韓国にもキラキラネーム?ドラマで見る韓国の名前
時代ごとに流行の名前があり、名前にまつわるエピソードはドラマなどでも垣間見ることができます。
キム・ソナ、ヒョンビン主演のドラマ「私の名前はキム・サムスン」(2005)では、サムスン(キム・ソナ)が自分の名前が野暮ったいので改名しようと奔走します。そして、サムスンが洗練されていて素敵と憧れた名前が「ヒジン」。
名前の響きが良くない、姓名判断の結果などから改名をする人も少なくない韓国では「サムスンだったら改名したくなるよな」と多くの視聴者が共感したのでした。
ドラマ「恋のスケッチ~応答せよ1988~」(2015)でも、ドクソン(Girl's Dayヘリ)が「お姉ちゃんがボラで、弟がノウルなのに、なんで私だけドクソンなの!」と泣きわめきながら親に訴えるシーンがありました。
ボラもノウルも韓国語の固有語から来ている名前のため、ドラマの舞台である1988年当時はかなりのキラキラネームだったので、女子高生ドクソンのお悩みもわからなくもありません。
また、ベストセラー小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の「ジヨン」は70年代後半から80年代前半まで女の子の名前ランキング1位を維持。当時、クラスに一人はキム・ジヨンがいたと言われています。
韓国女性の生き方を象徴する名前として、どこにでもいる女の子「ジヨン」が小説のタイトルになったと言えるでしょう。
男女別、よく使われる文字、漢字、意味
韓国人の名前を聞いただけでは、男性なのか女性なのか分かりづらいと感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
日本では女の子に「子」や「美」、男の子には「郎」や「彦」など名づけの際によく用いられる漢字がありますが、実は韓国でも同様。
名前によく用いられ、性別を判断する際の参考にもなる漢字を見てみましょう。一方、若い世代には名前に漢字を持たない人も増えています。
男性の名前によく使われる文字(漢字)
【発音が硬く、力強さ、雄大さ、寛大さ、知性をイメージさせる】 哲(チョル、철)、俊(チュン、준)、亨(ヒョン、형)、根(クン、근)、浩・虎(ホ、호)、炳(ビョン、병)、銘(ミョン、명)、男(ナム、남)、洸(クァン、광)、旭(ウク、욱)、鎮(チン、진)、燮(ソプ、섭)、載(チェ、재)、勲(フン、훈)、汎・範(ポム、범)、泰(テ、태)、元(ウォン、원)、国(グッ、국)、鉉(ヒョン、현)、明(ミョン、명)など 裵勇俊
(ペ・ヨンジュン) 蘇志燮
(ソ・ジソブ) 朱智勲
(チュ・ジフン) 車太鉉
(チャ・テヒョン)
女性の名前によく使われる文字(漢字)
【発音が柔らかく、聡明さ、美しさ、やさしさ、華麗さをイメージさせる】 瑛・英(ヨン、영)、淑(スク、숙)、子(ジャ、자)、熙・喜(ヒ、희)、賢(ヒョン、현)、珠(チュ、주)、美(ミ、미)、娥(ア、아)、貞(チョン、정)、真(チン、진)、恩(ウン、은)、知・智(チ、지)、蓮(ヨン、연)、華・花(ファ、화)、愛(エ、애)、恵(ヘ、혜)、芸(イェ、예)など
孫芸珍 (ソン・イェジン)
金南珠 (キム・ナムジュ)
裴秀智 (ぺ・スジ)
李英愛 (イ・ヨンエ)
男女どちらにも用いられる名前
ジウォン、スミン、ジウン、ミンジョン、シウ、ヨンヒ、ソヌ、セウォン、シウォン、ヨヌ、ヒョジン、スジン、ジョンヒョン、ジヒョン、ヘジンなど
ハ・ジウォン (河智苑)
ウン・ジウォン (殷志源)
韓国固有語の名前
【美しい自然や季節をイメージさせる語が多い】 サラン(愛、사랑)、ダソム(愛、다솜)、アルム(美しさ、아름)、イスル(露、이슬)、カウル(秋、가을)、ハヌル(空、하늘)、パダ(海、바다)、アラ(海、아라)、ピョル(星、별)、ナラ(国、나라)、ダンビ(恵みの雨、단비)、ヘッサル(陽射し、햇살)、シネ(小川、시내)、ガラム(川、가람)、ヌリ(世界、누리)、ナレ(翼、나래)、ミル(龍、미르)、ピンナ(光る、빛나)など
キム・ハヌル
キム・サラン
チャン・ナラ
男の子限定の名づけ方「トルリムチャ(돌림자)」
長男は昌煥(チャンファン)、次男は斗煥(ドゥファン)のように、韓国では男兄弟の名前に同じ漢字が使われていることが少なくありません。これは親族間で何代目かをすぐ判別できるように、兄弟・いとこなどの同親等に統一した漢字1字をつける韓国ならではの慣習で、「トルリムチャ(回し字)」または「行列字(ハンニョルチャ)」と言います。
トルリムチャの決め方は各家庭により異なりますが、陰陽五行説に基づくのが一般的。自然界の5大要素「木・火・土・金・水」の順に、各要素が入った漢字を世代ごとに使用します。例えば「火」の世代なら「火」が含まれた字(煥(ファン)など)を用い、その次の世代には「土」の含まれた字(基(キ)など)を用いるといった具合です。
以前は親族関係を知る便利な方法としてトルリムチャが採用されてきましたが、その場合、自由に名づけられるのは1文字のみ。最近では名づけに制約を受けたくない子どもの両親と、慣習を重視する祖父母の間で諍いが起こることも。また、漢字を持たない韓国固有語の名前をつける人も増え、トルリムチャをつけないという選択をする家庭も増加しています。
提供・韓国旅行コネスト
【こちらの記事も読まれています】
>韓国の飲酒文化
>韓国のパン文化
>日本から韓国への送金
>韓国での仕事の探し方&履歴書の書き方
>スターと兵役 2020