「新NISAで毎月3,000円投資するのは意味ない?」と思う方もいるでしょう。しかし、新NISAは月3,000円でも始める意味があります。
少額で無理なく継続できて着実に利益を増やせるので、資産形成の手段として貯金より有効です。値下がり時の損失が少額になるので投資初心者でも安心して始めることができます。
利回り3%の商品に毎月3,000円を積み立てる場合、利益額は20年間で24万円、30年では63万円を超えます。NISAなら税金もかかりません。
今回は、新NISAで月3,000円積み立てるときの利益、資産額をシミュレーションで紹介します。
【月3000円を積み立てた場合の利益と資産額】
・10年間:利益5.3万円、資産額41.3万円
・20年間:利益24.7万円、資産額96.7万円
・30年間:利益63.3万円、資産額171.3万円
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投資初心者が新NISAを始めるのに月3,000円が適切な理由
投資初心者が新NISAを始めるのに月3,000円が適切な理由は、月3,000円という金額は、多くの人にとって無理なく捻出できる金額であり、長期間続けやすく、失敗のリスクが低いからです。
家計調査(2022年)によると、勤労者世帯の株式・債券などの「有価証券」の平均購入額は女性で月に2,271円、男性で2,204円でした。35歳~59歳の女性は毎月平均2,776円を、男性は2,433円を投じています。
3,000円は平均より少し高めであり、決して無意味な金額とはいえません。
全体 | (内)35歳~59歳 | |
---|---|---|
勤労者世帯(女性) | 2,271円 | 2,776円 |
勤労者世帯(男性) | 2,204円 | 2,433円 |
毎月3,000円で新NISAを始める4つのメリット
毎月3,000円で新NISAを始めるメリットは挫折することなく長期投資を実現できること、少ないリスクで着実に利益を出せることです。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
引用:NISAとは? : 金融庁
無理なく長く続けられる
新NISAで毎月3,000円積み立てるメリットは、無理なく長く続けられることです。積立投資とはいえ、金額が大きいと負担が重く積み立てを続けられないかもしれません。
積み立て投資は、長期保有することで利益を最大化できる投資方法です。
月3,000円なら無理なく継続できて、着実に利益を増やせます。
積立投資は、好きなタイミングで1回ずつ注文する「スポット購入」と異なり、最初に設定しておけば自動で買い付けが行われることも、長く続けやすい理由です。
損失が限定される
損失が限定されることも月3,000円で新NISAの投資を始めるメリットです。
投資の損益は投資額に比例します。投資額が大きいと損益も大きくなり、反対に投資額が小さいと損益も小さくなります。積立額を月3,000円にとどめることで、仮に投資に失敗しても損失額を小さくできるメリットがあります。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
投資を始めるにあたり、どうしても心配になるのは損失ではないでしょうか。月3,000円の少額で始めると損失額も小さくなります。初心者でも取り組みやすいと考えられます。
利益を出しやすい
積立投資には、価格変動リスクを抑えられるだけでなく、利益を出しやすくなるというメリットもあります。
これは、一定額を継続的に投資することで、取得単価が下がるからです。
投資信託は常に値動きが生じています。積立投資では値段が高いときも安いときも継続的に投資することになります。このため、一定額の積立投資を行うと「値段が高いときは少なく買い、安いときは多く買う」ということが起こります。
例えば3,000円ずつ投資するときの取得口数は、価格が1万円のときは0.3口(投資額3,000円÷価格1万円)ですが、価格が5,000円のときは0.6口に増加します。このように一定額を積み立てる投資方法をドルコスト平均法と呼びます。
少額・定期定額で投資を行うことで、時期による値動きに応じて、価格が高い時期には少なく、価格が低い時期には多く投資を行うのが「時間(時期)の分散」(ドル・コスト平均法)の手法です。
引用:金融庁 投資の基本
ドルコスト平均法は取得単価が下落しやすいメリットがあります。例えば価格が1万円→5,000円→1万5,000円→1万円と推移した場合、平均価格は1万円ですが、3,000円ずつ積立投資した場合、取得単価は8,571円と平均価格を1,429円下回る金額になります。1口あたり1,429円、全体(1.4口)では2,000円の利益が出たことになります。
(※取得単価=買い付けにかかった総額÷保有株式の総数)
価格 | 積立額 | 取得口数 | 積立額 (合計) |
取得口数 (合計) |
取得単価 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1回目 | 10,000円 | 3,000円 | 0.3口 | 3,000円 | 0.3口 | 10,000円 |
2回目 | 5,000円 | 3,000円 | 0.6口 | 6,000円 | 0.9口 | 6,667円 |
3回目 | 15,000円 | 3,000円 | 0.2口 | 9,000円 | 1.1口 | 8,182円 |
4回目 | 10,000円 | 3,000円 | 0.3口 | 12,000円 | 1.4口 | 8,571円 |
長期保有で利益が安定する
