
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後の年金支給額
老後の年金支給額は、現役時代の働き方や年金保険の加入期間などによって個々で異なります。
国民年金および厚生年金の平均受給額については、厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にできます。同資料によると、令和5年度末時点における各年金の受給者の平均年金月額は以下の通りです。
・国民年金:5万7700円(令和5年度の満額は月額6万6250円)
・厚生年金:14万7360円
仮に両親の一方が会社員でもう一方が専業主婦(主夫)または扶養内でパートをしていた場合、両親が定年後に受け取る年金額の目安は1ヶ月で20万5060円ほどであると考えられます。一方で、両親が国民年金のみに加入している場合は、夫婦2人で1ヶ月に11万5400円しかもらえません。
65歳以上の厚生年金受給権者については、男性の平均年金月額は16万9484円、女性は11万1479円です。この金額を基に夫婦共働きだった場合の年金額を計算してみると、28万963円と予想できます。
老後の生活に必要な金額は? 年金だけで生活していける?
老後の生活に必要な金額の目安は、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を参考にできます。同調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の消費支出は平均25万959円です。
前述の老齢年金支給額を基に家計収支を見てみると、夫婦共働きであった場合の予想年金収入28万963円であれば、年金だけでも生活できる可能性はあります。
しかし一方が会社員でもう一方が専業主婦(主夫)または扶養内でパートをしていた場合で考えると、年金収入は20万5060円で、毎月4万5899円の不足が生じます。両親が国民年金のみに加入している場合は11万5400円しかもらえないため、不足分は13万5559円です。
なお、同調査の消費支出では「住居」にかかる費用が1万6827円です。賃貸住宅に住んでいる場合などはさらに支出が増えると予想できます。また老後生活で趣味や娯楽を楽しむなど、余裕のある生活を送りたい場合は、さらに支出が増えるでしょう。