積立NISA月1万円
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「新NISAで月1万円の積立は意味ない」と考えるのは誤りといえます。

積立NISAで月1万円を積み立てた場合、20年後には利益が約171万円、資産額は411万円なります(利回り5%と仮定)。積立投資では、複利効果のおかげで、投資期間が長くなるほど利益が増えやすくなります。

NISAは2024年から投資期間と非課税保有期間が無期限化されたため、20年を超える運用も可能です。月1万円という少額投資でも、長期的には大きな利益を生む可能性があります。

本記事では、積立NISAで月1万円積み立てたらいくらになるのか、シミュレーション結果をお伝えします。

長期運用を行う際には、元本割れのリスクや信託報酬のコストについても理解しておくことが重要です。新NISAを活用した積立投資の効果とリスクを十分に理解し、適切な銘柄選びを行いましょう。

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目次

  1. つみたてNISA(つみたて投資枠)は毎月1万円など少額から積み立てることができる
  2. 積立NISAで月1万円の投資は意味がない?
    1. 【意味がある理由1】長期投資すれば複利効果で効率的に資産を増やせるから
    2. 【意味がある理由2】新NISAの無期限化で売却時の元本割れリスクを抑えやすくなったから
    3. 【意味がある理由3】新NISA(つみたて投資枠)は低コストのため費用対効果が大きいから
  3. つみたてNISAで月1万円積み立てるといくらになる?
    1. 年利1%の場合
    2. 年利3%の場合
    3. 年利5%の場合
    4. 年利8%の場合
  4. 積立NISAで月1万円投資るするならどの銘柄を選ぶべき?
    1. 積立NISAで月1万円投資するときの銘柄の選び方
    2. 月1万円の積み立てにおすすめの銘柄
  5. 積立NISAで1万円を投資するのは意味ない?についてよくあるQ&A

つみたてNISA(つみたて投資枠)は毎月1万円など少額から積み立てることができる

つみたてNISA(つみたて投資枠)は、毎月1,000円、1万円などの少額を積み立てることができます。金融機関ごとに設定できる最低積立金額は異なり、ネット証券であれば100円から、銀行なら1,000円から始められます。

毎月1万円を積み立てれば、10年後には利益が約35万円・資産額は約155万円、20年後には利益が約171万円・資産額は約411万円になります(利回り5%と仮定)。

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さらに少額の1,000円、3,000円の積み立ても可能です。

家計調査(2022年)によると、勤労者世帯の株式・債券などの「有価証券」の平均購入額は女性で月に2,271円、男性で2,204円でした。35歳~59歳の女性は毎月平均2,776円を、男性は2,433円を投じています。

1万円は平均より少し高めであり、決して無意味な金額とはいえません。

【有価証券の購入額(月額、2022年)】
全体 (内)35歳~59歳
勤労者世帯(女性) 2,271円 2,776円
勤労者世帯(男性) 2,204円 2,433円

積立NISAで月1万円の投資は意味がない?

積立NISAは月1万円の投資でも意味があります。なぜなら、月1万円の積立でも、長期運用することで複利効果により効率的に資産を増やせるからです

つみたてNISAで月1万円を1%・3%・5%・8%の4パターンの年利で運用すると、いずれの年利でも運用収益は10年目に比べて20年目の方が高くなっています。したがって、月1万円の積立でも投資期間を長く確保することで、多くのリターンを得られるといえます。

例えば、積立NISAで月1万円を20年間積み立てた場合、利益は171万円、資産額は411万円になります(利回り5%と仮定)。

また、新NISAがスタートし投資期間が無期限化されたことにより、元本割れリスクを軽減できるようになりました。さらに、積立NISAの対象商品は信託報酬率が低く、費用対効果が大きいといわれます。

これらの理由から、「積立NISAは貯金より意味がある」といえるでしょう。

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月1万円の積立に意味がある理由を詳しく解説します。

【意味がある理由1】長期投資すれば複利効果で効率的に資産を増やせるから

新NISAで月1万円であっても積み立てる意味がある理由は、長期投資することで、複利効果により効率的に資産を増やせるからです。

複利効果とは、投資で得た利益を再投資することで、元本と利益の両方に対してさらに利益が得られる効果のことを指します。これにより、時間が経つにつれて資産額が雪だるま式に増加します。

