エアコンの冷房が活躍する時期が近づいてきました。ご自宅のエアコンはキレイですか?
季節の変わり目の暑い日に、久しぶりに冷房を入れたら咳やくしゃみが止まらない、なんだか冷房の効きが悪い、なんて事態になる前にキレイにしておきましょう。エアコン掃除に最適と言える時期や頻度、方法についてお答えします。
エアコン掃除が必要な理由は?
掃除をしていないエアコンには、カビやホコリがびっしりと付着していると言われます。それが冷風とともに吹き出して室内を舞うのは想像すると恐ろしいですね。
汚れのひどいエアコンは冷房効率が下がり、電気代も高くなります。エアコン寿命をも短くしてしまうホコリやカビの付着、放置しないようにしてください。
エアコンから吹き出るカビやホコリを日常的に吸うことで、健康を脅かす可能性があることも省エネのため、健康のため、エアコンは定期的に掃除をしてキレイな状態を保っておきたい電化製品ですね。
エアコン掃除の頻度はどれくらいがベスト?
エアコン内部がカビてしまうのは多くが冷房を使った時で、暖房の時はカビは発生しにくいそうです。
ホコリは冷房でも暖房でも共通してたまるので、暖房の時期は掃除が必要ないというわけでなく、特に冷房時はエアコン掃除を欠かさずにしたいものです。
理想は週に1回、普段の家事に盛り込んで、日常的に掃除をすること。しかし仕事や家事、子育てなどに忙しく、そうもいかないことがしばしばあるかと思います。
そんな時はまず第一歩として、スイッチ切る時はエアコン内部を乾燥させるように、送風に切り替えて20〜30分ほど動かすことを習慣にしてみましょう。
掃除の頻度はエアコンの使用頻度によっても変わります。リビング、ダイニングキッチン、寝室、子ども部屋、それぞれかなりの違いがあるでしょう。
定期的な掃除を日常の家事に組み込むことが難しければ、ニオイや見た目で掃除をする時期を把握してみましょう。
こまめに内部を覗いてみたり、エアコン上部のホコリを気にしてみたりすることで、自分の生活スタイルや各部屋に合った掃除のタイミングがつかめるかもしれません。
エアコンからの冷風のニオイや体調の変化、エアコンの効きが弱まっていたら要注意。いますぐ掃除のタイミングと言えます。
エアコンの簡単掃除の方法
ご家庭で簡単にできるエアコン掃除は主に3つ。掃除の前には安全の為に、電源が切れているか確認し、コンセントを抜いてから行いましょう。
・エアコンの外側のホコリを乾いた雑巾で拭く
エアコンの外側は乾いた雑巾でこまめにホコリを拭き取り、落ちにくい汚れは中性洗剤を溶いた水で水拭きすると落としやすいです。拭きながらホコリを吸わないようにマスクは必須です。
エアコン上部は沢山のホコリがたまっている可能性が高いです。外側だから内部には関係ないなんてことはありません。外側に付着するホコリもエアコンは吸い込んでしまうそうです。
こまめな拭き取りで吸い込むホコリを減らすことにより、電化製品としての寿命も延びると言われています。
・フィルターの掃除
冷風の通り道、フィルターの取り外し方は機種やメーカーによって異なるため、取扱説明書をしっかり読んでから行ってください。時間が作れないようでしたら、外側から掃除機で吸うだけでも構いませんが、可能であれば水洗いをすると、更に汚れを落とすことができるでしょう。
フィルターの目詰まりを防ぐためにも掃除の方向には注意です。掃除機でホコリを取り除く時は外側からがよいでしょう。水洗いをする時は、シャワーを内側から当て、ブラシを使い詰まったホコリを取り除きます。
洗った後はついついすぐにエアコンに戻したくなるかもしれませんが、必ず、しっかりと乾かしてからにしてください。湿ったままエアコンに戻してしまうと、新たなカビや生乾き臭の原因になりかねません。
・ルーバーというエアコンの吹き出し口を拭く
冷風の出口であるルーバーには、結露がたまりホコリやカビが付着しやすいため、歯ブラシのような小さなブラシを使って掃除をしてみてください。
拭き取る時は、指に小さく切った雑巾を巻きつけると掃除がしやすくなります。細かな部品でできている為、力を入れたり無理に開いたりして壊さないよう気をつけて掃除をしてくださいね。
以上3箇所の簡単掃除をした後も30分ほど送風運転をし、エアコン内部を乾燥させるようにしましょう。とにかく湿気を避け、カビの繁殖を抑えるようにする為には送風運転も重要と言えます。
エアコン掃除に必要なもの
エアコン掃除を面倒に感じる方も多いですが、道具を揃えることによって負担を減らし、効率的にカビや汚れを落とすことができます。エアコン掃除に取り掛かる前に、足りないものをホームセンターなどで購入して準備しましょう。
・エアコン洗浄スプレー:たまった汚れやカビを除去する洗剤で、フィンやエアコン内部奥の手が届かない場所の汚れに吹き付けます。子どもやペットがいる家庭なら、アルカリイオン水など天然成分の製品を選ぶと安心です。
・エアコン洗浄カバー:エアコン周囲の壁を汚水の水漏れから保護するためにエアコンを覆います。※