長期保有で利益が安定する点も月3,000円で新NISAを始めるメリットです。
投資のリターンは保有期間が長いほど安定するといわれています。長期保有で利益がどのくらい安定するのか、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500で確認してみましょう。
1989年1月~2023年12月の各月末の終値を用い、保有期間別に利回り(1年あたりの損益率)を比較します。
試算すると、利回りの最大値と最小値の差は保有期間が長くなるほど小さくなりました。これは損益の振れ幅が小さくなったことを表しています。保有期間1年では-44.8%~+53.7%の利回りが生じましたが、10年では-5.1%~+16.8%にまで収束しています。
新NISAで毎月3,000円を積み立てたらいくらになる?シミュレーションを紹介
新NISAで毎月3,000円を積み立てたらいくらになるのか、シミュレーションを紹介します。
利回り3%の商品に毎月3,000円の積立投資を行うと10年間で約41万円、20年間で97万円、30年間で約171万円の資産になります。
それぞれのシミュレーションを詳しく見てみましょう。
10年間3,000円つみたてた場合は5.3万円
新NISAで毎月3,000円を10年間積み立てたとき、10年後に得られる利益はおよそ5万円、元本を合わせた資産額は41万円を超えます。
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
5年目 | 18.0万円 | 1.1万円 | 19.1万円 |
7年目 | 25.2万円 | 2.4万円 | 27.6万円 |
10年目 | 36.0万円 | 5.3万円 | 41.3万円 |
月1,000円~1万円を10年間積み立てた場合は以下の通りです。
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
5年目 | 6.0万円 | 0.4万円 | 6.4万円 |
7年目 | 8.4万円 | 0.8万円 | 9.2万円 |
10年目 | 12.0万円 | 1.8万円 | 13.8万円 |
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
5年目 | 30万円 | 1.9万円 | 31.9万円 |
7年目 | 42万円 | 4.0万円 | 46.0万円 |
10年目 | 60万円 | 8.8万円 | 68.8万円 |
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
5年目 | 60万円 | 3.7万円 | 63.7万円 |
7年目 | 84万円 | 7.9万円 | 91.9万円 |
10年目 | 120万円 | 17.6万円 | 137.6万円 |
20年間3,000円つみたてた場合は24.7万円
新NISAで毎月3,000円を20年間積み立てたときの利益は24万円以上となり、資産額は96万円を超えます。10年目と比較し利益は4.6倍以上、資産額は2.3倍以上に増加しました。
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 36万円 | 5.3万円 | 41.3万円 |
15年目 | 54万円 | 13.0万円 | 67.0万円 |
20年目 | 72万円 | 24.7万円 | 96.7万円 |
月1,000円~1万円を20年間積み立てた場合は以下の通りです。いずれも10年間の積み立てより資産が大きく成長することがわかります。
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 12万円 | 1.8万円 | 13.8万円 |
15年目 | 18万円 | 4.3万円 | 22.3万円 |
20年目 | 24万円 | 8.2万円 | 32.2万円 |
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 60万円 | 8.8万円 | 68.8万円 |
15年目 | 90万円 | 21.6万円 | 111.6万円 |
20年目 | 120万円 | 41.2万円 | 161.2万円 |
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 120万円 | 17.6万円 | 137.6万円 |
15年目 | 180万円 | 43.2万円 | 223.2万円 |
20年目 | 240万円 | 82.4万円 | 322.4万円 |
30年間3,000円つみたてた場合は63.3万円
新NISAで毎月3,000円を30年間積み立てたとき、10年後に得られる利益は63万円を突破し、資産額は171万円に到達します。100万円の大台を大きく超え、比較的まとまった資産になることがわかります。
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 36万円 | 5.3万円 | 41.3万円 |
20年目 | 72万円 | 24.7万円 | 96.7万円 |
30年目 | 108万円 | 63.3万円 | 171.3万円 |
毎月1,000円~1万円を30年間積み立てるシミュレーションは以下の通りです。毎月1万円の積み立ては30年目に資産額が570万円を超えています。
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 12万円 | 1.8万円 | 13.8万円 |
20年目 | 24万円 | 8.2万円 | 32.2万円 |
30年目 | 36万円 | 21.1万円 | 57.1万円 |
