結が6歳から18歳までの12年間、パパは糸島でじいじと同居しています。「俺は床屋や」という思いを胸に秘めながら、実家の農業を手伝っていた。
ここもわからないことだらけなんだよな。別に床屋やればいいじゃん、福岡で。愛子さんだって顔剃りやってたシーンがあったから理容師免許を持ってるんでしょ。免許持ちの2人が12年も農業やってる意味がわからない。神戸に空きテナントが出た瞬間に契約できるくらいの金もあったわけでしょう。
農家は人手不足だというなら専業農家のくせにじいじが若いころあちこちほっつき歩いていたこととも、パパが神戸に戻っても大丈夫であることに説明がつかない。
かろうじて「学費の使い込み」に何かパパの知らない美談めいた秘密がありそうだ。読み取れるのはそれくらいだし、もう大して興味もないけれどとりあえずそれが明かされるのを待つくらいしかすることがない。なんかパパには妹がいたな、あの2人が伏線かどうかもわからない。
伏線というのは、物語の中で登場したエピソードが後に別の意味を持って作用してくることであって、『おむすび』でやっているのは「途中で話をやめる」「後でその話を続ける」という単純な引き延ばしに過ぎないのです。
一方で「家族は」とか言ってくる
今日も元気に入院患者にタメ口対応の管理栄養士・結さん。今回の担当は産婦人科のようです。もうNST対象なのか普通の担当なのかすら説明しなくなりました。もともと消化器内科と外科が担当だったはずだからたぶんNSTなんだけど、この妊婦さんがなんでNST対象なのかもわからないし、「旦那さんが来れん分、私ができるだけ顔出すし」とか言ってるから週イチのNST回診以外にもかかわってくるつもりみたいだし、ずっと院内での結さんの立ち位置がフワフワしてるのも気持ちが悪い。
そして何より、産科のエピソードをやる上で絶対に生かさなきゃいけないはずの設定である「出産経験者」に、結さんが見えないんだよな。今回の患者は悪阻もひどくて、それも結さんと同じということなのですが、このドラマで結さんは悪阻については一晩しか苦しんでないし、出産の痛みや悩みもまったく描かれていない。乳幼児期も参考書をめくりながら花ちゃんを持ったり置いたりしてただけだ。だから結さんが何か妊娠出産についての経験談を語りだしても「は、誰が何を言うてんの?」としか思えない。ドラマとして、すごく弱い。