かつて川越市、栃木市と並んで関東三大小江戸に数えられた「佐原市(現・香取市)」。街を流れる小野川にはゆらゆらサッパ舟が浮かび、川沿いには江戸風情を感じる建物が軒を連ねます。水郷の町・佐原のおすすめ観光スポットをご紹介します。
佐原(さわら)ってどんな町?
千葉北東部の香取市にある町、佐原。日本を歩いてまわり日本地図を完成させた、あの伊能忠敬が住んでいた町です。現在も彼が30年ほどを過ごした母屋などが伊能忠敬旧宅として残っています。
町に流れる小野川では、時折サッパ舟がゆらゆらと運行。そして小野川沿いには江戸時代の面影を残す町並みが今なお健在。”水郷の町”とも”小江戸”とも呼ばれる佐原は、風情のある町並みが観光地として人気を集めています。
佐原への行き方
JR成田線「佐原駅」が最寄り駅です。
JR「東京駅」からJR「千葉駅」まで総武線快速で約40分、JR「千葉駅」からJR「佐原駅」まで成田線で約1時間10分になります。
佐原のおすすめ観光スポット
1. 水郷佐原あやめパーク
水郷の町、佐原を代表する観光スポット。約8万平方メートルの園内には400品種150万本の
花菖蒲と300種類以上のハスが咲き誇り、5月下旬から6月にかけては「あやめ祭り」、7月から8月にかけては「ハス祭り」が開催されます。
あやめ祭り期間中は園内の水路を周遊するサッパ舟にも乗ることができます。 また園内の船乗り場からは名勝十二橋めぐりの船が就航しています。入園料は時期により異なり、あやめ祭り期間中で大人800円。
2. 佐原の歴史的町並み
佐原といえば、なんと言っても江戸時代の風情が残る町並みです。小野川沿いや香取街道沿いには江戸時代から明治にかけて建てられた古い町屋などが残り、それを生かした町づくりを行っています。1996年(平成8年)には関東地方ではじめて、重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
3. 伊能忠敬旧宅
小野川にかかる樋橋(通称、じゃあじゃあ橋)のすぐそばに「伊能忠敬旧宅」があります。ちなみに樋橋は、30分ごとに橋から川へ水を落水させる観光用につくられた橋。この水が落ちる音は「残したい日本の音風景100選」にも選定されています。
さて伊能忠敬旧宅は、忠敬が伊能家に婿入りしてから30年余りを過ごした家。商家造りの瓦葺き平屋建で、表には醸造業の店舗、そして奥には母屋が残っています。母屋は忠敬が48歳のときに自ら設計したのだそう。無料で開放しており、年末年始を除き9時から16時30分まで見学可能。
4. 伊能忠敬記念館
伊能忠敬旧宅から樋橋を渡って川の向こう側にあるのが「伊能忠敬記念館」です。50歳を過ぎてから日本を測量して歩き地図を作った、伊能忠敬の人生を年代順に追い、測量の行程や伊能図を紹介しています。入館料は大人500円、月曜日は休館です。
5. 佐原三菱館(佐原街並み交流館)
伊能忠敬旧宅からも近い場所にある、1914年(大正3年)に建てられたレンガ造の旧三菱銀行の建物です。改築により取り壊しが決定していましたが、地元の有志が取り壊しに反対し保存を訴え、結果、市に寄贈されました。内部は吹き抜けになっており2階周囲に回廊があります。観光施設「佐原街並み交流館」が併設されており、ちょっとした休憩や佐原観光の情報を集めるのに役立ちます。
6. 小江戸さわら舟めぐり
小野川をサッパ舟にゆっくりのんびり揺られながらの、約30分の船旅。舟の上から眺める町はまた違った風情を楽しめ、舟をこぐ地元の方からは佐原の話を聞くことができます。舟乗り場は伊能忠敬旧宅の前、大人1,300円です。