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 60万円 | 8.8万円 | 68.8万円 |
20年目 | 120万円 | 41.2万円 | 161.2万円 |
30年目 | 180万円 | 105.5万円 | 285.5万円 |
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 120万円 | 17.6万円 | 137.6万円 |
20年目 | 240万円 | 82.4万円 | 322.4万円 |
30年目 | 360万円 | 210.9万円 | 570.9万円 |
新NISAで少額の積立投資をするデメリット3つ
毎月3,000円であっても投資で積極的に資産を増やす意味は大きいです。しかし、新NISAで非課税枠が拡大したこと、積み立て投資の最大の武器が「複利」にあることを考えると、デメリットが存在するのは事実です。
新NISAで少額投資するデメリットは以下の3つです。
分散投資の効果が小さくなる
1つめのデメリットとして挙げられるのは、積立額が少額だと「分散投資」の効果が小さくなることです。分散投資では、複数の資産に投資するため、リスクを軽減することができます。しかし、積立額が少額だと、投資できる資産の種類が限られてしまいます。
投資信託は複数の銘柄で運用されているため、1本でも分散投資の効果は得られます。しかしさらに幅広い銘柄へ分散したい場合、複数の投資信託の活用が有効です。
資産運用には「卵を一つのかごに盛るな(Don't put all eggs in one basket)」ということわざがあります。性質や値動きの異なる複数の資産に分散して運用することにより、安定的な運用成果を目指しています。
引用:分散投資の意義③卵を一つのかごに盛るな
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
リターンが少ない
リターンが少ない点も、新NISAで少額投資するデメリットです。
投資の損益は投資額に比例します。同じ商品でも、投資額が小さい人は大きく投資する人に比べリターンも限定されることになります。
例えば利回り3%の商品で1年間運用する場合、毎月の投資額が3万円なら利益は1万円です。しかし毎月の積立額が3,000円の場合、1年後の利益は90円にとどまります。
NISAの場合、利益の大小は非課税メリットにも影響を与えます。通常の税率はおよそ2割ですから、利益が1万円なら2,000円分の税金を削減できたことになります。しかし利益が90円だと、税金の削減額は18円です。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
資産を形成するのに時間がかかる
資産形成に時間がかかることもデメリットとなります。投資額が小さいため元本部分の蓄積が遅いこと、リターンも小さいため運用益の押し上げも小さくなることが理由です。投資で資産を増やしたいと考えている人は注意しましょう。
投資額の違いは資産形成の時間にどれくらい影響を与えるのでしょうか。積立投資で100万円に到達するまでの期間を計算してみましょう。
利回り3%で、資産額を100万円に到達させるのに必要な期間は、毎月3万円を積み立てた場合、33ヵ月目(2年9ヵ月)です。しかし毎月1万円だと90ヵ月(7年6ヵ月)、月3,000円では244ヵ月(20年4ヵ月)を要します。
投資は資産形成の手段です。しかし投資額が小さいと同じリターンでも資産形成が遅くなります。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
新NISAでの投資は何円から始められる?いつから始めるべき?
新NISAでの投資は、対面型の銀行なら1,000円~1万円から、ネット証券なら月100円から始めることができます。投資期間が長いほど、複利効果も大きくなることを考えると、できるだけ早く始めるのがおすすめです。
投資には、中長期的に行っていくことで、投資資金を運用して得られた利益が更に運用されて増えていく「複利」の効果があります。「投資期間」と「複利」の効果には関係があり、投資期間が長いほど、複利効果も大きくなる傾向があります。
引用:投資の基本 : 金融庁
NISAはいくらから始めるべきか、またいつから始めるべきか、それぞれ紹介します。
いくらから始める?
「とりあえず投資を始めたい」という人は、月3,000円を目安に積み立てるとよいでしょう。少額のため無理なく続けることができますし、投資額を抑えることで損失が限定されます。
「できるだけ短い期間で、多くの利益を得たい」という人は、毎月の積立額を大きくするといいでしょう。
例えば利回り3%の商品に積立投資を10年間行う場合、1,000万円を貯めるなら月に7万3,000円、2,000万円を貯めるなら月に14万5,000円の積み立てが必要です。
2,000万円を貯めるなら、積立期間が20年なら月に6万2,000円、30年なら月に3万5,000円の投資で到達します。
10年 | 20年 | 30年 | |
---|---|---|---|
1,000万円 | 7万3,000円 | 3万1,000円 | 1万8,000円 |
2,000万円 | 14万5,000円 | 6万2,000円 | 3万5,000円 |
3,000万円 | 21万8,000円 | 9万3,000円 | 5万3,000円 |
なお、三井住友銀行のように、新NISAの積立額が最低1万円以上の金融機関があるので、確認が必要です。
その点ネット証券なら100円から始めることができます。
いつから始める?
