<女性が一生、お金に困らないためのレッスン vol.5/経済評論家・佐藤治彦>

 今月もまもなく月末。家計簿を見ながらため息を付いている方もいるのではないでしょうか? 「毎日の家計、特に食費や洗剤など日用品をあと5%抑えたいわ」。

 今回はそんなあなたのための買い物の話です。

54円のカレー、78円の食パン…スーパーのPB商品は100均よりおトク!
(画像=『女子SPA!』より引用)

同じ大手メーカーなのに、お得すぎるPB商品

 さて、ここに2種類のマヨネーズがあります。どちらも同じスーパーで同じ日に売られていたものです。一つは450グラムで208円、もう一つは500グラムで158円(※以下、価格は税込み、2021年5月16日前後、東京都世田谷区内の店舗にて。小売価格は、店舗によって多少違います)。

 誰もが知ってるキユーピーが作ったマヨネーズはどちらでしょうか? どちらも、キユーピー体型の容器の形、フタも赤くて見分けがつきにくいでしょう?

答えは、どちらもキユーピーが作ってます。  なぜ同じキユーピーが作ったものが、片方は小さいのに高くて、大きいのが安いの?

 包装袋を取る前の商品を見ると…。 「なあんだ、片方はPB(プライベートブランド)商品じゃないの! キユーピーなんてどこにも書いてないじゃない?」

54円のカレー、78円の食パン…スーパーのPB商品は100均よりおトク!
(画像=『女子SPA!』より引用)

いや書いてあるんですよ、裏に。 「わ、ホントだ!」 ご指摘の通り、安い方はPB商品です(マヨネーズの例は、イオンの「トップバリュ」)。

54円のカレー、78円の食パン…スーパーのPB商品は100均よりおトク!
(画像=『女子SPA!』より引用)

PB商品もメーカー明記が義務づけられた

 PB商品はそれぞれのスーパーなどが独自のブランドとして作ってるものですね。例えば、イオン・ダイエー系なら「トップバリュ」、マルエツ、カスミ、マックスバリュなどの「eattime」、イトーヨーカドーやセブンイレブンなどの「セブンプレミアム」、西友にはいくつかあって、「みなさまのお墨付き」や「きほんのき」などです。

 これらPB商品は、メーカーに大量発注し、買取りで仕入れすることが原則の商品です。作れば買い取ってもらえるのでメーカー側はその分、安い価格でも卸す。だから、スーパー側は安く販売できる。こうして、良質だけれど、価格はいつも安いPB商品が生まれたのです。その価格はバーゲン価格、それも底値に近い場合も多く、家計の味方と言えるのです。

 じゃ、次は食パンです。170円払って、ヤマザキ春のパン祭りに参加できる食パンと、春祭りには参加できないけれど、88円のヤマザキ製の食パン、どちらがいいですか?  イオンやダイエーで88円で売られている「トップバリュ 毎日の食卓」は、裏をみると、山崎製パンの製造とちゃんと書いてありますよね。

54円のカレー、78円の食パン…スーパーのPB商品は100均よりおトク!
(画像=『女子SPA!』より引用)

実は2020年4月から、法律が変わって、食品は製造元を明記することが義務付けられたのです。こうして、今まで不明だったことも多かった、PB商品の製造元が明らかになりました。  すると、セブンイレブンで500グラム138円で売られている、セブンプレミアムのケチャップは、デルモンテが作っていたとか、イオンなどでいつでも68円で売られているポテトチップスが湖池屋製だ、ということもわかってしまったのです。

「全部、超有名メーカーが作ってるの?」  いえ、大手メーカーだって、実は下請けに作ってもらうことだってあるでしょう。そうした中堅の優良メーカーが作ってるものもありますよ。

 例えば、トップバリュのレトルトカレー。いくらでしょう? 特売じゃないですよ、平常時の価格。答えは54円です。  で、時間がないときは、同じくトップバリュの100%コシヒカリのレトルトご飯をチンしていただくんですよ。こちらは99円です。しかも、トップバリュのレトルトご飯は300グラムのドデカサイズ(普通のレトルトご飯は200g〜180g)で、小さな子どもなら一つで十分二人前あるんですよ! 安いでしょう?

54円のカレー、78円の食パン…スーパーのPB商品は100均よりおトク!
(画像=『女子SPA!』より引用)
54円のカレー、78円の食パン…スーパーのPB商品は100均よりおトク!
(画像=『女子SPA!』より引用)

日用品も、100均よりお得

 次は日用品です(いずれも、西友の「きほんのき」)。20センチのフライパン。340円です。  洗濯用の粉石鹸。900グラムで134円です。  スポンジ5個は71円。台所の食器用洗剤は57円。バーゲンじゃないですよ、通常価格です。

54円のカレー、78円の食パン…スーパーのPB商品は100均よりおトク!
(画像=『女子SPA!』より引用)

 あれ、どうしたんですか? 「完全に、100均より、安い……」

 そうですよね、100均の商品は100円で販売するために量が少なかったりしますが、こちらは全部通常サイズ。100均は、安くない商品も混ざってるものですが、100円という値段に、みんな、ドキューン!と参っちゃうんですよ。