投資や預金などで得た収益を、当初の元本にプラスして運用することで得られる利益を「複利」と呼びます。長期投資をうまく活用することで、安定した収益の確保が期待できます。
出典:金融庁「資産形成の基本:NISA特設ウェブサイト」

たとえば、リターンを年10%と仮定した場合、100万円を1年間運用すると、10万円の利益が生じ、資産は110万円になります。次の年は、この110万円を投資し、11万円の利益が得られるため、資産は121万円になります。

これを10年間繰り返すことで、資産は資産は約259万円にまで膨らみます。

仮に120万円を利率0.1%で定期預金に預けた場合、10年間で約1万円(税抜)の利息しか得られません。一方、毎月1万円の積立投資を行った場合、10年後には元本が120万円となり、利回り5%で約35万円の利益が得られます。定期預金と積立投資では期待できるリターンの差が大きいことがわかります。積立投資は複利効果により、投資期間が長くなるほど利益が大きくなるため、少額の投資でも十分に意味があると言えます。

【意味がある理由2】新NISAの無期限化で売却時の元本割れリスクを抑えやすくなったから

新NISAでは、非課税保有期間が無期限化されたため、売却時の元本割れリスクを抑えやすくなりました。旧NISAのように非課税期間の終了時に売却を強いられることがなくなったからです。

2023年までのつみたてNISAでは、非課税保有期間は最大20年間でした。そのため、20年後には売却するか課税口座に移す必要がありました。非課税期間終了時に価格が暴落している場合、売却すると大きな損失が発生する可能性があります。例えば、リーマンショックの際には株価が約50%下落しました。このようなタイミングでNISAの非課税期間が終了し、売却した場合、資産は約半分に減ってしまいます。

資産を売却せずに保有するには、課税口座へ移したり、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入したりする必要があります。その後の運用がうまくいけば利益が得られる可能性はありますが、元本割れ分を完全に補填できるとは限りません。

さらに、課税口座ではNISAのような非課税措置がなく、利益には20.315%の税金がかかります。たとえば、毎月1万円を10年間積み立てて120万円を投資したとしましょう。20年後、非課税期間が終了した時点で課税口座に移行した際、株価の下落で資産が100万円に減少しているとします。その後、課税口座内で20万円のリターンを得たとしても、その利益には約20%の税金がかかり、4万630円が差し引かれるため、最終的な資産は115万9,370円にとどまります

元本は120万円だったにもかかわらず、税金によって結果的に元本割れしてしまうのです。NISAの非課税期間が終了する際、市場が低迷していると、このようなリスクを抱える可能性があります。

しかし、新NISAでは、非課税の投資期間と保有期間が無期限になりました。そのため、自分のタイミングで売却することが可能です。

運用期間中に価格が暴落しても、すぐに売却せず、価格が回復するのを待ってから売却するという選択をできるようになりました。

【意味がある理由3】新NISA(つみたて投資枠)は低コストのため費用対効果が大きいから

新NISA(つみたて投資枠)の対象商品は低コストで運用できるため費用対効果が大きいことも、「月1万円でも意味がある」といえる理由です。

投資信託の購入や保有にはコストがかかるため、1万円程度の積立ではリターンがコストを上回らないと意味がない、といわれることがあります。

しかし、つみたて投資枠の対象商品は旧制度のつみたてNISAと同じで、長期・積立・分散投資に適しているとして金融庁が定める要件を満たす公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。

・主たる投資の対象資産に株式を含むこと(ETFの場合は投資の対象資産が株式であること)
・販売手数料ゼロ(ノーロード)(ETFの場合は販売手数料1.25%以下)
・信託報酬が一定水準以下
・信託契約期間が無期限または20年以上
・分配頻度が毎月でない
・デリバティブ取引による運用を行っていない(ヘッジ目的の場合等を除く)
出典:金融庁「つみたて投資枠対象商品の概要」

そのうえで、特に信託報酬の安いインデックスファンドを選ぶなど、コストに着目した銘柄選びをすることで、リターンを大きくできます。

つみたてNISAで月1万円積み立てるといくらになる?

