日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入しなければなりません。学生であっても20歳以上であれば、国民年金への加入は義務です。

しかし学生の場合、本人の所得が128万円以下であれば在学中の年金支払いが猶予される特例制度があります。

一般的に学生は所得が低い傾向があるため、多くの学生は申請すれば学生納付特例制度が利用できるでしょう。ただし学生納付特例制度を利用すると、将来の年金額が減る可能性があるため注意が必要です。

■年金額いくら減る?

老齢基礎年金の年金額は以下のように計算します。(令和5年4月分)

老齢基礎年金=79万5,000円×(納付月数÷480ヶ月)

つまり20歳から60歳の間すべて国民年金を払い続けた場合、将来受け取れる老齢基礎年金は79万5,000円×(480ヶ月÷480ヶ月)=79万5,000円です。

学生納付特例制度を受けると、20歳から22歳までの3年間、すなわち36ヶ月間分の年金支払い猶予が受けられます。すると、その分が受け取れる年金額に反映されないことから、将来受け取れる老齢基礎年金は79万5,000円×(444ヶ月÷480ヶ月)=73万5,375円に減少します。

したがって学生納付特例制度を利用すると、将来の老齢基礎年金額が毎年約6万円減少する計算です。

■追納金はできるの?

学生納付特例制度で猶予された国民年金は、後で納付することができます。