そういう規格外のコミュニケーションを実践しているから、結だけが患者を救うことができた。それはほかの誰にもできないことだった。だからこそ、患者も家族も結さんのおかげで人生が開けていった。そう言い続けてきたのが『おむすび』だったし、こっちも見続けるからにはその苦々しい毒味を飲み込んできたわけです。
それが今さらになって「結さんが怖がられている」「管理栄養士は嫌われてナンボ」という一般論に当てはめられてしまうと、この人が栄養士としてバージョンダウンしたように見えてしまうんだよな。管理栄養士の世界にギャルでポジティブなコミュニケーション術を持ち込んだことによるスペシャリティを描こうとしていたのに、全部なかったことになっている。
順番が逆なんですよ。普通の管理栄養士のスタンスでやってた人が「怖い」と言われて、「管理栄養士なんて嫌われてナンボ」という現実を突きつけられて、より患者の信頼を得るために「そうじゃないはず! そうだ私はギャルだった!」という思いに至る。そして「ちゃん呼び」や「タメ口」を使い始めたら、それが功を奏した。それなら話も入ってくるんですが、これだとシンプルに「誰こいつ?」としか思えないんです。
しかもチョコ食べちゃった患者が結さんを怖いと思った理由は「顔」だという。たぶんこのドラマが結さんというか橋本環奈の「顔」に言及したのって、これが初めてなんじゃないかな。いわずもがな、こんな整った顔の人間は1000年に1人くらいしかいないわけで、その顔が「美しいであろう」という主張もたびたびされてきたわけですが(神戸の高台で翔也を見上げるシーンのカメラ目線、おぞましかったよね)、ここに来てその顔が「怖い」のだという。
もう、いろいろどう見ていいかわからなくなる月曜日、ずいぶん混乱した始まりでしたね。もう一回言うけど、誰なんだこいつ。
そして圧倒的な美貌……
どうやら休日に、なっちゃんに「相談がある」と言われて神戸を訪れている結さん。「複雑な気持ちになる……」とか言いながら、完璧なメイクに巻き髪イヤリングで圧倒的な美貌を披露してしまいます。