◆子どもが主体的に取り組むためには?

――おうち実験について、親の方が前のめりになってしまうと、子どもが”やらされている感”を持ってしまうことがあると思います。子どもが自分から楽しんで取り組めるようにするためには何が大切なのでしょうか?

露久保:前提として、「やってみたいものはどれ?」と子どもに興味のある実験を選んでもらうことと、作業をお子さん自身にやってもらうことだと思います。

作業中は、「今どんな匂いか嗅いでみて」と言うと指示になってしまうので、保護者の方が匂いを嗅ぎながら「へえ~」と感心してみたり、味見してみたりしてください。大人が楽しんでいる姿を見ると、子どもは真似したくなるはずです。

「どんな匂いがするの?」と聞かれたら、答えを教えずに「自分で嗅いでみたらいいんじゃない」と促してあげる。子ども自身が一緒にやってみたいと思えるようなサポートをするといいのではないでしょうか。

親子 台所 料理
写真はイメージです
――子どもが作業していると、つい「そんなやり方じゃこぼすよ!」と口うるさく言ってしまいそうになります。どう見守ればいいのでしょうか。

露久保:まずは安全が保たれることが大前提なので、火の扱いや、手を切らないようにサポートすることは必要です。

でも、材料をこぼすくらいはいいと思います。私の場合は、実験講座で子ども達が作業するのを「この持ち方だと、どれくらいこぼすんだろう」と観察することも子どもを知る事であり、ひとつの学びとして楽しんでいます。

ご家庭でも、子どもがどんなやり方をするのか観察することを楽しみにするといいかもしれません。そして、「こういう持ち方するとこぼれると分かったね、次はこういう持ち方してみよう」と、具体的に持ち方の見本を見せながら伝えてあげるといいと思います。あとは、こぼした時の掃除の仕方を学ぶ時間にしたらいいのではないでしょうか。

◆実験した人にしか分からないことがある