「お金持ち」に対するイメージは人によってかなり異なるだろう。婚活中の女性に「将来結婚したいのはどんな人?」と尋ねると「年収1,000万円以上稼ぐお金持ちがいい」と返ってくるかもしれないし、若者に「どんな人がお金持ちと思うか?」と聞けば「港区のタワマンに住んでいる人」「高級車に乗っている人」という回答が返ってくるかもしれない。
しかし、こうしたお金持ちに対するイメージは誤っているケースもあるだろう。「本当にたくさんお金を持っていなければ保有できないもの」を持っている人たちこそ、真のお金持ちであると言える。「本当のお金持ち」と「エセ金持ち」の違いは何だろうか。
年収1000万はお金持ちではない理由
年収1,000万円世帯は、統計上全世帯で約1割という。世間一般から見れば、かなり高額な収入であることは間違いない。だが1000万円の収入では、都心のタワーマンションに住み、ハイブランドで身を固め、子供は私立に通わせる、という贅沢三昧が出来るものではない。
また、会社員でこの収入を得ている人たちはエグゼクティブの地位であることが多く、それ故に不安定な立場にいる人もいる。毎年成果を査定され、成果を出さなければクビや降格を言い渡される可能性もある。潤沢な資産があれば別だが、いつクビになるのか分からない状況では贅沢三昧など出来るわけもない。
エセ金持ちの持ち物に騙されるな
今回は、エセ金持ちを「自分をお金持ちに見せようとしているが、実際に家計は火の車」と定義してみよう。
高級車に乗っているのに、昼食はワンコインチェーン店で済ませ、家は普通のマンションという滑稽な姿を見ることがある。高級車と言えども、型落ちモデルであれば数百万円くらいで買える。また、レンタカーの一般的なナンバープレートである「わナンバー」から車の未所有がバレないよう、最近は「高級車の共同シェア」というサービスもある。ブランドバッグも簡単にレンタルできる時代だ。
港区のタワーマンションも階層で値段が全然違うので、低層階であれば庶民でも手が届く物件もある。エセ金持ちは一点豪華主義で自分を飾ることがあるが、世間的に「富裕層が持つもの」も、やり方によっては安価で手に入れることが出来るので、それだけでは判断が出来ない。
クレジットカードを見ても、隠れ金持ちを見抜くことは難しいかもしれない。ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットはアメリカン・エキスプレスの一般カードを使っていると言うし、日本の富裕層でも「楽天でよく買い物をするし、高級カードは年会費がムダ」と楽天カードを使っているケースもある。
本当のお金持ちしか持ってないものとは?
では、本当のお金持ちしか持っていないものとは何だろうか。
その一つの答えが「投資」だ。真のお金持ちは余計なものは買わないが、新たにお金を生み出す資産は積極的に買う。また、「税金に詳しい」ことも共通項だろう。税負担が重い日本において、税金対策は富裕層の関心が非常に高い。反対に一般の会社員は、タックスマネジメントを行う余地は小さい。従って、税金についてあまり知識がない人がほとんどだ。
SNSを確認してみるという方法もある。友達が数千人を超えており「本当に全員と連絡を取り合っているんだろうか?」と思う人を見かけることがある。だが、真のお金持ちはあまりSNSに時間をかけない。また、登録されている友達も社会的地位も高い傾向にある。よく「頻繁に連絡を取る友人5人の平均年収が自分の年収」というが、お金持ちはお金持ち同士で付き合うので、SNSでもその原則が発揮されるわけだ。
見た目には華やかに着飾っている人がいたら、資産の多くを金融商品や不動産に投じ、税金にも詳しく、友達もハイクラスばかりかどうか、確認してみると良いだろう。本当のお金持ちか、エセお金持ちかどうかを見極めるときの参考にしてもらいたい。
文・黒坂岳央(高級フルーツギフトショップ「水菓子肥後庵」代表)/ZUU online
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