積立NISAで月1万円を投資したら20年後はいくらになる?
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つみたてNISAで月1万円積み立てると、資産額は20年後に約367万円、30年後に約694万円となります(利回り4%)。

金融庁のホームページにある「つみたてシミュレーター」を使って、つみたてNISAを利用して毎月1万円ずつ積み立てた場合に、20年後いくらになっているのかを見ていきましょう。

シミュレーションとして、20年間継続して年利1%で運用したケースに加え、年利3%、年利5%、年利8%計4パターンを紹介していきます。

年利1%の場合

最終積立金額:265万5,612円
元本:240万円
運用収益:25万5,612円

※シミュレーションでは、複利で計算しており、小数点以下を四捨五入しています。(以下、同様)

毎月1万円ずつ積み立てるため、1年目には12万円に対して1%の年利がつき、2年目は12万円と1%の年利を含めた金額が元本となり運用が始まります。年利を含めて運用していくため、複利の効果が期待でき、雪だるま式に資産を増やせる可能性があるでしょう。

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複利とは?
利息が出るたびに利息を元本に含め、元本と利息を合わせた金額に対して利息計算をしていく計算方法のこと。反対に、最初の元本に対してのみ利息計算する方法を単利と言います。

年利1%の場合、これを繰り返していくと、20年後にはトータルで265万5,612円になります。やはり年利1%のため、20年間運用しても運用収益は25万円ほどしかありません。しかしこの運用はつみたてNISAで行うため、運用収益は非課税になります。

つみたてNISAではない場合、25万5,612円×20%(復興特別所得税は加味していません)の計算で5万1,122円ほどの税金を納めなければならないため、たとえ年利1%でも節税効果があると言えるでしょう。
山村望愛(ファイナンシャル・プランナー)

年利3%の場合

最終積立金額:328万3,020円
元本:240万円
運用収益:88万3,020円

年利3%の場合、20年後にはトータルで328万3,020円、元本部分は240万円なので、運用によって88万3,020円の利益を得たことになります。

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通常の投資であれば、88万3,020円×20%(復興特別所得税は加味していません)で17万6,604円を税金として納めなければなりません。したがって、運用収益の手取り金額は約70万円になるでしょう。

しかし、つみたてNISAでの運用であれば非課税のため、約88万円の運用収益をそのまま受け取れます。年利3%となると、運用収益が非課税になるメリットを、年利1%のときよりも大きく感じるはずです。

年利1%や3%は、銀行における普通預金の金利(0.001%)と比べると1,000倍や3,000倍。現実的ではないと感じる人もいるでしょう。しかし、積立ニーサの対象銘柄のトータルリターンをチェックすると、年利1%から3%というのは実現不可能な年利ではありません。

実際、楽天証券の「投信スーパーサーチ」で20年以上運用されている銘柄を調べたところ、リターンは3.66%〜9.06%でした。

少額で長期間の投資を検討しているのであれば、つみたてNISAを選択肢に入れないのはもったいないでしょう。

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年利5%の場合

最終積立金額:411万337円
元本:240万円
運用収益:171万337円

次に、年利5%の場合を見ていきましょう。毎月1万円を積み立て、年利5%で運用すると、20年後には411万337円になっています。毎月の積立金額は年利3%の場合と同じのため、元本部分は240万円です。

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運用収益は171万337円で、年利3%の場合(88万3,020円)と比べると約82万7,000円もの差が生まれます。たった2%の違いであっても複利で20年間投資し続けることで、これほどまで変わるのです。
山村望愛(ファイナンシャル・プランナー)

一般的に投資でどれくらいの運用利回りが期待できるのか気になる人もいるでしょう。その参考として、年金積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用実績を以下より紹介します。