新NISAの積み立て投資で利益をより大きくしたいのであれば、できるだけ早く始めましょう。一定の利回りで運用するとき、当然ですが1年間保有するよりも10年間保有する方が利益は大きくなります。
実際にいつから始められるのかというと、ネット証券の口座があるなら、最短で翌営業日には積み立てを開始できます。
ただしクレジットカード決済の場合、発注はすぐに行われません。クレジットカード決済の場合、3社すべてが前月までの指定された日が設定の締切日になっています。
新NISAの始め方
新NISAの積み立て投資の始め方は以下の3つのステップ。簡単7分で終わるので、これをみながら終わらせてしまいましょう。
SBI証券を例にNISA口座の始め方を紹介します。
手順1.口座を開設
まずはSBI証券に口座開設を申し込みます。NISA口座の開設も同時に進めることができます。
口座開設には書類が必要です。指定の組み合わせで提出しましょう。
提出書類の組み合わせ | |
---|---|
スマートフォンで撮影可能 | マイナンバーカード または 通知カード+運転免許証 |
スマートフォンを持っていない 画像で提出したい 上記書類の組み合わせがない |
マイナンバーカード+本人確認書類1点 または 通知カード(※1)+本人確認書類2点 |
- 1. 運転免許証
- 2. 運転経歴証明書
- 3. 住民基本台帳カード(写真付き)
- 4. パスポート(所持人記入欄があるもの)
- 5. 住民票の写し
- 6. 各種健康保険証
- 7. 印鑑証明書
- 8. マイナンバー記載の住民票
手順2.投資信託の銘柄を選ぶ
SBI証券「銘柄検索・取扱一覧|投資信託・外貨建MMF」のページで銘柄を選びましょう。
つみたて投資枠で購入できるのは、「NISAつみたて」のマークがある銘柄です。
手順3.積立設定
銘柄を選んだら、個別の銘柄ページの「積立買付」で積み立ての設定を行いましょう。
積立設定では預かり区分にNISAを指定します。毎月3,000円を積み立てる場合、積立コースに毎月、積立金額に3,000円と入力します。
決済に使うクレジットカードを登録して設定が完了すればあとは放置でOK。毎月自動で買い付けが行われます。
積立額はいつでも変更できます。半年後、様子をみて運用成績が好調ならば、3,000円から5,000円にするなど、積立額の増額を検討してもいいでしょう。
新NISAにおすすめの投資金額は?シミュレーション別に紹介
新NISAにおすすめの投資金額を、3,000円、5,000円、1万円でシミュレーションして検証しました。状況別に適した金額は以下のとおりです。
無理なく続けられるように、家計の状況にあわせてほどよい金額にしましょう。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
貯金が少ない場合は3,000円
貯金が少なく家計に余裕がない場合、月に3,000円の積み立てから始めてみましょう。
毎月3,000円を積み立てる場合、利回り3%なら10年で41万円、20年で96万円の資産を作れます。積み立てを30年、40年と伸ばすと、資産額はそれぞれ171万円、271万円となります。
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 36万円 | 5.3万円 | 41.3万円 |
20年目 | 72万円 | 24.7万円 | 96.7万円 |
30年目 | 108万円 | 63.3万円 | 171.3万円 |
40年目 | 144万円 | 127.4万円 | 271.4万円 |
なお、NISAで購入した商品はいつでも解約できます。支払いなどでどうしてもお金が必要な場合、売却して代金を引き出せます。
NISA口座で購入した上場株式や株式投資信託等は、いつでも売却できます。
引用:日本証券業協会 知っておきたいNISAのポイント
貯金がたまってきたら10,000円
貯金がたまり家計の余裕が生まれてきたら積立額を1万円に引き上げてみましょう。月3,000円でも投資の効果は得られます。しかし積み立てを増やすと元本と利益額が増加するため、資産形成のスピードが上昇します。
利回りを3%と仮定すると、毎月1万円の積み立ては20年で300万円の資産になります。40年まで継続すると利益は元本の88%にまで積み上がり、資産額も904万円に到達します。
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 120万円 | 17.6万円 | 137.6万円 |
20年目 | 240万円 | 82.4万円 | 322.4万円 |
30年目 | 360万円 | 210.9万円 | 570.9万円 |
40年目 | 480万円 | 424.8万円 | 904.8万円 |
新NISAのクレカ積立を最大活するなら50,000円
新NISAのクレカ積立を最大活用するなら、月の積立額を50,000円にしましょう。
クレジットカード決済による投信積立の上限額は、多くの金融機関で月5万円となっています。 NISAは累計で1,800万円まで投資できるため、30年間は積み立てられます。
利回り3%とすると、毎月5万円の積み立てを続けると30年で利益額1,000万円を超え、2,854万円の資産になります。 30年間でつみたて投資枠を使い切った後、運用のみ続けると資産は3,836万円にまで増加します。
※参照:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 60万円 | 87.8万円 | 687.8万円 |
