続いて、夫のNaoyaさんの子ども時代に苦労した話を教えてもらいました。

Naoyaさん「僕も苦労したのは、いじめの対象になったことですね。僕の場合は、万年いじめの対象でした。その中でも、小学校高学年から中学くらいにかけては、周囲も社会性が成長途上のため、特に激しかったです。

僕は黙っていじめられるタイプではなく、喧嘩は買ってやり返すタイプでした。僕としては、周りの論理が間違ってるのは明確だったので、いじめられながらも『この人たちもいつかは僕の言ってることがわかるだろう』という自信はありました。本来学校に通えなくなるのはいじめる側であるべきだと考えていたので、学校にも通い続けました」

「Naoyaさん強い!」思わず唸ってしまいましたが、Naoyaさんとしては、強いとかそういうことではなく、あくまでも自分の論理に従い続けた結果なのだといいます。この時、ご両親のリアクションや支えなどはあったのでしょうか。

Naoyaさん「親のリアクションは普通というか、特に対処はされませんでした。もちろん両親なりの苦労はあったと思いますし、クラスメイトと喧嘩したときに学校に呼び出されるようなこともありました。ただ、私の目線で見たときに、いじめがわかってから変化があったとかは、ないように感じています。

先ほど、学校にも通い続けたと言いましたが、僕が受けたいじめは、教科書に落書きがされるとか、親から見て、わかりやすいアラートを感じるような行為がなかったんです。そもそも僕の場合、落書きをされる前に喧嘩が勃発する感じでした。

親の接し方として良かったなと感じていることとしては、頭ごなしに怒るタイプの人ではなかったことです。喧嘩の際も、僕が手を出していたとしても、まず僕の主張を聞いてから判断してくれていたので、そこは良かったです」

◆ギフテッド特性を発揮できる人とできない人の違い

Naoyaさん・Maiさん夫妻
 ギフテッド特性を持つ子に限らず、能力が高いがゆえに周りと馴染めず、疎外感を覚えることを「浮きこぼれ」と言うそうです。こうした浮きこぼれの問題は、だんだんと知られてきている印象ですが、ギフテッド当事者の2人から見て、「浮きこぼれ」になる人とそうでない人には、どんな違いがあり、何を意識できると良いのでしょう。