2001年度から2021年度までの年金積立金の運用利回りは年率3.71%で、賃金上昇率を差し引いた実質的運用利回りは年率3.78%です。年金積立金運用は、厚生労働大臣から、長期的に実質的運用利回り1.7%を最低限のリスクで確保するように要請されています。この目標は、賃金上昇率にかかわらず年率1.7%の運用収益を確保すべきという考えからきています。

つまり、年金積立金運用のようにリスクをかなり抑える必要がある場合でも年率1.7%以上の利回りが期待され、それどころかこれまでの実績でいうと年率3.71%の利回りを実現していることになるのです。運用次第では3.71%以上、5%や8%の運用も夢ではないでしょう。

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年利8%の場合

最終積立金額:589万204円
元本:240万円
運用収益:349万204円

年利8%の場合は20年後には、元本が240万円、運用収益が349万204円で総額589万204円になります。3%の場合と比べると約261万円、5%とでは約178万円の差が生まれます。20年間継続して年利8%で運用することは難しい場合もあるかもしれませんが、先ほど紹介したように、20年間のトータルリターンで考えれば不可能とは言い切れないでしょう。

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年利8%の運用をつみたてNISAで行えば、349万円204円を非課税でそのまま受け取れます。積立ニーサではない場合、349万204円×20%(復興特別所得税は加味していません)で69万8,040円ほど税金を納めなければなりません。結果、手取り金額は278万円ほどです。
山村望愛(ファイナンシャル・プランナー)

1%、3%、5%、8%の3つのケースで、同じ1万円の積み立てでも運用次第でこれほど大きな差が生まれることに驚いた人もいるかもしれません。逆に言えば、時間を味方につけ、コツコツ運用すれば、将来に向けての資産形成がしやすいことの証左でしょう。

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積立NISAで月1万円投資るするならどの銘柄を選ぶべき?

6.積立NISAで月1万円を投資したら20年後はいくらになる?
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積立NISAで月1万円などの少額を積み立てるときは、長期的な成長が見込める、コストが低い、純資産総額が大きいといった基準で銘柄を選ぶことが重要です。

少額の積立投資を行う際の銘柄選びのポイントやおすすめの銘柄、シミュレーションを紹介します。

積立NISAで月1万円投資するときの銘柄の選び方

月1万円の投資額を有効活用するためには、銘柄選びが重要です。どこに着目して選べばいいのか、チェックすべきポイントは以下の3つです。

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信託報酬の安いファンドを選ぶ

積立NISAで月1万円などの少額を投資するときは、信託報酬(手数料)が安い銘柄を選ぶことがポイントです。なぜなら、少額積み立ての場合、手数料のインパクトが大きくなるからです。具体的には、信託報酬率(純資産総額に対する年間の手数料の割合)が0.1%以下の銘柄を選ぶことをおすすめします。

信託報酬とは
投資信託の管理や運用にかかる経費のこと。毎月の積立金額に加えて払うものではなく、運用中に毎日、純資産総額から引かれる。投資信託によって信託報酬が異なり、つみたてNISA対象商品では一定水準以下に設定されているのが特徴。

例えば、信託報酬(年率)1.5%と0.5%の投資信託があったとしましょう。利回りは考えず、月に1万円積み立てて20年後にどんな変化があるのか説明します。

【信託報酬1.5%と0.5%の差】
1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年
1.50% 11万8,200円 23万4,627円 34万9,308円 46万2,268円 57万3,534円 68万3,131円 79万1,084円 89万7,418円 100万2,157円 110万5,325円
0.50% 11万9,400円 23万8,203円 35万6,412円 47万4,030円 59万1,060円 70万7,505円 82万3,367円 93万8,650円 105万3,357円 116万7,490円
11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年
1.50% 120万6,945円 130万7,041円 140万5,635円 150万2,750円 159万8,409円 169万2,633円 178万5,444円 187万6,862円 196万6,909円 205万5,605円
0.50% 128万1,053円 139万4,048円 150万6,478円 161万8,346円 172万9,654円 184万406円 195万604円 206万251円 216万9,350円 227万7,903円

