仕事の日にくる生理は何かとトラブルも多くお悩みの方も多いのでは? 生理に関する映画が上映されたり、生理休暇を導入している企業もあったりと、少しずつ「生理」の話題はオープンになってきましたが、抵抗があったり不安を抱えているという人も多いはずです。そこで、働く女性の生理についての疑問に医師がお答えします。

オープンに話しづらい生理の悩み

仕事の日にくる生理は何かとトラブルも多く、お悩みの方も多いのでは? 

生理用品の『エリス コンパクトガード』を販売している大王製紙株式会社は、2019年12月に16歳以上の男女624名を対象に「生理に関する意識調査」を行いました。

その中で女性を対象にしておこなった質問、「生理について周囲に言えなかったことで、困ったことや悩んだことはありますか?」では、非常にある/あると答えた人が39.1%という結果に。

さらに、男女を対象にした「生理について、メディアやSNSで話題になるのは良い傾向だと思いますか?」という質問では、非常にそう思う/やや思うとポジティブな回答をした人は、10代~20代では平均51%以上と半数を超え、年代が上がった40代~60代は平均39%ほどにとどまり、年齢によって12%の差が開くという結果に。

「これって正常?」働く女子による生理のギモン

生理に関する映画が上映されたり、生理休暇が導入される企業があったりと、少しずつ「生理」の話題はオープンになってきたように感じますが、まだまだ性差や年齢によって抵抗がある話題であるということがわかります。

生理による体調不良を訴えるべきか、訴えずに我慢するべきか、悩んでいる人も多いことでしょう。そこで今回は、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長 清水なほみ先生に、働く女性と「生理」の正しい向き合い方について教えてもらいました。

【清水なほみ】
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

2001 年広島大学医学部医学科卒業。広島大学附属病院産婦人科・中国がんセンター産婦人科・
ウィミンズウェルネス銀座クリニック・虎の門病院産婦人科を経て、2010 年9 月「ポートサイ
ド女性総合クリニック~ビバリータ~」を開業。日本産科婦人科学会専門医。日本不妊カウンセ
リング学会認定カウンセラー。

Q. 年々生理が重くなっている気がする…

年々生理痛がひどくなっているように感じるのですが、これはなぜなのでしょうか?(28歳/SE)

A. 生理痛がひどくなる場合は、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などの疾患が関係している場合も

年齢とともにひどくなる月経痛の場合は、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などの器質的疾患が隠れていることがあるので注意が必要です。

ですが、これらの病気がなくても、冷えや血行不良、内膜増殖の影響で月経痛がひどくなることはあります。また、現時点で内膜症がなくても、ひどい月経痛は「内膜症予備軍」のサインであることが多いので、鎮痛剤が必要な痛みがあれば婦人科を受診した方が安心です。

生理痛がひどいと鎮痛剤を服用する人も多く、「いつかは痛みに効かなくなってしまうのではないか?」―と不安に思う人もいますが、鎮痛剤が効かなくなっていくことはありません。効きが悪くなってきたのであれば、それは月経痛がひどくなっているというサインです。

Q. 生理が重い人もいれば、軽い人も。この差は?

生理の日は体調がとにかく悪くなってしまうのですが、会社の先輩(女性)は生理が軽いらしく、私のつらさを理解してもらえません。(26歳/営業職)

A. 生理の「重さ」は人によって違う、経血の量もチェックして

子宮の形・大きさ・血の巡り・体温・ストレス状況・内膜症などの基礎疾患の有無・分娩歴の有無・女性性の受け入れの程度などなど、いずれも個人差が大きいので当然痛い人もいれば痛くない人もいます。

正常な出血量は40~120mlとなっていて、目安としては1日3~4回はナプキンを取り換えるような出血が3~5日ほどありますが、多い日でもナプキンを2時間は変えなくても問題ない量が「だいたい普通」といえます。出血が1~2日で終わったり、1日中ナプキンを変えなくても済んでしまうようであれば軽すぎますし、ナプキンが2時間もたず、タンポンとナプキンの併用が必要であったり、昼でも夜用が必要であったり、健診で貧血を指摘される、などの場合は多すぎるので、超音波検査が必要になります。また正常な出血期間は3~7日となります。