しかし、別の視点から見ると、マレーシアのイベントに参加するには今も、いくつものハードルが存在する。ステージ出演やブース出展に関わらず、イベント主催者と密に連携し、ビザ発行や招聘状の準備など、適切な手続きを進めなければならない。加えて、英語でのやり取りや費用負担もあり、こうした参入障壁の高さが、日本のコスプレイヤーがマレーシアでの活動を避ける一因となっていたのだ。
マレーシアのイベントに参加する日本のコスプレイヤーの特徴は…?
ではなぜ今回、「NIJIGEN EXPO」には日本のコスプレイヤーが参加していたのだろうか? 参加者に話を聞いたところ、すぐに明らかになった。参加していたのは日本から来たコスプレイヤーではなく、マレーシアや他国に移住した日本人のコスプレイヤーだったのだ。
海外に住む日本のコスプレイヤーは、日本から行くよりもハードルが低い。英語ができるのでイベント側ともスムーズに連絡が取れ、適切なサポートが受けやすい。今回話を聞いたマレーシア在住のコスプレイヤーは現地イベント団体と連携しており、フィリピンから来たという別の日本人コスプレイヤーもイベント側と密にやり取りを行っていたそうだ。
実は近年、海外に住むコスプレイヤーが海外のイベントで活躍している。移住先の国で活躍する場合もあれば、移住先の近隣諸国のイベントに出演するコスプレイヤーもいる。そのようなコスプレイヤーたちは、海外のイベントへ参加することに抵抗がない。
少し特殊な例だが、少し前に日本在住のスペイン人コスプレイヤーにマレーシアのイベントの素晴らしさを紹介したところ、さっそく今回の「NIJIGEN EXPO」にブース出展していた。イベント側に連絡をして、適切な手続きを経て来たとのことで「手続きは大変だけど、新たなファンができた」とすごく満足していた。
今後さらに注目のマレーシア×コスプレ
かつての事件の影響でマレーシアのイベントでは、さすがにまだ日本企業のブースやコスプレイヤーの参加は少ないのでは…? と思っていたが、今回「NIJIGEN EXPO」を取材してみて、これから日本の企業やゲスト、そして日本のコスプレイヤーがマレーシアへ来る機会がどんどん増えるのでは? と感じた。