有利に資産形成ができる「つみたてNISA」が人気です。しかし、気をつけないと思わぬところで損をしてしまうこともあります。
本記事では、つみたてNISAを利用する上で気をつけたい14の落とし穴を紹介します。対策までしっかり解説しますので、まだつみたてNISAを利用していない方や、すでに利用している方はぜひ参考にしてください。
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つみたてNISA 14の落とし穴一覧

つみたてNISAには、以下の「14の落とし穴」があります。
【投資の自由度の落とし穴】
【リスク・リターンの落とし穴】
【税金の落とし穴】
【コストの落とし穴】
それぞれの詳細と対策について、詳しく見ていきましょう。
つみたてNISA【投資の自由度】の落とし穴 解説と対策
商品の選択肢が少ない→選択肢が比較的多いネット証券を選ぶ
つみたてNISAで投資できるのは、「金融庁が認可した投資信託」だけです。2021年3月24日時点で193銘柄ありますが、金融機関によっては選択肢が非常に少ないところもあります。出典:金融庁『つみたてNISAの対象商品』
ネット系の証券会社は取り扱いが多い傾向があるので、多くの銘柄の中から選びたい方はネット証券で口座を開設するといいでしょう。 銘柄の選択肢が多いおすすめのネット証券は、以下のとおりです。
つみたてNISA 取扱銘柄数 ※2020年9月14日時点 |
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SBI証券 | 163本 |
楽天証券 | 159本 |
マネックス証券 | 151本 |
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投資タイミングを選べない→積立コースやボーナス設定である程度コンロールできる
つみたてNISAでは、「毎月1回」のように定期的に一定額を買う「積立投資」に限定されており、自分の好きなタイミングで投資することはできません。 金融機関によっては「毎月」以外に「毎週」や「毎日」といった積立コースや、特定の月だけ増額する「ボーナス設定」も用意されています。投資するタイミングを完全に選ぶことはできませんが、これらを利用すればある程度コントロールすることはできます。投資枠は繰越や再利用ができない→長期運用ができる銘柄を選ぶ
つみたてNISAでは投資枠が用意されており、年間40万円まで投資することができます。ただし、投資枠の繰越や再利用はできません。ある年に投資枠をすべて使わなかったとしても、次の年は40万円までしか投資できません。 投資枠は、商品を売却しても復活しません。途中で売却しないで済むように、長期運用ができる銘柄を選びましょう。長期運用できる銘柄は、後述するリスクやコストの落とし穴を参考にしてください。金融機関は変更できるが、積み立てた投資信託は移せない→最初の金融機関選びが大切
つみたてNISAでは金融機関を変更して、新たに投資することができます。ただし、前の金融機関で積み立てた商品は、移すことができません。 したがって、最初の金融機関選びが重要と言えます。商品の取扱数やポイント還元などを確認した上で、金融機関を選びましょう。 \おすすめのネット証券はこちら/つみたてNISAにおすすめのネット証券比較表 | ||||
証券会社名 | 取扱 銘柄数 |
最低積立 金額 |
ポイント還元 | おすすめポイント |
---|---|---|---|---|
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172 | 100円 | Tポイント | ・ネット証券で口座開設数がNO.1 ・取り扱う投資信託本数も金融機関で最も多い! |
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157本 | 100円 | 毎月ポイント | 「NISA割®️」で現物株式の取引手数料最大5%割引 |
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つみたてNISA【リスク・リターン】の落とし穴 解説と対策
次は、リスクとリターンに関する落とし穴をチェックしましょう。リスクがある→事前に大まかなリスクをチェック
つみたてNISAで買える投資信託にはリスクがあり、損をする可能性があります。リスクを完全になくすことはできませんが、事前にチェックして過度なリスクを取らないようにしましょう。投資信託のリスクの例 | |
価格変動リスク | 投資対象の価格が変動するリスク 例)株価変動リスク、債券価格変動リスク |
為替リスク | 海外に投資する場合、現地通貨の価格が変動するリスク 基本的に円高=損失、円安=利益 |
信用リスク | 株式や債券などの発行体(企業や政府)の 財政難によって経営破綻してしまうリスク |
一括投資よりリターンが下がる場合がある→損失が小さくなる場合もある
つみたてNISAは「積立投資」に限定されていますが、値動きによっては最初にまとまった資金を投資する「一括投資」のほうがリターンは大きくなります。 ただし投資した商品が値下がりした場合は、積立投資のほうが損失は小さくなります。このように、一括投資と積立投資にはメリットとデメリットがあるため、どちらが優れているかは一概に言えません。積立額やリスクを下げすぎると目標を達成できない→達成に必要な積立額とリターンを知る
つみたてNISAは少額かつ低リスクで始めることができますが、あまりに消極的な運用をすると目標達成が難しくなってしまいます。 目標を決めたら、目標達成に必要な積立額とリターンを把握しましょう。参考)20年間積み立てた場合いくらになるか | ||||
1年あたりのリターン | ||||
1% | 3% | 5% | ||
毎月の積立金額 | 1万円 | 264.2万円 | 322.4万円 | 396.8万円 |
2万円 | 528.5万円 | 644.9万円 | 793.6万円 | |
3万円 | 792.7万円 | 967.3万円 | 1,190.4万円 |
すぐに止めてしまうと複利効果が弱まる→できるだけ長く続ける

