生理について悩む働く女性は多く、7割もの人が普段から「生理痛がある」と回答し、さらには「生理中の冷えが気になる」と回答した人は5割も。どうすれば痛みや冷えを解消できるのでしょうか? 専門家が解説します。

生理痛に悩む女性は7割以上…! 仕事に支障をきたす人の割合も半数以上と多め

生理について悩む働く女性は多く、人によっては「重すぎて仕事に集中できない」なんてこともあります。実際どれくらいの人が生理について悩みを抱えているのでしょうか?

岡本株式会社は、20代~40代の働いている女性を対象に、“生理と冷え”に関する悩みについてアンケート調査を実施。「普段から生理痛がある」と答えた人は、74.7%。また、「仕事に支障をきたすほどの痛みや不調を感じたことがある」と答えた人は全体の55.7%もいるという結果に。半数以上の女性が生理による悩みを抱えていることがわかります。

さらに「生理中に冷えが気になる」という女性は「とても気になる(21.3%)」「まあまあ気になる(37.1%)」を合わせると、全体の58.4%。仕事に支障をきたすほどつらさを感じる人が、冷えも気になっていることも多いようで54.8%という結果になっています。

そのような状況を少しでも快適に過ごすためにはどうしたらよいのでしょうか?「いけした女性クリニック銀座」院長である産婦人科医・池下育子先生が解説しています。

ポイント1.生理のメカニズムを知ろう

子宮の内部には「子宮内膜」という赤ちゃんを育てる組織がありますが、妊娠しなかった場合は、この「子宮内膜」が役目を終えてはがれ落ち、血液とともに体外に排出されます。このとき、プロスタグランジンという物質が分泌され、子宮の収縮を促します。プロスタグランジンの分泌が増えすぎると収縮が強くなり痛み(生理痛)を感じます。

ポイント2.生理と冷え

生理がはじまると、体温は生理前よりも下がるうえ、プロスタグランジンの働きで血管が収縮して血行が悪化し、体は冷えやすい状態になります。

体が冷えると更に血液の循環が悪くなって骨盤内に充血が起こり、この血液をプロスタグランジンが追い出そうとして子宮収縮が強くなり、生理痛が悪化します。

また、プロスタグランジンは、腸の働きを活発にするので、胃痛、吐き気、下痢などの症状も出やすくなります。そのため、生理の辛さを和らげるには、休息をとりながら体を温めるのが一番なのですが、アンケートからもわかるように、現代の女性はいつでも休める訳ではありません。日ごろから、また生理中はいつもより一層、体を温めることを意識することが重要です。