20年目 | 1,200万円 | 412.2万円 | 1,612.2万円 |
30年目 | 1,800万円 | 1,054.5万円 | 2,854.5万円 |
40年目 | 1,800万円 | 2,036.2万円 | 3,836.2万円 |
15年目以降の不労所得を目指すなら100,000円
積み立て15年間、早期の不労所得を目指すなら、積立額を100,000円に設定しましょう。15年でNISAの投資枠を使い切ることになり、それ以降は積み立て不要で運用益が増えていきます。人によってはFIREも可能です。
NISAのつみたて投資枠は年間120万円です。したがって月に10万円まで投資できます。積み立てを15年間続けると累計投資可能額(1,800万円)に到達します。その際の利益は、469万円、資産額は2,269万円です。そのあとは積み立てなくても、保有しているだけで、30年目に3,477万円、40年目は4,673万円まで資産額が膨れ上がります。
元本 | 利益 | 資産額 | |
---|---|---|---|
10年目 | 1,200万円 | 175.7万円 | 1,375.7万円 |
20年目 | 1,800万円 | 787.3万円 | 2,587.3万円 |
30年目 | 1,800万円 | 1,677.2万円 | 3,477.2万円 |
40年目 | 1,800万円 | 2,873.0万円 | 4,673.0万円 |
クレカ積立の上限額は5万円が一般的ですが、中には10万円のクレカ積立に対応する証券会社があります。
たとえば、大和コネクト証券は、2024年1月より、クレディセゾン発行のセゾンカード・UC カードを対象に、クレカ積立の上限額を10万円に引き上げています。
参照:【上限額拡大】大和コネクト証券とクレディセゾン、 新 NISA スタートより「クレカ積立」上限
毎月3,000円をどこに投資する?新NISAでおすすめの投資先4選
毎月3,000円で積み立て投資するなら、利益を出しやすいS&P500や人気のVTIの商品を選ぶのがおすすめです。つみたて投資枠の対象商品は280本あります。ここではおすすめの4本を紹介します。
(2024年1月4日。参考:金融庁 つみたて投資枠対象商品の分類)
→おすすめ商品をすべて購入できる!証券会社を今すぐチェック!
新NISAでは、同じ商品を、つみたて投資枠と成長投資枠で購入することができます。つまり、つみたて投資枠と成長投資枠、あわせて年間360万円の枠を投資信託の購入に利用できるのです。
NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠を利用して金融商品に投資できます。つみたて投資枠では、つみたてNISA対象商品と同様、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に投資できます。
引用:投資信託協会 NISAについてのQ&A
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドはアメリカの株式で運用される投資信託です。アメリカの株価指数であるS&P500への連動を目指して運用されます。ある指数に連動するよう運用される投資信託をインデックスファンドと呼びます。
S&P500はアメリカに上場する代表的な500銘柄で構成される株価指数です。構成銘柄にはアップルやマイクロソフトといった世界的企業が含まれます。
分類 | 株式型インデックスファンド |
---|---|
基本の投資割合 | アメリカ株式:100% |
信託報酬 | 0.0938%程度 |
信託財産留保額 | なし |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドも運用開始以来おおむね右肩上がりに上昇しています。近年の運用成績は順調で、2023年末現在で3年間の1年あたりリターンは22%を超えました。
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | |
---|---|---|---|
リターン | 34.48% | 22.12% | ― |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
「オルカン」の愛称で親しまれるeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、運用開始時から順調な成績をあげ、新NISAの開始前後でさらに人気を博しています。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)(イーマクシススリム、愛称:オルカン)は全世界の株式で運用される投資信託です。先進国・地域(アメリカ、日本、イギリスなど)と新興国・地域(中国、インド、台湾など)の双方の株式に幅広く投資します。
投資割合は新興国よりも先進国の方が大きくなっています。特にアメリカの比重が大きく、アメリカ株式だけで全体の6割を占めています(2023年9月)。アメリカを中心としつつ、ほかの国にも投資したい人に向いているでしょう。
分類 | 株式型インデックスファンド |
---|---|
基本の投資割合 | 先進国株式:89.3% 新興国株式:10.7% |
信託報酬 | 0.05775%以内 |
信託財産留保額 | なし |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は成績も良好です。過去3年間のリターンは2023年末で1年あたり17%にも上りました。
