ヨガとは本当に不思議な学問です。
学ぶほどヨガの奥深さに魅了され、自分の学びが足りないことに焦ったりゴールが見えないので投げ出しそうになったりすることもあるでしょう。
ほとんどのヨガインストラクターも、インストラクターになったからといって学びが終了することはなく、学びは生涯にわたって続くことに気がつき愕然とするのです。
ヨガの学びをぐっと深めるための4つのステップを、入門から上級までのレベルごとにご紹介します。
ヨガを本格的に学ぶための4ステップ
入門:ヨガのセルフプラクティスを続けて効果を実感
ヨガの学びを深める一番の方法は「継続」です。
よく「毎日5分でもいいので続けましょう」と言われますが、これは真理です。
どんな続け方でも良いですが、一番大切なことは「ルーティン化」すること。
毎日決めた時間に、5分でルーティン化も10分でも30分でも良いので同じヨガの練習をひたすら繰り返します。
例えば「内観、呼吸法、太陽礼拝、シャバアーサナ、瞑想」といった感じで自分のルーティンの内容を決めたら、それを少なくとも3ヶ月は内容を変えずに続けるべきです。
「太陽礼拝だけ」「呼吸法だけ」「瞑想だけ」でも良いので、とにかく同じことを継続します。
内容を変えると自分に起きた変化がわかりにくくなりますし、その日の変化を見落としがちになります。
ですから、同じ内容でまずは数ヶ月継続することで、自分にどんな変化が起こるかを体感しましょう。
これだけで、ヨガが持つとんでもないパワーに気がつくはずです。
ちなみに、もし練習量を増やしたいのであれば、それはルーティンとは別の時間に行うようにしてください。
初級:ポーズを上達させたいなら写真か動画の撮影をする
今は簡単にスマホで自分の姿を写真でも動画でも撮影することができますので、ポーズを上達させたいのであれば、ぜひ練習風景などを撮影しましょう。
撮影すると自分のウィークポイントを客観的に見つけることができますし、自分では気づいていなかったカラダの歪みなどを発見することもできます。
ポーズの写真をSNSにアップすることについては賛否があります。
「ヨガはSNSで自慢するためにあるのではない」とか「誰かのポーズ写真をみると自分と比較して落ち込む」とか、色々な意見です。
私自身は撮影したポーズ写真や動画をSNSにアップすることについて賛成でも反対でもありませんが、生徒さんやインストラクター仲間には「SNSに投稿するようになってから急激にポーズが上達した」という人がとても多くいます。
客観的に自分を見ることで、自分のウィークポイントの修正がより的確にできるようになっただけでなく、ポーズや練習により緊張感を持って真剣に取り組めるようになるからでしょう。
SNSに投稿しなくても、撮影して自分でチェックするだけでその効果は得られますので、ポーズを深めたいならぜひ自分のポーズや練習を撮影してみてください。
中級:ヨガを人に教えてみる
もし人に教えるチャンスがあれば、迷わず教えてあげてください。
私自身も自分の先生の一人から「ヨガを学ぶ1番の近道は、とにかくあなた自身が毎日ヨガを体験し、その体験を人に教えてみること」と言われたことで、教えはじめるようになりました。
実際に教えてみると、ヨガを教えることがいかに難しいかに気がつきます。
人によってできること、できないことがあるだけでなく、手の長さも脚の長さも、筋肉の量も柔軟性も全て異なるので、実は相手に応じて教え方を変える必要もあります。
そのためには、やはり知識のストックが必要になるのです。
例えば、普通の会話の中に「最近、肩こりがひどくて」という会話が出たとして、それを自分の持っているヨガの知識でどうアドバイスすれば解消に近づくか考えてみるだけでも良いのです。
相手の肩こりの原因が「姿勢」なのか「ストレス」なのか「冷え」なのか「運動不足」なのかなどを考えるだけでも、思いつくポーズや対処法は変わってきますよね。
自分の考えを相手に伝えて症状が改善されれば、相手も自分もヨガの効果をひとつ確信することができますし、自分にとっても知識のストックに。
自分の不調に対してもヨガで対応し、それを誰かにアウトプットすることで、自分はフィードバックした状態で知識をストックすることができるのです。
人に教えていくを繰り返していくと、特にヨガの解剖学の知識や人体の知識がどんどん深まりますよ。
上級:24時間をヨガのマインドで生き続ける
ヨガ全体への理解を深めたいのであれば、24時間すべての時間をヨガのマインドで生活することに尽きます。
ポーズだけのヨガをしていると触れる機会が少ないかもしれませんが、ヨガには「八支則」といって、ポーズだけでなく生きていく上での行動規範が示されています。
例えば、日常生活で行なってはいけないことは5つあるとされ、「暴力、ウソをつく、盗む、欲をムダに発する、貪る」といったことをしていたら幸せになれないと「八支則」の1番目「ヤマ(禁戒)」の中で紹介されています。
つまり、いくらポーズが上手にできても、日常を暴力的な言動で過ごしていたりウソをついて言動と思考が一致していないような生き方をしたりすれば意味がなく、健康な肉体があろうがお金があろうが穏やかにも幸せにもなれなれないということ。
この「八支則」の3番目に「ポーズ(坐法)」について語られており、最初の「ヤマ」と2番目の「ニヤマ(勧戒)」が達成できていなければ、そもそもポーズの練習をするためのスタートラインにさえ立っていない、と考えられているのです。
ヨガをしている多くの人が、「八支則」を無視してポーズの練習に取り組みがちですが、本来は24時間ヨガのマインドで生きることを目標にすべきなのです。
とはいえ、これはポーズの練習がある程度深まってきて、ヨガの世界をさらに堀り下げていきたいと考えるようになってからでも遅くはありません。