場合では、手取りに大きな違いが表れます。例えば利益の金額別に、手取りの利益とかかった税金を見てみましょう。
利益 | 手取りの利益 | 引かれる税金 |
---|---|---|
100万円 | 79万6,850円 | 20万3,150円 |
300万円 | 239万550円 | 60万9,450円 |
500万円 | 398万4,250円 | 101万5,750円 |
税金があるのとないのとでは手元に残るお金がかなり変わるため、つみたてNISAのような非課税投資制度は積極的に利用しましょう。
商品が選びやすい
つみたてNISAの商品は国が基準を決めて、長期投資に適した投資信託が採用されています。取扱銘柄は金融機関ごとに違いますが、採用条件は変わらないため比較的選びやすいでしょう。
つみたてNISAの投資信託は、購入手数料がかからないことや複雑な運用がされていないことが条件です。運用中にかかる手数料(信託報酬)も、一定以下に抑えられています。
積立投資でほったらかしにできる
つみたてNISAは本来、積立投資による資産形成を後押しする制度です。
積立投資の場合、年単位で投資することで少しずつ運用資金を増やしていくため、一度始めるとあまりすることはありません。自分で売買する必要もありませんので、基本はほったらかしで投資できます。
手間をかけずに資産形成できるのは、つみたてNISAのメリットです。
長期運用するほど元本割れしにくい
投資には元本割れのリスクがありますが、その確率は長期投資するほど低くなる傾向があります。
金融庁によると、同じ商品に5年間積み立てた場合と20年間積み立てた場合、5年間では一定の頻度で元本割れがあった一方、20年間では元本割れがありませんでした(出典:金融庁)。

投資の世界では長く運用すると元本割れしにくくなることが分かっていますので、最長20年間の投資期間を生かしてなるべく長く続けていきましょう。
つみたてNISA(積立NISA)のデメリット

デメリットには、損益通算や繰越控除ができないこと、投資信託に手数料がかかることがあります。
損益通算や繰越控除できない
つみたてNISAは損益通算や繰越控除ができません。
つみたてNISAでは、どちらも利用できません。そもそも税金がかからないため、損益通算や繰越控除ができなくても大きな問題にはならないでしょう。
投資信託の手数料がかかる
投資信託には手数料がかかります。投資信託の手数料は、大きく分けて購入手数料と信託報酬の2つです。つみたてNISAは購入手数料がかからないため、信託報酬を知っておきましょう。
信託報酬は投資信託の保有中、運用資産から日々少しずつ引かれます。長く運用する分だけ信託報酬はかかりますが、自分で直接運用しなくてもいいことを考えれば、決して無駄なものではありません。
つみたてNISA(積立NISA)の一括購入はメリットとデメリットを比較して検討しよう
つみたてNISAはネット証券でボーナス設定を利用することで、実質一括購入ができるようになります。
長期の場合、一括購入は積立投資よりリターンを期待できるでしょう。しかし、高値掴みをしてしまったり、ドルコスト平均法が利用できなかったりというデメリットがあります。
下落期間中は積立投資よりストレスがかかりやすくなる可能性もあるため、無理なく続けていける投資方法を選びましょう。
つみたてNISA(積立NISA)の一括投資でよくあるQ&A

メリット | デメリット | |
---|---|---|
一括投資 | ・上昇相場で積立投資より有利な可能性がある ・複利効果が大きくなりやすい ・臨時収入があったときにまとまった金額で購入できる |
・高値づかみのリスクがある ・損益の変動が大きい ・ドルコスト平均法を利用できない |
積立投資 | ・高値づかみを避けられる ・購入タイミングを気にしなくていい ・下落相場に強い |
・長期投資では、一括購入が増える可能性がある ・短期間で大きな利益は期待しにくい |
株式市場は長期的には上昇する傾向があるため、一括投資が有利になりやすいでしょう。しかし投資環境の悪い時期が続くと、平均取得単価を抑えられる積立投資が有利になり、リターンが高くなることもあります。
・資金に余裕のある人
・積極的にリターンを狙いたい人
・相場の動きを無視できる人
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