女性なら誰しも感じる「おりもの」の悩み。生理周期によって変化するのが当たり前なので、おりものの変化を感じても、婦人科に行くべきなのか悩んでしまいますよね。


そもそも「おりもの」とは、膣(ちつ)に存在する分泌物(ぶんぴつぶつ)。膣には自浄作用があり、常に酸性に保たれることで、雑菌の繁殖を防いでいます。健康な状態のおりものはヨーグルトのような酸っぱいにおいがあります。
おりものの異常というと、性感染症が真っ先に疑われることもありますが、そうとは限りません。過労や風邪などで菌に対する抵抗力が低下すると、もともと存在している雑菌が増え、おりものに変化が見られることがあります。
◆性交渉がなくても現れる異常
以下のような症状は一般的には自然と元に戻っていきますが、数日以上続き、においやかゆみが気になるようであれば婦人科を受診しましょう。
●カッテージチーズのようなおりもの→カンジダ膣炎・外陰炎の疑い
カンジダ菌は常在菌ですが、疲労の蓄積や、抗生物質を服用しているとカンジダが増え、症状が出ることがあります。

子宮や子宮頸部の異常、ホルモンバランスの乱れが主な原因。ただし、排卵期出血といって、排卵期、エストロゲンが一時的に減ると出血するケースもあります。
●黄色や緑色のおりもの→細菌性膣炎の疑い
体の抵抗力が低下し、大腸菌やブドウ球菌のような一般的な細菌が繁殖して起こる膣炎のこと。一般的には自然と元に戻っていきますが、数日以上続く場合は、婦人科で膣を洗浄し、膣錠で炎症を抑えます。
◆デリケートゾーンを洗うときは専用の石けんを使うべき?

膣内は弱酸性に保たれていて、雑菌を寄せつけないようになっています。性交渉を持った後は一時的に膣に雑菌が残ることもありますが、自浄作用があるのでノーケアで大丈夫です。
凸凹や溝がある外陰部は汚れがたまりやすい場所なので、指で優しくなでるようにして洗いましょう。専用のケア用品などもありますが、指でなでるように洗うだけで十分です。

医学博士・産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。ヨガ指導者。イーク表参道・副院長として婦人外来に携わる傍ら、スポーツ庁国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトのメンバーとして女性アスリートをサポートし、ヨガのイベントや指導を行うなど、活動は多岐にわたる。著書に『生理周期に合わせてやせる! 超効率的フェムテックダイエット』(池田書店)、『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社刊)など多数。
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。twitter:@joshispa、Instagram:@joshispa