瞑想にもいろいろな種類や手法がありますが、その中でも上級者向け(?)の瞑想として噂されることが多い「ヴィパッサナー瞑想」について聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

ここではヴィパッサナー瞑想の実践方法や効果、他の瞑想法との違いについてご紹介しましょう。

ヴィパッサナー瞑想とは?

『yoganess』より引用
(画像=『yogoaness』より引用)

ヴィパッサナー瞑想とは、インドにおける最も古い瞑想法の一つとされ、あのブッダもヴィパッサナー瞑想で心の汚れを完全に落として悟りを開き、その経験や手法が後に僧侶たちによって広められたという説が主流です。

つまりブッダの時代から語り継がれている歴史の長い瞑想法だと考えられています。

ブッダはさまざまな瞑想や修行を行っていますが、なぜヴィパッサナー瞑想で悟りが開けたとされるのか。

答えはヴィパッサナーという言葉にヒントがあります。

「ヴィパッサナー」とは「あるがままにみる」という意味で、この瞑想を通して「自己観察する」「自分自身をあるがままに見て内観する」というのが最大の特徴です。

そのため英語では「インサイトメディテーション」と訳されています。

また、この瞑想方法を少しカジュアルにしたものが、今流行りの「マインドフルネス」と理解して良いでしょう。

日本語では、自己観察や内観することで「今の自分」「今ここの状態」に気がつくことができるので「気づきの瞑想」とも言われます。

この「気づく」ということがヴィパッサナーの重要な点です。

私たちの頭は、常に「思考」によってさまざまな「考え」を思い巡らせています。

何かを感じるとそれを「気づき」とはせず、絶え間なく「思考」に結びつけてしまうのです。

例えば、「暑い」と気づいた。

それはその瞬間「暑い」という事実を感じた自分がそこにいるだけ、という話ですが、そこから「熱中症を防ぐためにお水を飲まなきゃ」「エアコン代が今年は高くつきそうだ」「先週具合が悪かったのはこの急な暑さのせいかも」など色々な思考と結びつけてしまうのです。

それによって意識は未来を憂いたり、過去を悔やんだり、と彷徨います。

これが私たちの不幸の始まりとされます。

思考を入れず「ただ今を見る」ことができれば、そこにはいかなる問題も本来存在しません。

問題が存在しないので、心は安定し、不安や不満がない状態で生きられる。

これがヴィパッサナー瞑想の考え方なのです。

そして、これを極めていくことが悟りへの道ということなのです。

ヴィパッサナー瞑想によってしたいことは、一切の思考を止めて今の瞬間だけを見ること。

そのために重要なテクニックが「ラベリング」や「実況中継」と呼ばれるものです。

この「ラベリング」や「実況中継」を伴うヴィパッサナー瞑想は、自分一人でも自宅で練習することができますが、慣れるまでは最低1日10分でも良いので数ヶ月継続して行わないと、なかなか習得には至りません。

ここでは座って行うヴィパッサナー瞑想のやり方についてご紹介します。