佐藤治彦おすすめのPB商品セレクション

 ほかにどんなものがあるか、家計の味方系・経済評論家、ワタクシ佐藤治彦のオススメPB商品セレクションを一覧にしてみました。

●価格と製造元に納得の良質、いつでも低価格の王道PB商品

トップバリュ バター200グラム 328円(製造元 森永乳業) トップバリュ アイスコーヒー900ミリリットル 78円(製造元 UCC上島珈琲) トップバリュ ビーフカレー 78円(製造元 永谷園) トップバリュ 麻婆豆腐の素 128円(製造元 永谷園) トップバリュ ポテトチップ 68円(製造元 湖池屋) トップバリュ マヨネーズ 500グラム 158円(製造元 キユーピー) トップバリュ 食パン 毎日の食卓 88円(製造元 山崎製パン) トップバリュ バターロール 6個 88円(製造元 フジパン)

みなさまのお墨付き ケチャップ 500グラム 138円(製造元 カゴメ) みなさまのお墨付き 中濃ソース 500ml 160円(ブルドックソースとイカリソースの共同開発品) みなさまのお墨付き キャノーラ油 900ml198円(製造元 日清食品) みなさまのお墨付き 食パン 小麦の朝食 78円(製造元 フジパン)

セブンプレミアム ケチャップ 500グラム 138円(製造元 デルモンテ) eattime おいしい食パン 78円(製造元 第一製パン)

●製造元が超有名メーカーではないものの、驚きの激安良質商品

トップバリュ 小粒納豆40グラム3個(たれ、からしなし) 45円 トップバリュ レトルトカレー 54円 トップバリュ レトルトごはん・国産コシヒカリ100% 300グラム 99円 トップバリュ ケチャップ 500グラム 108円

●日用品も激安、西友のPB商品「きほんのき」から

トイレットペーパー シングル55m12ロール 227円 おふろ用洗剤 350ミリリットル 53円 台所用漂白剤 600ml 72円 パイプ洗浄液 800グラム 148円 衣料用液体洗剤 詰め替え用800ml 117円 衣料用粉石鹸 900グラム 137円 スポンジ 5個 71円 台所食器用液体洗剤 詰め替え用 500ml 57円 フライパン 20センチ 340円 玉子焼き用フライパン 340円 フライパン 深型 24センチ 440円 フライパン 26センチ 440円

※上記の商品価格、製造元は、2021年5月16日前後、東京都世田谷区内のスーパー、ミニスーパー、コンビニ調べです。また、製造元は変更されたり、販売エリアで異なる場合もあります。

コンビニを中心に、高品質だけど安くはないPB商品も

 さて、ここから先は、こうしたPB商品の最近の傾向、注意してほしいこと、また、PB商品をもっと安く買う方法などをお話しします。

 PB商品が本格的に日本のスーパーでも力を入れて売られるようになったのは1990年代です。当初は、良質のものをいつでも安く。そういう商品ばかりだったのですが、最近は少し事情が変わってきました。  まずは価格についての変化です。従来同様の良質低価格という商品も多数あるのですが、価格はそれほど安くないものも見受けられます。ですから、PB商品=安い、と決めつけるのは危険です。さらに、最上級品の高級路線、価格もそれなりにするPB商品も生まれました。

良質かもしれないけれど、価格はそれほど安くないものはどうして生まれたのでしょう。それは、主にコンビニにPB商品が置かれるようになったことが影響しています。  コンビニは、スーパーなどと違って一つの商品が5~6種類置かれることは少ないです。いろんなブランドの品があるわけでない。  メーカーにとっては、もしPB商品に選ばれれば、ライバル社の商品を押しのけ、常にコンビニの棚に置いてもらえる。さらに系列のスーパーでも扱ってもらえるようにもなる。  これは企業にとってみると大きな魅力です。

 そして、コンビニの顧客はスーパーのバーゲン商品を求める顧客と違い、それほど価格にこだわらない。許容できる価格だったら買うのです。  だから、コンビニにほしいものがPB商品一択しか選択肢がなければそれを選びます。価格が特に安い必要はないのです。  また、コンビニ側にとって、価格がそれほど安くないPB商品なら、通常メーカーの商品よりも利益率が高い品となります。

 こうして、コンビニの棚を独占できるメーカー側、高い利益を出しやすいコンビニ側。双方の思惑が合致して、価格のそれほど安くないPB商品が生まれたのです。  ただし、かつては、系列のスーパーとコンビニで置かれるPB商品の価格もほぼ同一のことが多かったのですが、最近は異なる場合も見られるようにもなってきました。  同じ系列のPB商品だとしても、スーパー、ミニスーパー、コンビニなどの形態やエリアによって異なる場合もあります。また、製造元も全国一律でなく、地方により別のメーカーが作っている場合もあります。そこも注意したいところです。

クレカ利用者向け「5%割引デー」に買おう

 激安生活の仕上げは、これらの商品を買う日にこだわってほしいということです。  特に日持ちのする食品、日用品については、ぜひ、各スーパーが特定日に設けている、自社のクレジットカード利用者向けの5%割引デーでにまとめ買いしてください。  ほとんどの場合でさらに5%安くなります。それでなくても安い商品をもうひと押し安くしてしまいましょう!

 今回お話したように、PB商品だからなんでも安いという時代は終わりました。  しかし、生活に必要な商品を探っていくと、良質・低価格の王道のPB商品が今もしっかり根を下ろしています。  どうか、皆さん、上手に生活に取り入れてください。  生活費は、少し頭を使ってきちんと調べれば、確実に減らすことができるのです。

<文/佐藤治彦 撮影/女子SPA!編集部> 佐藤治彦 経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『年収300万~700万円 普通の人がケチらず貯まるお金の話』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』『急に仕事を失っても、1年間は困らない貯蓄術』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

提供・女子SPA!



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