「つみたてNISAを始めたいけど、途中で止められなかったら困る」という方は多いでしょう。結論からいえば、つみたてNISAは途中解約ができます。しかし、つみたてNISAの途中解約にはデメリットもあるので注意が必要です。

>>コロナ禍で変化はあった?「お金」「資産運用」に関する読者アンケート実施中(所要時間1~2分程度)

つみたてNISAはちょっとずつ投資していく制度

(写真=Monster Ztudio/Shutterstock.com)

そもそもつみたてNISAは、金融庁が長期投資に向くよう事前に選別した投資信託を、一気に買うのではなく少しずつ長期に積み立てていく制度です。これにより、「時間の分散」と「複利効果」が期待できます。

「時間の分散」とは、投資タイミングを長い期間に分散させることで「値段が高いときに買ってしまった…」という事態を避ける戦略です。

「複利」とは、投資利益を再び投資することで投資元本を大きくし、さらに利益を得る運用方法です。投資信託は自動的に利益を再投資しており、長期保有することで複利効果がより高まります。しかもつみたてNISAの場合、運用で得られた利益には税金が掛かりません。

つみたてNISAは途中解約できる

(写真=andriano.cz/Shutterstock.com)

つみたてNISAは長期投資を前提とはしていますが、解約に制限はありません。好きなタイミングで解約することができます。ただし、ファンドによっては解約するときのコスト「信託財産留保額」が掛かる可能性があります。信託財産留保額が設定されている銘柄は多くはありませんが、買う前に気を付けて確認しておきましょう。

つみたてNISAを解約する方法

積み立てている投資信託を売却するだけ

つみたてNISAを解約したいなら、積み立てておいた投資信託を売却すれば大丈夫です。ネット系金融機関ならホームページなどから、銀行など対面金融機関なら電話などで解約の手続きを行いましょう。

投資信託は解約から4営業日以降に現金化され、海外に投資するものなどは5~8営業日掛かる銘柄もあります。事前に確認しておきましょう。

積み立て設定の解除

新規の積み立ても停止したいなら積立ての設定を解除しましょう。解約と同じように、ネット系金融機関はホームページなどから、対面金融機関は電話や店頭で手続きを行います。

積み立ての設定にはスケジュールがあり、停止した日によってはすぐに停止できないこともありますので注意が必要です。

つみたてNISA口座を廃止するには?

つみたてNISAの口座自体を廃止するには、つみたてNISAを開設している金融機関で廃止の手続きが必要です。廃止が完了すると「非課税口座廃止通知書」が送られてきます。

つみたてNISA口座自体に費用が発生するわけではありませんから、絶対に必要な手続きとはいえませんが、気になる方は口座ごと廃止してしまってもいいかもしれません。

つみたてNISAを途中解約する3つのデメリット

(写真=PIXTA)

つみたてNISAを途中解約するデメリットは大きく3つあります。解約手続きをする前に、しっかり確認しておきましょう。

非課税期間をフル活用できない

つみたてNISAで買った投資信託は最大20年間税金が掛かりません。途中で売却すると非課税期間を使いきることができない点に気を付けましょう。

「売却して、また別のを買ったらいいのでは?」と思うかもしれませんが、それもできません。つみたてNISAでは年間40万円までの非課税投資枠があり、投資信託を売却しても非課税投資枠は復活しないのです。

時間の分散が不十分に

つみたてNISAで期待できる「時間の分散」は、投資タイミングがより長期になるほど効果が高くなります。途中で解約してしまうと時間の分散が十分に働きません。

複利効果がストップ

年に3%の利益が出る場合
複利1年目の利益 複利5年目の利益 複利10年目の利益 複利20年目の利益
3% 約3.3% 約3.9% 約5.2%

複利効果は、運用が長期になればなるほど高まります。途中で解約してしまうと複利運用がストップしてしまい、十分に複利の効果が得られません。 

相場が下落……つみたてNISAの解約は検討するべき?

(写真=Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com)

相場の下落は一時的なことが多かった

「つみたてNISAが評価損になっている…」となると、ついつい解約を検討してしまいますよね。しかし、これまで株式市場の下落は一時的なことが多く、長期的にみると右肩上がりに上昇してきました。

全世界株式の指数(MSCI ACWIインデックス)は2004年10月から10年間で約3倍になっています。2008年はリーマンショックで約40%の大きな下落を見せましたが、その後順調に上昇しました。2018年も約9%下落しましたが、2019年は10月末時点で約20%上昇しています。

「下落=売り」という戦略はこれまで失敗だったといえるでしょう。

積み立て投資では下落時も買っていくことに意味がある

「時間の分散」は、価格が安いときに買うことにこそ意味があります。相場の下落が一時的なものなら、安いときに投資できることは決して悪いことではありません。

評価損の状態になると不安になる気持ちはよくわかりますが、長期の積み立て投資であるつみたてNISAでは、一時的な下落に動揺し売却してしまわない方がよいでしょう。

積み立てが難しくなったら減額や停止も選択肢に

つみたてNISAは、金融機関の最低投資額さえ上回っていれば継続できます。投資信託の最低投資額を100円としているネット証券なら月に100円まで投資額を減らすことができます。

積み立てを一時的に停止することも可能です。「急に資金が必要になった…」のなら仕方ありませんが、せっかく積み立てた投資信託を解約する前に、まずは投資額の減額や停止を検討してみましょう。

つみたてNISAはできるだけ継続するのが吉

つみたてNISAは自由に途中解約できますが、非課税の恩恵を最大限利用できなくなってしまいます。また、時間の分散や複利効果が弱くなってしまう点もデメリットです。途中解約は慎重に考え、できるだけ継続していくことをおすすめします。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

>>コロナ禍で変化はあった?「お金」「資産運用」に関する読者アンケート実施中(所要時間1~2分程度)

【こちらの記事もおすすめ】
つみたてNISAにおすすめの口座ベスト3
FP直伝!つみたてNISAの選び方3つのポイント
つみたてNISAの商品はどう選ぶ?FP厳選おすすめ商品3つ
つみたてNISAで投資初心者におすすめの証券会社はどこ?5社
NISAとiDeCoはどちらがお得?特徴や違いをFPが解説