
▼4人家族で食費「月8万円」は高い? 1人当たりの“平均”もあわせて解説
1ヶ月の外食費、2万円は多い?
ひと月当たりの外食費として2万円は使いすぎなのか、また、適正な金額がいくらなのかは、家族の人数など各家庭の状況によって異なるといえます。そこで今回は、総務省統計局の「家計調査 家計収支編」(2023年)による平均的な金額と比較してみました。
調査によると、世帯人数4人の家庭における、1ヶ月当たりの外食費を含む食費全体の平均金額は9万712円、外食費は1万7137円でした。この金額と比べると、2万円の外食費は3000円ほど多いということになります。
食費全体のうち、外食費の割合は20%程度におさえることが家計のバランスを取るための目安といわれています。家計調査の金額は、食費全体のうち外食費が占める割合が約18.9%となり、この範囲内に収まっていることが分かりました。
外食費をいくらまでにするかは、住宅ローンや光熱費、教育費などほかの支出とのバランスを考える必要があります。固定費の割合が高い家庭では、外食費をおさえる必要があるかもしれません。一方、固定費の支出が比較的低い家庭では、外食に使うお金を増やせるでしょう。
外食費は外食の頻度や地域によっても変動すると考えられるため、金額が高いかどうかは、個々の状況を見て判断する必要があるでしょう。
外食費は増加している?
同調査によると、二人以上の世帯における年間の外食費は、コロナ禍にあった2020年~2021年にかけては1世帯当たり11万円~12万円台でしたが、2022年には約13万8000円、2023年には約16万5000円と増加傾向にあります。
外食費が増加した理由として、食材費の高騰や中食(調理された食品を購入して食べること)の普及などが考えられるでしょう。多くの原材料費が高騰しており、特に外食産業などにおいては値上げの直接的な要因となっています。
2020年を100とした場合の消費者物価指数は、2023年度では輸入牛肉が124.6、食用油は160.2、鶏卵は135.4といったようにさまざまな食品の価格が上昇しており、結果的に外食の価格も押し上げられているといえるでしょう。
また、共働きの家庭や、親の帰宅が遅くなることが多い家庭などでは、時間の節約のために外食および中食が増加し、外食費の増加につながっていると考えられます。特に、中食(調理食品)の1世帯当たりの支出は年々増加しており、今後も伸びることが予想されます。