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | |
---|---|---|---|
リターン | 30.42% | 17.79% | 17.70% |
楽天・全米株式インデックス・ファンド
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、アメリカの上場株式のほぼ100%に投資します。大企業などの大型株式だけでなく、中小型の株式にも投資するのが特徴。
一部の大企業だけでなく、アメリカ全土に投資したい人におすすめです。
分類 | 株式型インデックスファンド |
---|---|
基本の投資割合 | アメリカ株式:100% |
信託報酬 | 0.162%程度 |
信託財産留保額 | なし |
楽天・全米株式インデックス・ファンドの成績は以下の通りです。好調なアメリカ株式市場を受け、過去5年は1年あたり20~30%のリターンを稼ぎました(2023年末)。
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | |
---|---|---|---|
リターン | 34.43% | 20.43% | 20.65% |
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
新NISAで分散投資のメリットを最大限に享受したい人はバランス型のeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)を選びましょう。eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、世界中の株式と債券、リート(※)に投資する投資信託です。このように複数の資産に投資する投資信託をバランス型と呼びます。
バランス型投資信託とは、株式だけとか債券だけというひとつの資産に偏ることなく、複数の資産や市場へバランス良く投資する投資信託のことです。たとえば株式と債券、国内と海外といった異なる資産や市場で運用します。
引用:SMBC日興証券 バランス型投資信託(バランスがたとうししんたく)
※リート:不動産投資信託のこと。オフィスやマンションなど実物の不動産で運用される。
分類 | バランス型インデックスファンド |
---|---|
基本の投資割合 | 株式:37.5%(国内・先進国・新興国) 債券:37.5%(国内・先進国・新興国) リート:25%(国内・先進国) |
信託報酬 | 0.55%以内 |
信託財産留保額 | 0.15% |
地域と資産で幅広く分散投資するeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、比較的リスクの低い運用が期待できます。年次リターンをeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と比べると、プラスとマイナスのいずれもも小さいことがわかります。
直近のeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)のリターンは以下の通りです。株式だけで運用される銘柄と比べると見劣りしますが、順調に利益を稼いでいることがわかります。
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | |
---|---|---|---|
リターン | 16.38% | 8.75% | 8.60% |
毎月3,000円で新NISAを始める際のおすすめネット証券3選
毎月3,000円でNISAを始めるなら、最低積立金額が小さいネット証券を検討しましょう。
ネット証券なら以下3社がおすすめです。3社であれば紹介したおすすめの銘柄をすべて買えます。いずれも100円から始められます。
豊富な商品ラインアップや柔軟な積立頻度、手厚いポイント還元も魅力です。
最低積立金額 | 取扱銘柄数 (つみたて投資枠) |
積立頻度 | 投信残高 ポイント還元率 (最大、年率) |
クレジットカード 決済ポイント 還元率(最大) |
|
---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 100円 | 218本 | 毎月、毎週、 毎日 |
0.250% | 5.0% |
楽天証券 | 100円 | 220本 | 毎日、毎月 | 0.053% | 1.0% |
マネックス証券 | 100円 | 217本 | 毎日、毎月 | 0.080% | 1.1% |
SBI証券
新NISAを始めるのに、SBI証券は最適です。なぜなら、クレカ積立でポイントが貯まりやすく、投資商品の品揃えが豊富で、多くの人に支持されているからです。SBI証券はトップクラスのシェアを持つネット証券です。口座数は2023年9月にグループ全体で1,100万を突破しました。
※参照:国内初となる証券総合口座1,100万口座達成のお知らせ(SBI証券)|ニュースリリース
最低積立金額 | 100円 |
---|---|
取扱銘柄数 (つみたて投資枠) |
218本 |
積立頻度 | 毎月、毎週、毎日 |
投信残高ポイント還元率 (最大、年率) |
0.25% |
クレジットカード決済 ポイント還元率(最大) |
5.0% |
【おすすめポイント】
SBI証券はポイント還元の手厚さが魅力です。投信積立をクレジットカードで決済すると代金の0.5%~5.0%のポイントを受け取れます。
