ジムの運営などをおこなうUltimate Lifeは、直営の24時間ジム「GronG GYM(グロングジム)24 御坊店」のスタッフを、未来アシストが運営する「放課後等デイサービス リハテラスひだか」に派遣し、運動の指導をおこなっている。

対象は運動発達に課題を抱える子供で、同事業は障害への認知拡大および支援の普及を目指し、2024年7月より開始した。

支援の普及が急務となっている子どもの運動発達の問題

発達障害は、身体的な不器用さを伴うことがある。身体の操作には、感覚器官から得られる情報を処理して筋肉を制御すること、つまり感覚統合が必要だ。

発達障害を持つ子供の一部は感覚統合ができず、全身の運動や姿勢の保持、細かい作業が苦手。こうした子供は運動への苦手意識から身体活動を避けがちで、筋力が低い傾向がある。

また、姿勢の保持や細かい動きが苦手なことは勉学にも支障をきたす。さらに、日常生活での失敗の経験から自信をなくしてしまうなど、情緒面の影響もみられる。

運動発達に課題を抱える子供は、決して少なくない。運動発達の問題が特に顕著な場合は発達性協調運動障害(DCD)と診断されることがある。

厚生労働省の「DCD支援マニュアル」によれば、DCDは子供の5~6%に見られ、ADHDやASDとの併発も多い。以上のように、運動発達の問題は多くの人に深刻な影響を与えている一方、問題の認知度が低く、支援・療育の普及が急務だ。

GronG GYMのスタッフが子どもたちに運動指導


リハテラスひだかでは、発達障害などで受給者証を持つ子供を対象に療育をおこなっている。利用者は個人や集団でおこなう運動・遊びを通して、身体の操作を学ぶとともに社会性を身につける。

未来アシストが重視しているのは、利用者が自立した社会生活を送れるように、自己肯定感を高めてチャレンジ精神を育むことだ。背景には、「障害に負けずに挑戦できる子供になってほしい」という未来アシスト代表取締役の楠本氏の想いがある。