信託報酬がかからなければ20年後は240万円です。それが信託報酬1.5%の場合、20年後は205万5,605円になり約14%目減りします。信託報酬0.5%であれば、20年後227万7,903円となり約5%の目減りで済むのです。

このように信託報酬が安ければ安いほど、手にする金額は増えることになります。実際には元本や運用収益が変動するため、今回のデータのように必ずしも目減りしていくわけではありません。しかしできるだけ元本を減らしたくないなら、信託報酬が低い銘柄をおすすめします。

信託報酬は、ファンドマネージャーが運用方針や組み入れる銘柄を選定するアクティブ型のファンドよりインデックス型(指数連動)のファンドのほうが低い傾向です。インデックス型のファンドは、信託報酬は0.2%未満の場合、特に低コストといえるでしょう。

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長期的な成長が見込める銘柄を選ぶ

1万円という少額を積み立てる場合は、長期的な資産形成を意識する必要があります。そのため、短期的な値動きに左右されにくく、安定的に成長が見込める銘柄を選ぶことが重要になります。

具体的には、インデックスファンドのような、市場全体の動きに連動する投資信託がおすすめです。

インデックスファンドとは、特定の市場指数(インデックス)に連動する運用成果を目指す投資信託です。インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500など、特定の指標に含まれる全銘柄、またはそれに近い割合で投資を行い、その指標と同様の値動きを目指します。

長期的に見ると、市場は右肩上がりの傾向にあるため、インデックスファンドに投資することで、市場全体の成長の恩恵を受けることができます。多くの企業に分散投資でき、リスクを軽減しながら、長期的に市場平均の成長を目指すことができます。

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純資産総額の大きいファンドを選ぶ

月1万円などの少額を投資するときは、純資産総額の大きさも目安になります。

純資産総額が大きいファンドは、投資家からの資金流入が多いため、運用が安定しやすいです。また、資金の出入りがあっても大きな影響を受けにくく、ファンドの価値が安定しやすいという特徴があります。

また、純資産総額が大きいファンドは、運用コストが分散されるため、信託報酬(運用手数料)が低く抑えられることがあります。これにより、投資家のリターンが向上する可能性があります。

ただし、純資産総額が大きいからといって必ずしも良いファンドとは限りません。他の要素、例えば運用方針、信託報酬率、トラッキングエラー(指数との乖離)、運用会社の信頼性なども総合的に考慮する必要があります。

月1万円の積み立てにおすすめの銘柄

積立NISAで月1万円などの少額を投資するのにおすすめの銘柄を紹介します。

比較的信託報酬が安く、長期的な資産形成に向いたインデックスファンドであり、純資産総額も比較的大きい銘柄を選びました。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

おすすめポイント

  • S&P500指数に投資できる
  • 信託報酬が0.0968%と低水準
  • 初心者でも運用成果を確認しやすい
  • 純資産総額が大きい

アメリカを代表する株価指数の「S&P500指数」に連動することを目指して作られているファンドです。これに投資すれば、ニューヨーク証券取引所などに上場している500銘柄に分散投資できていることになります。

米国の大型企業500社に分散投資しています。少額でも500社の株式に分散して投資できるため、特定の企業リスクを避け、リスクを分散させた投資が可能です。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は信託報酬率が低水準であることも特徴です。低コストのファンドは、長期的に見た場合に費用が少なく、積み立て投資を続けるうえでリターンが増えやすくなります。

純資産総額が1兆4,895億円(2022年8月22日時点)ほどあり、前年と比べて155.71%増加しています。それだけ人気のファンドであることが分かります。

「S&P500指数」という分かりやすい指標をチェックするだけで運用成果を確認でき、投資初心者でも動きが理解しやすい点も特徴の1つです。
山村望愛(ファイナンシャル・プランナー)

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楽天・全米株式インデックス・ファンド

おすすめポイント

  • 中小から大企業まで約4,000の米国株に投資
  • 買付・積立設定件数ランキング上位
  • ファンドセレクション2021選出

「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は愛称「楽天・バンガード・ファンド」と呼ばれているインデックスタイプの投資信託です。主としてバンガード・トータル・ストック・マーケットETFに投資することで、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」への連動を目標に作られています。

