日本のコンテンツが海外で盛り上がりを見せている。“コスプレ”もそのひとつ。今ではコスプレの世界大会が開かれるほどで、伝統的な同人イベントから一歩進んだ、ビジネス革新のフロントランナーとして注目されているのだ。新規ファン獲得のため戦略的な市場展開を実践する日本のコスプレイヤーも現れるなど、同イベントはグローバル市場での協業や投資チャンスを生み出すプラットフォームとなっている。未来の成長分野への参入を検討する企業にとって、必見の現場だ。

 世界中で注目されるアニメやマンガ、ゲームなどの日本のサブカルチャー。”コスプレ”も同様で世界中で愛されるコンテンツとして人気を博しているが、日本とは大きく違う独特なスタイルとなっている。そんな中、筆者が最も注目する国のひとつがマレーシアである。

 2025年2月21~23日の3日間、マレーシア・クアラルンプールにあるMines International Exhibition & Convention Centreにて、マレーシア最大級のアニメコンベンション「NIJIGEN EXPO」(nijigenexpo.com)が開催された。「NIJIGEN EXPO」を取材し、今のマレーシアの現状をレポートする。

始まったばかりのマレーシア最注目のイベント「NIJIGEN EXPO」

「NIJIGEN EXPO」は2022年1月にスタートした新しいアニメコンベンションで、年に2~3回のペースで開催され、今回で8回目となる。

 規模・来場者数はマレーシアのアニメコンベンションではTOP3に入る。最も人気の高い「Comic Fiesta」が2002年、第2位の規模の「AniManGaki」が2009年にスタートしており、「NIJIGEN EXPO」はまだ歴史の浅いイベントだ。

 一方で「Comic Fiesta」や「AniManGaki」と比べ豪華さが際立っていて、バンプレストやブシロードなどの日本企業や、英語圏で人気のバーチャルYouTuberタレントエージェンシーのVShojoが出展。イタリアやドイツなど他国で活躍するコスプレイヤーを複数誘致し、巨大パネルを配置したブースでサイン会を行った。