投資信託を保有しているだけでポイントが付与される点も魅力。付与率は通常銘柄で投信残高に対し年率0.1%、SBIプレミアムセレクト銘柄で年率0.15% です。さらに投信残高が1,000万円以上の場合は付与率に1%が上乗せされます。
【メリット】
● クレジットカード決済の最大ポイント付与率が高い(0.5%~5.0%)
● 積立頻度が柔軟(毎日、毎週、毎月から選べる)
【デメリット】
● 年会費無料のクレジットカード決済はポイント還元率が低い(0.5%)
● 一部の投資信託は保有に対するポイント付与率が低い
【こんな人に向いている】
SBI証券はポイントを貯めたい人に向いています。貯められるポイントは6種類(Tポイント、Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル、PayPayポイント)から選べます。
※参照:SBI証券
楽天証券
楽天証券はNISA口座数NO.1です。新NISAを楽天証券で始める最大のメリットは、ほかの楽天サービスとの連携で効率的にポイントが貯まること。 また、ポイント投資により、還元率が0.5%アップする、積立時も、残高が貯まったときも、ダブルでポイントが貯まるなど楽天ポイントが貯まりやすい点が魅力です。楽天ユーザーが1番に検討したい証券会社です。
最低積立金額 | 100円 |
---|---|
取扱銘柄数 (つみたて投資枠) |
220本 |
積立頻度 | 毎日、毎月 |
投信残高ポイント還元率 (最大、年率) |
0.053% |
クレジットカード決済 ポイント還元率(最大) |
1.0% |
【おすすめポイント】
楽天証券は楽天ユーザーにおすすめです。楽天証券を利用すると楽天市場のポイント還元率が最大1%上乗せされます。
また楽天銀行と連携すると、楽天銀行の普通預金金利が0.04%~0.1%に上昇するメリットもあります(通常0.02%。2024年1月27日現在)。
※参照:楽天銀行
【メリット】
● 楽天市場のポイント還元率が上昇する
● ポイント投資の対象商品が豊富(投資信託、国内株式、米国株式、バイナリーオプション)
※参照:ポイント投資 | ポイントプログラム | サービス案内 | 楽天証券
【デメリット】
● 投資信託の保有に対するポイント還元は6銘柄のみ
● 代行手数料0.4%未満の銘柄はクレジットカード決済のポイント付与率が低い(楽天プレミアムカード除く)
【こんな人に向いている】
楽天証券は楽天グループのサービスのユーザーにおすすめです。取引で楽天ポイントが貯まるほか、楽天市場の付与率が上昇するメリットがあります。また楽天銀行との連携サービスも提供しています。
マネックス証券
口座数225万口座を突破したマネックス証券。マネックス証券で新NISAを始めるメリットは、クレカ積立の還元率が1.1%と高く、新NISAの手数料がすべて無料であることです。2024年以降の新NISA口座での取引は、対象商品の売買手数料がすべて無料になりました。
2023年にNTTと提携したマネックス証券は、ドコモユーザー、d払いを活用する人にもおすすめです。
最低積立金額 | 100円 |
---|---|
取扱銘柄数 (つみたて投資枠) |
217本 |
積立頻度 | 毎日、毎月 |
投信残高ポイント還元率 (最大、年率) |
0.08% |
クレジットカード決済 ポイント還元率(最大) |
1.1% |
2023年10月、マネックス証券はNTTとの提携を発表しました。d払いアプリの「資産運用 NISA」サービスを使えば、新NISAに申し込むことができます。 また、マネックス証券では、新NISAデビュー応援最大4,000円相当のdポイントがもらえるキャンペーンを実施中です。
※参照:マネックスグループ・マネックス証券との資本業務提携契約を締結 | お知らせ | NTTドコモ
【おすすめポイント】
マネックス証券はクレジットカード決済のポイント還元が魅力です。
マネックス証券はマネックスカードで投信積立を決済すると1.1%分のポイントが受け取れます。一般的なカードとしては付与率が高く、SBI証券(0.5%、三井住友カード(NL)など)や楽天証券(0.5%または1.0%、楽天カード)を上回ります。
【メリット】
● 一般カードの投信積立のポイント付与率が高め(1.1%)
● 2023年10月以降の開設者はクレジットカード決済の付与率に1%上乗せ(2024年9月まで)
【デメリット】
● 貯まるポイントが独自ポイント(マネックスポイント)
● 投資信託の保有に対するポイント付与率は低め(最大年率0.08%)
【こんな人に向いている】
マネックス証券は年会費の安いクレジットカードで投信積立をしたい人に向いています。マネックスカードの年会費は初年度無料、翌年度も年1回以上の利用で無料です。
新NISAの投資額を増やす際の注意点
新NISAの投資額を増やす際は、生活を圧迫しないこと、損失が大きくならないようにすることに注意が必要です。運用も成功し利益も少しずつ増えてくると、積立額の増額を検討することもあるでしょう。
また投資額を増やすと、失敗したときの損失も大きくなります。増額の前に、改めてリスク許容度を確かめておくとよいでしょう。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
● 投資額の目安は給料の10%以内
● トラブル時の準備金100万円程度の貯蓄があると理想
● リスク許容度を決めておく
投資額の目安は給料の10%以内
積立額の増額は、収入の10%以内を目安に判断しましょう。株式会社400F(フォーハンドレッド・エフ)の調査によると多くの人が毎月の積立額を、給料の10%以内にしていることがわかります。