アメリカの株式が対象で、大企業以外にも中小型株が入っていることも特徴です。約4,000銘柄に分散投資できていることになり、少額からでも幅広い分散効果が得られる点が魅力です。

低い信託報酬率を維持しており、長期的な積み立てを行う際に運用コストを抑えることができます。費用が少ない分、投資リターンが積み上がりやすく、少額の積み立てでも効率的な運用が期待できます。

楽天証券では買付ランキング、積立設定件数ランキングともに第2位です(2022年8月22日時点)。さらに、ファンドアナリストが厳選した投資信託である「ファンドセレクション」にも選出されています。
山村望愛(ファイナンシャル・プランナー)

米国株式に興味を持っている人や米国株式に幅広く投資したい人におすすめです。

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eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

おすすめポイント

  • 先進国と新興国の株式市場に連動することを目指す
  • インデックスタイプのファンドで信託報酬が低水準
  • 買付・積立設定件数ランキング上位
  • 純資産総額も高水準

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、日本を含めた先進国と新興国の株式市場の値動きに連動することを目指して作られているインデックスタイプのファンドです。「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」を基準にし、信託報酬は0.1144%と低水準でありながら、約47ヵ国や地域に分散投資していることになります。

少額からでも世界中の株式に分散投資ができるため、特定の国や地域に依存しない、より広範なリスク分散が実現します。

eMAXIS Slimシリーズは、低コスト運用を特徴としています。このファンドも例外ではなく、信託報酬率が非常に低く抑えられているため、長期的な積み立てにおいてコストが削減され、リターンを最大化しやすくなります。少額の積み立てでも、コスト負担が軽減されることは大きなメリットです。

なお、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」の対象国や地域の構成比率(2022年3月末時点)は、先進国が88.9%、新興国が11.1%。先進国の大部分はアメリカで、61.4%となっています。新興国は、中国とその他で7.8%、残りが台湾とインドです。

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楽天証券では、買付ランキングや積立設定件数ランキングで第3位と人気のファンドです(2022年8月22日時点)。SBI証券では、積立設定金額(月間)や積立設定件数(月間)で第1位を獲得しています(2022年8月22日時点)。
山村望愛(ファイナンシャル・プランナー)

2022年8月22日時点の純資産総額は約6,653億円と高水準です。運用開始からこれまでの間、右肩上がりで純資産総額を増やしているファンドでもあります。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、国内外の株式に興味がある人や、株式に投資したいもののできるだけ地域を分散したいと考えている人におすすめのファンドです。

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MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み)とは、MSCI Inc.が開発した株価指数で、世界の先進国・新興国の株式で構成されています。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、米ドルベース)をもとに、委託会社が計算したものです。
出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)目論見書(2022.7.23)

ニッセイ日経225インデックスファンド

おすすめポイント

  • 日経平均株価への連動を目指す
  • 日本を代表する企業に投資できる
  • メジャーな指標のため値動きのチェックがしやすい

「ニッセイ日経225インデックスファンド」は、「日経平均株価」に連動することを目指して作られたインデックスファンドで、200銘柄以上の国内株式に分散投資していることになります。組み入れ上位業種は電気機器や情報・通信業、小売業です。

1ファンドだけで、日経平均株価に組み入れられている 大型株だけでなく、東証一部に上場している全ての日本企業の株式に投資することができます。

日経平均株価に採用されている多くの企業は、安定した業績を誇り、株主還元にも積極的です。このため、ファンドの分配金も安定している傾向があり、定期的な収益を期待できます。

具体的な組み入れ銘柄には、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソフトバンクグループなどがあります(2022年2月末時点)。どれも日本を代表する会社ばかりのため、投資初心者が株式に興味を持つきっかけとなりやすいでしょう。

ニッセイ日経225インデックスファンドは、国内株式に興味のある人や日々日経平均株価をチェックしている人、これから株式について学ぼうと思っている投資者におすすめです。毎日忙しくさまざまな指標をチェックできない人にも向いているでしょう。

