<女性が一生、お金に困らないためのレッスン vol.12/経済評論家・佐藤治彦>
マイホームが万が一、被害をこうむった時のための火災保険。でも火災保険の契約内容や保険料をしっかり把握してますか?
自分にあった保険で、しかもムダに保険料を払わないでおくには、どうすればよいのでしょうか? (以下、佐藤治彦さんの寄稿です。)
保険料を安くおさえるには?
前回は火災保険の契約上のチェックポイントをお話ししました。ご自分のものだけでなく両親などの実家の火災保険も調べてあげてくださいね。
さて、今回は保険契約上の問題はないとして、その補償のための保険料、掛け金の話です。同じ保険内容なら、できるだけ安く抑えたいですよね。
火災保険の保険料、値上げがたびたび
ここで保険会社をめぐる状況についてお話ししたいと思います。
最近の異常気象における台風や集中豪雨では、よく「50年に一度にあるかないかの甚大(じんだい)な被害が予想されます」などと気象庁から警報が発せられます。それが今や毎年のように年に何回も出たりします。そのためか、その表現に慣れっこになってきましたね。
しかし、そのこと自体は事実なのです。そして、50年に一度くらいしか起きないだろうと考えられて、火災保険料の掛け金も決められてきたのです。
今までは多くても年に1000億円行くかどうかだった、火災保険の契約者に対する保険会社からの保険金の支払いが、西日本豪雨以降、2年に渡って1兆円を大きく超えるなど、保健会社の想定をはるかに超える保険料の支払いとなってしまいました。もちろん会社の経営を圧迫します。
そのような背景もあるのでしょう。このところ、火災保険の保険料は度々(たびたび)値上げされています。近いところでは2019年におおよそ平均で6%の値上げがされたばかりです。
それが、また近いうち、おそらく1年以内に値上げされると言われています。それも、前回の倍近い、全国平均で10%超える保険料改定があると言われています。
建物の強度や耐火性などによって異なる保険料
火災保険の掛け金・保険料は、建物の強度や耐火性、どの都道府県にある建物なのか、そして建設されてからどのくらいの年数が過ぎているかなどを考慮して計算されます。また、同じ火災保険といっても、建物本体に対する補償と、家財道具に対する補償は別契約です。
例えば、建物の強度や耐火性では、M構造(コンクリート造マンションなど)は一番安くなり、T構造(鉄骨造の一戸建ての建物など)、H構造(木造の戸建てなど)と分けられ高くなっていきます。建物の強度や耐火性などによって保険料は大きく異なります。また、建物のある都道府県でも保険料が大きく変わります。