社会人生活がスタートし、一人暮らしをはじめたい人も多いのではないでしょうか。まだそこまで多くない収入の中でやりくりするために、生活費の中で大きなウェイトを占める「家賃」についてはしっかりと考えておきたいもの。この記事では新生活を始める社会人1年目の人に向けて、家賃相場や部屋選びのコツ・注意点などを紹介します。
社会人1年目の家賃相場と考え方
厚生労働省が公表している「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、大学・大学院卒の場合の賃金は20~24歳で約22万7,000円、高卒の場合は同年代で約19万4,000円でした。
一方、総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると2018年の借家の1ヵ月平均家賃は約5万5,675円です。一般的に「家賃は給料の3割」が目安と言われているので数字としてそこまでズレはないようです。
ただし家賃はどこに住むかによって大きく左右されるでしょう。公益社団法人・不動産流通推進センターの「2020不動産業統計集(3月期改訂)」によると、2019年9月における東京圏のワンルームの家賃相場は約7万3,446円です。一方、地方では平均家賃(約5万5,675円)より大幅に下回っている物件も珍しくありません。
社会人1年目の毎月の生活費はいくら?
社会人1年目の生活費を考えるうえで参考になるのが、総務省が公表している「家計調査」です。そこで今回は「2019年家計調査」の中で、一人暮らしの社会人1年目に一番近い「34歳以下の単身世帯」のデータを確認してみましょう。
34歳以下の単身世帯、1ヵ月あたりの主な消費支出内訳
家計調査の場合、上記のように家賃が3万3,458円となっています。
しかしこれは持ち家や実家住まい(親と同居しているが世帯を分けている)などが含まれているため、先ほどの数字よりも低くなっている可能性が高いでしょう。そこで先述した1ヵ月の平均家賃を5万5,675円に設定すると、各支出項目の構成比は以下のようになります。
34歳以下の単身世帯、1ヵ月あたりの消費支出構成比(家賃調整後)
大学・大学院卒の賃金は約22万7,000円と出ていましたから、およそ3万円程度を貯蓄に回すことができ、社会人1年目一人暮らしの実態に近づいたのではないでしょうか。
ここから、各項目の構成比率を一つの基準として自分の生活費のシミュレーションをしてみましょう。例えば1ヵ月の給与の
- 手取り額が15万円なら住居費は約4万3,500円
- 手取り額が20万円なら住居費は約5万8,000円 といった具合です。
家賃を少しでも安くするためには?
具体的な数字は見えたものの、東京圏のワンルームの家賃相場(約7万3,446円)よりは、やや下回ります。それではどのようにすれば家賃を低く抑えられるのでしょうか。ここでは家賃額を抑えるためのポイントを考えてみます。
家賃を抑えるには「譲れない条件」を絞る
一般的に、家賃は「駅からの距離や周辺環境」「建物設備」「間取り」「築年数」などの条件によって決まると言われています。当然、条件がいいところは家賃も高くなる傾向です。
そのため家賃を低く抑えたい場合は、あれもこれもと欲張るのではなく「これだけは譲れない!」という条件を絞ることがポイントになるでしょう。
部屋探しの過程でいろいろな物件を見ていると条件のいい部屋につい目移りしがちです。その結果「気づいたら予算オーバーの契約をしていた」ということにもなりかねません。
実際に物件を探す前に「駅から5分以内」「南向き」「2階以上」など自分の譲れない条件を確認しておくようにしましょう。