東京の中東料理店の中でも特に有名な、パレスチナ料理を提供する名店「ビサン/Bisan」と「アルミーナ/Al Mina」を紹介します。「中東料理」や「パレスチナ料理」についても説明します。
中東料理とは
「中東料理/Middle Eastern cuisine」とは、「中東/Middle East」と呼ばれる地域で食される料理の総称です。
中東にはたくさんの国があるので、「中東料理=1か国だけの料理」ではありません。中東にある国の料理を、ひとまず「中東料理」と呼ぶことはあります。
中東料理の要素
中東の食文化は多くの要素を含みます。中東に関わりのある地域、宗教、人種などによっても分類されることがあります。地域に関する「地中海料理」、イスラム教に関する「ハラルフード」、人種に関する「アラブ料理」などです。
中東料理は、これらの要素を完全に分離しがたい状態で展開するので、日本で中東料理が紹介される時は、たびたび、要素を絞って紹介されます。
パレスチナ料理について
パレスチナ国(国家として承認されない場合もある)で生まれ育ったパレスチナ人にとっては、郷土料理を「パレスチナ料理」と呼ぶのは普通と言えるでしょう。また、パレスチナ国における定番料理を「パレスチナ料理」と呼ぶことも、そこまでおかしなことではないと言えます。
パレスチナの食文化は領土問題と関わっているので、「寿司=日本」のようにサクッと解決というわけにはいかない現状があります。
パレスチナ料理=レバント料理
パレスチナ国がある地域は「レバント地方」と呼ばれ、この一帯の食文化は「レバント料理/Levantine cuisine」と総称することが可能です。レバント料理には、パレスチナ以外に、イスラエル、シリア、ヨルダン、レバノンなどが含まれます。これらの国の料理はとても似ています。パレスチナ人にとっての”母国料理”が、イスラエル人にとっての”母国料理”となることはありえます。
ちなみに、中東料理の定番として知られるヒヨコ豆のペースト「フムス/Hummus」は、レバント料理でもあり、パレスチナ料理でもあり、イスラエル料理でもあります。
こういった事情があるパレスチナ料理を提供している、東京の中東料理店2軒を紹介します。十条の「ビサン/Bisan」と、神田の「アルミーナ/Al Mina」です。
十条のパレスチナ料理店「ビサン」
東京都北区の十条にある「ビサン/Bisan」は、東京の中東料理店の中でも有名なお店です。「パレスチナの家庭料理」を提供することで知られています。
オーナーはパレスチナの隣国のイスラエルに位置する「ビサン」という町の出身だそうで、母親の料理を参考にした家庭料理を提供しています。
筆者はイスラエルに住んでいたのですが、現地のものと似た(同じくらい美味しい)フムスが提供されました。ゴマペーストの「タヒーニ」の風味を感じる、クリーミーなフムスです。
「ファラフェル/Falafel」は「ヒヨコ豆のコロッケ」と例えることができる料理なのですが、イスラエルで人気なスタイルとはまた違った家庭的な美味しさを感じます。