<世帯年収別、毎月の積立額>
400万円未満(33万/月):36,000円
400万円以上600万円未満(34~50万円/月):45,000円
600万円以上~800万円未満(51~66万円/月):42,000円
800万円以上~1,000万円未満(67~83万円/月):59,000円
※参照:新NISAで積立額は2倍!みんなのつみたてNISAの積立額を調査
積立額が収入に対しあまりに高額だと家計のひっ迫が懸念されます。生活が苦しいあまり、せっかく積み立てた商品を解約することになるかもしれません。
家族の有無によっても、適切な積立額は変わります。金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(2023年)」によると、手取り収入に対する貯蓄率の平均は二人以上世帯で11%、単身世帯で13%でした。
【年間手取り収入に対する貯蓄率(金融資産の保有世帯)】
● 二人以上世帯:11%
● 単身世帯:13%
出典:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査(2023年)
10%はあくまで目安です。積立額は自身の家計の状況に応じて判断してください。
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
トラブル時の準備金100万円程度の貯蓄があると理想
新NISAで積み立て投資を始めるときは、貯金0の状態で始めるのではなく、トラブル時の準備金として100万円程度、貯金がある状態で開始するのが理想です。ケガや病気といった思わぬトラブルで働けなくなった場合、収入が途絶える可能性があります。貯金がないと生活に行き詰まってしまうかもしれません。
日本FP協会によると、緊急資金の目安として生活費の3ヵ月分~1年分と紹介しています。1ヵ月の生活費が20万円なら少なくとも60万円を準備することになります。
※参照:日本FP協会 主なライフイベントにかかる費用の目安
若山卓也(ファイナンシャル・プランナー)
リスク許容度を決めておく
積立額を増やすなら、改めてリスク許容度を確認しておきましょう。
リスクとは収益(リターン)のブレのことですが、収益(リターン)がマイナスに振れてしまった場合、どれくらいまでならマイナスになっても受け入れることができるか、という度合いのことを「リスク許容度」といいます。
引用:みずほ証券 リスク許容度を知っておこう
リスク許容度は、一般に以下のような項目に当てはまると高くなるといわれています。年齢が若いほど、収支に余裕があるほど大きなリスクを取れる傾向にあります。 反対に、以下のような項目にあまり当てはまらない人は、リスクを取りづらい人といえます。
- 年齢が若い
- 収支に余裕がある
- 投資経験が豊富
- 保有資産が大きい
- 支払い時期が遠い資金の運用
積立額を増やすと損益額も大きくなります。仮に毎年3%値下がりする商品に10年間積み立てた場合、月3,000円なら損失額は4万5,000円です。しかし同じ条件で積立額を月1万円に増額すると15万円の損失となります。
積立額を増やす場合、自分のリスク許容度についてもう一度検討しましょう。
よくある質問
※参照:2018年の日本株式市場振り返り
新NISAにおいても同様で元本保証はありません。国内外の要因で大きな変動が生じることはあるでしょう。どうしても損失を避けたい場合は銀行預金といった安全性の高い商品をおすすめします。
ある程度リスクを取れる場合、バランス型の投資信託が選択肢です。特に債券比率が高い銘柄はリスクが小さい傾向にあります。相場の急落時も、損失は株式より小さくなりやすいでしょう。
もっとも、これまで起こったショックの多くは短期的なものでした。長期的には世界の株式市場は上昇を続けています。暴落の可能性はありますが、数々の危機を乗り越えてきたことは知っておきたいところです。
「NISA口座の利用状況調査」によると、つみたてNISAは2023年1月~9月に1兆2326億円の買い付けがありました。対して口座数は2023年9月で906万口座です。1口座あたりの投資額は13万6,049円、1ヵ月あたりに直すと1万5,117円となりました。
年代別で積立額が最も多かったのは30代(同1万6,637円)、次いで40代(同1万5,836円)でした。反対に積立額が最も少なかったのは10代(同4,282円)、次に80歳以上(同8,775円)が続きます。
積立投資は新NISAの成長投資枠でも可能です。成長投資枠は年に240万円まで投資できます。毎月一定額を積み立てる場合、20万円が積立額の上限です。
つみたて投資枠と成長投資枠は併用できます。両方の投資枠で積み立てる場合、年間で360万円、月に30万円までの投資が可能です。
※参照:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html
※参照:資産運用シミュレーション : 金融庁
2023年までのNISA口座は、2024年以降は新規の買い付けを終了します。ただしすでに購入した商品の非課税期間は続きます。2023年に一般NISAで購入した商品は2027年まで、つみたてNISAで購入した商品は2042年まで非課税です。
証券外務員一種、AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。
Twitter:@FP38346079
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