付き方で体型が変わる皮下脂肪と内臓脂肪

同じ体脂肪であっても皮下脂肪と内臓脂肪は特徴がまったく異なります。

それぞれの特徴は体型にも表われます。皮下脂肪はお尻、太もも、下腹部など下半身を中心につくため、「洋ナシ型肥満」と言われます。
このタイプの肥満は代謝への影響が少ないため、一度ついてしまうと減らしにくいのが特徴です。

一方の内臓脂肪は、腹部や腸間膜(ちょうかんまく)の周囲につきます。お腹がぽっこりすることから「リンゴ型肥満」と言われます。
このタイプの肥満は代謝への影響が大きいため、脂質異常や高血圧などの代謝生涯を引き起こしやすいという特徴があります。

【内臓脂肪と皮下脂肪の見分け方】増えすぎるとそれぞれ危険な病気へ!
(画像=ベストチョイスより引用)

また、内臓脂肪は運動によるエネルギー消費で比較的落としやすい脂肪ですが、皮下脂肪は落としにくいという特徴があります。

皮下脂肪も内臓脂肪も増えすぎると危険

前項で、内臓脂肪と皮下脂肪が体にとってどれほど必要不可欠なのかを説明しましたが、危険なのは、どちらとも増え過ぎることです。

【内臓脂肪と皮下脂肪の見分け方】増えすぎるとそれぞれ危険な病気へ!
(画像=ベストチョイスより引用)

体脂肪は人間の生命活動に必要な良い物質を作り出す役割も果たしているのですが、その一方で血圧や血糖値を上昇させる物質も作り出します。
これらの物質は主に内臓脂肪によって作られます。

内臓脂肪が増えてくると、そうした悪い物質が良い物質よりも多く作られるようになってしまうため、生活習慣病のリスクが高まるというわけです。

一方、皮下脂肪が増えるとどんな危険があるのでしょうか?

皮下脂肪が増えると、体内の血管が圧迫され血圧を上げてしまう形になり、とても危険です。
また、皮下脂肪によって体重が増えると、足腰への負担が大きくなりますから、腰痛や膝の関節痛につながっていきます。

先ほども説明したように、皮下脂肪は女性につく傾向がありますので、筋肉量が少ない女性にとっては体重増加による腰痛や関節痛などのリスクが大きくなります。

皮下脂肪と内蔵脂肪が担う役割は重要。上手に付き合っていくことが大切

「体脂肪は悪いもの」というイメージが先行するので、皮下脂肪も内臓脂肪もない方がいいと思われがちですが、実は皮下脂肪、内臓脂肪ともに人間の体にとって重要な役割を果たしています。

内臓脂肪は、胃や腸などの腹部周辺の臓器を支える役割を担っています。

【内臓脂肪と皮下脂肪の見分け方】増えすぎるとそれぞれ危険な病気へ!
(画像=ベストチョイスより引用)

腹部の臓器はじん帯や腸間膜によって適正な位置に固定されているのですが、内臓脂肪がその隙間を埋めることによってより安定して固定されるのです。
もし、内臓脂肪がなければ、重力によって臓器が下にずり下がっていってしまうことになります。
また、内臓脂肪は、人間にとって重要な腹部の臓器を外部の衝撃から守る機能も果たしています。

一方、皮下脂肪についてはどうでしょうか?

皮下脂肪は全身を覆うバリアーのような機能を果たしており、寒さや衝撃から体全体を守っています。またビタミンDや女性ホルモンを合成する役割も担っています。

また、ビタミンAやEなどの吸収にも皮下脂肪、内臓脂肪はひと役かっています。

このように、悪役として嫌われがちな皮下脂肪と内臓脂肪ですが、実は私たちにとってなくてはならないもの。ですから、上手に付き合っていくべきです。