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損益通算ができない→損しにくい低リスク型の銘柄を選ぶ
つみたてNISAでは「損益通算」ができないため、つみたてNISA口座で損失が出ても節税メリットがありません。
つみたてNISA対象銘柄の内、債券比率が高いおすすめ低リスク投資信託 | |||
投資信託の名前 | 資産の比率 | 1年リターン (2020年7月末時点) |
信託報酬 |
たわらノーロード 最適化バランス(保守型) |
債券:約95% 株式:約5% |
+1.05% | 0.55% |
DCニッセイワールド セレクトファンド(安定型) |
債券:約90% 株式:約10% |
+1.20% | 0.165% |
auスマートベーシック(安定型) | 債券:80% 株式:20% |
+0.5% | 0.385% |
実質的な損失でも課税される可能性がある→値上がり期待できるなら運用継続
つみたてNISAでは20年間の非課税期間がありますが、非課税期間が終了したとき、通常の口座へ商品を移して運用を継続することもできます。 通常の口座で運用を継続する場合、通常の口座へ移したときの時価が買値として登録され、その後の利益は課税されます。つまり、当初の買値で計算すれば損失でも、税金が掛かる可能性があるのです。参考)通常の口座へ移したときの税金計算の例 | ||||
当初の買値 | 通常の口座へ 移したときの時価 |
売却価格 | 本来の利益 | 課税上の利益 |
1万円 | 0.5万円 | 1万円 | ±0 | +0.5万円 |
【解説】 1万円で買って1万円で売っているので、本来の利益は0 しかし、通常の口座へ移したときの時価(0.5万円)よりは値上がりしているので課税される |
ロールオーバーができない→終了は20年後 新たな環境に合わせ切り替えるのも大切
「一般NISA」では非課税期間が終了した後、あらためて非課税で運用できる「ロールオーバー」ができますが、つみたてNISAではロールオーバーができません。 つみたてNISAの非課税期間が終了するのは20年後です。その時は投資環境が変わっている可能性もあるので、そのまま同じ運用を続けるのではなく、運用方針を新たな環境に合わせることも検討すべきでしょう。 ## つみたてNISA【コスト】の落とし穴 解説と対策ETFは売買手数料がかかる→通常の投資信託を選択する
つみたてNISAでは「ETF(上場投資信託)」に投資することもできますが、売買手数料がかかります。つみたてNISAで通常の投資信託に投資する場合は販売手数料がかからないので、手数料を抑えたい場合は通常の投資信託を選びましょう。信託報酬がかかる→信託報酬が安いインデックス投信を選ぶ
投資信託には「信託報酬」という、保有しているだけでかかるコストがあります。 つみたてNISAでは、どの銘柄を選んでも信託報酬は一定水準以下ですが、中でも「インデックスファンド」は安い傾向があります。信託報酬が低い銘柄で運用したい場合は、インデックスファンドから選びましょう。投資信託の見えないコストがかかる→事前に運用報告書をチェック
投資信託のコストは、信託報酬だけではありません。事前に判明しているコスト以外に、投資信託が商品を売買する際の手数料など、事前にはわからないコストが発生することがあります。
つみたてNISAの概要
これから投資を始める方のために、つみたてNISAの概要をまとめました。非課税期間 | 20年間 |
投資できる商品 | 金融庁の認可を受けた投資信託 |
投資できる金額 | 年間40万円 |
投資方法 | 積立投資 |


証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有
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