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eMAXIS バランス(8資産均等型)

おすすめポイント

  • 8資産に均等に投資ができる
  • 資産割合は12.5%ずつ
  • 価格変動リスクを抑えられる

国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リートの8資産の指数を組み合わせた合成ベンチマークに連動することを目指して作られた投資信託です。各資産割合は12.5%ずつとなっており、さまざまな金融商品に1度に分散投資できます。

次のように、各マザーファンドに投資することで、各種の金融商品に実質的に投資するファミリーファンド方式を導入しているのが特徴です。

・国内株式……TOPIXマザーファンド(東証株価指数「TOPIX」への連動を目指したもの)
・外国株式……外国株式インデックスマザーファンド(MSCIコクサイ・インデックスへの連動を目指したもの)

ファミリーファンドは複数のファンドが1つのマザーファンドに投資する方式です(複数の場合もあります)。
マザーファンドに投資する投資信託を「ベビーファンド」と呼びますが、マザーファンドの運用の成果がベビーファンドに反映されます。
出典:日本証券業協会 投資の時間

バランスがとれた運用を好む人、できるだけ多くの地域や商品に投資して価格変動リスクを抑えたい人におすすめのファンドです。

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積立NISAで1万円を投資するのは意味ない?についてよくあるQ&A

積立NISAで月1万円の投資は意味ない?
積立NISAは、月1万円や1,000円といった少額の投資でも意味があります。これは、長期間にわたって運用することで、複利効果を通じて資産を着実に増やせるからです。

積立NISAで月1万円を投資すると20年後いくらになる?
積立NISAで月1万円を投資すると20年後は、年利3%の運用で約328万円、年利5%で約411万円、年利8%で約589万円になります。

積立NISAで月1万円の投資を成功させるには?
短期的な価格の変動に一喜一憂せず、投資し続けることが大切です。その他には、年間上限額40万円の範囲内で投資額の増額を検討したり、分配金が出た際に再投資したりするのも有効でしょう。 なお、新NISAのつみたて投資枠の上限は月10万円、年間120万円、非課税期間は無期限です。

積立NISAで月1万円投資するのにおすすめの銘柄は?
積立NISAで、月1万円などの少額の投資で着実に資産を形成するには、長期的な成長が見込めること、コストが低いことを基準に選びましょう。具体的には「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」や「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」がおすすめです。

国内株式だけに投資したい人は「ニッセイ日経225インデックスファンド」、いろいろな金融資産に投資して価格変動のリスクを抑えたい人は「eMAXISバランス(8資産均等型)」がよいでしょう。

積立NISAで月1万円の少額を投資するメリットは?
積立NISAで月1万円などの少額を投資するメリットは、無理なく長く続けられること、損失が限定されることです。一方デメリットは、リターンが少ないこと、産形成に時間がかかることです。

つみたてNISA対象銘柄が20年後に暴落している可能性は?
投資では価格変動のリスクがあるため、20年後に暴落する可能性はあります。しかし20年間積み立ててきたことで、複利の効果で運用収益が増加していたり、購入平均単価が下がっていたりして利益が出やすくなっているかもしれません。個別銘柄を購入している人よりは、元本割れのリスクを軽減できるでしょう。

山村望愛
国立大学経済学部卒業後、大手証券会社に入社。約8年間、窓口にて個人向けの資産運用アドバイスを行う。夫の転勤を機に退職し、出産後ライターとして活動。現在は、投資初心者向けの記事や子育て世代に向けた記事など幅広いテーマの記事を執筆するかたわら、キッズ向けのマネーセミナーなどを企画・運営。

■保有資格
証券外務員一種
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
国立大学経済学部卒業後、大手証券会社に入社。約8年間、窓口にて個人向けの資産運用アドバイスを行う。夫の転勤を機に退職し、出産後ライターとして活動。現在は、投資初心者向けの記事や子育て世代に向けた記事など幅広いテーマの記事を執筆するかたわら、キッズ向けのマネーセミナーなどを企画・運営。

■保有資格
証券外務員一種
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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