――世代間のギャップを受け入れるために親ができることは何ですか?

アミアさん:勉強はもちろんしていくけれど、最終的には、子ども世代の若者との意見は一致しなくてもいい。こう考えるのに時間はかかりましたが、自分をもう責めていないのでその分気がラクになりました。どの時代にも若者の言葉、行動、パワーが世代間で議論されますが、しばらく放っておくと落ち着く。私はたまたま今回は「若者」の世代ではないのでギャップを大きく感じているのかもしれません。

ジェンダー・セクシュアルマイノリティの子をもつ親の会に参加して、自分が抱いていた感情は決しておかしいことではないし、わからなくて当たり前だと言ってもらえました。一時期、ノンバイナリーについて話したくないし、本も読みたくないし、ずっと寝込んでいたことがありましたが、結局は話す人がいることで救われたと思います。親にも理解や共感を示してくれる人が必要なのです。

◆アライになるためにできること

アミア・ミラーさん
――アライになるためにできることは何でしょうか?

アミアさん:まず最初に、SNS上で助けを求めている人とつながることです。ここでいう「つながる」というのは、その人に直接会う必要はなく、電話やメッセージで話を聞くなど、自分にできる範囲で支えてあげることです。

同じ経験をしている人でなければ、相手のことを理解するのは難しいですが、寄り添うことはできます。私自身、「悩んでいいんだよ」とか「泣いてもいいんだよ」と言ってもらえるだけで助けられました。

なので、同じ経験をしていなくてもどこかで悩んでいる人がいたら話を聞いてあげてください。そして、悩んでいる人は、寄り添って話を聞いてくれる人が見つかるまで、諦めないでください。

――実際にアミアさんが行動に移してやっていたことはありますか?

アミアさん:とあるママさんコミュニティのなかで、「◯◯がほしいです」という若者たちの要望に応える活動をしていました。この◯◯というのは、ものではなく気持ちです。スーパーなどで買えるようなちょっとしたお菓子に「あなたのことを想っています」といったメッセージを添えて送っていました。なかには、「電話相手がほしい」「今つらいから、今日起きた出来事を話したい」という人もいます。