・エアコンファン洗浄剤:手の届かない送風ファンを洗浄するためにノズルで薬剤を吹き付けます。プロレベルの掃除ができると評判です。※
・使い古した歯ブラシ
・スポンジ
・雑巾
・マスク
・掃除機
・乾いたタオル2枚
・マジックリンなど中性洗剤(または重曹とクエン酸)
・スプレー容器:フィルターを水洗いする際、クエン酸水を吹き付けるために使用します。
※熱交換器(冷却フィン)を洗浄する場合のみ必要
エアコンのフィルター掃除の手順
エアコンのフィルター掃除のやり方は以下の5ステップで行います。感電を避けるため、掃除を始める前に必ず、エアコンのコンセントを抜くのを忘れないようにしましょう。
(1)フィルターを外す前に掃除機をかける
フィルターのホコリやカビが周りに飛び散るのを避けるため、最初にフィルターがエアコンに装着された状態のまま、フィルターと周りの汚れを掃除機で吸い取ります。
(2)フィルターを取り外す
エアコンパネルの両側にはパネルを上げるための凹み、あるいはロック解除ボタンが付いています。そこに手をかけて、パネルを壊さないように注意しながら、ゆっくりとパネルを開けましょう。次に、フィルターのつまみを持ってフィルターを、そっと引き出します。フィルターを変形させないように気をつけてください。
(3)フィルターの表側から掃除機をかける
ホコリはフィルターの表側に集まっているため、必ず表側から掃除機をかけるようにします。逆にするとフィルターの目にホコリが詰まってしまうため、間違えないようにしましょう。
(4)フィルターの裏側からシャワーをかける
フィルターの表側に残っているホコリを押し出すように、裏側からシャワーの水を当てていきます。それでも落ちない汚れがある場合は、薄めた中性洗剤を歯ブラシに付け、裏側から優しくこすって落としましょう。
テレビの裏ワザなどでは、重曹とクエン酸を混ぜて発泡させて中性洗剤の代わりにするやり方も紹介されています。フィルターの変形を防ぐため、力を入れ過ぎないように注意してください。
(5)フィルターの水分を拭き取って陰干しする
乾いたタオル2枚でフィルターを挟むようにしながら水分を拭き取ってから、完全に乾くまで陰干しします。濡れたままでエアコンに取り付けると、カビの原因になるため、注意してください。
エアコン内部のホコリを吸い取る
フィルターが乾くのを待つ間に、3ステップでエアコン内部のホコリを掃除しましょう。
(1)目に付くホコリを掃除機で吸う
凹凸がある部分やカバーの裏など、細かい部分にホコリがたまっているので、エアコン内外を全体的にチェックしましょう。掃除機に細めのアタッチメントを付けて吸うと便利です。
(2)掃除機で吸えないホコリをスポンジなどで拭き取る
掃除機で吸えないホコリは、しっかりと絞った雑巾で拭くか、割り箸の先にスポンジなどを巻き付けたもので優しく拭き取ります。ボトル洗い用のスポンジなど、持ち手付きのスポンジも使いやすいでしょう。細かい部分のホコリを取るときは小さめにカットしたスポンジを使うと取れやすいです。
(3)細かい部分や手が届かない部分には触れない
細かい部分の奥などにホコリを見つけると全部取りたくなりますが、家電はデリケートなので、無理に掃除しようとすると故障する可能性があります。素人が精密機械を完璧に掃除するのは不可能なので、できるところまでに留め、あとはプロにまかせましょう。
熱交換器(冷却フィン)を掃除する手順
エアコン内外のホコリをできるだけ除去した後は、フィルターの奥にある金属部分の掃除です。ここがエアコン機能の要である熱交換機で、ホコリがたまりやすくなっています。この清掃は専門知識と用具が必要なので、少しでも心配な場合は、専門業者へ任せることをおすすめします。それでは、次の5ステップで掃除しましょう。
(1)エアコン本体の下に汚水受けを設置する
大きめのゴミ袋の一辺を切ったものなどをエアコン本体下の壁に貼り付け、垂れてくる汚水を受け止めるようにします。周りの壁や床を汚さないための準備です。
(2)室外機の排水ホースに汚水受けを設置する
あとでクリーナーを洗い流すときに排水ホースから汚水が出てくるので、バケツなどで汚水を受け止められるように設置します。
(3)熱交換機にエアコン内部クリーナーを吹き付ける
吹き付けた後、クリーナーの取扱説明書に書かれている時間(10分程度)、放置します。
(4)放置後、霧吹きの水で洗い流す
熱交換機にクリーナー成分や汚れが残らないように、水はたっぷりと使うのがおすすめです(クリーナーの2倍程度の量)。
(5)フィルターを取り付けて送風し乾燥させる
外して洗浄しておいたフィルターが完全に乾いてから取り付け、送風運転で内部を乾かします。
また、上級編の裏ワザとしては、最初にエアコンの外装(カバー)を取り外して熱交換機をむき出しにするやり方もあります。ただし、使用年数が長いエアコンなどで外装を外そうとしても動かない場合は、経年劣化などでゆがんでいる可能性もあり破損につながるため、無理はしないでください。